2016.03.05

●カード社会と巨大財布

 財布に入れておくべきカードがあまりに増えすぎてどうしようもなくなってきた。

 カードを数えてみると、なんと27枚。
 本来はシンプルでスリムなはずの革財布がいびつに膨らんでパンパンになっている。

 「どれだけ無駄なカードをいつも持ちあるいているのか」と思われるだろうか。

 しかし、何かを減らすたびに、「あ、しまった。こないだ追いだしたんだった・・・」と後悔する。
 先日は、りそな銀行からお金を下ろせなかったり郵便局での振込に余計な手数料を取られたりした。

 念のために言うが、ポイントカードやスタンプカードの類は1枚しかない。そんなものは大嫌いだから、なるべく持たないようにしている
 たまに使わざるを得ないものは束にして別のカード入れにまとめ、必要なときにだけ持っていく。

 問題なのはクレジットカードだ。あらゆる企業が自分のところへ消費者を囲い込もうとするため、とにかくカードを作らせようとする。
 最近では、「ららぽーとEXPOCITY」のカードが増えた。持っていると駐車場が1時間無料になる。仕事帰りに寄ったりするので、いつも持っておかざるを得ない。
 車の中に置いておければいいのだが、違う車に乗ることもあり、そういうわけにもいかない。

 27枚のカード以外にも、名刺やら駐車券やらバンドエイド(先日久しぶりに役立った)やらを入れている。

 もはや財布とは呼べない。

 本当は小さくて薄いスタイリッシュ(笑)な財布が理想なのだが、叶わぬ夢である。

 2つ以上に分ければいいのだろうが、持つべきモノが増えるのは好きではないし、使う時に面倒だ。
 ___

 というわけで、二十数枚のカード類を収納しても不格好にならない財布を物色していた。

 これがけっこう難関だった。

 必然的に、ジッパーで閉める小さいポーチみたいな財布にならざるを得ないのだが、そういうものでさえ、カードポケットは十数枚が相場である。
 それに、実際フルにカードを入れるとパンパンに膨らんで不格好になるという話がネット上にあふれていた。
 それを避けるには、コンパートメントが2つあるダブルファスナーを選べばいいのだが、これはあまりに巨大すぎて、もはや大昔の筆箱である。

 4辺のうち3辺がジッパーになっているものが多いのだが(ラウンドファスナーというらしい)、財布を開けるのに手間がかかる。
 2辺ジッパーの「L字ファスナー」という型があることを知り、使用感が良さそうなのでその線でいくことにした。
 その中でも、短辺の一方が開放されていて蛇腹のついていないものが中味を取り出しやすくていいらしい。

 ・・・というような条件で探していくと、なかなか適当なものがない。

 ポーターや土屋鞄、ノマドイ、ノイ、コルボなどが良さそうなので、ラインナップを見てみても、納得できるものがない。
 巧みなネット戦略で売り上げを伸ばしているらしいココマイスターも良さそうだったのだが、その戦略があざとすぎて、かえって信頼できないような気がしたし、条件に合うものもなかった。

 結局、思ったようなものはないのかなあ・・・と諦めつつ、ふと思い立って無印良品を見てみると、機能的にはぴったりのものが見つかって驚いた。
 実は、今使っている財布も、無印良品のヌメ革生成りだったのだが、それはなくなって、長財布はラウンドファスナーとL字ファスナーの2種だけになっている。

 やっぱりみんな、カードの収納に苦労しているのだ・・・

 しかしまさか、あれだけいろいろ探してもなかった、理想に近い形の財布が、2種類しか長財布を扱っていない無印良品にあるなんて・・・
 値段だって、半額くらい、どうかすると1/3である。

 外はヌメのシュリンク革だが、中がナイロンなのはちょっと残念だった。値段は高くなってもいいから、中も革だったらよかったのに・・・と思ったが、他に選択肢はない。

 まあ、中まで革だとさらに重くなるだろうと自分を納得させていると、店員さんが「厚みも増えてしまいます」という。
 若い女性だったが、私が買ったのと同じ財布を使っているそうだ。ほんとかな?

 ともかく、カード類もめでたく全部おさまり、パンパンではあるがいびつではなくなった。

 それにしても、やっぱりちょっと巨大すぎるよなあ・・・ 使いやすそうではあるけれど。

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2015.11.07

●冬が来る前に ──京北・美山のカフェや工房

 久しぶりにバイクで出かけられると思っていたのだが、昨日までの連日の快晴が嘘のような曇り空。しかも朝食中にはぱらぱらと降り出すに及び、諦めてクルマで出ることにする。
 考えてみれば、クルマで出かけられるのも久しぶりだ。

 まず、以前から行ってみたかった「らふ工房 Cafe & Gallery 360」

 お昼をいただいていると、「なんかちょっと、いろいろ信じられない」という気分になった。

Dsc00034_crop ふつうならだれも通らないような道から脇道にそれ、さらに脇道にそれたところにある。1/10万の道路地図でも道すら載っていない。
 そんなところに別の空間があって、違う時間が流れ、それでもそこに、リアルな(高島屋に出展したり IKEA で買い物したりする)木工作家・染織家夫妻が30年も暮らしているのだ。
 au の iPhone 6 Plus もまさかの圏外。世間の喧噪も煩悩も、ここまでは届かない。

Dsc00048_crop ギャラリーをゆっくり拝見した後、 "Café gallery YU" という別のお店が車で5分くらいのところにあると教えていただき、向かう。
 これまた脇道にあり、わかるかなあと思っていたら、「もうあれに決まってるでしょ」というような佇まいの建物が見えた。
 遠くから眺めると、オーストリア・アルプスの麓を髣髴とさせる(ちょっと大げさ)。

 ステンドグラス作家の奥様が気さくに話しかけてくださり、この地域にさまざまな作家さんたちがいらっしゃるのを知る。

 冬になると、寒くなって雪も降る。バイクどころかクルマでも厳しくなるだろう。
 冬が来る前に、もう一度訪れたい。

 皆さまもぜひ。
 ___

 「点在する作家さんたちをまとめて紹介する Web サイトはないんですか」と聞くと、「まだないので、来年の宿題にする」とおっしゃる。
 リンク集だけなら私にも作れるので、備忘をかねて以下に記しておく。他にもいろいろありそうなので、見つけたら追加する予定。
(はるばる訪ねていっても開いていないということがままあると思います。お出かけ前には事前に確認なさることをお勧めします。)

 ◆らふ工房 Cafe & Gallery 360
   ランチ・カフェ・草木染め・木工・陶器など
   京都市右京区京北 西町下迫田5−1

 ◆カフェギャラリー YU Café gallery YU
   カフェ・ステンドグラス・トンボ玉・ガラス小物・竹細工・木工(釣り師にお勧め)・陶器など
   京都市右京区京北下熊田町妙見谷1−1

Img_2540_crop ◆木の香アート『まどころ』
   木工(サイトにはないようですが、私は菓子皿としても使える木の葉のオブジェを上記 YU で買いました)
   亀岡市余部町上条 23

 ◆山匠
   銘木木工
   南丹市美山町静原8

 ◆器ギャラリーあんどう
   カフェ・陶器
   京都市右京区京北下黒田町鶴野2

 ◆生活アートギャラリー 栖(すみか)
   石・木・糸・布の手仕事作品と昭和の白い器
   右京区京北下町藤原1−4

 ◆工房風舎 Gallery
   吹きガラス製品(食器・花器・ランプ・オイルランプ等)
   南丹市美山町内久保池ノ谷 33
   (美山おもしろ農民倶楽部と駐車場共用)

 ◆美山おもしろ農民倶楽部
   カフェ・軽食・無添加ハム/ソーセージ
   南丹市美山町内久保池ノ谷 33
   (工房風舎 Galleryと駐車場共用)

 ◆ステンドグラス工房「卑弥呼」
   ステンドグラス(パネル・ランプ等)
   京都市右京区梅ケ畑畑ノ下町1−29

 ◆はーばりすとくらぶ美山
   カフェ・ギャラリー・ハーブ・木工・草木染
   南丹市美山町野添 49-3

 ◆風とんも舎
   竹工芸・竹細工
   カフェギャラリー YU で作品が購入できます。

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2015.08.13

★秘密のラップ

 謎のラップのベールが剥がされた。

 いや、やはりベールは纏ったままかもしれない。謎が解けて秘密が残っただけである。

 クリーンハーツラップの販売元、西原商会のウェブサイトから問い合わせメールを送ると、折り返し留守電に2回電話をもらった。
 「またおかけします」とは言うのだが、商売にならないことでこれ以上煩わせるのも気が咎めるので、こちらから電話をかけた。

 結局のところ、クリーンハーツラップは、西原商会が企画して業務用に独占販売している商品であり、他では購入できないという。

 「お寿司屋さんで使いやすいというのを聞いたんですけど・・・」
 「それはありがとうございます。お蔭様で、ものすごく売れております」
 (も、ものすごく???)
 「でも西原商会さんがお作りになっているんではありませんよね」
 「ええ、うちは食材卸の専門商社ですから」
 「では、どこかのメーカーに委託して製造させているということですか」
 「はい、そうなります」
 「どちらのメーカーで作っているかは教えていただけないんでしょうね・・・」
 「ええ、申し訳ありませんが、それは企業秘密ですので」

 だれかの口から直接「企業秘密」なんて言葉を聞いたのは生まれて初めてである。

 「個人様へも、1本からでも代引きでお届け致します」

というのだが、まさかラップを買うために代引き手数料と送料を支払う気はしない。値段が数倍になってしまうだろう。10本くらい買えば、採算は合うかな?

 興味のある方はお試しいただいて、実際に使いやすいかどうか、コメント欄でお教えくだされば幸いです(笑)

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2015.08.09

★謎のラップ

 rap でも lap でもなく、wrap。

 夏休みはまだだが日帰りで実家へ。
 いつもの寿司屋で食べていると、母親がラップに目を留めた。「それ、よさそうですねぇ」

 そこから、寿司屋のご主人のラップ礼讃が始まった。とにかく使いやすい。貼り付く、伸びる、変な切れ方をしない。端がわからなくなってしまってめくれなくなり、必死になって剥がそうとする苦労もない。

 「こんなに使いやすいラップはないですよ。サランラップなんかとはえらい違いです」

 サランラップ以外はラップではないと思っている私としては聞き捨てならない。

 だが、次の日、家人からまた、くっついてしまったサランラップをめくってくれという依頼を受け、いや確かに、たまのこととはいえ、これがないんだったらそれだけでも嬉しいなあと思わされた。
 それ以外にも「使いやすいことこの上ない」と聞かされたばかり。

 「業務用なのでスーパーとかでは売ってないと思いますけど、この辺の寿司屋とかお店ではどこでも使ってると思いますよ」ということだった。

 その名も「クリーンハーツラップ」。

 このネット時代、業務用だとかいっても、そんなにみんなが使っているようなものなら、簡単に手に入るだろうと思った。

 ところが・・・

 手に入らないどころか、Google で検索してもただの1件もヒットしない。広く業務用で使われているという商品名なのに。

 信じられない。ありえない。

 というわけで、まもなく、このブログが世界で唯一「クリーンハーツラップ」がヒットするサイトになる。
 亀岡の「あたご屋」以来の快挙?だ。あたご屋と違って、ヒットしても何の役にも立たないけれど。

 あたご屋がその後いっぱいヒットするようになったように、クリーンハーツラップもそうなってほしい。

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2014.09.04

■輪島塗礼讃

 旅行に行っても、あんまり・・・というよりほとんどお土産とかは買わないのだが(たとえば6月のイタリア旅行では一切何も買わなかった)、先日輪島に行った際にはカップと箸とを買ってしまった。

 輪島塗というか漆塗り、英語でずばり japan というものにはほとんど興味がなかった。いや、今もとてもあるとは言えない。
 塗り物というと、重箱と汁椀、あとはせいぜいお箸くらいしかイメージしないが、重箱は不要だし漆の汁椀は昔買ったのがあるし・・・となると、購入の可能性があるのは箸くらいだ。
 実際、輪島の朝市における観光客向けのメインアイテムは完全に箸であった。それも、200円と500円が主流である。そんな値段の箸、輪島で買う意味があるとはとても思えない。下手をすると、プラスティックにエナメル塗装の外国製とかではないだろうか。

 だが、1500円も出すと、まともな「本乾漆」「輪島本塗り」と書いたお箸が買える。「思ったより安いな」というのが印象だった。

 もうひとつ、8千円くらいでかなり気に入ったカップが見つかり、私にとっては高価なのでいったん見送ったのだが、やはり気になって再度店を訪れ、縁があれば買おうと思っていた。しかしながら、仕上げに一部不満の残る現品しかなく、背中を押すものもなくて結局買わなかった。

 あちこち覗くが、気に入ったデザインのものがない。「別に買わなくてもいいや」と思ったころ、最後に入った店で、「まあこれなら」というのが見つかった。外側の色目に若干の不満はあるものの、まあいい感じだ。値段も先ほどの半額の4千円。これなら・・・と眺めていても、特に欠点が見当たらなかったので、購入した。

 これがいい。いや、箸もいいのだが、このカップはなかなかのものだ。
 まず軽い。それに、熱いものを入れても冷たいものを入れても外側の温度がそれほど変わらないし、したがって結露もしにくい。以前、真空二重チタンの高価なカップを買ったが、性能は落ちるにしても、それらと似たような効用がある。
 そしてなにより、口当たりが優しくていい。微妙なカーブと表面の漆が醸し出す唇への感覚は、どこか官能的でさえある。

 飲み物を入れるのは、どうしてグラスか陶器か磁器なんだろう? 漆器はどうして重箱と汁椀だけなんだろう? お茶碗ですら、漆器のものを使っている人はまずいない。

 実際、「漆器」でイメージ検索すると、出てくるのはほとんど重箱と汁椀とお盆である。だが、「カップとかがあれば買うのに」と思って「漆器 カップ」で検索すると、気に入ったのが見つかった。
 「おお、これなら買ってもいい」と思って見ると、15万円・・・

 その後いろいろ調べてみると、コーヒーカップで数万というのが、いい漆器の相場らしい。磁器なら数千円でけっこういいのがあるから、この価格差が致命的なのだと思われる。

 だがそうすると・・・

 私の買った4千円のカップは、果たして本当の輪島塗なのだろうか。店の人は欅(けやき)だと言っていたが、まさか「プラスティックにエナメル塗装の外国製」とかじゃないだろうな・・・

 「まあいいや、気に入ってるんだから・・・」と思っても、鑑識眼に自信のない者には不安が残る。「これ、本物の輪島塗ですか」とか聞かなかったし。

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2013.11.03

●立杭焼というか丹波焼の急須

 近年、家人の趣味でときどき美術館とかに出かけることがある。つきあいというか運転手というか、まあそんなところだ。
 入館料がもったいないとは思うものの、本当に運転手だけというのもなんなので、いちおう入って「鑑賞」はするのだが、豚に真珠というか猫に小判というか割れ鍋に綴じ蓋というか(違うか)、ほとんどの場合、よくわからない。
 「芸術作品」の前で場違いな笑いを抑えられなくなったりして気も遣う(だっておかしいんだもの)。

 今回は「兵庫陶芸美術館」。朝日新聞でやたらに宣伝しているのに家人が騙されたのだが、やはりというか、主催者に朝日も入った特別展であった。

 ものすごい赤字運営だとは思うものの(入る前に、「入館料を1万円に値上げして、これまでと同じくらいの入館者がいるとしても、運営するのは厳しいんじゃないかな?」とか言っていたのだが、運営費を調べてみると、実際そんな感じであった。実際の入館料は、iPhoneの割引き画面提示で800円)、いい感じの美術館であった。
 丹波の山懐に抱かれた、自然と調和するデザイン・・・というような、安っぽい不動産広告の文句が似合いそうなおしゃれな建築空間(いえ、悪口ではありません)。
 ___

 それはそれとして、ここにこういう物ができたのは(なんと2005年と新しい)、日本六古窯のひとつ、丹波の立杭焼の地元だからである。

 「立杭焼のぐい呑み」というのをよく聞く気がするのだが、それがこんなところにあるのは知らなかった。今の所在地で言うと、兵庫県篠山市今田町の上立杭と下立杭あたり。
  信楽になら何度も行ったことがあるし、備前焼とか九谷焼とか伊万里焼とかそんなのまでどこにあるか知っている(しかもすべて行ったことがある)のに、こんなに近くの立杭焼を知らなかったとは・・・

 まあ、瀬戸物(というか陶器)にはほとんど興味はないんだけれど、それにしても。

 ただ、だいぶ前から急須を買いたいと思っていたので、美術館のあと、めぼしい窯元をいくつか回ることにした。

 幸いというべきだろう、5箇所訪れた窯のうち、1つでいいのを見つけた。もうほぼこれにしようと決めてから、念のため、2人ともが気に入ったカップを作っている窯元にも行ったのだが、急須の方は、デザインはぱっと目を引くものの、(予想される)機能にちょっと不安があった。

 湯飲みやカップなんかと違い(というと語弊があるが)、急須は機能が非常に重要である。

 そのことをよくご承知だからだろう、お茶の出も切れも申し分ない旨の説明を書いた紙が貼ってあった。他の窯元では見なかったし、実際、他の店のはその点に注意を払った設計?に見えなかった。

 伝統的?な形をした急須の方は、持ち手の形状やバランスなんかもよくできている。それでいて、機能一辺倒を排し、デザイン的に見るべきものもある。

 実は、以前北海道で買った急須が機能的に落第で、そのせいでちょっと敏感なのだ。
 かなり前にデパートの銘品展で老舗の急須屋さん?に機能のポイントを教えてもらったことがあるのだが、この窯元のはそのポイントをしっかり押さえている。

 逆に、それらを無視している急須が溢れているのがむしろ不思議な気はするけれど。

 結局、モダンな形と色をしたのを選んだ。やはりというか、茶はスムーズに流れ出て、注ぎ口から垂れたりもしない。
 箱にも能書きにも「丹波焼」とのみあり、立杭焼の文字がないのが不思議だ。買ったのは下立杭にある窯元(まるせ窯=屋号は○の中に「せ」が入っている)だし、丹波焼なんて聞いたこともなかった。

 ともあれ、機能的にかなり問題のある急須でも10年くらい使い続けているのだから、これなら長く愛用できると思う(割らなければ)。
 我々の感覚からすると安い買い物ではないが、とにかく職人の手作りである。手間暇を考えればべらぼうに安いとも言える。

 職人にはあらためて崇敬の念を抱かざるをえない。

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2013.08.23

★禍転じて「たくみの里」

 朝から雨。予報では午後から曇だったのだが、結局のところ、一瞬たりとも止まなかった。
 それどころか、ときおりは滝のように降る。道路の一部は川となって車が浮き上がったように感じる場面も。

 もちろん谷川岳どころではない。

 仕方ないので、宿のパンフで見かけた、「たくみの里」というのに出かけてみることにした。

 行く前から不審に思っていたのだが、こんなところにどうしてこういうものが存在しうるのか。

 藁細工やら竹細工やら革製品やら、木工に陶芸、七宝焼きや和紙・ガラス・お面・人形・ドライフラワー・・・といった職人の工房が旧宿場町に展開し、観光客がそれらを体験できるようにもなっているというのである。
 もちろん、昨今はやりの蕎麦打ち体験も。

 あんまり不思議なので、2〜3軒の工房で由来を聞いてみたのだが、1990年ごろに始まった取り組みだということと、職人には地元の出身者も多いが全国に声をかけて集めたということがわかった。

 あれやこれやを考えると、この地の主産業だった養蚕が斜陽化しはじめた(1995年にはまだ一面桑畑だったという)ことに危機感を覚えた住人たちが、村おこしの一環として始めたのではないかと思う。
 折りからのバブル景気で、いわば「第2の清里」のようなものを意図したのではなかろうか。

 当初はものすごく賑わったのか、その辺は聞けなかったが、なんだかんだと時が流れても、四半世紀を経てまだ寂れていないのは大したものである。
 関西在住ということもあろうが、これまで一切聞いたこともなく、宿にパンフがなければ、そして何より、雨が降らなければ決して行かなかったような場所としては、大ヒットだといっても過言ではない。

 宿場町の面影が残る旧街道筋にはそれなりに由緒ある建物も多く、そのいくつもが工房になっている。見学するだけでも土産物を買うだけでもいいし、実際に体験できるところも多い。
 いくつかの工房がやや遠くに散在気味なのは残念だが、天気がよければ歩いても気持ちがいいし、無料の駐車場があちこちにあって、車で移動すればすぐである。

 こういうところを訪ねる旅行は滅多にしないのだが、そういうタイプの人間がわざわざ出かけてもいいくらいの価値があるのではないかと思った。

 木の繊維と絹糸で織った「布」で作った、元の木目が見える財布、信じられないほど美しいデザインのテーブルナイフ、桑の丸太をくり抜いて作成する漆塗りの急須、の3つが気になり、結局、前の2つを買ってしまった。
 旅先でモノを買うことなどほとんどない私にとっては、相当珍しいことだ。
 もっとも、ナイフの方はこことは関係のないポルトガル製である ^^;

 急須もいまだに気になったままなのだが、惚れたというところまでいかなかったことと、値が張りすぎることがブレーキになった。
 でもやっぱり欲しかったなあ・・・

 ここを訪れた人の多くが、「こんな素敵なところがあるなんてぜんぜん知らなかった。もっと宣伝すればいいのに」という感想を持つという。私も同じことを思った。知らないのは関西在住だからばかりではないらしい。
 (今、ウェブサイトを開くと、「[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています」云々という文言が表示された。真面目に広報を考えているなら、確かにこれはありえないだろう。)

 東京から200km以内。関東からなら十分日帰りできると思う。ぜひお出かけください。

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2013.03.31

●買って後悔しない双眼鏡

 双眼鏡をきっかけに拙ブログをご覧になってくださる方が相変わらず多いようだ。

 詳しい方はご自分でいろいろお考えになるだろうから、そうではない方のために、「買って後悔しない双眼鏡」のリストを作ることを思いついた。

 能書きは抜き。
 用途や予算は人それぞれだろうから、以下から自分に合ったものをお選びになればいいと思う。

 ただ、1つだけ、重要なことをまだこのブログに書いていなかったと思う(調べたら書いてました)。
 眼鏡を常用されている方は、双眼鏡も眼鏡をかけたまま使うのが基本だ。その場合、「アイレリーフの長いもの=ハイアイポイントのもの」を選ぶ必要がある。具体的には、15mm以上のカタログ数値があればよい。20mmぐらいあれば理想的だ。

 例によって、基本は「一流メーカーの固定倍率のもので、8倍以下」。手振れを抑えられる自信のある方は10倍でもいいと思う。
 防振双眼鏡はもちろん、10倍(以上)でもよい。

 対物レンズの口径(外から見える大きい方のレンズの直径)は大きい方が明るくてよいが、双眼鏡自体も大きく重くなる。
 ほとんどの双眼鏡の名前についている「8×32」というような数字の意味は、「倍率が8倍で口径が32mm」。口径がそれより小さいと、コンパクトだが相対的に見にくくて暗めになる。倍率は小さい方が見やすくて明るくなる(が、もちろん拡大率は小さくなっている)。

 購入の前に双眼鏡についての基礎的な知識を得ておきたい方はこちらを一読なさるのをお勧めする
 一部奥歯にものが挟まったような言い方でごまかしている点があるのは、ご愛敬ということで。

 買って後悔しない双眼鏡リスト:予算順(2013年3月30日版)

 ※価格は2013年3月30日現在の kakaku.com 最安価格を参考にした概算価格です。
 ※8倍のもの、32mm前後のものを中心に挙げていますが、多くは10倍や42mm前後の姉妹機を持っています。6倍や7倍のものがある場合もあります。
 ※もちろん、お勧めの双眼鏡を網羅しているわけではありません。

3000円
ビクセン:ジョイフル M8x21
  ・「双眼鏡」と呼んでいい最低限です。
  ・これより安い「双眼鏡」はないと思ってください。

4000円
オリンパス:Trip light 8x21 RC II

5000円
ニコン:アキュロン T01 8x21
  ・アイレリーフが短いので、眼鏡をかけている方には向かないと思います。
ペンタックス:8x21 UCF R
  ・お勧めできます。ただし防水の↓タンクローWPを買った方がいいかもしれません。

6000円
オリンパス:8x21 RC II WP
  ・コンパクトで防水です。

8000円
ニコン:スポーツスターEX 8x25D CF

9000円
ペンタックス:タンクローWP 8x25 UCF WP
  ・1万円以下ではこれがベストでしょう。

1万円
Kowa:YF30-8
  ・ちょっと大きめですが、双眼鏡らしい双眼鏡です。
  ・価格以上によく見えます。
  ・Kowaは表示が逆のものがありますが、もちろん、8倍で口径30mm。
ペンタックス Papilio6.5x21
  ・博物館・美術館での使用や植物観察等に最適です。
  ・50cmから焦点の合う双眼鏡は他にありません。

1万1千円
ペンタックス:Papilio8.5x21
  ・上記 Papilio の8.5倍バージョンです。
ビクセン:アトレック HR 8x25WP

1万4千円
ニコン:アキュロン A211 8x42
ビクセン:アスコット ZR8x42WP
  ・いずれも大きめ。

1万9千円
Kowa:SV32-8
  ・2万円以下としては優秀(らしい)

2万円
ビクセン:アルティマZ 7x50
  ・明るく評判はいいですが巨大です。星見に。
オリンパス:8x42EXWP I
  ・こちらは鳥見用。下記モナークと似た位置づけですが、口径大きめ。

2万4千円
ニコン:モナーク 8x36D CF
  ・バードウォッチングにまずお勧めする双眼鏡です。

2万5千円
ビクセン:ニューフォレスタ HR 8x32WP
  ・上記モナークと似た位置づけです。
ビクセン:フォレスタ ZR 8×32WP
  ・デザインが気に入れば、上記 HR 8x32WP よりお勧め。
キヤノン:8x25 IS
  ・防振双眼鏡で最安? 口径が小さいのが難点。

2万7千円
ニコン:モナークIII 8x42D CF
  ・上記モナークより少し大きくなります。
  ・より新しくて口径も大きいので、お勧めです。

3万5千円
Kowa:BD32-8
  ・バードウォッチング用として評価の高い双眼鏡です。

3万7千円
ニコン:8x20HG L DCF
  ・コンパクトで高性能。
  ・口径が小さいので、この価格帯としては明るくありません。

4万円
キヤノン:10x30 IS
  ・防振双眼鏡。
  ・予算的にお勧め。
  ・予算があれば↓10×42 L IS WPを。

4万1千円
ニコン:モナーク7 8x42
  ・モナークの上位機種です。

4万2千円
ニコン:8x30E II
  ・まだ手に入る定番の名器。
  ・他にないほどの広い視界が楽しめます。
  ・眼鏡着用だと視野がやや欠けます。
ニコン:7x15D CF
  ・チタンボディのコンパクトな高級双眼鏡。
  ・現在製造しておらず、小売店の在庫のみです。
  ・5x15D CF の新品はもう手に入らないようです。

4万5千円
Carl Zeiss:Conquest Compact 8x20 T*
  ・もっとも安く買える?カール・ツァイスブランド

5万5千円
ニコン:10x42SE・CF
  ・これも製造中止の名器。
  ・8x32SE・CF の新品はもう手に入らないようです。

7万2千円
ニコン:7x50SP 防水型
  ・スターウォッチング(星見)や海上での使用に最適。
  ・巨大です。

7万9千円
ニコン:8x32HG L DCF
  ・EDGシリーズが出るまではニコンの最高峰でした。

9万8千円
Carl Zeiss:Conquest 8x30 T*

11万?
SWAROVSKI OPTIK:CL COMPANION 8x30

11万5千円
キヤノン:10×42 L IS WP
  ・明るく画質のいい防振双眼鏡。
  ・大きくて重い。

11万9千円
Kowa:GENESIS 33 PROMINAR 8x33
  ・Kowaの最高峰。

12万8千円
ビクセン:アルテス HR8.5×45WP
  ・ビクセンの最高峰。

13万9千円
Kowa:GENESIS 44 PROMINAR 8.5x44
  ・上記 PROMINAR の口径44mm版。

14万3千円
ニコン:EDG 8x32
  ・ニコンの最高峰。

17万円
ニコン:EDG 8x42
  ・上記の42mm版。

19万円
Carl Zeiss:Victory 8 x 32 T* FL

22万円?
SWAROVSKI OPTIK:SLC 8x42HD

26万円?
SWAROVSKI OPTIK:EL 8.5x42 SWAROVISION
  ・究極の憧れですね(笑)

 これ以上高価な双眼鏡は、持ち歩きを前提としない巨大なものになるかと思います。興味のある方は、ご自身でお調べください。Kowa や Zeiss などから発売されています。

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2011.12.29

★デパートと財布と靴

 先日、大阪ミナミの心斎橋から難波にかけて往復し、デパートで買い物をした。年に1度あるかないかの行事である。

 まず大丸。
 買う予定はまったくないのだが、通りすがりに「このジャケット、ちょっといい感じ」(「ほれた」とか「ほしい」ではない)と思って見ると、17万8千円の値札。論外である。9割引きなら買うかもしれない。

 ぶらぶらしていると、「なるほど、こんな格好をすればいいのか」という感じのマネキンがあった。コートが36万円、ジャケットが18万円、シャツが5万円、スラックスが8万円、手袋が7万円、靴が8万円・・・みたいな感じ。ざっと計算すると100万近かった。
 「このコーディネート、なかなかいいですね。これ、セットでください」といって100万出すところを想像してみたが、現実感がない。

 でも、ぜんぶまとめて100万ならそれほど高くないような気もしてくるところが不思議である。
 数万円以上は現実的な金銭として認識できないという欠点を持っているのは、ふだんから意識するようにはしているんだけれど。

 たまたま通りがかったブランドショップの前に飾ってあった時計がちょっと面白そうで興味をひかれたが、285万円とかだった。

 いつも思うのだが、いったいだれが買ってるんだろう?
 超高級ブランドショップ(ルイヴィトンやグッチではなく、ブルガリやエルメス)で何か買っている人を見たことがない。あれほど客がいないのに一等地に立派な店を構えられるということは、ひとつひとつの製品で法外な利益をあげているということになるから、よけい買う気がしない(買えないけど)。
 まあ、ああいうのを買うような人は、外商とか営業とかから自宅で買うのかもしれない。

 ともかく・・・

 実際に買いたかったのは、財布と靴であった。
 前者は、まあいいのが2つほど見つかったのだが、いずれも2万5千円ぐらい。そんな高い財布、買ったことがない。
 後者は、以前たまたま寄った川西阪急でちょっと気に入ったが買わなかったリーガルウォーカー。その後、折りあるごとに探しているのだが、縁がなくて見つからなかった。

 心斎橋筋にいくつもある靴屋で聞いてみてもどこにもない。そうそう、○|○|が難波にできていてびっくりしたが、そこにもない。

 ところが、高島屋で聞いてみると、廃番になったためセールになっている中に、その靴があった。お目当てのキャメルはなかったけれど、ダークブラウンのほうにサイズがぴったりのものが残っていて、買うことにした。黒の方はサイズがなかった。
 リーガルの靴ってほとんどどこでも安売りしていないので、幸運というべきだろう。あとで調べると3割引きだった。初めてのリーガルである。

 財布の方は、とって返した大丸の無印良品で5千円のを買ってしまった。存在は知っていてちょっと気になっていたのだが、ネットでは販売しておらず、在庫がある店も阿倍野ぐらいだったのに、心斎橋の大丸にあったのだ。
 2万5千円のにもちょっと魅かれたけれど、5倍だと思うとやはり二の足を踏んでしまった。

 靴も財布も、ないないと思っていたものが見つかって手に入ったのだから、もっと喜んでもいいはずなのに、それほどの満足感はない。
 やっぱり、何万円とか出してもっといいものを買うべきだったのか、それとも、せっかくの小確幸を楽しめない損な性分なのか。

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2011.12.01

★おうちカフェ

 (つづき)

 酒が飲めない。

 それに変わる好みの飲み物もない。

 仕方ないので、牛乳やらヨーグルトやらフルーツカルピスやらを飲んでいる。
 朝は毎日ミルクティ。仕事の合間にはインスタント、帰宅時にはペーパードリップのコーヒーを飲む。夕食時には、夏は麦茶、冬は日本茶。

 どれもぱっとしない。

 外でパスタなんかを食べたあと、「コーヒー、紅茶、どちらになさいますか」などと聞かれたとき、10年前ぐらいまでは紅茶だったのだが、それ以降、なぜかコーヒーになってきた。
 だが、それほど好きなわけではない。

 いわゆるシアトル系のコーヒーショップが関西にも進出してきたとき、キャラメルマキアートなんかを飲んで、「これこそ自分が求めていた飲み物だ」と一時は盛り上がった。
 今ではその熱は冷めたものの、普通のコーヒーよりはカプチーノなんかの方が好きだ。問題は、そういうものが家では飲めないことだった。

 ところが、そんなものを買おうなんて夢にも思っていなかった全自動のエスプレッソマシンが、個人でも比較的気楽に買える価格で売っているのを知った。数か月前だったか、一度買おうと考えたのだがやっぱり思い直してやめていた。
 先日、何かの拍子にまたネットでエスプレッソマシンが目にとまり、いろいろ読んでいると、かなり満足できるものが安く手に入ることが分かって、勢いで買ってしまった。

 ボーナスでガスコンロなんて・・・と思っていたのも影響した。エスプレッソマシンなら、若干マシである。

 それが昨夕来たので、さっそく使ってみた。だが、ドリップ用の豆に低脂肪乳しかない。条件は悪い。

 驚いたことに、それでもシアトル系コーヒーショップと同じようなカプチーノを堪能することができた。ネットで評判が良かったのもうなずける。
 まあ、私が「違いの分からない男」なのかもしれないけれど、それでも。

 これで、朝はカプチーノにできる。バニラエッセンスでも落とせばプロの味だ。

 インスタントコーヒーに回帰したかと思えばエスプレッソマシン・・・ 成熟社会の振幅は激しいのである。

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