2017.04.20

★「今の時代には合わない」のではない

 大阪府の松井一郎知事(日本維新の会代表)が「戦前・戦中に使われた教育勅語を教材に使用することについて「今の時代には合わない。個々の価値観まで教育の現場で押しつけるのは変な話だ」と述べた」という(朝日新聞朝刊)。

 率直に申し上げて、日本維新の会も松井知事もほとんどまったく評価していないが、この発言は悪くない。残りの部分を含め、記事を読む限り、筋の通ったことを言っていると思える。
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 ただ、言葉尻をとらえるようで恐縮だが、本質的な問題でもあると思うので、ひと言申し述べたい。

 教育勅語の価値観を教育現場で教えることがダメなのは「今の時代には合わない」からではない。
 そういう言い方を許せば、では合う時代があったのか、将来また合う時代が来る可能性があるのか、という話になってしまう。

 そもそも、「戦前・戦中」なら「時代に」「合」っていたからそれでよかったのか。

 歴史上のさまざまな事象には、それぞれ、その時代時代、地域地域の制約や必然・偶然が作用したことだろう。しかしそれでも、よくないことはよくないのだ。
 奴隷制度・人種差別・独裁制・民族浄化・・・といった極端な例を挙げればわかりやすいだろう。

 教育勅語がダメなのは、「今の時代には合わない」からではない。「人類が目指すべき普遍的な価値に合わない」からダメなのだ。
 それは、「今の時代」であろうと「戦前・戦中」であろうと、そして、将来・未来であろうと変わらない。
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 難しいのは、「人類が目指すべき普遍的な価値」の中味と、それにどれだけ多くの人々が合意できるかなんだけれど、それを見いだして合意形成していく努力こそ、人類にもっとも求められていることである。とりあえず、教育勅語がその価値観と合致しないのは論を俟たない。

(蛇足ながら、念のためもう一つ引用しておきたい。「西原博史・早稲田大教授(憲法)は「教育勅語がいうのは、天皇を頂点とする国家とそれを構成する家族内の秩序維持のため、つまり天皇のために親孝行せよということだ。そこを切り離して『いいところもある』と評価するのは、まずは無知であると言うしかない」と話す」(asahi.com))

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2017.04.13

★「母になる」または 間違った敬語

 なぜか勝手に録画されていたのでとりあえず再生してみたら、沢尻エリカの名前を見てちょっと見る気になった。
 藤木直人も好きな俳優だし、話も悪くないと思う。

 ただ、警察官が「ご確認してください」、産科医が「ご安心してください」と発言する台詞にはげんなりした。
 言うまでもなく、正しくは「ご確認ください」「ご安心ください」である。

 脚本家が敬語の使い方を知らないとしても、だれか気づいて止めなかったのだろうか。

 台本や原稿などをもとに、こうも堂々と明らかな間違いを放送されると、ますますこういう言い方が定着してしまうのではないかと危惧する。

 いや、言葉は移りゆくものだとわかってはいるつもりなのだが、それにしても。
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 後記:調べたら、脚本家は水橋文美江という、私と同年代のベテラン(かつ一流?)の人らしい。それでもあんな台詞を書くのだろうか。まさかそのほうがリアルだから?
 いずれにせよ、もう一度言いたい。だれか気づいて止めなかったのだろうか。

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2017.04.10

★「うるさいだけのタイヤ」

 車のタイヤをオールシーズンのものに交換した。

 前の車でさんざん雪道を走ったので、「もういいや」と思い、今の車はFFにしたし、スタッドレスに履き替える予定もなかった。

 そもそも、一年のうち360日以上は雪道用のタイヤなど必要ない。どうかすると、365日必要ないかもしれない。
 最近はどこも除雪が行き届いているので、「この冬一番の寒波」が来た直後とかでなければ、関西なら日本海側ですらスタッドレスタイヤは要らないことが多い。

 しかし、たまの降雪で車に乗れない、走れないというのも困る

 そう思っていたところへ、これまで日本では人気のなかったオールシーズンタイヤが急に脚光を浴びているのが気になっていた。まあ、某メーカーのプロモーションが功を奏しているんだろうが、その宣伝を読めば読むほど自分にぴったりな気がしてきたのだ。
 オールシーズンを履いていれば、冬用タイヤ規制もクリアできるという。
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 行きつけのタイヤ屋に交換に行くと、珍しく社長がカウンターに座っていて、「なんでこのタイヤに決めはったん?」と聞く。
 「滅多に雪道は走らないので、スタッドレスに履き替えるほどのこともないと思いまして」みたいに答えると、
 「このタイヤで雪道なんか走ったらあきまへんで」と言う。

 いや、走りますよ、というと話がややこしくなりそうなので、
 「ええ、基本的には走りません」と言った上で、「でも、夏タイヤよりはマシでしょう?」と聞くと、
 「そんなん、変わりませんよ。うるさいだけのタイヤや」とのご託宣。

 えええっ。今さらそんなこと言われても・・・ それならそうと、見積を取った時点で言ってほしかった・・・とは、あんまり思わなかったので、抗議もしなかった。
 注文を受けた店員が叱られるのも可哀相だし、私なりに熟慮(笑)を重ねた上での判断なのだ。

 「最近はオールシーズンもよくなってきてるんじゃないんですか?」
 「いや、そんなん、いっしょですわ」

 まあ、実際どうなのかはわからない。春になったばかりだし、また冬になって雪が降ってくれないと試しようもない。そして、試して滑ったのではシャレにならない。
 もともと、保険的な意味合いでこれにすることにしたこともあって、雪道性能にはそれほど期待していない。

 それより気になるのは、ドライやウェット路面での性能である。なにせ、99%以上は、雪や氷と無縁の路面を走るのだ。

 うるさいだけのタイヤ・・・

 幸い、皮むきのために数十キロ走った段階では、それほどうるさいとは感じなかった。直進性も応答性も良好な気がする。
 ステアリングがかなり軽くなったので、グリップがちょっと心配だが、これはたぶん、お店で空気圧を高くしすぎている影響が大きい。しばらくしたら適正値まで下げて様子を見よう。
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 いずれにせよ、今さら何を言っても後の祭りである。「うるさいだけのタイヤ」だと思って性能には期待せず、より一層安全運転を心がけようと思う。

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2017.04.08

★無用な買い物

 このひと月ほどの間にヒマに飽かせていろいろ無用なものを買いました。ここに書いていなかったことに気づいたので書いておきます(以前別の所に書いてからまた増えてる・・・)。

・ヨーグルトメーカー
・双眼鏡
・水晶のツボ押し棒
・シリコン鉱石
・純銀バー
・カッターシャツとズボン(これは有用か)
・車用空気清浄機
・双眼鏡
・杉の丸太を輪切りにしたバウムクーヘンのような iPhone 立て
・那智黒石のペーパーウェイト

 ぜんぶ足しても数万なのですが、その金額に匹敵するスティック掃除機は何とか買わずに踏みとどまっています。
 それにしても、どうして双眼鏡が2つ・・・

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2017.04.07

★必要経費

 3月は必要のない買い物をいろいろしてしまった

 4月以降はそういうことはないと思うのだが、すぐに固定資産税とか自動車税とか息子の授業料とかの類が襲いかかってくる。合計で数十万円になる。
 それを思うと、3月に買ったもろもろなど、ぜんぶ足してもその1/10だ。

 曲がりなりにも好きなものを買うお金が、仕方なく支出するお金の1/10だなんて、何のために働いているのかと思う。

 そんな中、もう一つ出費を強制されるものができた。車のタイヤである。

 遅かれ早かれ替えなければならないくらい溝が減っていたところへ、タイヤメーカー各社がかなりの値上げを発表したので、値上げ前に取り替えることにしたのだ。

 それが10万円以上する。自他の命がかかっているので安物は買えない。それにしても、避けられない必要経費が趣味の買い物の合計を超えるなんて・・・

 だいたい、思い切って購入した、分不相応なカメラの値段とタイヤの値段がほぼ同じなのである。

 ふだん、100円200円を惜しんでペットボトル飲料の購入すら最小限にしているのに、そんな努力?を嘲笑うかのような出費続き。

 でもまあ、「仕方のない出費」というのは、懐の負担にはなっても(すごくなる)、実はそれほど心の負担にはならない。

 避けられないものはどうしようもない。
 諦めは悪くない方なのである。

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2017.04.03

★熊野・那智勝浦・尾鷲1泊旅行 tweet 集

 日程としては新年度なのですが、旧年度の締めくくりとして?1泊だけの旅行に行ってきました。
 例によって寂しい一人旅です。以下はその際の tweet 集。若干編集しています。
 「戸惑う被写体」にも写真をアップしています。ご笑覧くだされば。

2017/04/01 12:03:01 梅や桃や桜がそこここで咲き誇っていたのに、大台ヶ原手前で雪景色
2017/04/01 15:22:41 なんか、とんでもないところに来てしまいました。
2017/04/01 16:16:49 あたりまえだが、ほぼ一年ぶりの桜。何か不思議な感じがする。
2017/04/01 16:49:44 丸山千枚田
2017/04/01 20:31:09 那智勝浦に泊まっているが、津波が来たらどこへ逃げるか、どう逃げるかがすごく気になっている。私の神経では太平洋側の海沿い平地には住めそうもない。

2017/04/02 8:14:08 やっといい天気になってきました。
2017/04/02 8:17:22 @tawara_machi 和歌山は熊野の桜です。
2017/04/02 8:26:35 ホテルのロビーにあるのが本物の桜で驚いた。
2017/04/02 12:07:03 通過してしまおうと思っていた鬼ヶ城
2017/04/02 13:13:28 海岸線沿いをすこぶる快適に走れる国道311号。しかし、例によって、お昼を食べられるところがない。コンビニすら一軒もない。
2017/04/02 13:33:35 うわっ。俵万智さんがツイートに いいね してくれた! (同じ日に同じ大学の同じ学部を受験しただけの)同級生です。
2017/04/02 19:25:09 尾鷲から休憩なしでほとんどノンストップで帰宅。まさかの3時間20分。予定外の 家で夕食。

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2017.03.30

●いや、重ね重ね、お恥ずかしい・・・

 (いつにも増して長いのでご注意ください。今エディタで調べると、原稿用紙で12枚くらいの文字数でした。)

 先日、車で家を出ようとするとエンジンがかからなかった。

 最近の車によくある、スイッチを一瞬押すだけのタイプである。エンジンがかかったらキーを戻すなどの作業は存在しない。

 いつもはすぐにかかるのに、いつまでもセルモーターがキュルキュル回っているので、どうすればいいかわからない・・・はずが、本能的にというか反射的にというか、もう一度スイッチを押してセルを止めた。
 5回ほど試みただろうか。相変わらずである。

 セルは元気に回るので、バッテリーではない。
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 その考えが頭をよぎると、村上春樹がランチアデルタに乗っていて、チロル街道をドイツからオーストリアに抜けたところでエンジンがかからなくなったという話を思い出した(『遠い太鼓』)。

 「でも駄目だ。何度やっても点火しない。」という文が、そのまま頭に浮かんできた。

 あとで、古い文庫本を引っ張り出して該当箇所を探してみた。

車を降りてボンネットを開けてみる。そしてひとつ深呼吸をし、セルモーターが回って、エンジンに点火しない場合の原因というのを考えてみる。《中略》旅行に出る前にランチアの指定工場で定期点検を受けて、問題が起こらないように整備してもらったのだ。それなのにどうしてこんなことになるのか?
 私の車も、まだ3年目に入ったばかりの新車?で、年末に綿密な2年点検を終えたばかりだ。

 違うのは、ボンネットを開けようなどという気にならなかったことである。

 私は頭から、原因は電子的なものだろうと決めてかかっていた。要するにコンピュータの異常である。そうでない場合でも、自分が手を出せるような原因だとは考えなかった。

 以前にも増して、車はブラックボックス化しており、それはもう、スイッチを入れれば動き出す電化製品、いや、コンピュータになってきている。
 仕事の予定もその後の予定もあったので、とりあえず車はそのままにして、家人の車で職場へ向かう。たまたま車があいていてよかった。
 家にはいられないので、車を引き取ってもらうにしても翌朝になるだろうから、時間の押している仕事が終わってからディーラーに電話した。

 結局、やはり翌朝に引き取ってもらうことになり、夜遅く家に帰ってから改めてエンジンをかけようとしても、かからなかった。
 だが、諦めの悪い私がまたごちゃごちゃやっているうちに、エンジンはかかったのである。
 でもなんか、妙な音がする。それは結局、エアコンを切れば止まったのだが、再度エンジンをかけても同じだ。

 もしかして、何か変なことになっていたら、エンジンを回すのは余計壊すことにつながるかもしれない。
 前の車の話だが、高速道路上で水温が上がりすぎてトラックで運んでもらったとき、少しなら自走できるからと、自力でトラックの荷台に上がったことがある。
 ところが、ディーラーに着くと、タイミングベルト回りに問題があり、下手をするとエンジンをおシャカにするところであったと教えられた。

 またそれ以前の別の時には、ある程度エンジン回転数を高く保っていないと、ものすごく回転がばらついて黒い排気ガスがもくもくと出たことがあった。
 信州を旅行しているときで困ったのだが、回転をあげておけばスムーズなので、そのままだましだまし帰ってくると、エアインテーク系のゴムホースに亀裂が入っていて、適切な混合気が送られていなかったのが原因だった。
 それこそ、ボンネットを開けてカバーを外したりしたら気づいて、ガムテープでも貼っておけば応急処置はできたかもしれない。
 まあしかし、そういうのは後知恵である。自分で対処できるような原因が都合よく見つかるとはふつう思わない。

 青森でエンジンがかからなくなり、車を置いて帰ったときには、ディーラーですらすぐには原因がわからなかった。結局、燃料ポンプの故障だった。
 村上春樹のランチアデルタは、イグニッションコイルからディストリビューターに行くコードが切断されていたそうだ。
 そんな原因だと、素人にできることは何もない。プロにだって、部品がなければどうしようもない。
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 まあともかく、今回も自分でどうこうしようというのは早々に諦めて、車をディーラーに引き取ってもらうことにしていた。
 夜、念のため、エマージェンシーアシスタンスにもう一度電話をかけ、エンジンはかかるようになったみたいなんだけれど、それでも運んでくれるのかと確認すると、「もちろんでございます、もし何かあるといけませんから」ということだった。

 翌朝、引き取りに来た係の人は、一通り話を聞くと、「もしかするとイモビライザーのせいかもしれません。イモビが正規のキーを認識できないと、セルが回ったままエンジンがかからなくなります」と言った。
 イモビライザーというのは、キーと車とで暗号通信を行い、互いを認証したときにだけエンジンに点火する、盗難防止のためのシステムだ。それがおかしくなっているのではないかという。

 この説明はものすごく腑に落ちた。昨夜エンジンがかかった時は、かからなかったキーとは別のキーを使っていた可能性もある。
 ただ、私のイメージでは、イモビでひっかかるとセルも回らないと思っていたのだが、それは誤解だったのだろうか。それに、なんか変な感じがした、あの異音はなんだったのか。

 「イモビライザーの可能性がありますので、キーは2つともお預かりします」ということで、わが愛車はトラックに載せられて運ばれていった。
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2017.03.29

●多忙な人と暇な人と

 中堅旅行会社「てるみくらぶ」が破産して、世間を騒がせている。

 てるみくらぶは、確か以前、グアムだかサイパンだかにダイビングに行ったときに使ったので、まったく他人ごとというわけではない。
 庶民にとっては、やっぱり安さは正義なのだ。

 さて、今回の破産に関して、面白いニュースをネットで知った。
 いや、面白いというと被害にあったご当人には申し訳ないのだが、何とも興味深いので取り上げさせていただく。

 その男性は、「キューバなど5回分の旅行代金、トータル174万円」をてるみくらぶに払い込み済みだというのだ。

 この話を家人にすると「どうしてそんなに先の旅行の分まで予約してるの?」と心底不思議そうである。

 そうなのだ。
 われわれが旅行に行く場合、次の旅行のためには予約してお金を払っても、その次の旅行を計画するのは、最初の旅行から帰ってきてからというのが通例だ。
 帰ってきてからも、しばらくは次の旅行のことなど具体的には考えないだろう。

 だが確かに、次々と旅行に出かける人がもしいるとすると(たとえば帰ってきてまた2週間とか1か月後に出発なら)、帰ってきてから予約して・・・というよりは、最初の旅行の出発前に予約しておくのがむしろふつうかもしれない。

 私自身はたぶん、同時に2つ以上の旅行予約を抱えているという状態は過去になかったのではないかと思う。
 もしかすると仕事関係で1〜2度くらいはあったかもしれないが、とりあえず記憶にない。

 しかし、忙しいビジネスマンなら、出張の予定が5回ぐらい入っていたとしても、別に不思議ではないだろう。

 件の男性は、そんなに忙しい人なのだろうか。

 もちろん逆なのである。

 おそらくは年金生活者(しかも資産家?)で、暇すぎるから5回もの旅行の計画を立て、予約してしまっているのだ(現金一括で払い込むと1%引きとかいうキャンペーンに踊らされてしまったのかもしれない)。

 そうすると、多忙な人と暇な人とが、どちらも複数の旅行予約を同時に抱える可能性が高いということになって面白い。

 あ、要するに、仕事で忙しいか遊ぶのに忙しいかということで、いずれにしても忙しいのか・・・

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2017.03.25

●配偶者の呼称(その3)

 配偶者の呼称 配偶者の呼称(その2)の続き。

 以前書いた内容を含むが、標題をつけて改めて。

 2017年新春ドラマで、先日終了した「カルテット」(脚本:坂元裕二)では、年上の女性(松たか子)の配偶者のことを、年下の連中(満島ひかり・松田龍平・高橋一生)が「夫さん」と呼んでいた。

 からあげにレモンをかけるかどうか、かけるならどういう作法で、などについて侃々諤々の議論をする登場人物たちが、この呼称についてはだれもひと言の違和感も表明せず、ごくふつうに使っていた。

 こういうのをきっかけに、この奇妙な日本語も定着するのかもしれない。

 でもまだ「妻さん」は聞いたことがない。

 「ご主人」や「旦那さん」は使いにくいが「奥さん(奥様)」はまだ使えるからだろうか。

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2017.03.23

●レヴェナント:蘇えりし者

 単純なストーリーではあるものの、その壮絶さ・凄絶さは見ている者を引き込むのに十分だ。

 サイドストーリーとしてのネイティブ・アメリカンの描き方も、21世紀らしい視点から彩りと深みを添えている。

 「残酷さ」に耐えられる人はぜひ。
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 以下、どうでもいいようなことで恐縮だが、欠点という意味でもっとも気になったことを記す。

 レンズに水滴や血がついているのが写ったり、果てはディカプリオの息で曇ったりしたのには興ざめした。(モデルが存在するとはいえ)ノンフィクションやドキュメンタリーではないのに、こういうのはどうなんだろう。
 ヒグマとの格闘シーンなんかのことを考えれば、CGなりなんなりで処理することはそう難しくないと思うのだが。

 アカデミー賞の撮影賞も取っているんだけれど、そういう「細工」が少ないことが逆に評価されたりしたのだろうか。

(The Revenant, 2015 U.S.A.)

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