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2008.06.14

◆ヘリコプターの活用

 岩手・宮城県境あたりを内陸型の地震が襲った。

 ニュースを見ていてもどかしいのは、「上空からではどういう状況かわかりません」というヘリコプターからのリポートである。

 発生から時間も浅く、誰も救助に入っていないのは「上空から」でも明らかにわかる。であれば、そこに救助を必要としている人がいるのかどうかというのは非常に重要な情報だ。

 見ている範囲でも、降りてみればいろいろわかるだろうと思われる映像がかなりあった。陸路では無理でも、ヘリなら行ける場所はいくらでもある。
 状況を調べてしかるべきところに報告してもいいし、今回に限って言えば、被災者の移送なども担えたかもしれない。

 阪神淡路大震災のような、都市を破壊する直下型の地震では、ヘリが降りて活躍する余地はあまりない。
 むしろ、瓦礫に埋まった被災者の声をかき消す騒音として、非常に忌み嫌われたのが記憶に新しい。

 だが、今回のような地震では、降りられるところはいくらでもあり、報道にせよ人命救助にせよ、降りればもっと役に立つのではと思われる。

 おそらくは、報道機関もそうしたいのではないだろうか。だからたぶん、航空法が壁となって降りられないのだと思われる。

 「航空機《中略》は、陸上にあつては飛行場以外の場所において《中略》離陸し、又は着陸してはならない」(航空法第79条)のだ。

 この「航空機」にはもちろんヘリも含まれる。

 今日のような非常事態の時は、こういう条文の杓子定規な運用を見直すべきではないだろうか。
 幸いなことに、法改正するまでもなく、この後には、

 「但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない」と続くのだ。

 また、

 「前3条の規定は、国土交通省令で定める航空機が航空機の事故、海難その他の事故に際し捜索又は救助のために行なう航行については、適用しない」(第81条の2)という条文もある。

 どの条文のどの文言をどう使えばいいのかはわからないが、とにかく、今日の正午あたりにでも、一括して「離着陸していいよ」ということにしていれば、民間のヘリが情報収集や被災者救助にもっと役だったのではないかと思う。

 もちろん、そんな前例は(たぶん)ないし、内閣の危機管理マニュアル?などにもそういう発想はないだろうから、今日は無理だっただろう。が、今後のことはぜひ考えてもらいたい。
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 一方で、一括許可が出たからと言って、無秩序に離着陸されても困る。それに、現在でも、航空法に従う限り飛ぶのは自由なので、民間ヘリは傍若無人に被災地の上を飛び回っている。

 非常事態なんだから、ヘリの活用をもっと包括的に考えられないだろうか。

 民間のヘリといえども、どこで何をしているのか広域災害対策本部が一元的に把握して、何か指示を受ければヘリはその指示に従う努力義務を負うとか何とか、いくらでも工夫はできそうである。
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 十年一日のごとく「上空からではどういう状況かわかりません」というレポートを聞かされても、私たちには何にもできない。

 だが、同じようにいつもあれを聞かされているはずの政治家や官僚たちが何も方策を考えないとすれば、怠慢に過ぎると思う。

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