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2008.03.02

●極悪双眼鏡

 絶対に買ってはいけない双眼鏡がある。

 だが、もしかすると、日本で一番売れている双眼鏡はそれなのではないかという危惧を抱き始めた。

 双眼鏡の宣伝など、テレビでもラジオでも新聞でも(ネットですら!)ほとんどないのに、その双眼鏡だけが新聞で盛んに宣伝・通販されているからだ。

 おそらくは皆さんも一度はご覧になったことがあるのではないか。20倍〜100倍ズームとかいうアレである。

 理由は詳しい方に譲るとして、ここでは、そんなものを買うのは文字通りお金を捨てるようなものだということだけ了解していただければよい。
 いや、溝に捨てた方が、悪い奴を儲けさせないだけまだマシかもしれないとすら思う。

 ときどき、初めて鳥見に来た方などがその双眼鏡をお持ちになっていて、何とも言えずお気の毒で声をかけられないことがある。
 せっかく買って持ってきた双眼鏡が、まったく役に立たないシロモノであるなどと、誰が正直に伝えることができようか。
 だが、事実として役に立たない。つまり、鳥は見えない。そして、バードウォッチング自体がつまらないものとなってしまう可能性が非常に高い。それは極悪双眼鏡のせいであるのだが、それをお教えすることはできない・・・

 こういう時に「自己責任」などと言うのは、自分の無責任を言い逃れる政府のようなものだ。双眼鏡なんてふつうの人にとっては身近なものじゃないんだから、あたかも素晴らしい製品であるかのように騙して売っている方が悪いのである。

 最近では、「手振れを防止する三脚付属」とか「8倍スケルトン双眼鏡をプレゼント」とか、良心のカケラのようなものが同梱されてくるようだが(前者は、事実上使えない双眼鏡を「三脚を使えば使い物にならないわけではない」と強弁するため。後者は、少なくともちょっとは使い物になる双眼鏡をつけることで、買い物全体がまったくの無駄にはならなかったと購入者を納得させるため)、これは決して良心のカケラなんかではなく、怒濤のクレームから言い逃れるために編み出した苦肉の策であると推察される。

 要は、より悪質で巧妙になったということだ。

 かつてここに「◆双眼鏡は8倍以下を」というエントリを書いたことがある。なのに今日またこの話題を記すのは、いつもとは違う体験をしたからだ。

 しばしば鳥見行でご一緒する仲間から「わし、あれ、こうたろか、おもとりまんねん」(私、あれを買ってみようかと思ってるんですよ)と言われたのである。

 もちろん全力で止めた。

 他人に対してはいつも曖昧で婉曲な表現しか使わない私が、「絶対買ってはいけませんよ」とか「お金を捨てるようなものですから」とか、もちろんにこやかにではあるが、力説したのだ。
 もしかしたらびっくりなさったのではないかと、ちょっと反省している。

 バードウォッチャーでさえ騙す広告力には舌を巻くとともに、あの双眼鏡が日本中に予想以上の広がりを見せているかもしれないことに思い当たって、冒頭の記述になったのである。

 双眼鏡は楽しい。少なくとも一家に一台は必須であると思う。何を見るにしても。

 だが、購入なさる際には少なくとも

・固定倍率(ズームはダメ)
・8倍以下(10倍までは許容)
・一流光学メーカ(双眼鏡に関しては、ケンコーやナシカは含まれません)

の3条件は外さないでほしい。後はデザインとか軽さとか価格とかで選んでも、どうしようもない失敗というのはしないで済むと思う。
(あ、眼鏡をかけたまま覗く方はアイレリーフの長いもの(ハイアイポイント)であることも重要です)

 追記:「●買って後悔しない双眼鏡」(2013年3月31日)というエントリを作りました。あわせてお読みくだされば幸いです。

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