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2008.12.07

★氷点下の日

 昨日より「きりり」の度合いは下回るものの、文句のつけようがない晴れ。

 祖母の法要と納骨のため、神戸に出かける。

 宝塚から六甲山に登って神戸に降りていった。
 今年は早めにスタッドレスに替えたし(年末にスキーに行く予定)、からっと晴れているから雪や氷の心配は必要ない。

 だが、六甲山頂から牧場のあたりまで、正午ごろだというのに外気温計は氷点を行き来していた。それでも、車を降りて1〜2分休憩したり景色を眺めたりするぐらいだと、涼しくてちょうどいい感じ。

 新神戸から北野のあたりを抜け、お寺へ。
 北野界隈にはかなりの人出があり、何ごとかと思ったのだが何でもない。おそらくは異人館めあての通常の観光客なのだろう。
 「異人館」なんて、ここ十数年とんと耳にしていないのだが、こんなに人が集まるほどの名所だったっけ?

 お寺で35日の法要の後、お墓へ出かけて納骨。

 生きている者の都合が優先され、49日ではなく35日、それをさらに日曜日へと前倒ししている。まあ、憂き世の定めであろう。

 お経を上げる前、挨拶の時に、僧侶が祖母の法名の読み方を間違っていた(そうも読めるので)のだが、誰も訂正しない。
 「うーん、どうしようか、私が言うのも何だし、大した問題でもないし・・・」などと思っているうちに読経が始まり、言うタイミングを逸してしまった。
 最初の方で法名と俗名を言うのだが、やはりさっきと同じ発音をしている。違う法名に向けて読経しても御利益?に変わりはないのだろうか。

 法要が終わると、納骨。

 京都の大文字焼きの「大」の字みたいに、神戸の市章が山腹に象られている、そのすぐ下、霊園の一番奥の方に墓があるという。
 ここに来るのは初めてである。墓園の入り口に車を駐め、かなり坂を登る。
 途中、他家の墓の水鉢がどれも凍っており、従妹の子どもたちが「やばいで」とか言いながらはしゃいでいる。

 目的の墓に着き、掃除をして花を供え、納骨して手を合わせる。ここに曾祖父母や高祖父母も入っているのだ。初めて知った。

 その後、ついでと言っては何だが、祖母の妹の嫁ぎ先へもお墓参り。

 行きは登りで体も幾分暖まったのだが、喪服の下に薄いベスト程度では、体が冷え切ってしまう。

 帰り道、母親が「裁判員に選ばれてもてん」と言う。
 身近にそんな人の存在を知るのは初めてである。しかし、よりによって母親とは・・・

 「どうやって断ろか、思てんねん」と言うから、70歳以上なので問答無用で断れることを教える。その後すぐ、「あれ!? もしかしてまだ70になってなかったっけ?」と、ちょっと焦る。
 幸い?70を少し越えているということだった。

 それにしてもせっかくの機会をもったいない。「なんやったら代わったろか」と言ったのだが、もとより不可能だ。
 珍しくも素晴らしい経験ができるのに、と思うのだが、ほんの露ほども、やりたい気持ちはないようである。
(後記:裁判員制度自体への賛否はここでは措く)

 祖母の形見の古いコインをもらって別れ、帰りも六甲山に登る。

 行きにも少しだけ車を駐めた鉢巻展望台に寄り、本来は法要前に食べるべく母親が作ってくれた巻き寿司(穴子・玉子・三つ葉・胡瓜)と、神戸の有名店のらしいコロッケを食べる。

 もう4時近い遅い昼飯。

 神戸や大阪の上は、汚れた空気が作る灰色の層で覆われている。だが、それは高度300mほどで尽き、そこから上には截然と区切られたスカイブルーの空が広がる。

 西から八尾空港に降りるとき、大和川への入り口として目安にしている南港発電所の煙突?も見える。

 「年賀状の写真はこれにしよかな」とか言い合っている楽しそうな家族連れや、ひとつのたこ焼きをふたりでつついている陽気なカップルなんかを横目に、こんな寒空の下、神戸や大阪の街を見下ろしながら、ひとり巻き寿司をほおばっている喪服姿の男を、人は何と見ただろう。

 車に戻って家路につく。
 聞くともなしにラジオのニュースを聞いていると、今日は二十四節気の1つ「大雪」だと言っている。外気温計はマイナス1℃。

 ともあれ、祖母も仏になった。生者であるわれわれは下界にいる。

 残された他の者たちのことはわからないけれど、私は相変わらず煩悩にまみれたままである。

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