2019.07.06

●スズキ車のリコールはお早めに

 「完成検査工程における」「保安基準に関する検査が適切に行われていなかった可能性があ」るため、家人の乗るスズキの車にリコールがかかった

 このリコールの対象車はなんと1,769,331台で、スズキが2018年1年間に国内で製造した1,013,916台の約1.75倍にあたる。

 この1件だけで年間生産台数以上の車をリコールしなければならないスズキ自動車・・・

 「いったいどうするつもりなんだろう?」と思っていたら、「リコール作業の内容は法定2年点検相当の作業と自動車検査員による確認作業のため」、リコールはすぐには行わず「車検または法定点検の到来時期にあらためてご案内させていただきます」との封書が届いた。

 私自身、このリコールの中味は、「車両はきちんと製造して検査もしたものの、資格のある完成検査員がチェックしなかっただけ」のテクニカルなというか、いわば形式上の不備だと思っていたので(調べてみると違うみたいですね)、まあそれでもいいかと暢気にかまえていた部分もあった。

 だが、ことはブレーキにかかわる。

 そもそも、購入前に試乗車に乗ったときから、この車のブレーキが気に入らなかったのだが、「スズキ車のブレーキはこういう味付けだ」という説明を受け、まあそういうこともあろうかと思って購入し、すでに自分の車のブレーキとのタッチの違いにも慣れてしまっていた。

 スズキは次回の点検まで待てというのだが、あの気に入らないブレーキが改善される可能性もあるのなら、早急にリコールに出した方がいいかと思って、遠慮がちに販売店に依頼してみた。

 非は先方にあるからだろう、あるいはクレーマー的な誰かがすでに相手を怒鳴り散らした後だったからかもしれない、先方は「リコールは次回点検の際に・・・」などという発言はおくびにも出さず、何の質問もせずにすぐにリコールを受け付けてくれた。

 そうはいってもこれだけの数のリコールをこなしている最中だから、整備工場に空きがあるのかなあとも思ったが、幸い、お互いに都合のつく日も見つかった。

 依頼する際、「以前から気になっていたブレーキをついでに改善してくれないか」と頼んだが、調整等は一切できない構造になっているという説明を受けた。
 購入時にも1か月・6か月点検時にも同じことを言われている。

 したがって、リコールを終えた車のブレーキのタッチも、変わらないはず・・・であった。

 それが劇的に変わっていたのだ!

 動き始めて最初にブレーキを踏んだときに、もうわかるくらい。足踏み式のパーキングブレーキの感触も、まったく異なるものになっている。

 今日は家人も運転したが、あれほど違いのわからない女であるはずの彼女が、すぐに「ぜんぜん違う」というほど変化していた。
 ___

 たった1台の経験から言うのもアレだけれど、今回のスズキのリコールは「完成検査工程における」「保安基準に関する検査が適切に行われていなかった可能性があ」るというような話ではない。ましてや、単なるテクニカリティや書類上の不備でもない。

 「調整できない」と言われていたブレーキのタッチが、誰にでもわかるほど変化するレベルの不具合である。

 深く踏み込まなければ効き始めず、気に入らなかったブレーキが、まあこれくらいなら通常の範囲だろうと思うくらいに変わった。
 パーキングブレーキの足ごたえもしっかりし、よく効いている感触がある。


 「
スズキ車のリコールは言われたとおり次回点検の際でいいや」とお考えの皆さま、早めにリコールにお出しになることをお勧めします。

| | コメント (0)

2019.06.22

◆「レーンキープ」して大丈夫なんだろうか?

 なりゆきで新しい車に試乗してみることになり、贅沢にも有料道路を抜けて快走路を走らせてもらった。

 なかなか素晴らしい車だったのだが、急に車が意図しない方向に動くことがあり、ちょっと驚いた。

 「えっ」と思った直後、レーンキープ(車線からはみ出さないため)の安全装置が働いたとわかったが、思い通りに動かせない要素があるのであれば、事前に言っておいてほしかった。

 それを知った後は、他に交通がないのを幸い、挙動を知りたくていろいろ試してみたのだが、これはむしろ危ないんじゃないかというのが当面の結論だった。

 ウィンカーを付けずにレーンを外れようとすると、戻る方向に自動的にステアリングを切るのだが、居眠り運転とかでもない限り、運転者は意図してそちらへノーズを向けていると思うのだ。

 すぐ思いつくのは、動物の死体や落石などの障害物があった場合である。
 それらを避けたり跨いだりするために、ウィンカーなしでちょっとした進路変更をすることはよくある。その進路を強制的に戻されてしまうと、踏んでしまうだけならまだしも、事故になったりしかねない。

 さらには、たとえば左側から膨らんできた自転車を避けようとして右へ切ったのを、システムが自動的に左へ戻したりしたら、その自転車と衝突してしまわないだろうか。
 万一そうなったら、いったい誰が責任を取るのか。

 カメラが3つついているということなので、後者の可能性はもしかすると低いのかもしれないが、路上のこぶし大の石に向かって突進していく可能性は十分あると思う。

 制御を車に任せるのは好きではないのだが、たとえば高速道路を走るとき、前車自動追従とレーンキープを使って走れば楽かもしれないとも考えていた。
 しかし、高速道路にだって動物の死体や落石などの障害物はあるのである。いつもいつも余裕を持ってウィンカーをつけてから進路変更できるとは限らない。

 もしこの車を買っても(買いません)、レーンキープの機能は一切使わないだろうなあと思った。

 高速道路で眠ってしまいそうなときに使えば、かなり安全になるかもしれないけれど ^^;

| | コメント (0)

2019.05.24

■魔の茨城空港

 全47都道府県のうち、唯一これまで未踏の茨城県に向かっている。

 出張で筑波に行くのだが、知り合いが神戸から茨城まで飛ぶというので、「じゃあ私も」と軽い気持ちで飛行機のチケットを取った。

 いよいよ出発が明日に迫った昨夜遅く、念のため、空港から つくば市内のホテルまでの交通手段を確認しようと調べてみて、愕然とした。

 交通手段がない!のである。

 さすが、前人未踏、いや、私にとって最後のフロンティア、茨城である。

 ふつう、どこの空港でも、最寄りの大きな都市へはシャトルバスを運行している。
 先日函館に行った折りにも、空港に着いてからバス乗り場を探せば十分であった。
 茨城もそんなつもりでいたために、ほとんど気にしていなかったのだ。

 家人は「初めてのところに行くのにそんな暢気な・・・」とあきれるのだが、これまでの長い旅行経験からも、こんなことがあろうとは予想だにしていなかった。
 「想定外」と言い訳する甘さを認めないわけにはいかない。

 ホテルのWebサイトでアクセス手段を確認したとき、そこに茨城空港からの方法が書かれていないのを変だなと思ったのが最初だった。
 茨城空港のサイトを確認すると、バスはあるにはあるのだが、なんと1日に2便なのである。超過疎の村のバスもかくや・・・というひどさだ。

 乗り合いタクシーはあるが、「前日の17時までに予約」とある。時計の針は空しく23時過ぎを示していた。

 さらに調べると、なんと、東京駅までなら、たった500円で乗れるバスが日に最大10本出ていることを知った。自分のフライトで間に合うのもある。

 バカらしい話だが、こうなればもう、いったん東京まで戻って、つくばエクスプレスか何かで行くのが最善だと考えた。
 だがそれだと、東京に着くのが23時40分になり、最終電車に間に合わないことがわかった。

 万事休すか。

 こうなるともうタクシーしかないが、ホテルまで1万2千円ほどかかるらしい。飛行機代より高いのである。

 この時点で、知り合いに、「茨城空港からの足は考えているのか」とLINEを送った。
 のんびりしたもので、やはり私同様、考えていなかったという。

 ただ、その後アプリで調べ、空港で1時間ほど待てば、ローカルバスと鉄道とを乗り継いで、2時間以上かけて つくばに出られることを教えてくれた。
 ホテル到着は真夜中近くになってしまうが、それでも1万2千円を回避できてちょっとほっとした。
 ___

 それにしても、東京へのバスが500円というのはいったい何だ? しかも日に10本・・・

 これは要するに、おおよそ飛行機の到着時刻に合わせてバスを走らせているということだった。茨城空港の到着便は、国際線を含めて多い日で9本なのである。

 茨城空港に飛行機で到着すると、500円で東京駅に行ける・・・

 すなわち、羽田・成田に次ぐ第3の東京空港を狙っているということだろう(その割には本数が少なすぎるけれど)。
 つくばなど眼中にないのである。

 「茨城空港から東京へ!」をアピールして航空路線を誘致すれば、増便への道も明るいのではないかと思った。
 ___

 結局は、知り合いからの提案で、空港からレンタカーを使うことになった。

 私の脳裏にもちらっと過ぎった方法だが、2泊3日になるし、空港の往復だけに使うにはもったいない値段になるかと思って調べていなかった。

 だが何と、「借り出しから24時間1000円」というような信じられないキャンペーンをやっていて、かなり安く使えることがわかり、そうすることにした。
 幸い、ホテルは無料駐車場完備である。

 交通手段がない!の暗黒から、大逆転の楽勝だ。
 ___

 さて、神戸空港。

 バスとJRとポートライナーを乗り継いでやっと到着した空港に、おびただしい数の車が駐められているのに気づいて調べると、駐車場が格安なのであった。

 「こんなことなら車で来るんだった・・・」と後悔するのではなくて、「今度来るときは車で来よう」と前向きに考えられる人になりたいと、改めて思った。

| | コメント (0)

2019.05.02

■GW恒例東北旅行 手抜き tweet 集

 ふだんはあまり何もつぶやかない twitter ですが、いつからか旅行のたびにわりと頻繁に更新するようになって、またこれもいつからか、それを時系列に沿ってブログに再掲するようにしていました。

 その作業がちょっと面倒ながら、微妙な自己満足もあって続けていたのですが、twilog という便利なものがあるので、それで代用することにしました。手抜きで申し訳ありません。
 持続可能性には疑問符がつきますが、それを言えばココログも同じことですので。

 どちらかというと記録のためなのですが、もしご笑覧くだされば望外の喜びです。

 2019年4月26日(金)(  1 tweet)

 2019年4月27日(土)(24 tweet)

 2019年4月28日(日)(40 tweet)

 2019年4月29日(月)(44 tweet)

 2019年4月30日(火)(30 tweet)

 2019年5月1日(水)(  8 tweet)

 読み直すとお恥ずかしい誤字脱字等もありますが、そのままにしております。ご容赦ください。

| | コメント (0)

2019.04.20

★全47都道府県踏破(予定)

 いつまでもトップに辛気くさい書き込みが残っているのも何なので、ちょっと前向き?な話題を。

 ふつうの人よりはたぶん旅行好きで車やバイクも好きなので、20歳のころからは日本全国あちこちに足を伸ばしていた。

 それまでも親や兄に連れられたりして特に信州などには出かけていたのだが、北海道や四国・九州にも、広島より向こうへも東京より向こうへも行ったことがなかった(厳密には四国の琴平や広島の宮島、山口の秋芳洞などを訪れているが、物心つく前で記憶がない)

 だが、オトナになった後はさっさと四国や九州を一周し、中国地方にも時々出かけたりしていた。20代前半で北海道にも行った。
 北関東や東北、沖縄は遅くなったが、それでも、30代のうちには東北全県も沖縄も訪れることができた。

 その時点で、残ったのは千葉と茨城だけであった。

 千葉の方は、20歳のときに初めて1人でヨーロッパに出かけた際、乗り継ぎで成田空港に立ち寄ったのだが、それはノーカウントということにしていた。
 しかし、また別の機会(たぶん、カナダに行ったときだったと思う)に羽田から成田までバスで移動したので、これならまあ、千葉県に行ったことがあると言ってもいい気がした。

 残るは茨城だけである。

 2011年以降、毎年のようにゴールデンウィークには東北を一周しているので、茨城に寄るのはとても簡単なことである。実際、県境の福島県いわき市などにも行ったことがある。

 でもむしろ、「茨城だけには行ったことがない」という状態を楽しんでいた。
 特に機会がなければこれからも行かないようにしようと思っていたし、もし機会があってもなるべく行くのを避けようと考えていた。
 最後に一つ残ったごちそう・・・というほどの魅力がある県だとも思えないのだが(すみません)、現実に残ってしまった以上、それをそっとしておきたい気持ちがあったのだ。

 それが、ひょんなことから来月行くことになった。どこにどんなきっかけが転がっているかわからない。これで、全47都道府県を踏破したことになる。
 嬉しいような寂しいような・・・

 ただ・・・

 クルマやバイクを自分で運転して走ったことのない都道府県としては、相変わらず千葉と茨城が残る。
 そういう残り方に意味があるのかどうかはわからないけれど、こうなったらいつかクルマで出かけて、全都道府県走破も達成したい。

| | コメント (0)

2019.04.11

★ドライブレコーダーの効用

 明らかな優先道路を走行中、こちらのセンターラインすら途切れていない(つまり交差点ですらない)部分で、左側の脇道(駐車場とかかもしれない)から出てきて右折したがっているような車が、ごく微妙にこちらの道に はみ出し気味に止まっていた。

 「まさか出てくるつもりはないだろうな、でもまあ念のため気をつけようか」というくらいの感じでふつうに進んでいくと、なんとその車がずるずると前に出てきて私の前をふさぎ、右折しようとする。
 私がそのまま進めば完全にぶつかるタイミングなので、結局はほとんど止まるくらいまでブレーキを踏まされることになった。

 何を考えているのかまっっったくわからない。

 隙を見てぱっと飛び出し、あっという間に右折していくとかいうほうがまだわかる。
 明らかに優先道路の交通を止めてしまうことになるのに、のたーっと右折して出てくるのだ。
 ブレーキを踏んでぶつからないように止まりながら、目の前に迫った車にホーンを鳴らして注意喚起する。

 「危ないよなあ。なんか最近あの手の車が増えたような気がするんだけど、気のせいなんだろうか」とか思いながら、バックミラーを見ると、さっきの車が優先道路上でまた右に曲がって横になり、バックしようとしていた。
 「いったい何がしたいんだろう? 道沿いにバックで入れる車庫でもあるのかな」と思っていると、なんと、Uターンしてこちらに向かってくるようだ。

 嫌な予感がする。道を間違えたわけでもあるまい。

 「さっきのホーンを逆恨みして追いかけてくるのだろうか、でもまさか」とか考えながらそのまま進む。幸いというか、その後の交差点で2台ほど違う車が間に入ってきていた。

 ちょっとほっとしたのも束の間、最初の赤信号で止まってからしばらくすると、60代くらいの男が歩いて来てこちらの運転席のガラスを叩き、何やら怒鳴り始めた。
 「うわあ・・・」と思いながらもまあ冷静でいられたのは、近年この種のできごとが話題になったために、頭の中でシミュレーションができていたからかもしれない。

 ちらっとその男の顔を見た私は、無言でドライブレコーダーを指差すとともに、その男の様子を撮影して、必要ならすぐ110番できるように、助手席の iPhone に手を伸ばそうとした。
 ところが、男の方に視線を戻すと、すでに背中を向けて去ろうとしていたのである。

 いったい、何のためにUターンしてまで追いかけてきたのか。

 おそらくは、私がドライブレコーダーを指差した時点で、明らかに自分が悪いことを示す証拠が残っていることに気づき、すごすごと引き下がったのだろうと思う。
 世間であれだけドライブレコーダーが話題になった後でよかった。もしレコーダーがなかったら、どんなことになっていたかとちょっと恐ろしい(まあ、ガラス越しに撮影しながら110番するけど)。

 それにしても、ドライブレコーダーを指差されたくらいですぐに引き下がるほど自分が悪いことがわかっているのに、Uターンして車を降りてまで怒鳴ってくるのはいったいどういう神経をしているんだろう?
 それもまっっったく理解できない。

 一歩外に出ると、理解できない運転をしたうえに、理解できないキレ方をする頭のおかしい人がいる。

 それはまあわかっていたけれど、長い運転経験でも、これほど変な人はちょっと思い出せない。

| | コメント (2)

2019.02.23

◆羨ましい神経の太さ

 ほぼ満車のコンビニ駐車場。私が車を駐めた時点で、入口前にある車椅子マークの広い区画だけが空いていたと思う。

 そこに、小さな原付スクーターを駐める中年の女性。スタスタと店の中へ入っていく。

 私は、ガラガラの駐車場でなければ、大型バイクでもふつうの車の区画にすら駐めない。それなりに苦労するのだが、何とか邪魔にならない場所を探して、区画を占有しないように毎回気を遣っている。それが当たり前だと思う。

 なのに、どこにでも駐められそうな小さな原付を、車椅子マークの区画にデンッと・・・

 あれくらい太い神経で人生を過ごすと、どんなメリット・デメリットがあるんだろう。

 ともかくストレスは少ないだろうなあ・・・ 羨ましい神経の太さである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2019.01.28

■初めてのパンク

 初めて免許を取ってから、自動車やバイクあわせて50万km(地球12.5周!)以上は走っていると思うのだが、一度もパンクしたことがなかった。

 昔は車に必ず積まれていたスペアタイヤも、フルサイズからテンポラリータイヤに変わったなあと思っていたら、もはや搭載しないのが標準となっている。私の車にも積まれていない。
 それほどパンクが少ないということだ。

 わりとまめにタイヤの空気をチェックする方なので、左後輪だけちょっと減りが早いのが気になっていた。
 最初は何かの間違いか、気のせいかとも思ったが、念のため給油を早めて2週間後にガソリンスタンドでチェックすると、やはり左後輪だけ少し減っている。残り3輪より 0.2 kPa くらいのことなのだが、それが3回も続くとさすがにおかしいのはわかる。
 少しずつ空気が漏れる、いわゆるスローパンクチャーというやつかもしれないと思った。

 ちょうど1年点検が来たので、その旨ディーラーに言うと、案の定というか、パンクしていたという。
 バルブからの空気漏れとか、でなければ何かもっと神秘的?な理由かと思っていたのだが、なんと釘が刺さっていたそうだ。
 子細に点検しなかったことをちょっと後悔した。

 まさか、釘が刺さっていてもあんなにゆっくりしか空気が抜けないとは・・・
 ___

 パンクとは関係ないが、以前乗っていた車で、エンジンルームからの異音に気づきながら、その後しばらくして起こったメジャーな故障を防げなかったことがある。整備士にも見てもらって、音を聴いてもらっていたのに、その時はあまり再現せず、「様子を見てください」と言われていたのだ。

 自分の車を一番よく知っているのは、いつも乗っている自分自身である。

 今後はさらに気をつけようと思う。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.11.20

●権力は腐敗する

 かつてここに「◆もう日産は買わない」というエントリを書いたことがある。

 その理由は、カルロス・ゴーンがあまりにも強欲に感じられたからだ。8年前、2010年のことである。

 まさにそのころ受け取っていた報酬に絡んで、ゴーンが逮捕された。

 年収が9億近いのにも驚いたのだが、それよりもむしろ「全取締役に与えられた役員報酬の総額、16億9200万円の半分以上」をゴーン一人で受け取っているのが許せなかった。

 ところが、その年収すら半額にして公表していたらしく、実際の年収は約20億にのぼっていたという。

 不正な操作をして自身の収入を半分に見せ、それでも「あまりにも高額」という批判を浴びていたのだ。
 業界のガリバー、トヨタのトップの報酬が1億前後だったのだから当然である。

 ゴーンの報酬は、報酬委員会等の合議ではなく、ゴーン自身が決めていたらしい。

 ただ一人帝王として君臨していたのだから当然といえば当然か。

 その男が逮捕された。
 プライベートジェットから降りてその日のうちに拘置所へ入った人物は日本では初めてだろう。

 冤罪の可能性を微かに視野に入れつつ、やはり「権力は腐敗する」のだと改めて思う。
 そして、「絶対的権力は絶対に腐敗する」。

 Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely.

John Emerich Edward Dalberg-Acton

 至言だ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018.11.19

●かゆいところに手の届かない記事

 夕刊を読んでいて、何ともフラストレーションの残る記事を2つ見つけた。
 ___

 その1

 「焼酎銀行 利子もうまい」というもので、高知の四万十町にある酒造会社が「四万十川焼酎銀行」を運営しているという記事である。
 よそへ移転した銀行の建物を居抜きで使っているが、もちろん銀行ではない。「遊び心で銀行業務をまね」て、焼酎を預けておくと利子として年5%分の焼酎がプレゼントされるというような企画で話題だという。

 何かひっかからないだろうか。

 私はすぐ、「銀行ではない会社が銀行を名乗っていいのか」と疑問に思った。記事はそのことにまったく触れていない。
 調べてみると、当然のことながら、銀行法第六条の2項に「銀行でない者は、その名称又は商号中に銀行であることを示す文字を使用してはならない」とある。

 「四万十川焼酎銀行」は明らかに違法だ。

 だが、それは「名称又は商号」ではなく、単なる愛称だとか何とか、そういうふうにうまく法の網を逃れているのかもしれないとも思った。
 記事には、でかでかと「四万十川焼酎銀行」の看板を上げ、正面にもそう大書した建物が写っているけれど。

 しかし!

 件の会社のWebサイトを見てみると、なんと、「商号 株式会社四万十川焼酎銀行」とあるではないか。
 ということは、「四万十川焼酎銀行」という名前で会社登記がされているということだ。銀行法に違反する商号を国が登記したということなのか? まさか。

 その疑問に答えずして、何の新聞記事か。
 何百万人もが読むのだから、万人単位で同じ疑問を持つ者がいるはずだ。


 その2

 「新天皇パレードは国産車」という記事。

 1990年、現天皇の即位を披露する際に購入された約4千万円のロールスロイスは、皇太子夫妻の成婚パレードで1993年に使われた後、2007年に廃車となってお蔵入りしているそうだ。
 天皇家なのだからまあ当然かとも思うものの、4千万の車を2回しか使わないとは豪儀な話である。17年分の維持費だってかかっただろう。

 それはそれとして、今回の問題は、来秋開かれる新天皇即位のパレード「祝賀御列の儀」に、「国産オープンカーを使う方針を固めた」という点だ。

 即位した天皇がパレードに使う国産オープンカー???

 政府は「国産の新車を購入することにした」というのだが、そんなオープンカーは存在しない。まさか、マツダのロードスターでやるとはとても思えない。

 可能性があるとすればただ一つ、今年フルモデルチェンジしたトヨタのセンチュリーしかありえない。
 だが、センチュリーにはオープンカーがないのだ。

 Yomiuri Online には「発注先のメーカーは今後、検討する」とあるが、たとえば日産が、天皇パレードにふさわしい車を開発するとはとても思えない。そもそも、どのメーカーにしても、これから開発するのは不可能だ。

 結局、センチュリーのロイヤルパレードバージョンをトヨタがオープンカーとして製作することになるに違いない。それだって今からではどうなのかと思うが、もう裏で話がついて開発の目途も立ったから、「国産オープンカーを使う方針」を発表できたのだろう。
 穿った見方をすれば、今年新型センチュリーを発売したのも、即位パレードに使用することと抱き合わせた戦略かもしれない。

 存在しない「天皇の即位パレードに使う国産オープンカー」の話をするのなら、そこに触れないで逃げたり(朝日夕刊)、発注先のメーカーは今後検討するなんて記者発表通り?に垂れ流したり(Yomiuri Online)するだけではなく、もう少し突っ込んだ取材をして「今年フルモデルチェンジしたトヨタセンチュリーを改造したオープンカーを予定している」くらい書いてこそのジャーナリストである。
 ___

 記者たる者、もう一歩踏み込んで、読者に疑問を抱かせないような、かゆいところに手の届く記事を心がけてほしい。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧