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2005.01.23

■「国に命令」

 部下が一人もいないので、私は誰にも何も命令することができない。たぶんそれが一生続くと思うと、なんだか情けないような、ほっとするような、複雑な気持ちになる。
 私が何か命令できるとすれば、それは息子に対してだけだ。その「権利」を行使することはそれほど多くないが、行使できるのもあと2〜3年続けばいい方である。

 裁判官は国に命令できる!。日本中で国に命令ができるのは、おそらく裁判官だけだ。国会議員や大臣は言うに及ばず、総理大臣ですら、厳密な意味で「国に命令」することはできないだろう。

 各裁判官におかれては、ぜひ「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」(日本国憲法第76条)ということを今一度確認し、最高度に保証されたその特権を行使してほしい。

 なにしろ裁判官は、
・公の弾劾によらなければ罷免されないし、
・行政機関が裁判官の懲戒処分を行うこともできないし、
・在任中減額することができない報酬も保証されている。
 いずれも、憲法に直接はっきりと書いてあるのだ。

 これほど手厚い保護を受けているのだから、「ヒラメ裁判官」(出世を気にして上の顔色ばかり見ている裁判官)にならないことも、原理的には可能なはずである(いや、実際には難しいことは私にもわかりますが・・・)。

 地裁が棄却した韓国人元徴用工の国などに対する賠償請求を、広島高裁が一部認めた(2005.1.19)。あらゆる点において不十分ながら、「在外被爆者対策をめぐり国に賠償命令が出るのは初めて」(Nikkei Net)という点においては、画期的といえるだろう。

 だが、こんな判決が書けるのは、もしかしたら裁判官が定年間近で、これ以上の出世を諦めているからなのかな?と邪推してしまう(実際には、見識の高い立派な裁判官なのだろう)。
 より権力の中枢に近いはずの高裁の判断が画期的で、地裁の判決がどうしようもなく権力にベッタリという例があまりにも多いように感じるからだ。地裁の判事(補)たちは、これから出世しなければならないから、国や上司の顔色ばかり見ているとは思いたくないのだが。

 最高裁長官が「ヒラメ裁判官はいらない」と訓示(2004.10.18)を垂れなくてもいいように、裁判官諸氏におかれては、文字通り「良心に従ひ独立してその職権を行」ってほしい。

 なにしろ、国から私にまで、誰にでも命令を出せるのはあなた方だけなんだから。

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