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2011.10.30

◆奇っ怪な目覚まし時計

 昨夜、確かに、腕時計の時刻と目覚まし時計の時刻は一致していた。23時23分。覚えやすかったので時刻まで覚えている。
 7時45分に目覚ましをセットして就寝。

 夜中まで酒を飲んで中庭で騒いでいる連中の声がうるさい。よほど、窓を開けて、Be quiet, idiots ! とでも叫ぼうかと思った。

 ときおり肩の痛む、浅い眠り。2時46分にはトイレにも起きた。さすがにバカどもも眠ったようで、静かだ。

 明け方になると、奇妙な鳴き声。いろんな鳥がいるようなので、多分鳥なのだろうと思う。

 6時45分に電話で起こされる。今日はスロースタートのはずなので、仕事仲間からこんな時間にかかってくるとは思えない。いずれにせよ、ベッドから這い出して隣の部屋の電話に辿り着く前に切れてしまった。たぶん間違い電話だろう。

 もともと質の悪い眠りを中断されてしまったが、あと1時間眠らなくては・・・

 だが、眠れないでいるうちにまた電話がかかってきた。7時15分。今度は間に合うかと思ったが、ちょうど受話器を取ったころに切れてしまった。
 電話線のプラグを抜いて残り30分だけ寝ようとしたが、観念して起きることにする。遮光カーテンを通して入ってくる光ももう明るい。

 それにしても、電話はだれからなんだろう? また間違い電話か、それとも、何か緊急事態を告げる日本からの電話なのだろうか。ちょっと気になり始めた。

 顔を洗って洗面所から出てくると、備え付けのベッドサイドの時計が9時16分と表示している。一瞬、えっ?と思ったが、どうせそっちが狂ってるんだろうと思っていた。

 ところが、隣の部屋の机の上に置いた腕時計は9時18分を指している。パソコンを開けて時計を見ると、7時18分。日本時間のままにしてあるから、腕時計の時刻と一致する。

 ということは、目覚ましが2時間遅れているのだ。しかも、日本時間にぴったり合っているらしい。

 昨日の朝は、こちらの時間になっていた。夕べも確認してから寝た。すなわち、夜中の間に電波を受信して、日本時間に修正されたに違いない。電波時計なのだ。

 しかし一体、どこのどんな電波を?
 ここは日本から8000km近く離れたオーストラリアの首都なのだ。

 試しに電波を受信しようとしてもやはりできなかったが、そういえば、今は消えているパラボラアンテナのマークが、今朝は確かについていた。

 遠い昔、ワライカワセミの声で有名なオーストラリアのラジオ放送を聞くために短波ラジオの周波数を慎重に合わせたことがある。自分が聞けたのかどうか記憶もおぼろげなのだが、日本でも聞けたのは確かだった。
 ということは、夜、電離層の状態がいいとかなんとかそういう理由で、前の晩は受け取れなかった電波を、昨夜は受け取ることができたということなのだろうか。
 この夏のアメリカでは、こんな奇っ怪なことは起こらなかったけれど。

 あ、それに、腕時計も電波時計だ。こっちは感度が悪いのだろうか・・・

 そうではない。腕時計には時差を設定している。仮に電波を受け取っても、日本時間に戻ったりはしないようになっているのだ。
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 電話はやはり仕事仲間からのものだった。集合時間にはなんとか間に合いそうだ。

 ・・・と思っていたら、別のホテルに泊まっていた仲間が2度寝してしまって、30分遅れるとの電話がまたあった。こちらもその方が都合がいい。
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 今夜目覚ましが電波を受信しないように設定できるのだろうか。安物の単純な時計なので、説明書も持っていない。そもそもそんなものがあったかどうかも覚えていない。

 いずれにせよ、はるか日本からの電波を受け取って時刻を合わせたのだとしたら、なんともけなげな時計である。便利なはずの文明の利器に、予想されたような落とし穴があったとしても。

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◆ショッピングモールが5時に閉まる国

 土曜日、首都キャンベラでたぶん一番大きなショッピングモールのカフェで仕事の打ち合わせをしていた。インターネットの使える場所を探すとそこになった。
 ブリズベン在住の知り合いによると、オーストラリアのインターネット事情はかなり遅れているのだという。

 それはともかく、夕方5時前になると、客が誰もいなくなっているらしいことに驚いた。店が閉まりそうなのでそそくさと出る。
 私以外の3人はみなオーストラリア通なので何の驚きもないらしいが、土曜日の夕方5時に閉店するショッピングモールが日本にあるだろうか。
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 月曜から木曜までは夕方早くに帰ってきて、金曜日はランチに出た後そのまま帰宅し、土日は決して働かないというのがオーストラリア流なのだという。仕事のメールも5時を過ぎるとぱたっと来なくなり、土日にはまず来ることがないそうだ。

 商店の店員も5時までしか働かないのだろう。土曜日に働いていることに感謝すべきなのかもしれない。

 それでいて経済はバブルというほど加熱しており、物価上昇率は毎年3%以上。世界不況などどこ吹く風であるらしい。
 日本にいて悲観的な経済見通しばかり読んでいると、ここはまるで別世界のように見える。

 長時間働かなくても貧しくならない国があり、そこには人生を謳歌している人たちが住んでいるのだ。
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 夕食を食べたレストランでウェイターの態度が悪かった。店のボスに「お食事はいかがでしたか?」と聞かれたので思い切ってそれを告げると、「彼らはまだ研修中なのだが、キャンベラは人手不足で困っているのだ。ずっと、いい人を探しているんだが、なかなか見つからなくて・・・」と、同情を感じてほしそうな様子だった。
 謝るのが先だろうとは思うものの、2人で一緒に「お互い大変ですね」みたいな雰囲気になってしまったのがおかしかった。

 アメリカ発で特に若年層の失業と貧困が「世界的に」騒がれているときに、人手不足を嘆くような経済状況がここにはある。
 日本のマスコミも、経済や通貨の話になると、世界にはアメリカとヨーロッパと日本だけしかないような報道をしているが、南半球にはこういう国があるのだ。
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 「唯一の安全な通貨である円に資金が流れ込んで独歩高になっている」なんて書いてあるけれど、オーストラリアドルはもはや米ドルよりも高くなってしまったし、カナダドルだってそうだ。だれがこんな状況を想像しただろう?

 グローバル競争に勝つためにと、弱肉強食で戦ってきた国々が疲弊して貧しくなり、働くのは最小限にしている人たちが経済的繁栄を謳歌している。
 どちらか選べるならば、前者を選ぶ人がいるだろうか。

 まあ、あんまり働かなくて?ギリシャみたいになっても確かに困る。どうしてギリシャがオーストラリアになれないのか、経済に疎くてよくわからないけれど、後者には広大な国土と資源があるからだろうか。

 じゃあ、ニュージーランドは?

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2011.10.27

◆香港でトランジット中

 何とか荷造りを終え、夕方のフライトに乗り、順調に?香港まで飛んできた。

 ゲート前の椅子に1秒も座らずにそのまま国際線の飛行機に乗り込んだのは初めてだと思う。

 ここ香港の空港は、2年前の夏に行ったカナダのバンクーバーを思わせる空港だ。漢字(繁体字!)表記と中国語のアナウンスがなければ、カナダにいるような感じがする。もしかして、同じ人が設計していたりして。

 それにしても、やはりというか、無料で即ネットが繋がるのがすごい。もはやというかやっとというか、当たり前になってきているようだ。

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2011.10.26

◆オーストラリアに行くんですが・・・

 明日から仕事でオーストラリアに行く。

 本来なら今夜、もう家を出ているころである。
 だが、ぎりぎりになって同行者がフライトを変更するというのでそれにあわせた。結果としてもともと私が希望していた便になって、ちょっと楽になった。
 チケットやビザ?(ETA Approval)なんかは、さっき受け取った。元のフライトなら間に合わなかったかもしれない。

 準備はまったくできていない。
 仕事で海外に行くたびにそう書いているような気がするが、今回ほど準備ができていないのはさすがに初めてである。
 明日の関西空港での待ち合わせ場所と時間すら聞いていない(この後メールチェックしたら入っているかも)。
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 仕事から帰ってカレーを食べ、さっきまで掃除していた。これから洗濯物を取り込んで綺麗な床に並べ、畳んで片付ける。その後、やおら準備に取りかかる。

 はぁ・・・

 荷造りはいいとしても、肝腎の仕事の準備もできていない。
 日々のルーティーン業務や会議やアポをこなしながら、次々と締切が来る(ほとんどはほぼ無意味な)仕事を順番に期日までに片付けていると、余分なことをする時間はほとんどない。仮にあっても、する気力がない。そこで無理すると身体か精神を壊しそうなので、あまりがんばらないことにしている。

 関係があるのかないのかわからないが、先週、それなりに重要な会議を完全にすっぽかした。おそらくは初めてである。
 珍しく手帳に書いていなかったのがいけないのだが、なぜか夜中に床についてから会議の日であったことを思いだした(その節は申し訳ありませんでした)。
 ___

 まあよい。オーストラリアに行くのも、本格的に南半球に行くのも初めてだ。
 懐かしい顔にも会える。

 珍しい動植物なんかも見られるかもしれない。鳥の予習をまったくしていないので、いろいろ見かけても「変わった鳥だなあ」で終わってしまわざるをえないのが残念である。

 星空が綺麗だと聞いた。南十字星は見つかるだろうか。

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2011.10.20

◆Woz の住む街

 この夏、それまで聞いたこともなかったカリフォルニアの街にしばし滞在した。

 ロスガトス。皆さんには馴染みがありますか?

 サンノゼから南西に約20km、シリコンバレーの端の方にある。
 アップルの本社があるクパチーノへは、北西へ約20km、3つの都市を結ぶと正三角形に近くなるような位置関係。

 今調べてみて少しだけ「ああ、なるほど」と思ったが、街のメインストリートは15分も歩けば尽きてしまうような長さで、アメリカの田舎によくある「通り一本だけが繁華街」といったタイプの街だ。
 もちろん『地球の歩き方』にだって載っていない。

 そんな街にアップルストアがあるのに驚いた。西部劇なら、酒場があったりするような場所である。もちろん何も買わないけれど、ぶらぶらしていたのでついでにちょっと覗いてみた。

 あれ? 今気づいのだが、現時点で、私が入ったことのある唯一のアップルストアということになる。
 ___

 今日、ネットでニュースを見ていてもっと驚いた。その記念すべきロスガトスのアップルストアに、あのスティーブ・ウォズニアック(スティーブ・ジョブズとともにアップルコンピュータを創業した人物)が現れたというのだ。
 目的は、新発売の iPhone 4S 購入。何と発売前日に現れて、列の一番前を確保したという。何も並ばなくても手に入るだろうに ^^;

 それにしても、あの小さな街の、あのアップルストアにあのウォズが現れるなんて・・・
 私が一生行くこともないような街の、行ったこともなかったアップルストアに・・・

 だが調べてみると、ウォズニアックが地域の子どもたちのためにコンピュータリテラシー教育なんかをやっている、その中心地がまさにロスガトスらしい。
 サンノゼにだってクパチーノにだって当然アップルストアはあるだろうから、彼もたぶん、ロスガトスかその近郊に住んでるんだろう。

 だとすれば、その地名を過去に目にしたこともあったのかもしれない。でも、まったく気にしていなかった。
 何も知らずにたまたま縁のできたあの街に、「ウォズの魔法使い」が住んでいるのかと思うと、なんだかちょっとほんわかした気分になれた。

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2011.10.18

◆フルムーン夫婦

 国鉄がフルムーン夫婦グリーンパスというのを出したのはいつのころだろう。

 今調べると、1981年のようだが、たとえばそれから20年経っても、われわれ夫婦にはまったく関係のないものだと思って興味を持てなかったし、実際に関係なかった。
 年金をもらっているどこかの年寄りが、残り少ない人生を数えながら慈しみ合うようなイメージもあった。

 ところが、先日の新聞記事を読んで驚いた。私たちもすでに有資格者なのだ。しかも数年前から!

 なんかこう、急に年寄りになった気がした。

 JRのグリーン車に乗ったことなど1〜2回しかない。国鉄のそれに乗ったことはたぶん一度もない。

 だが、「日本国中グリーン車乗り放題かあ、いいなあ・・・」と思っていた時代はとうに過ぎ去り、いくら資格があっても買うことはないだろうと思う。

 まあ、ほんとに年金がもらえるようになったら考えるけど、はたしてもらえるようになるんだろうか。

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2011.10.12

◆栗を買う女

 スーパーで買い物をしていると、同じ場所に立ち止まって動かない女性がいるのが気になった。

 手には大ぶりの栗が入ったネットを持ち、ためつすがめつ、品定めに余念がない。茶色いさらさらロングヘアー、ミニのキュロットの若い女性だ。
 隣にあったキノコ類を眺めながらちらっと顔を見てみると、ちょっと綺麗な女の子だった。

 夜のスーパーにはあまりそぐわない。

 それだけのことだったのだが、今度はぜんぜん別の場所で、店員を捕まえて何やら熱心に聞いているのに行き当たった。それも2度ほど。

 その後さらに、また別の場所で優雅に座り込んでお菓子類の品定めをしているのが目に入った。さりげなく(と見えたことを祈る)通りすがりにカゴの中を見てみると、その中には栗類?しかないように見えた。

 ちらっとしか見られないのでよくわからなかったが、ネットに入っている大ぶりで大量の栗のほか、栗を使ったお菓子類が3つぐらい?

 結局、家人があれやこれやと買っている間に、彼女は栗類だけを買っていたことになる。
 驚くのは、そのそれなりの長さの時間に、他には何も買っていないらしいことだ。あれから買ったのだろうか。

 これがおじさんとかなら、好奇心に負けて話しかけたと思う。「あのう、すみません。栗がお好きなんですか」
 いや、おばさんでもそうしたかもしれない。あんな奇妙な買い物は見たことがない。
 家人が一緒なので、怪しさも半減するはずだ ^^;

 だが、さすがに若い女性相手では、話しかけることはできなかった。

 彼女はどうして栗ばかり買っていたんだろう。いやそれより、どうして他に何も買わないんだろう?

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2011.10.10

◆母と子

 ナオミ・ワッツ、アネット・ベニング、サミュエル・L・ジャクソン。

 スティーブ・ジョブズの生い立ちを知ってからそれほど日をおかずに見たのはもちろん偶然なのだが、こういうのを偶然と思わないで何かの引き合わせだと思うことが大切なのかもしれない。

You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever.

 日本における事情もほとんど知らないけれど、アメリカにおける、望まれない子を里子に出す形での養子縁組というのはかなり頻繁に行われていて、だからジョブズのような、あるいはこの映画のようなドラマが日々繰り広げられているのだろうか。

 まだ途中までしか見ていないのだが、それでも名作なのはわかる。

 邦題は、『愛する人』。

(Mother and Child, 2009 U.S.A., Spain)

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2011.10.08

◆ハングリーであり続けよ、愚か者であり続けよ
 探し求め続けよ、今いるところにとどまるな

 アップルの創立者で中興の祖でもあるスティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。56歳。いかにも早すぎる死である。

 2005年6月にスタンフォードの卒業式で来賓として「死」について語ってから6年余、「あと20〜30年は(去年のように)死に直面したくない」と言いながら叶わなかった。
 氏は、2004年に膵臓ガンの手術を受けている。

 「われわれすべての目的地は死であり、かつてそれを逃れた者はいない」

 そう、望みうるどんな治療でも受けられただろうジョブズでも、50代という若さでの死から逃れられなかった。

 今年のノーベル生理学・医学賞受賞の報に間に合わなかったラルフ・スタインマン氏も、受賞理由となった樹状細胞を使って自身の膵臓ガンを治療中だったという(ただし、ジョブズのそれとはタイプが異なるようだ)

 いかな天才でも大金持ちでも、死を逃れることはできない。それどころか、たった10年か20年、遅らせることすらできない。いや、受賞の報までの3日でさえも。

 死からは逃れられない。だから、「もっとも重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。心と直感は、自分が何になりたいかをなぜか既に知っているものだ。その他のことはすべて2次的なことに過ぎない」とジョブズはいう。

 しかし、その勇気を持てる者がどれだけいるだろう。そして、持ち得た少数の者のうち、そうしてよかったと思える者も、どれぐらいいるのだろう・・・
 ___

 ジョブズはおそらく、だれもが一緒に働きたいと思うような人物ではない。私なら多分、アップルの取締役にしてやるといわれても断っただろう(もちろん、ジョブズがそんなことを言うはずもないけれど)

 それでも、「アップルが先見の明のある創造性豊かな天才を失い、世界が驚嘆すべき人物を失った」(apple.com)のは事実だ。

 他に類を見ない美しいコンピュータでこうして追悼文を記せることに感謝している。

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2011.10.04

◆アアイフ人ニ、ワタシハナリタイ

 いつもの寿司屋(といっても、最近ちょっとご無沙汰だった)

 敷居が高そうに見える店なので、予約なしの一見客というのはまずいない。私自身、存在を知ってから最初に予約を入れるまで2年ほどかかった。

 その店でお昼を食べていると、飛び込みの一見客。「自転車はどこへ置けばいいですか」と聞いて、答をもらうとまた出て行った。
 板前も「予約なしで初めていらっしゃるというのは珍しいなあ・・・ 前にいらしたことがあるのかなあ?」とか言っている。

 再び入ってくると、今度は「靴のまま上がっていいですか?」と聞く。上がってからは「トイレはどこですか?」
 明らかに初めての様子だ。

 40前ぐらいの女性2人組である。

 そのうちの1人が、カウンターに座るやいなや、「すみません。暑いので、温度下げてもらえませんか?」と来た。

 今、この温度で、板前2人も先客(私だ)も快適に過ごしているのだ。
 客商売だから、もちろん笑顔で応対し、言うとおりにはする。

 しかし私は、「暑いのはアンタが自転車に乗って来たからやろ」と突っ込みたくなった。この辺はとても坂が多い。
 顔にも口にも出さないが、板前もたぶん、同じことを考えていたのではないかと思う。

 期間は短いながらも既に「常連」となって、板前といろんな話を気楽にする私でも、なかなか自分の都合でああしてくれこうしてくれとは言えないものだ。
 赤だしの出るタイミングをもっと早くしてくれないかなあとずっと思っているが、いまだに言えないでいる。

 自転車に乗って坂を登ってきた自分が暑いからといって、敷居の高そうな初めての寿司屋で、いきなり「暑いから温度下げて」というようなことは、とても真似ができない。

 でも、ああいうふうに素直にさらっと言えたら楽だろうなあとはしみじみ思う。

 アアイフ人ニ、ワタシハナリタイ・・・

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2011.10.03

◆夢の成就前に・・・

 今年の「ノーベル生理学・医学賞の受賞が決定した」「ロックフェラー大学のラルフ・スタインマン教授」が、受賞発表の3日前に逝去していたことがわかったという(yomiuri.co.jp)。

 (いつものように、賞というもの、なかんずくノーベル賞というもの自体を云々することはひとまず措く)

 ご本人にしてみれば、何と無念だったことかと思う。
 ただ、無念だと思うことを可能にする肉体はもはやこの世のものではない。

 ほんとうに気の毒だ。

 ノーベル賞は追贈しないことになっているはずなので、今回は死者に贈られた初めてのノーベル賞ということになるのではないだろうか。まさか今後取り消しなどということもあるまい。
 (後記:朝日新聞によると、故人に贈らないと決められたのは1974年だそうで、それ以前には、1931年の文学賞と1961年の平和賞が物故者に贈られたという)。

 毎年、受賞決定から授賞式までの間にだれか死なないかと勝手にひやひやしているのだが、幸い、そんな例すら聞いたことがない。
 なのに、決定の3日前に死んでしまうなんて・・・

 まだ68歳。やはり、神も仏もないのかと思ってしまう。

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◆夢と難関

 先日、招待を受けてミュージカルを見てきた。

 ホールに出かけて舞台を見るのは2年半ぶり。前回は中島みゆきの「夜会」だった。
 これでもまだ、短いインターバルである。実に非文化的な家庭だ。

 ミュージックスクールやダンススクールで学ぶ学生たちが中心のダンスミュージカルだったのだが、場所は一流施設の大ホール、舞台装置なんかも手間暇のかかった大がかりなもので、(おそらくは)プロの興行と比べてもそれほどの遜色はない。

 だが、100人を超えようかという出演者のほとんどは残念な容姿の人たちだった。
 顔はまあ仕方ないとしても、太い体にだぶついたお腹をさらして踊っている人がいるのを見ていると、一応はプロを目指している身としてどうなのかなあと思わざるを得ない。
 小中学生のお稽古事としての歌やダンスではなく、高校や短大、大学などを卒業した人たちが入学してくる、フルタイムのスクールなのだ。

 歌やダンスに関してはこちらにまったく鑑賞眼がないので何とも言えないが、おそらくはそんなに高いレベルのものではあるまいと察せられた。

 そんな中、集団ダンスの時に、容姿の点からも動きの面からもちょっとだけ目を引く女性が2人いるなあと思っていたら、やはりというか、その2人が後のミュージカルの主役なのであった。

 あれ? もしかして、オレって鑑賞眼があるのかも ^^;
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 読み返してみて、何だか意地の悪い文章だなあと思ったが、もちろん、意地悪を言うのが目的ではない。

 そうではなくて、この世界の厳しさというか難しさについて舞台を見ながら考えさせられていたのだ。

 おそらくは、100人全員が、私とは比べものにならないぐらい上手に歌い、踊る。
 別に私なんかと比べなくても、普通の人たちよりははるかにうまいに違いない。歌や踊りが好きだという情熱だって、人に負けてはいない。
 だからこそ、先の見えない中、学校に通って歌やダンスに打ち込んでいるのだ。

 ミュージカルの中には楽屋落ちみたいな挿話もあって、

 「俺、もうダンスは諦めるよ」
 「どうして? それに、ダンスを辞めてどうするの?」
 「何かアルバイトでも始めるしかないよ」
 「何を言ってるのよ。あなたには才能があるのに」

のような場面が繰り広げられていた。

 そう、私が見たところ、あの100人のうち、歌や踊りで何とか食べていけるのはせいぜい2〜3人。残りはすべて、夢を諦めることになるだろう。まあ、趣味として続けていくぶんにはいいだろうけれど。

 そして「何とか食べていけ」ても、それは文字通りそうなのであって、華々しく活躍できるようになる人はおそらくゼロである。
 あそこでトップでも、バックダンサーになれるかどうかもわからない。

 そもそも、大阪に住んでいる時点でどうなのかなとすら思ってしまう。
 ___

 みんな、宝塚音楽学校には落ちたのだろうか。それとも、受験を考えることすらできないレベルだったのか。まあもちろん、「あそこは合わない」と思ったかもしれない。

 ともかく、その宝塚を出てさえ、スターになれるのはほんの一握りだ。この道の難しさを思うとき、目指している人が多いのにはちょっとした目眩を覚える。

 東京藝術大学が神童の墓場だというのはよく言われる。周囲から天才だ神童だと本気で賞賛され続けてきた者でも、そこではほとんどが平凡な学生に過ぎない。そして、本当に残念なことながら、私の目の前にいた100人は、その「平凡な学生」ですらないのである。

 スポーツや芸術やダンスで身を立てることは、東京大学を出て身を立てることよりもはるかに難しい。
 「あなたも努力すればなれますよ」みたいな顔をしてテレビに出てくる人たちは、神童の中の神童なのだ。途方もない努力も重ねている。

 楽屋落ちの挿話を演じる仲間を横目に見ていても、この人たちはそのことを「ほんとうに」わかっているのだろうかと思ってしまう。

 それに、もし、素朴な少年少女たちに叶わぬ夢を抱かせることで授業料を集めることがスクールの目的になっているとしたら・・・

 いや、それでも、「青春の一時期、私はダンスに打ち込んだ」という確かな体験と思い出が残れば、それはそれで素晴らしいことかもしれない。

 そんな体験を持ち得なかった男の戯れ言に耳を貸す必要はない。

 (それでもまあ、息子がダンサーを目指すとか言い出さなくてよかったとは思うけれど)

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2011.10.02

◆Mac 版 Eudora 6.2J から Thunderbird 7 への移行

 偶然にも、Mac OS X を Lion にアップデートしたその前日、Thunderbird 7 が正式にリリースされていたらしい。
 それが果たして良かったのか悪かったのか・・・ 6ならもっと楽だったのか、わからない。

 とりあえず・・・

 一番いいのは、Eudora から既存のデータを移行しようなどど考えないで、ゼロからすっきり、Thunderbird を使い始めることである。

 Eudora のメールボックスもニックネームも、その実体は単なるテキストファイルなので、必要に応じてエディタやワープロで検索することはいつでもできる。Thunderbird を一から使い始め、すっきりと新しいスタートを切ってその流儀に慣れるのが正しい方法だろう。
 やたらに過去を振り返ったり、ましてや、過去を引きずったりしてもいいことはほとんどない。いずれにしても、もう Eudora には戻れないのだ(何だか、人生訓のようですね(笑))。

 それがわかっていてもどうしようもない、私のような人間のために以下を記す。過去をずっと手の内に持っていたいという衝動もまた、抑えがたいのだ。

 真面目な話、私の場合は、Thunderbird のメールボックスを暗号化した別ボリュームに持っておきたいという希望があった。最高機密?は別として、けっこうセンシティブなメールや個人情報ファイルなんかをばんばん送ってくる人がたくさんいるので、仕方ないのだ。
 パソコンを盗まれたりなくしたりして新聞などで報道された人も同じ職場に数人はいる。少なくとも、「暗号化していたから情報漏洩はない」というような状態にしておかねばならない(FileVault は諸般の事情により使用していない)。

 それが Mail より簡単にできそうだったので Thunderbird を選んだ。

 Eudora の場合、設定ファイルやメールボックスを含んだ Eudora Folder ごとどこかにコピーし、その中の設定ファイルをダブルクリックして立ち上げれば、それだけで何の問題も起こらなかった。「パーソナリティ」機能を使わずに、アカウントの数だけ同じようにコピーして使える。フォルダ名や設定ファイルの名前を変えてもかまわない。その便利さが Eudora から離れられない最大の理由だった。
 ___

 前置きが長くなった。以下はできるだけ簡潔に、Mac 版 Eudora 6.2J から Thunderbird 7 へ移行する際の手順や注意点について記す。細かく書いているとキリがないし、忘れてしまった部分もあると思うので、申し訳ないが、必要に応じてネットを検索したりしながらやってみていただけるとありがたい。お役に立てれば幸いである。

 Lion にアップデートする前に移行してしまうのが手間がかからなくていいと思う。

 ライオンにアップデートすると、ユードラだけでなく、いろいろなツールも使えなくなってしまう。したがって、アップデート前に準備が必要だ。↓のエントリで「周到な準備」と述べた所以である。

  「やっちゃった」方は、いったん Snow Leopard に戻すか(MacBook Air だと小一時間以下)、別のマックで作業を行い、ファイルをコピーする必要がある。わたしもやってしまったクチだ。

0.Eudora Folder は、移動していなければ「書類」フォルダの中。念のため、バックアップをとっておく。
 既に Thunderbird を起動したことがある場合は(まったく動かしたことがない場合、もしかすると下の1がうまくいかないかもしれない)、同様に、アカウントの「ライブラリ」の中の Thunderbird フォルダをバックアップしておく。
 なお、Lion では、アカウントの中の「ライブラリ」は通常表示されないので、Finder の「移動」メニューを表示させる際に option キーを押し続けて「ライブラリ」を選ぶ。

1.メールボックスの移行
 Eudora Mailbox Cleaner(現在のバージョンは4.9)を使って、Eudora Folder をコンバートする(Lion ではできない)。
 ・ソフトはここ
 ・解説はここ(ありがとうございました)。
 ・何度か不正終了したが、めげずに繰り返せば完了した。
 ○Lion にしてしまっていて、別のパソコンでこの手順を行った場合、自分のアカウントの中の「ライブラリ」フォルダの「Thunderbird」→「Profiles」→「12abc345.default」(.defaultの前の名前はいろいろ)→「Mail」ファイルの中味を Lion 側のパソコンの同じ場所にコピーすればよい。

2.ニックネーム(アドレス帳)の移行
 A.Eudora Folder の中の Eudora Nicknames をテキストエディタで開き、文字コードを Unicode(UTF-8)にして保存し直す。これを怠るとうまく移行できない。
 B.Thunderbird で「ウィンドウ」メニューから「アドレス帳」を開き、「ツール」メニューから「読み込む...」を選ぶ。
 その際、「アドレス帳」→「Eudora」と読み込むのだが、本来の位置(「書類」フォルダ内)にある Eudora Folder の Eudora Nicknames を自動的にコンバートするので、Aで UTF-8 にしたファイルを Eudora Folder 内に置いておく。
 C.そのままでは、相手先にニックネームが丸見えになるので("たなか"<tanaka@mail.com>のように)、「ツール」メニューから「アドオン」を選び、Auto Address Cleaner をインストールしておく。

 以上でとりあえず、移行できるはず。以下は物好きな方のために。

3.メールボックスの場所の変更
 A.事前に、上記「Mail」ファイルを任意の場所にコピーしておく(私は念のため、「Profiles」階層以下すべてをコピーした)。
 B.「ツール」メニューから「アカウント設定...」を選び、「サーバ設定」(アカウントが複数ある場合は複数)と「ローカルフォルダ」の中の「メッセージの保存先」で、該当アカウントの名前がついたフォルダを指定する。
 ___

 昨日はこれ以外の面でもさんざん手こずらされた。たとえば・・・

・サンダーバードを立ち上げていないのに、起動しようとすると2つ同時には動かせない旨のメッセージが出て使えない。これは、別名の「***.default」フォルダ(上記)が既に存在するとそうなってしまうらしい。移動か削除して立ち上げ直す。

・サンダーバード本体はアプリケーションフォルダに置いておかねばならない。外に置くと、まったく正常に動くように見えて、受信だけができなかった。できないのは受信だけなので、原因がなかなかわからない。

・メールボックスを別ボリュームに置いている場合、それをマウントせずにサンダーバードを立ち上げてしまうと、せっかくの努力が元の木阿弥になってしまう。暗号化したボリュームをマウントしてからサンダーバードを動かしたいが、アプリ本体は移動できない。
 そこで、暗号化したボリュームにエイリアスを置き、それを Dock に置くことで、マウントしていない場合はサンダーバードが立ち上がらないようにした。

・メールアカウントを手動では設定できない。そんなはずはないと思うのだが、途中から?何度試みてもそうだった。自動でサーバをあたろうとし、それが失敗すると、サンダーバードが予想したサーバ名と異なる場合は、手動で設定する方法がない(「手動設定」ボタンも「アカウントを作成」ボタンもグレーで押せない)。今でもちょっと信じられない。
 解決する方法としては、サンダーバードを立ち上げてユードラの設定ファイルからアカウント情報を読み込み、必要に応じて変更する。これだと手動での設定が可能。

 こんなところかなあ・・・

 以上がわかるまで、けっこう手間暇がかかった。これから移行する方の労力が少しでも減れば幸いである。

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2011.10.01

◆難儀なライオン

 9月の最後の週は、「閑中忙」みたいな感じで慌ただしく終わってしまった。今日から今年度も後半に入る。

 ちょっとひと息ついたので、遅ればせながら Mac OS X を 10.7、すなわち、Lion にしてみることにした。

 噂には聞いていたが、やっぱりちょっと大変だった。

 だが、この世界は、とにかく新しい環境に自分を合わせていかねばならない。いつまでも 10.6(Snow Leopard)にしがみついていることはどうせできないのだ。今苦労するか、次のパソコンを買ったときに苦労するかという違いだけである。
 そしてもちろん、移行を遅らせれば遅らせるほど、よりやっかいになってくる。

 ネットで見ていると、Lion の上で Snow Leopard を動かすとか、アクロバティックなことをやっている方もいらっしゃるようだが、そういうのも早晩、限界が来る。ここは素直に、Lion only でがんばってみることにした。
 とはいえ、Snow Leopard の動く Mac を余分に持っているから思い切った移行ができるのであり、1台しかない Mac を Lion にするには、周到な準備と勇気とが必要だろうと思う。

 まあ、いつまでもしつこく切り捨てられたアプリケーションを使っている私のような人もそう多くないだろうから、「えっ? 準備と勇気って何のことですか?」みたいな方もいらっしゃるのかもしれないけれど。


 それにしても、動かなくなるソフトが多かった。予想していたのは AppleWorks だけだったのに。

 【動かなくなった必須ソフト一覧】

○AppleWorks
 しかたないので Pages '08 で読み込むことにする。いつになったら '11 が出るのか。
 ワープロ書類のテキストはだいたい大丈夫そうだが、元の体裁を維持できるかというとはなはだ心許ない。
 Draw 書類とかほとんどなくてよかった。

○Jamming
 EPWing辞書等検索ソフト。同じ作者が開発した Logophile を買わざるを得ない。優待アップグレードの期限が切れていて買い直す羽目になる。
 (後記:まったく新規に買い直すのもなあ・・・と考えていたところ、コトノコというソフトがあることを知り、ありがたく使わせていただいている。)

○Internet Explorer
 Mac版はすでに開発も終わって廃番になっており、今後使えるようになる見込みはない。これでないと・・・というウェブサイトももうほとんどないだろうから、素直に削除する。

○はがきうぇあ
 年賀状の住所録ソフト。これが痛い。今後どうするか検討する。
 (後記:結局、2012年の年賀状を書く際は、Snow Leopard のマシンで使った。今後はデータを書き出して別ソフトに移行する予定)

○NewNotePad Pro
 高機能メモ管理ソフト。これも痛い。とりあえず、データをテキストで書き出してエディタで検索することにした。

○Sound it!
 音声ファイルを扱うとき、たまに仕事で使っていた。どうするか未定。

 そして、何といっても・・・

●Eudora
 開発元から見捨てられた後もずっと愛用してきたメールソフト。
 いろいろ使い勝手よく利用していたので、その環境をそこなわないように他のメールソフトに移行したい。
 思案の末、Thunderbird にすることにしたが、なんだかんだで本当に往生した。
 ほとんど今日丸一日使い、先ほどやっと、元の環境とほぼ変わらない状態で使えるようになった。
 さまざまな現象に悩まされ、ひとつひとつ解決していくのは久しぶりに骨の折れる仕事だった。
 Mac 版 Eudora から Thunderbird への移行でお困りの方のお役に立てればと思うのだが、とりあえず今は、その軌跡を記す気力がない。

 明日になったら忘れているかもしれないが、いくつか重要なことは明日以降、このエントリの後ろに記していこうと思う(後記:新しいエントリにしました)。

 ああ、疲れた。

 今後はもう、将来見捨てられそうなソフトには手を出さないようにしよう。
 ・・・とはいっても、Internet Explorer や AppleWorks や Eudora のような定番中の定番ソフトが使えなくなるなら、どんなソフトが将来見捨てられるのかなどわかりはしない。

 Office だって危ういかも ^^;

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