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2015.03.28

●今回は「想定外」かもしれないが・・・

 旅行中でほとんど報道に接していなかったし、帰ってからもテレビは一切見ていないのだが、ジャーマンウィングズ機(エアバスA320型)がフランスアルプスに墜落したニュースはネットで知り、帰宅後新聞は読んだ。

 原因がわかった上で時系列に記事を読んでいくという倒叙推理のような珍しい読み方になり、ボイスレコーダーが解析されるまでの推測はことごとく外れているのを興味深く辿ることになった。

 だが、まさかこんな原因だとは、予測せよという方が無理だから、そこはまあ、嫌いな言葉だけれど、「想定外」としても仕方ないかもしれない。

 しかしながら、当然「想定内」としておかねばならない陥穽がそこに潜んでいることに自覚的ではない国や航空会社があることには落胆した。

 アメリカでは、航空機の種類によってはコックピットに常時2名以上の乗務員がいなければならないことを連邦法で定めている。
 なのに、ドイツもスペインも、それにオーストリアもノルウェーも、アイスランドも日本も!、その規則を定めていなかったというのだ(『朝日新聞』)。
 そのうち、ドイツとオーストリアでは、今回の事件を受けて常時2人制を導入することに決めたという。対応が素早いのはさすがだ。

 面白いのは、何かと話題のスカイマーク(日本の格安航空会社)が「以前から「常時2人」態勢をとっている」(同)ということだ。偉いぞ。

 日本航空は、「対策が必要かどうかは今後判断する」(同)と悠長なことを言っている。統合失調症を患っていた機長が羽田沖に飛行機を墜落させた経験(1982年)を持つ航空会社の対応だとはとても思えない。
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 いや、ただ、私が上記で「「想定内」としておかねばならない」といったのは、機長や副操縦士が精神的問題を抱えていて機を墜落させる可能性のことではない。
 それも考えなければならないのかもしれないが、それよりはむしろ、操縦士がコックピットに一人になったときに、失神したり死亡したりする可能性のことだ。

 報道されているとおり、2001年9月11日の同時多発テロを受けて、コックピットへの立ち入りが厳しく制限されるとともに、テロリストが客室からコックピットへ入ろうとしても入れないような対策が施された。
 現在のドアは銃弾すら通さないというし、今回の悲劇的事件が実際にそうであったように、機長でさえ外からドアを開ける手段を持たない。

 だとすると、別に自殺願望や悪意がなくても、一人操縦室に残った操縦士が何らかの事情で失神したり死亡したりすれば、飛行機は墜落する以外に道がなくなってしまう。
 「客室乗務員が2人目としてコックピットにいても、できることは限られている」というようなバカなことを言う「専門家」もいたようだが、コックピットのドアを開けることさえできれば(スイッチを捻るだけだ)、最悪の事態は容易に回避されるのである。

 一方の操縦士がトイレに立った間に、残った操縦士が失神したり死亡したりする可能性はあるか?
 限りなく低いだろう。
 しかしながら、毎日毎日何万機という飛行機が世界中の空を飛んでいるのが日常なのだから、いつか必ず、どこかでは起こる。
 その時に、ドアが外から開かなければ、墜落は免れない。その結果は、数十人から数百人の死であり、地上に人的被害が出る可能性もある。

 そんな悲劇を回避するためには、客室乗務員を1人、トイレに行った操縦士の代わりに待機させておくだけでいい。仕事は、万一の時にコックピットのドアを開けることだけだ。何も難しいことはない。

 そんな重要かつ単純なことが法制化・規則化されていない国や航空会社があるなんて、にわかには信じられない。まして、「対策が必要かどうかは今後判断する」(日本航空)とか「今後の対応も決まっていない」(バニラエア)とか・・・
 どうして今までに想定して判断していなかったのだろうか。

 「想定外」という言葉は、ほんとうにもう聞き飽きた。

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2015.03.14

●詐欺被害がひとごとでなくなるとは・・・

 ごく近しい老夫婦が振り込め詐欺の被害に遭いそうになった。

 「遭った」ではなくてよかったのだが、「怪しい電話がかかってきた」とかいうレベルではない。
 実際に ATM の前まで行って、電話で指示を受けながら操作していたのだ。

 幸か不幸か、耳が遠いために相手の指示がよく聞こえず、何度も聞き返しているうちに相手が痺れを切らして電話を切ったという。
 マンガのような話ではある。

 市役所に現に存在する部署を名乗る、いわゆる還付金詐欺であったらしい。

 ショックなのは、もう何度も、「そういう詐欺に遭わないように」という話をしていたということだ。
 夫の方は大企業を部長で退職して子会社の社長をやっていた人。妻の方は専業主婦だが、むしろ夫よりしっかり(というかちゃっかり?)している。

 そういう夫婦が、2人揃って騙されてしまうのである。どちらも「詐欺かも」とは言い出さなかったらしい。
 いくら年を取ったからとはいえ、そんなことになるものなのだろうか。まだぼけてはいない(はずだ)。年を取るというのは恐ろしい。

 夫の方は、「ATM に行ったかて(行ったからといって)、お金を渡すようなことはせえへん」と言っているそうだ。
 耳が遠くなければ、確実に「お金を渡すようなこと」をしていただろうと思う。

 だいたい、お金を受け取るために ATM に出向く必要など絶対にないし、何より、ATM を操作してお金を受け取るなどということは、原理的に不可能である(借りることならできるかもしれないけれど)。

 家人なども、「ATM に行かせて、どうやってお金をだまし取るん?」とか言っている。世事に疎い者の認識というのはその程度なのかと愕然とした。

 その説明をした後、「そもそも ATM を操作してお金を受け取るなどということは、原理的に不可能だ」という話をすると、「えーっ!?、知らんかった」とか言う。

 生涯、全資産は私一人で管理しようと固く誓った。

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2015.03.04

●頭の悪い免許制度

 ゴールド免許制度ができた後の最初の運転免許更新以来、ずっとゴールドを維持していたのだが、今はブルーになっている。
 更新時に過去5年間無事故無違反ではなかったということだ。
 厳密にいうと「更新前の免許証の有効期間が満了する日の直前の誕生日の40日前等の日から前5年間に違反を行った場合」(警察庁)に該当してしまった。

 その原因を作ったのは、6年前の、明らかな嘘をならべて違法な取り調べを行う警察官たちによる検挙(個人的には冤罪だと思っている速度違反)なのだが、まあそれはよい。

 その後、大型二輪の免許を取ったために、免許更新までの期間がまたそこから5年になってしまい、今もブルー免許のままになっている。

 ところが、昨年、また速度違反で検挙されてしまった。またと言っても5年ぶりだが、その前はほとんど30年ぶり(しかも冤罪くさい)だったので、またしても!という感じだった(検挙に不満はあるが、幸い?冤罪ではない)。

 そうすると、次回の更新後、さらに5年間、ゴールド免許から遠ざかることになる。
 まあ、そういう制度なんだから仕方ないかと思っていた。

 だが・・・

 実は、次回更新の2年前までにもう1度違反をすれば、2年早くゴールド免許に復帰できることがわかった。

 さらに違反を重ねた方が、ゴールド免許を早く手に入れられる!のである。

 そんなばかな話があるだろうか。

 現状のまま次の更新を迎えると、「5年間で軽微な違反1回のみの者は、優良運転者に準ずるものとして、有効期間を5年とする」(警察庁)という規程に則って、ブルーの5年免許になる。
 ところが、もう一度違反を重ねると、有効期間が3年になり、その次の更新時まで無事故無違反であれば、2年早くゴールド免許を手にできることになるのだ。

 この話を家人にすると、「ゴールドだと何かいいことがあるの? どっちでもいいと思うけど」という。

 ひとつには、そういう問題ではないということがある。
 違反が多い方がゴールド免許への復帰が早いというのは、明らかに制度設計に失敗しており、社会正義にも反する(笑)

 もうひとつ、「何かいいこと」は確かにあるのだ。
 ゴールド免許だと、ほとんどの自動車保険が安くなる。私の場合、車もバイクもあるので、ダブルで効いてくる。たぶん、合計で年3万円くらい違ってくるのではないかと思う。
 このままでは、ブルーの期間が通算13年くらいになってしまうから、ゴールドとの差額は40万円!!ほどにもなるのだ。まあ、制度上の欠陥に起因するのは2年の違いだが、それでも6万円ほど損する。わざと違反をして1万数千円の反則金を払っても十分黒字だが、シートベルト装着義務違反等ならお金はかからない(シートベルトは絶対に外したくないけど)。

 「わざと捕まったりしなくてもいいやん」と家人は言い、「そうやな、また何かで捕まるかもしれへんし」とは返事するのだが、免許を取って三十数年で検挙されたのは4回だけ(それでも多すぎる気がしている)なので、残り半年あまりのタイムリミットまでにそう都合よく捕まるとも思えない。

 自分で言うのも何だが、安全には人一倍気を配っている優良運転者なのだ ^^;
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 この頭の悪い制度設計が事実なのかと調べていたところ、もうひとつ、面白い例も見つかった。

 初めて免許を取るとグリーン免許(3回目の誕生日を迎えるまで)だが、次の更新でブルー免許(3年)になり、さらに次の更新を迎えたときに、それまで無事故無違反ならふつうはゴールド免許(5年)が交付される。
 ところが、誕生日間近に免許を取った人は、最初の免許の有効期間が2年あまりしかないため、無事故無違反のまま2回の更新を経てもまだブルー免許のままであり(さきほどの「誕生日の40日前」云々が効いてくる)、しかもそれが5年続くことになる。

 つまり、免許取得からずっと無事故無違反でも、10年を超えてゴールド免許を得ることができない計算になる。
 20歳で免許を取った超優良運転者が30歳時点でまだブルー免許・・・というのはかなり理不尽じゃないだろうか。

 しかも、無事故無違反ではなく、軽微な違反を2回(以上)すれば(1回ではダメ!)、2年早くゴールド免許を取得できるのだ。
 なんという馬鹿げた制度・・・

 こういう制度を作っている責任者の半分くらいは東京大学を出ている。
 にもかかわらずこんなに頭の悪い制度を作るとは、いったい何のために東大を出たのかと思う(まあこれは冗談です)。

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