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2007.09.15

■曇りのない眼

 息子が「これ、どこがおもしろいん?」といって、新聞に載っている笑い話を持ってくる。

 オチは一目瞭然、妻である筆者が買い物に行かず、夫が行くのが日常だという「非常識」である。

 これがわからないとはどういうことか、最初はわからなかった。やっぱりアホだからかな?

 幸い、そうではなさそうだった。息子には「買い物に行くのは母親の役割だ」という「常識」がないのである(やっぱりアホですか?)。

 最近はそんな家庭も増えただろうが、うちの家族はちょっとヘンだ。掃除機を使うのは、99%、夫である私である。別に契約したわけではなく、何となくそうなってきた。
 一度、腰を痛めて掃除ができなかったとき、あんまり部屋が汚くなってきたので、妻に「悪いけど掃除してくれへん?」と頼んだことがある。

 もちろん?気持ちよく掃除にかかろうとしてくれたのだが、第一声は何と、

 「これ、スイッチどこ?」

であった。掃除機購入からその時まで、手を触れたことすらなかったのである。

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 息子に、「買い物にはふつう、だれが行くと思ってるん?」と聞くと、「家族3人で」という答。
 確かに、買い物は95%ぐらい、家族3人で出かける。息子にとってはそれ以外の買い物は例外的な出来事である。そして、その例外にしても、一人で行くときは私だけということが多い。いわゆる「お使い」である。
 そういう家庭に育ってそれが常識だと思うと、冒頭の笑い話のオチはわからない。

 笑い話に限らず、学校で教えてくれることや日常生活の知識を積み重ねていく上で、どうやって身についたのかよくわからない「常識」が前提となることがよくある。
 われわれ大人はふつう、自分は「常識」とは違う行動を取っていても、世間で常識とされているのは何かということを、だいたいは身につけている。

 子どもはそうではない。もしかすると、息子の曇りなき眼から形成された常識は、「掃除はお父さんの仕事、料理はお母さんの仕事、皿洗いは両方の仕事、買い物は家族全員で」なのかもしれない。

 世間というものを知らないのだから、当然といえば当然である。だが、もうすぐ義務教育も終わるのだ。こんなことで社会に出られるのだろうか(とりあえず出ないはずだけど)。

 それにしても、友達とかと話をして形成される「常識」はないのだろうか。友達が少ないからか、ゲームの話ばかりしているからか、それともやっぱりアホだからかな・・・

 ___

 もちろん、息子の目に曇りがないのではない。自分の生まれ育った家庭を基準とするという、非常に歪んだ別の曇りがあるのだ。

 それでも、いつも「常識」という曇りガラスを通してものごとを見ることに慣れてしまっていると、違う曇り方を提示されるだけでも目を見開かれる思いがする。

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コメント

知識とか感性とか、ものの考え方は環境によって育まれるだろうと、想像できます。

親が神棚や仏壇を毎朝毎夕大事にしていたら、神仏というものを少しは身近に感じる大人になるでしょう。(将来反発があっても、です)

昔の話ですが、嫁はんは賢いのにせなあかん、子供は大抵母親と一番長時間つきあうから、と。(実はもっと露骨にいわれました。子供の知能や出来は、ほとんど母親から、とね)

男親なんて、そちらさんはしょっちょう在宅でしょうが(笑)、普通は、子供の幼少時なんて、客人のようですよ。日曜の朝だけ、家でうろうろするのが父親でしょうね。

すべての常識知識感性の源は母親か乳母か祖母でしょうな。だから女子教育を真剣に考える必要があるんどす(エッヘン)

今回の記事、おもしろかったです。

投稿: Mu | 2007.09.16 18:06

昔々の家庭科のテストに、洗濯物を取り込むのは何時が正しいかと言うのがあったとか。答えは、確か「2時」でした。アイロンがけがその続きで、それから買い物に行って、夕食は、たぶん5時か6時ですね(笑)。

投稿: winter-cosmos | 2007.09.16 19:35

 いえ、毎日忙しく働いております ^^;
 息子の常識知識知性感性の源としてもがんばっております。
 その上、昨日は掃除と洗濯、今日も洗濯の取り入れと片付けに活躍しました。

 取り入れが午後2時、いいですねぇ。さすが正解。
 うちは普通は日が暮れてから。往々にして午後11時とかになります。今日は日没ごろに取り入れて、蚊に悩まされました。

投稿: Wind Calm | 2007.09.20 21:10

お久しぶりです。
私も国内でいろいろな国の人が集まる会などに出席すると,しばしば「日本語が大変お上手ですね」と声をかけられたりします(笑)。なんでやねん。そういうときは「いや,ウン十年も日本語喋ってて,下手って言われなくてよかったです。」とニッコリ返答することにしてます(相手がアワアワなるのは必定・・・笑)。

という冗談はおいといて~,
私も以前,仕事帰りにスーパー買い物をしてたのを仕事関係の若い連中に目撃され,「スーツ姿でネギとか大根とか買ってて恥ずかしくありませんか?」と真顔で質問されたのには仰天しました。まだ20代の彼らがそんな前時代的な超保守的な偏見を持ってるなんて~。(@_@)誰やそんなん言わせたんは,親の顔が見たいわ!と思ってしまいました。

Windcalmさんのご子息は極めて正常な「曇りのない眼」を持っておられるようで大変立派です。すばらし~。願わくばすべからく若い世代がそのような曇りのない眼を持たんことを。

投稿: ぽた郎 | 2007.09.30 12:45

 初めてお目にかかったとき、ウェブサイトや「ぽた郎」というお名前から想像される風貌とのあまりのギャップに驚きました。なるほど、ぽた郎さんも間違えられるわけですね・・・
 十代二十代の保守化は社会学の分野ではかなり話題になってるようですね。女子大生なんかにも、「働くのなんてイヤ、お嫁に行きたい」という学生が増えているそうです。それに対応してシングルインカムでしっかり生活できる仕事が男にあればまだいいのですが、もはやそういう時代ではなくなっているのが問題を大きくしているようです。
 ※なんだか出張のときだけ日記、楽しく拝見しております。忙しそうですが羨ましい。

投稿: Wind Calm | 2007.09.30 20:09

>十代二十代の保守化

「自分の妻は床の間に飾っておきたい」と言うような男子学生はいないのでしょうか?(^^

投稿: winter-cosmos | 2007.10.02 06:51

 あくまで個人的には、
 飾っておいたはずの美しい妻が、なぜか自分の知らない間に家事一切を片付けている・・・
 というのが理想です。

投稿: Wind Calm | 2007.10.03 23:40

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