2017.08.01

★バイク&ハイク(承前)

 バイクに戻り、少し考えてからジャケットなしで昼食に向かうことにした。上半身を守るプロテクターもなくなったということで、なんだか不安である。転倒したことはないんだけれど。
 ヘルメットもなしにしたかったが、さすがにやめておいた。

 汗をかいた体で24℃の空気の中を走り抜けていくと、少し寒いくらいに感じる。

 ほどなく、旧六甲オリエンタルホテルのところに来た。様子が変わっていたので思わず止まる。
 2007年に閉鎖されてから長い間放置されていた(ただし、建物の素晴らしさが惜しまれて、2年前には一時的に「六甲ミーツ・アート」の会場の一つに選ばれたらしい)が、とうとう解体が始まってしまった。諸行無常である。

 手前にある案内看板はそのままで、まだ古びた感じもないことが、かえって哀感を催させる。

 道路沿いは青いアジサイがみごとだ。

 天覧カフェでカレーの昼食後、気紛れで六甲ケーブル山上駅に向かう。
 子どものころ、これに乗って下から上がってくるのは、ハレのお出かけだった。

 大人になって、いつでも自由に1時間あまりで来られるようになったことは、決して福音ではない。
 あのころと同じようなハレの気分を求めるならば、今は少なくとも海外に出る必要がある。

 そういえば・・・

 18の時はヘルメットもかぶらずにTシャツ姿で原付に乗って走り回り、何の不安も感じていなかった(念のため、当時の原付ノーヘルは合法です)。
 40になっても、プロテクターなんて使っていなかった。

 わくわくするハレの気分を味わえるのは、無知で無防備な者の特権なのかとふと思う(今も人よりは無知で無防備ですが)。

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2017.07.30

●バイク&ハイク(たぶんその5:西おたふく山)

 かねての予定が流れた休日、せっかくだからどこかへ行きたいなあと思ったものの、どこへ行っても暑いだろうと考え、久しぶりにバイク&ハイクのために六甲山へ向かった。

 出発は昼前で、逆瀬川までは酷暑だが、川沿いを遡上するころには涼しくなり、山に上がると24℃、温度としては快適である。
 ただ、曇り空で湿度は高く、さわやかというわけにはいかなかった。

 ライダー用ジャケットを脱いで、ときどき訪れる西おたふく山付近を散策。下はライダーズパンツにブーツなので、歩きやすくはない。
 うるさいほどのヒグラシの声に混じって、ホトトギスやソウシチョウやウグイスの囀りが聞こえる。

 いつものように突き当たりまで行って引き返すつもりでいた。
 が、奥の方に、明らかに今までなかった道ができている(と思った)。

 もしかしたら、幻の西おたふく山頂上に行けるかと思い、そちらへと歩を進めた。
 道はほどなく反対方向になり、やはり頂上は幻かと残念だったものの、先がどうなっているか気にかかり、歩き続けることにした。

 猛毒のテングタケを見つけたころだったと思う。人っ子ひとり見当たらないこんなところで、昼食はおろか、チョコレートやキャンディ、さらには一滴の水さえも持っていないということが、ちょっと不安になってきた。
 途中のコンビニで何か調達してから山に上がろうかと迷った挙げ句、最後のコンビニを見送り、「まあ山上でどこかお店に入ればいいや」と思っていたのである。こんな本格的?なハイクをするつもりもなかった。

 幸い、携帯は使えるようだが、「六甲山で遭難」というのは実際たまにあって、その危険性だけではなく、天下に恥をさらすという意味でももっとも避けたい事態である。

 こんなブーツで歩いていて足でもくじいたり、水筒すら持たずに熱中症になったりしたら・・・

 そう思いながらも、昔から「この先はどうなっているのか」が気になる性格なので、引き返すポイントを決められずにずるずると進んでいくうち、大きなカエルを見つけて写真を撮った。

 そろそろ引き返すのか進むのか決断した方がいいと思い、iPhoneのアプリで確認すると、そのうちの一つに今いる道が載っていて、どうも周回して元の場所に戻れるようだった。
 ならばと、ちょっと安心して先に進んでいく。

 ほどなく、古い案内看板が見つかり、やはりここが「周遊歩道」であることを知った。

 何年もの間、少なくとも夏の間はクマザサ?が生い茂って立ち入ることがほとんど不可能になっていたのだが、どうやら道自体は昔からあったようである。ササが刈られて道が現れているのは歩き始めた時にわかったし、そういえば入口に案内看板もあったような気がする。

 看板によると、下に降りて谷筋に入るのは危険だというのだが、バイクの所まで戻らなければならない身、もとより下山するつもりはない。
 遭難の杞憂もやわらぎ、東へと向きを変える。標高にして100m近く下ってきたようだ。ずっと湿気た森の中で今一つぱっとしない「周遊歩道」だったのだが、東側の尾根に出て急に展望が開けた。

 霞んでいてすらみごとな景色である。六甲山に展望ポイントはいくつもあるが、ここはことのほか素晴らしい。
 夜に来てみたいな、と一瞬思った。真っ暗な山道を歩いてきて突然この展望が夜景になって開けたら、きっと感動も大きいに違いない。

 最後はそれなりの急登を経て舗装路へと戻る。急登のところで初めて単独行の登山者を見つけた。

 バイクに戻るまで、歩行時間は1時間あまりか。運動不足の身にはそれなりにきつかったが、また秋になったら来ようかなとちょっと思った。

(つづく)

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2015.12.07

★12月のある晴れた午後に100パーセントの女の子と出会うことについて ──Barnshelf の妖精

 ──このエントリはフィクションです。
 タイトルは村上春樹の短編をもとにしていますが、内容は何の関係もありません。
 ___

 「12月のある晴れた午後に100パーセントの女の子と出会うことについて ──Barnshelf の妖精」

 長い間バイクに乗っていなかった。乗れそうな日は、天気が悪いとか何か用があるとかが続いた。たまに何の予定もない休日があっても、どんより曇っていたり寒風が吹きつけたりするようでは、なかなか走ろうかという気になれなかった。「たまにはエンジンをかけてやらないと」などと考えるのは、購入してから初めてのことかもしれない。

 そんなことを考えていた12月のある晴れた日、リビングでブランチをとっていると、いつになく心地よい暖かみに包まれる気がした。南に面した掃き出し窓から差し込む光が背中を温め、足もとにも日だまりを作っている。床暖房も入れていないのに、下から暖かくなってくるのがわかる。振り返って空を見上げると、最近目にしたことのないような青い冬晴れだった。窓を開けても「放射冷却で冷え込んでいる」というような気配はなく、いわば小春日和である。「よし、ちょっと走ってこよう」と思うまで、時間はかからなかった。

 ちょうど気になっていた雑貨屋が兵庫県の三田市にあったので、そこを一応の目的地にした。走ること自体を目的にするよりは、その方が少し満足感が高いことは経験からわかっている。バイクジャケットのインナーであるダウンの服をクローゼットから引っ張り出したが、少し考えてセーターですませることにした。
 外へ出ると快晴だった。バイク装備で玄関先をうろうろしていると、少し汗ばんでくるほどだ。それでも、走り出せばすぐ寒さが正面からぶつかってくる。隙あらば前に出ようとする車両の群れを後にし、「道の駅いながわ」を左折して、晩秋の色濃い「北摂里山街道」に入るころには、グリップヒーターのスイッチを入れた。
 まもなく冬だ。いや、今日だけが秋で、もう冬なのだ。

 目的地の Barnshelf(バーンシェルフ)までは、50km足らず、1時間15分ほどの道のりだった。丘の片隅を平地にして砂利を撒いたような駐車場を目にしたときには、すでに通り過ぎそうになっていたので、そのまま進んで次の狭い道に入り、店の東側に出た。バイクくらいならその辺に駐められるかとも思ったが、適当な場所も見当たらず、入口も西側のようだったので、あきらめて駐車場まで戻り、隅の方にバイクを駐めた。他に車は一台もいない。
 煉瓦敷きの歩道を歩いて店に向かう。牛舎を改装した建物だということだが、むしろ廃工場のような佇まいだった。積み上げたブロックに波打ったスレートの壁、無骨な窓。こんな田舎のこんな店に、いったい誰が来るというんだろう? 客もいないようだし、そもそも、営業しているんだろうか・・・

 どこから入るのかもわかりにくく、少し探して PULL と書かれたドアを開けると、外観からは想像しにくい、ちょっとおしゃれな空間が広がっていた。BGMが静かに流れ、コーヒーの香りが漂う。
 店の主人に軽く挨拶してから、店内をまわる。案に相違して、先客の女性が一人、窓際の席に座って何か飲み物を飲んでいるようだった。その近くには若い男性が立ち、私と同じように商品を眺めていた。

 雑貨屋というかセレクトショップというか・・・あとで見たウェブサイトの文言によれば、「古書を中心としたこだわりの本棚と衣食住にまつわるさまざまなアイテムを新旧和洋問わず集め」ている店とのことだが、その言葉通り、まことに「さまざまなアイテム」がとりとめもなく置かれていて、なぜこんなものがここにあるのか、こんなものがここで売れるのかと思わされた。
 靴下や服、台所用品や食器、かばんや文房具・・・なんかが、必然性なく並んでいるのである。極めつけは本で、少ない在庫の中に『フィールドガイド 日本の野鳥』はともかく、「日本野鳥の会」創設者である中西悟堂の本なんかが混じっているのには驚かされた。ちょっと大きな書店に行っても、中西悟堂の本なんて置いてやしない。かといって、この店がバードウォッチングの本を中心に集めているのかというと、そんなこともない。
 本に限らず、衣服にせよ食器にせよ文房具にせよ、どれもが店主の趣味によって選び抜かれたものであるだけに、とりとめなさの中にも奇妙な統一感があって、こんなふうに気に入ったものに囲まれて暮らせたら素敵だろうなと思わされる。「もし自分がこんな店をやるんだったら、どんなものを置くだろう?」などと考えながら、「こだわりの」アイテムを見て回る。
 それにしても、こんな店がやっていけるのか・・・と思っていると、3周年を記念して作ったというカップを見つけた。少なくとも3年以上は続いているわけだ。他にも収入の道があるのだろうか、それとも、まさかこれだけで食べているのだろうか。いずれにせよ、好きなことがあってそれを職業にできる人は幸いだ。

 いつ気づいただろう?

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2015.11.19

●バイクはバックができません

 先日バイクで出かけたときのこと。田舎道を快調に走っていると、前の車がいきなり停止した。

 ウィンカーを出すでもなく、左に寄るわけでもなく、車線の中央で突然に。
 もちろん、信号も標識もないし、交差点でもない。

 幸いというか、いつも車間距離はきちんと取っているので追突するとかいうことはなかったが、それでも停車がいきなりかつ急ブレーキ気味だったので、こちらもちょっと焦った。
 が、まあ、特に問題はなく、急停止を避けるため、相手の車の後ろ1m少しくらいのところまでブレーキをかけ続けてバイクを止めた。

 止まるのと前後して、ホーンを鳴らした。
 「危ないじゃないか」という気持ちもあったが、こちらの存在を把握していないのではないかという危惧があったからだ。

 二呼吸ほど待っても動こうとしないので、「車間が狭くてちょっと苦しいけど、右側に出るしかないか」と考え始めたその時、あろうことか、その車がバックしてきた。

 これ以上車間が詰まったら右へ出ることも不可能になる。それ以上に、バックされたらすぐにぶつかってしまう。

 今度は思いっきり、というか、必死でホーンを鳴らした。いくらがんばっても音量は変わらないのだが、鳴らしっぱなしにしたことでなんとか状況がわかってもらえたのだろう、バックをやめた後、ややあって、ようやく少し車を前に出してくれ、右側から抜くことができた。

 それにしても・・・

 ウィンカーも出さず、左にも寄らず、車線の真ん中で突然止まり、あまつさえ、後ろにバイクがいるのにバックしてくるとは・・・

 なんかもう、常人の域を超えた無茶苦茶な運転である。

 ・・・と思った後、もしかして、バイクがバックできないのを知らないのではないかと思いあたった。

 いや、仮にバックできるとしても、それを後ろの車両に強要するようなドライバーは言語道断なのだが、自分が下がれば後ろのバイクも下がってくれると思っていた可能性はある。

 声を大にして言いたい。「バイクはバックができません」 
(ごく稀に、バックギアのついてるバイクがないわけではありませんが)
 ___

 この話を運転歴2年半の息子にすると「えっ? バイクってバックできへんの?」という。

 「あたりまえや。自転車もバックできへんやろ」というと納得していたが、やっぱり乗ったことのない奴にはわからないのかもしれない。

 バイクも自転車と同じで、地面に足をつけて漕げばバックできないことはない。だが、例えば私のバイクは車両重量が二百キロ以上あるのである。平地でもけっこう大変だし、ちょっとでも下り坂ならぜんぜん不可能だ。

 ドライバーは「バイクはバックできない」ことをぜひ肝に銘じてほしい。

 それにしても・・・

 運転していたのは初老くらいのドライバーだった。おそらくはベテランのはずだ。

 どうすればあれほど自分勝手で無自覚な運転ができるようになるのだろうか。

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2015.09.27

■剣山登山断念



・・・と思ったら晴れてきたりして。

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2015.08.16

★バイク&ハイク(その4:三国岩など)

 過ぎてしまえば酷暑も一時。山に入るところはまた27℃に戻り、山上は25℃を切る。

 それはともかく、六甲なんて何度も何度も行っているのに、まだ行ったことがない場所であふれているのが不思議だ。
 いつもメイン通りを通過するだけ、そうでなくても道沿いに立ち寄る程度で、脇道があることにすらほとんど気づいていない。
 まあ、気づいて入ると悲惨な目に遭いそうな脇道が多いけれど。

 今回は、ダイヤモンドポイントと三国岩。
 前者は明らかに名前負けだが、絶景には違いない。
 後者は文字通り三つの旧国の境界が交わるところに位置しており、六甲の分水嶺でもあるという。すぐ近くに三角点もあるのだが、立入禁止で行けなかった。

 会社なんかの保養所が六甲に多いのは知っていたが(その昔、父の会社の保養所にも何度か泊まった)、個人の別荘もけっこうあるのはほとんど意識していなかった。
 湿気なんかが少ない分、軽井沢より過ごしやすそうである。もっとも、あの喧噪がない代償として、なんだかうら寂しさが漂う。

 いったい、こんなところでどんな人がひっそりと夏を過ごしているんだろう?

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2015.07.31

●バイク&バイク(番外:天狗岩)

 休日出勤の代休。バイク&ハイクというよりバイク&バイク。

 先日初めて車で走った県道82号で山口町船坂。芦有ドライブウェイで有馬から宝殿。3度目の天狗岩。

Dsc07855_169 3度目でやっと、なぜ天狗岩と呼ばれているかが分かり、東側に見えている小さなビルが今は使われていない六甲有馬ロープウェイの天狗岩駅だと認識した・・・

 六甲山牧場のところで西行き通行止め(表六甲も通行止め:いずれも台風11号のせい)。ガーデンテラス、裏六甲往復。宝殿から芦有ドライブウェイで初めての奥池。戻って有馬。また県道82号。逆瀬川経由で帰宅。
 走行約140km。

 カンカン照りではなく薄曇りだったのに、やはりもう明日は8月。山に入るところのいつもの電光掲示板は30℃、山上でも28℃よりは下がらない。
 山上でジャケットを脱いで走るとまあ涼しいには涼しいが、ほんの10日ほど前に感じた風の冷たさはない。

 帰りの宝塚から中央環状では、日の当たっていない温度計がずっと40℃を指していた。

 お盆を過ぎるまではもう無理かな・・・という感じだった。
 ___

 この夏、北海道に行こうかと思っている。最初はバイクで行くつもりで、だんだん気持ちが車に傾いてきていたのだが、帰宅して駐めたバイクを後ろから見た瞬間、きっぱりと車で行こうと思った。

Img_8894_sqr 北海道は涼しいはずなので、その理由はよくわからない。

 夜になってからはすっきり晴れた。ブルームーンが綺麗だ。

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2015.07.25

●バイク&ハイク(その3:天狗塚)

 まさかの3回目にして、やや本格的?なハイキング。天狗塚(先週は天狗「岩」です)。

 それほど高低差のない尾根筋を行くはずが、まさかの猛烈アップダウン。
 登りは壁、下りは崖である。

 いや、尾根筋には違いないのだが、地形図を見慣れていないものだから、等高線の間隔がどの程度だとどのくらいの勾配なのかがピンとこないのだ。
 かなり緩やかなのんびりした道に見えたのだけれど、周囲の谷が急すぎるだけのことだったらしい。

 今見ると、車の走る道などは、ほとんど等高線と交わることなく、並行して走っているのがよくわかる。
 それでもけっこうなアップダウンなのである。

 まったく大した距離は歩いていないのだが、個人的にはほとんど限界だった。「熱中症」とか「転倒」とか「滑落」とかいう文字が何度も脳裏をよぎる。

 バイクを駐めたところまで戻る気力がなく、帰りの半分弱はバスに乗ってしまった。何をやってるんだか・・・

 山上の気温はやはり22℃。

 風がない分、歩いていると先週よりかなり暑く感じたが、少しの間だけバイクジャケットを着ないで走ってみたら、冷えた空気が火照った体をみごとに冷やしてくれて快適だった。

 ヒグラシの声が増え、あじさいはまだ盛りを保っている。
 ___

 それにしても、出会った20組ほどのハイカーのうち、16人(←16/20)くらいが年配の男一人。

 みんな孤独なんだなあ・・・ この暑いのに一人で山を歩いて楽しいのだろうか。

 人のことは言えないけれど。

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2015.07.12

●バイク&ハイク(その1:西おたふく山)

 六甲山系の西おたふく山(西お多福山)山頂(878m)へ行くことは不可能です。
 少なくとも、夏の間は。
 ___

 西おたふく山は謎の多い山である。頂上まで登頂した人はあまりいないのではないか。

 ネットにはそれなりに情報があるものの、そもそもどこを指して西おたふく山だと言っているのかすら曖昧な場合が多いし(現在は Google Map も Yahoo! 地図も Mapion も派手に間違っている)、だいたいの場所は把握していても、「ここが頂上だ」とするもののほとんど?が誤っている(と思う)。

 今日も、通りがかったハイカーに山頂のありかを聞いたのだが、教えていただいたのは六甲無線中継所(国土交通省近畿地方建設局)の鉄塔近くであり、そこは山頂ではないはずだ。
 「行ってみたが三角点は見当たらなかった」とおっしゃっていたのだが、国土地理院の地形図に標高すら記載されていないのだから、三角点があるはずもない。

 だが、多くの方がそのあたりに山頂があると思っていらっしゃるようで、以前は「西おたふく山 867m」と記した緑の板も木に取り付けられていたようだ。
 (後記:なんと、山と渓谷社の「山と高原地図:48六甲・摩耶(2015)」も、この867m地点を西おたふく山頂としている。)

 周囲で一番高いところを山頂とするならば、実際の山頂はそこから北西に100mほど行ったところにある。そこには地形図に「西おたふく山」と記載されており、878mの表示もある(いずれにしても三角点は設置されていないようだが)。

 ところが、そこに至る道がない。
 登頂した方の記録によると、「明確な踏み跡が登っているのか確認できた」とあるのだが、今日は目を皿のようにして見ても、その入口すら見つけられなかった。

 クマザサ?に覆われて、まったくわからなくなっているのである。

 頂上からすぐそこ、標高差も距離もほんの25mほどのところには舗装道路(ただし一般車両通行不可)が走っているのだが、なにせそこから登る道がないものだから、素人にはどうしようもない。

 「藪漕ぎ」を厭わない方であれば直登も可能かとは思われるが、なにせ標高差と距離とが同じ25mだとすると、45°の斜面ということになるはずだから、簡単ではないだろう。

 上記リンク先によると、5月13日と6月10日には登っていらっしゃるようなので、その後植物が生い茂って道がわからなくなってしまうということなのだろうと思う。

 実は、この周辺は「お気に入りの場所」として以前にも何度かこのブログで取り上げたことがある。夜に肝試しに来たような気分になったのもここだ。

 だが、頭の片隅には常にあったような気がするものの、西おたふく山の頂上がいったいどこなのかは、これまで解明せずに来た。

 昨日だか、なぜかふと気になって、一度山頂を目指してみようと思ったのだが、あえなく挫折したわけである。

 本格的なハイキングをする体力はないので、すぐ近くまでバイクで行く。
 どうしようもないような暑さだったが、宝塚市の逆瀬川にかかると少し涼しくなり、山に入るころには26℃、山上では22℃程度と、湿度は高いものの快適であった。
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 あまりにも歩かない生活をしていて、趣味がバイクツーリングだドライブだ旅行だというのではあんまりなので、バイクや車で出かけていって、ちょっとだけハイキングをするというのを思いついた(というか、これまでにも何度かやっている)。

 語呂が気に入ったので、「バイク&ハイク」としてシリーズ化したい。果たして「その2」があるだろうか・・・

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2015.06.04

◆ないものねだり

 年に何日もないような清澄な空気。

 街も山も、本来の彩度を取り戻したかのような色彩に覆われ、木々の緑は言うにおよばず、家々の屋根や壁までもが新鮮である。

 季節は初夏になっているので寒いわけではないが、「冴えかえる」という春の季語は、こういう日のことを言うのではないかと思った。

 夕刻、バイクで走っていると、確かに風が少し冷たい。
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 飛びたい、と切実に思ったのは久しぶりだ。その代わりにはならないが、仕事帰り、バイクで高台に登って大阪平野を見下ろす。

 急に視力がよくなったかのような風景・・・
 生駒山系の奥の山なみまで見えたのは、もしかしたら初めてではないだろうか。

 瑞々しい緑は、一夜にして出現したんじゃないかと思うくらい鮮やかだ。
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 「いつもこんなふうに綺麗な緑が見られればいいのに」とは思うものの、毎日が今日のように乾燥していたのでは、木々はこんなふうには育たない。

 地中海に面した南ヨーロッパなら、こんな日は珍しくないだろう。
 だがもちろん、圧倒的なまでの豊かな植生はそこでは望めないのだ。
 
  
 この冴えかえる空気を切り裂いて無音の飛行機を飛ばし、2.0の視力で珊瑚礁も氷河も万緑も見てみたい・・・

 どこをとってもないものねだりである。

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