« 2017年12月 | トップページ

2018.01.19

■ニュージーランドの首相が出産予定

 ツイッターにひと言・・・でもいいのですが、やっぱりここで。

 ニュージーランドのアーダーン首相が6月に出産予定で、6週間の産休を取る方針であることが明らかになったという(朝日夕刊)。

 子どもを産む年齢で首相であることにまず驚く。37歳だそうだ。
 首相だから最小限の産休しか取れないのは気の毒である。日本ですら産前産後の休暇は14週間取れるのに(特に産後の8週間は強制休暇で、使用者が働かせたくても本人が働きたがっても、働くことは許されない)。だがまあおそらく、日本の国会議員や大臣に産休の規程はないと思うけれど。

 個人的に一番気になったのは、「国家元首クラスの人物(世襲の女王などを除く)が出産した例がこれまでにあったのか」ということ。

 大昔のことはいざ知らず、近代国家の大統領や首相としては、もしかしたら世界初ではないのだろうか。そもそも、女性のトップ自体、ほとんどいなかったのだから。

 記事にこの点に関する言及がないのがなんとももどかしい。


 蛇足:

 アーダーン首相は「(妊娠は)予想していなかったが、興奮している」(朝日夕刊)とコメントしたそうだ。
 予想外の妊娠を喜んで「興奮している」というのは、まっとうな日本語であろうか。

 以前もこのことについて書いた気がするのだが、原文は案の定、"excited" のようだ。辞書を引くと確かに「興奮」のオンパレードだが、こういう文脈で適切な訳だとは到底思えない。
 「大喜びしている」とか「わくわくしている」とか「非常に楽しみにしている」とか、もっときちんと訳してほしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.16

■ビッケとムーミンをめぐる騒動

 先日行われた大学入試センター試験の地理Bで出題された、「小さなバイキング ビッケ」と「ムーミン」に関する話題がかまびすしい。

 当初、個人的には「よく考えられたいい問題だなあ」という印象を持っていた。もちろん、正答を選ぶのにアニメの知識は必要ないようにも工夫されている。

 ところが、「正解」するのに問題はないものの、そもそも「ビッケの住む村はノルウェーなのか」「ムーミン谷はフィンランドなのか」というところで疑問が呈されているようだ。
 無責任なネットの書き込みだけではない。大阪大学のスウェーデン語研究室が、ビッケの舞台がノルウェー、ムーミンがフィンランドだという根拠はどこにあるのかと、大学入試「センターに説明を求める見解を発表した」というのだ(asahi.com)。

 知らなかったのだが、ビッケの作者はスウェーデン人のルーネル・ヨンソン(1916-2006)という人だそうである。であれば、ビッケの拠点となるフラーケ村もスウェーデンであると考えるのが自然であろう。出題されたアニメはどうかわからないが、「原作の舞台がスウェーデンだと読める記述もある」そうだ(同)。

 まったく別の話だが、今回の件で久しぶりにビッケのことを思い出し、お風呂で主題歌を歌っていると、妙なことが気になった。

 ♪イギリス・オランダ・ブルガリア 氷の海も何のその
 ♪グリーンランドにお散歩さ そーれ、世界の海に出航だ

というのだが、何か引っかかるところはないだろうか。
 そう、スカンジナビア半島を拠点としていたバイキングが、イギリス・オランダに行ったのはまあわかる。アイスランドにだって行っているのだから、グリーンランドにも行ったかもしれない(彼らが名づけたのかな?)。

 でも、ブルガリア???

 子どものころは、ブルガリアがどこにあるかという知識もなかったのだろう、まったく気にならなかった。

 調べてみると、バイキングは何と、北海からイベリア半島を回り込んで地中海に抜け、そこからさらに奥の黒海に至り、ブルガリアにも進出していたらしいのだ。
 それだけではない。あろうことか、北アメリカの北東岸にすら到達しているというのである(『日本大百科全書』)。
 それが西暦1000年ごろのことだというから、アメリカを「発見」したヨーロッパ人は、コロンブスではなくてバイキングだということになろう。

 さて、ムーミンである。

 作者のトーベ・ヤンソン(1914-2001)の母語はスウェーデン語であり、作品もスウェーデン語で書かれているが、ヘルシンキ生まれのフィンランド人(ただし母はスウェーデン人)なので、ムーミンの舞台がフィンランドだと仮定しても大きな問題はないであろうし、一般にもそう思われている(念のため、現在でも、フィンランドでは南西部やオーランド諸島を中心にスウェーデン語話者が一定数暮らしている)。

 だが、「舞台は「ムーミン谷」なのに、それを勝手にフィンランドだと判断していいのか」ということが言われているようだ。

 私はこれを、言いがかりに近いものだと考えていた。
 「桃太郎」に出てくる「鬼ヶ島」は日本なのか、「浦島太郎」に出てくる「竜宮城」は日本なのか、みたいな疑問と同列のように感じたのだ。
 まあ確かに、鬼ヶ島は中国や朝鮮であるという想像が成り立たないわけではない。竜宮城にも同様の可能性はありそうだ。ただ、少なくとも後者では言葉が通じたようなので、日本が舞台だと考えて差し支えないだろう。鬼とは言葉でコミュニケーションができたのだろうか?

 ともかく、フィンランド人が想像力の翼を広げてムーミン谷を描写したんだから、それはまあフィンランドでいいんじゃないかというのが私の漠然とした考えだった。
 ところが、知り合いのフィンランド人に聞いてみると、「ムーミン谷はフィンランドだとは思えない」と言うのである。「地形や風景の描写から判断して、フィンランドではない」と感じているらしい。
 フィンランドといっても広いんだし、どこかにムーミン谷のようなところもあるかもしれないとは思うものの、フィンランド人自身がムーミン谷に「異国感」を持っているというのは、意外な発見だった。

 ムーミン谷の所在に関しては、今回の騒動を受けて、日本の「ムーミン公式サイト」にも見解が掲載されているので、興味のある方はご覧いただきたい。
 そこには、「劇中の気候や風土の描写はフィンランドのそれを思わせるものです」と書いてあるのだが、知り合いのフィンランド人の見解とは異なる。ほんとにフィンランドを知っている人が書いているのかどうかわからない。
 ___

 気になるのは、よりにもよってあのセンター試験に出題するというのに、きちんと検証しなかったのかということだ。「きちんと」は難しいにしても、これくらいの疑問がずらずら出てくるというのは、ちょっと調べればすぐにわかることである。なのに、気にせず出題したのだろうか?

 言語学・文学畑の人間からはちょっと想像しにくいのだが、地理畑の人たちは、こういうことに「おおらか」なのだろうか。
 文学的には、ビッケもムーミンも、どこが舞台か決着がついていない可能性が高いのではないか。

 さて、大学入試センターはどう出るか。
 仮に、「ビッケのフラーケ村はスウェーデン」「ムーミン谷はフィンランドかもしれないが別の国かもしれない架空の場所」であったとしても、あの「正解」にたどり着くことはできるだろう。
 しかし、問題として適切を欠くと言われれば、素直に認めざるをえないかもしれない。


 おそらく明確な結論が得られそうもない今回の騒ぎで、唯一確かなことがあるとすれば・・・それは、出題者が私と同じ世代だということくらいであろうか。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2018.01.14

■「結婚してもうすぐ・・・」

 大島優子が

 「結婚してもうすぐ一年。あえて話さなくても、わかることが多くなった・・・

と語る「泡ミノン」(第一三共ヘルスケアの全身シャンプー)のCM。
 これを見て、

 「結婚してもうすぐウン十年。いくら話しても、わかりあえないことに慣れてきた・・・」

と思う人は多いのではないだろうか。

 いえ、私の話ではありま・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.10

■1万回という数字

 1万という回数が多いか少ないか、ということを考えさせられるできごとがあった。
 ___

 年末、洗面化粧台の上についている蛍光灯がつかないと家人が言う。だから蛍光灯を替えてくれという趣旨の発言なのだが、それは蛍光灯の問題ではなくてスイッチの問題であることを私は知っていた。
 かなり前から調子がおかしかったのだ。

 どういうふうに取り付けられているのかすら外見からは判断しにくい組み込みスイッチで、上からAC100Vのコンセント・蛍光灯のスイッチ・鏡の曇り止めヒーターのスイッチの3つがセットで並んでいる。ネジやら溝やらという分解のとっかかりになりそうなものが何もない。

 面倒なことになったなあと思いながら、見よう見まねでバラそうと試みると、案外素直に外れた。ずらずらと出てきたコードと、それにぶら下がった部品は、生き物から引き出された内蔵さながらであった。
 それはともかく、真ん中のスイッチ部品だけを交換すればいいことは簡単にわかった。

 こんなものでも電器屋さんに頼めば5千円ではすまないと思うので、部品だけを購入して自分で交換することにした。
 その交換部品を見つけるのにもちょっと苦労したし、実際の取り替えにもかなり難儀したのだが、それはこの際関係ないので割愛する。

 見つかってしまえば、カタログはもちろん、商品仕様書からCAD図面に至るまで掲載されているのだからすごい時代である。

 結局、「ホタルスイッチ」は必要ないので、緑のインジケーターのないふつうのスイッチにした。単なる丸いボタンを押せばスイッチが入り、もう一度押すと切れるタイプである。

 現行品はうちの家を建てたあとに発売されているが、規格としては同じものだと思う。

 さて本題。

 「商品仕様書」を見ると、どういう試験なのかよくはわからないが、要するに連続1万回の開閉試験を行ったと書いてある。「連続」とはいっても、2秒間点灯させて20秒間消灯し・・・なので、そんなにバチバチやってるわけではない。その試験で1万回は支障なく作動したということだろう。

 だが、「1万回」は妥当なのか。

 洗面化粧台の蛍光灯のスイッチを、朝と夜に家族がそれぞれ一回、入/切するとする。
 仮に4人家族だとすると、1日に16回、1年で5840回に達する。
 これでも最小限に近い見積もりだと思うのだが、なんと、2年で1万回を軽く超えてしまうのである。

 どう考えても、10万回の開閉試験くらいはやっておいてもらわないと困る。

 うちは3人家族で20年近く故障しなかったのだが、朝夜各自1回+αで10万回くらいだ。実際に何回スイッチを入/切したか知る由もないが、やはり耐用10万回くらいが妥当ではなかろうか。

 正月に実家に帰った折りに簡単に見て回ってみたが、50年間そのままのスイッチがいくつもあった。
 私もそうだが、両親も、ああいうスイッチを予防的に替えようなどとは考えもしないだろう。

 蛍光灯がつかなくなるくらいなら問題ないが、漏電とか火事とか、そういうのに結びつかないことを切に願うと同時に、日本の電機部品って性能も耐久性もいいんだなあと改めて感じ入った(今回替えたパナソニックのスイッチは東南アジアのどこかの国の生産になっていたけれど)。
 ___

 もちろんいい加減な概数だが、1年間の呼吸数が800万回・心臓の拍動が3800万回くらいである。
 あまり歩かない私でも、1年間の歩数は100万くらいに達するだろう。

 ああ、生まれてから、俺の心臓はどうかすると20億回くらい動いていることになる・・・

 今から1万回何かをしろと言われれば途方もなく大きな数字だが、見方を変えれば、1万回なんて、ほんとに取るに足りない数字でもあるのだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.07

■ハクソー・リッジ

 沖縄戦の映画だというだけの予備知識で見た。
 ハクソー・リッジとは沖縄県浦添市にある丘で、日本側は「前田高地」と呼んでいたそうだ。

 実話だというのだが、細部の多くは創作・演出されたものだろう。

 いずれにせよ、ものすごい傑作だと思う。たとえば『プライベート・ライアン』みたいに話題になっていない(なってませんよね?)のが信じられない。

 物語は一人の英雄に焦点が当たっているが、もちろんそれにとどまらない。

 後半は沖縄戦を描いているので、見ていられないような映像が頻出するが、それでもやはり、誰もが見ておくべき映画だと思う。

(Hacksaw Ridge, 2016 U.S.A.)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.01.01

■あけましておめでとうございます

これをお読みになっているあなたの幸せがずっと続きますように

20170430northalpspanorama_copy

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2017年12月 | トップページ