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2014.01.09

■「お久しぶりです」

 歯痛・耳痛・足痛と続いた謎の痛みシリーズも、外での仕事が始まるとほぼなくなってしまった。
 それはもちろんいいことなのだが、どうして安らかな休みが過ごせないのかと思う。休みに入ると決まったように体調を崩すのだ。

 まあ、いつまでも調子が悪いよりはよほどいい。喉がまたちょっと変だが、経験上、これはそれほど悪くならないと思う。
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 お昼、iPhone で近くのイタリアンを探す。せっかく行きつけになったばかりの店(クッキアイオ)が閉店してしまったので、どこかいいところを見つけておかねばならない(ならないのか?)。

 もうたぶん十数年前から名前だけ知っていて一度も行ったことのない店が食べログでわりと高評価だったので、そこに向かうことにする。
 行ってみると、イタリアンではなくパン屋なので驚いたが、「隅っこでトラットリアもやってます」という感じでランチもやっていた。

 注文してしばらく待っていると、「お久しぶりです」という声。「初めての店で久しぶりって何だ? 誰か知り合いが客としてきたのだろうか」と思って顔を上げると、そこには、野菜てんこ盛りの前菜を持って満面の笑みを浮かべたシェフがいた。

 閉店してしまったクッキアイオでスーシェフをしていた青年(という言葉しか思いつきません)である。

 もっとも、閉店にともなってこちらに移ってきたのではない。彼はそれより前に引き抜かれたし、引き抜かれたせいで元の店が閉店に追い込まれたのでもない。

 それは知っていたが、新しい店の名前は知らなかった。こんなところで偶然会うなんて。

 そういえば、閉店したクッキアイオのマスターは、giggi, LATOUR, 伊庵, クッキアイオで働いてきて、私はそのすべての店で彼の料理を食べたことがあることを、わりと最近になって知った。クッキアイオに通うようになるまでは、互いに相手を認識していなかったのに。
 「マスターの味を追いかけてきたのかもしれませんね」とお世辞を言ったが、クッキアイオ以外には2〜3度足を運んだに過ぎない。それでもまあ、ちょっとした偶然である。「世間は狭いですねぇ」というやつだ。

 元のスーシェフにマスターは今どうしているのかと聞くと、「シェフをやめてシュフ(主夫)になりました」という。この年始にもふらっと店に来て「まだぷらぷらしてんねん」と言っていたそうだ。
 「もう料理はしない」と言っていたが、すでに「ぜひうちで」というオファーがあちこちからあるという。

 「やっていけないから閉めるんです。夜に客が入らないんですよ。経営の才能がないんでしょうねぇ」と閉店(=失業)の理由を語りながら、「他にどんな仕事が自分にできるか、わくわくしてるんですよ」と本当に楽しそうにしていた。

 「でも結局、料理の世界に戻るでしょう」と元スーシェフは言う。

 「手に職」というのは、ああいう人のことを言うのだろう。
 だから将来に不安がないのか、それともやはり、性格なのか。

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