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2015.10.03

◆「こけてん」

 先日、母親を見舞ったとき、左の頬が青黒く腫れているのに気づいた。「どないしたん?」と聞くと、「こけてん」という。転倒した、ということだ。

 立って歩くことも覚束ないのに、転んで頬骨を打つなんて、どうしたらそんなことができるのかと思った。

 聞くと、車椅子から便座やベッドへの移乗時(あるいはその逆)に、座った状態で転倒するのだという。介助者が常についているにもかかわらず。

 「下手な人がおんねん(いるのよ)」というのはその通りなのだろうが、こういう患者を多数扱う病院のスタッフとしてはどうなんだろうと感じてしまう。
 なんでも、「3回ほどこけた」そうだ。

 ただ、どうしてそんなに簡単に転倒するのか、ちょっと不思議な気がした。
 「そやけど、なんでそんなにこけるん?」と母親に聞いた直後、自分で答が見つかった。

 体が左に傾き出すと、麻痺した足も手も、バランスを戻すのにも体を支えるのにも、役に立たないのだ。

 たとえばベッドの端に座っているとき左に転びそうになると、とっさに右手を交差させ、自分の体の左側に手をつかなければならないのだが、脳梗塞を患った80歳の運動神経では、健全な方の腕であってもそう素早く動くものではないらしい。そういう動作に慣れていないというのもあるだろう。

 結局のところ、あれよあれよという間に、人形のようにばたっと倒れてしまうことになるようだ。たとえ座っていても。

 「左半身不随」と聞けば、歩けないとか左手が使えないとかは私でもわかる。だが、だれでもすぐに思いつきそうな、「左側に倒れそうになると何もできずにそのまま物体のように倒れてしまう」ということには気がつかなかった。

 いつもながら、己の想像力のなさを思う。

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