2017.08.23

★サファイア

 世の中には知っているようで知らないことが多いもので、昔は調べるのにも手間暇がかかるために知らないままになっていることが多かったが、最近は調べたいと思えばすぐに調べられるようになり、いろいろな無駄知識が少しずつ身についている。

 それでも、世の中のほとんどのことについて何も知らないのは相変わらずで、いったい世の中にはどれくらいの知識・情報があるんだろうと途方に暮れる。

 「メジロの雌雄を鳴き声で判別できるか」という研究を知人がやっているのだが、21世紀になってもまだそんなことすらわかっていないのかとびっくりする。

 まあ、よく言われることだが、わかっていることよりわかっていないことの方が圧倒的に多いのは、どんな分野でも同じかもしれない。

 なんだか話がそれてしまった。
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 昨夜、たまたま時計を見ていて、「サファイアガラス」というのが気になった。大昔から知っている言葉なのだが、あまり気にしたことはない。
 サファイア(のように綺麗な)ガラス
 サファイア(のように硬質な)ガラス
 サファイア(のように透明度の高い)ガラス
なんかのことを指すのだろうかと漠然と思っていた。

 それが実は、サファイアガラスというのはサファイアそのもの!であることを知った。

 私が現在日常的に使っている時計は3つあるが、どれもサファイアガラスである。こんな大きなサファイアの結晶(薄いけど)を毎日のように腕に嵌めているなんて思いもしていなかった。

 シチズンのウェブサイトを見ると、1万円台の時計はふつうのガラスだが、2万円の時計はもうサファイアである。サファイアってそんなに安価に製造できるものなのか。
 ___

 サファイアは単なる酸化アルミニウム(Al2O3)の結晶で、本来は無色透明、不純物のまじり具合で色がつくことは知っていた。
 その中の赤いのをルビーと呼び、サファイアもルビーも実は同じものであることも。

 それでも、まさか自分の時計のガラスが、その無色透明のサファイアだなんて思いもしなかった。

 そんなことなら、サファイアガラスなんて紛らわしい言い方をしないで、「人工サファイア」とかなんとか、サファイアそのものであることがわかるように表記すればいいのにと思う。

 そう、時計のサファイアはもちろん、人工的に製造されたものである。だがそれは、ニセモノとかまがい物とかいうことではない。化学的組成が同一の、同じサファイアである。
 むしろ、変な混じり物が入っていない分、よりピュアな、純粋のサファイアだと言える。

 がぜんサファイアに興味が湧いて調べてみると、宝石的なサファイアですら数百円とか数千円のレベルでたくさん売られていることを知った。
 さすがに高級なものは製造コストも高いのでそういうわけにはいかないが、興味が出てくるとちょっと欲しくなるもので、数千円から十数万円の商品なんかをネットで眺めていた。

 十数万円出せば、夢のような大粒の美しいサファイアが手に入る。数千円のですら立派なものだ。
 人工なんだけれど、くどいようだが天然より完成度は高い。“flawless” ということばを耳元で囁かれている感じがする。

 家人を口実にして買ってしまおうかと(ちらっと)思ったのだが、それとなく水を向けると、「そんなの持ってどうするの? 宝石になんか興味ないもん」と言われてしまう。

 うーん。

 素晴らしい人生のパートナーだと考えるべきなのか、何と味気なく夢のない女だと思うべきなのか・・・

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2017.04.08

★無用な買い物

 このひと月ほどの間にヒマに飽かせていろいろ無用なものを買いました。ここに書いていなかったことに気づいたので書いておきます(以前別の所に書いてからまた増えてる・・・)。

・ヨーグルトメーカー
・双眼鏡
・水晶のツボ押し棒
・シリコン鉱石
・純銀バー
・カッターシャツとズボン(これは有用か)
・車用空気清浄機
・双眼鏡
・杉の丸太を輪切りにしたバウムクーヘンのような iPhone 立て
・那智黒石のペーパーウェイト

 ぜんぶ足しても数万なのですが、その金額に匹敵するスティック掃除機は何とか買わずに踏みとどまっています。
 それにしても、どうして双眼鏡が2つ・・・

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2017.03.08

●鰯の頭も・・・

 私はあらゆる宗教を信じていない。
 いやまあ、人並み以下くらいには神社仏閣を訪れるし、一応は柏手を打ったり手を合わせたりもする。よくある日本人の一人と言ったところか。

 あらゆる超常現象も信じない。
 もちろん、現在の科学で説明できないものがすべて超常現象だというつもりはない。現在は超常現象だと思われているものごとでも、現実に存在していて将来的には超常現象でなくなることもあるだろう。
 それでも、幽霊だとかお化けだとか天国だとか地獄だとかは信じない。その存在をあんまりバカにして祟られたりするのは困るけれど ^^;

 UFOも信じない。
 というより、地球外生命体の乗る宇宙船を信じない。文字通りのUFO(Unidentified Flying Object)なら実際に目撃したことがある。複数で見たので、飛行機やヘリコプターではなく、UFOであることは間違いない。あれは何だったんだろう?
 地球外生命体については、むしろその存在を100%近く確信している。その存在が地球まで飛んでくる科学技術力と、わざわざ地球を目指してくる必然性が信じられないだけだ。

 結局のところ、何かを信じているとすれば科学である。
 現在の科学を盲信しているわけではない。将来的に(どのくらいの将来?)この世の事象のすべてが科学で解明されるとも思わない。それでも、あらゆることを説明するのに科学以上のものは存在しないことは確信している。

 いわば、科学教の信者なのだ。

 しかし、だからこそ、擬似科学・似非科学は好きではない。
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 例によって前置きが長くなった。

 先日、三重県の関宿に出かけた折り、面白い石屋さんがあった。墓石屋さんや庭石屋さんではなく、実用性のないいろんなガラスやら化石やら岩石なんかを売っている店だ。アンモナイトや水晶やアメジストなんかを中心に、とえいば、わかりやすいかと思う。

 木工品や金属の小物、岩石なんかが人並みよりはちょっと好きなので、街道の行き帰りに計2度立ち寄った。
 2度目に入ったとき、店のオーナーだという若者(にしか見えない)といろいろ話すことができた。

 店の来歴やアメジストと水晶を中心に遠慮なく教えてもらっているうち、気になる石?を見つけた。

 単にモノとしてちょっと気に入っただけなのだが、その時に初めて知って教えてもらい、後で調べたところによると、その筋ではけっこう有名な「テラヘルツ鉱石」というものだった。
 結論を言うと、擬似ないし似非科学を利用した詐欺的商法によく使われている商品である。

 だが、それまでの話でオーナーが正直なのはある程度わかっていたので、話を聞いてみた。

 一番有名なのは、テラヘルツ鉱石の上では氷がどんどん融(と)けるという現象で、そのせいであたかも何か大きな効用があるかのようにうたうのが通例だ。実は残念なことに、その石屋さんも例外ではないのだが、「パワーストーン」なんかを扱う店として、ぎりぎり踏み外していない感じであった。
 正体不明の「テラヘルツ鉱石」として売るのではなく、純度の高いケイ素だと(当たり前だが)正直に話し、「氷が溶けるのって要するに比熱が低いからですよね」という私の問いに、「というか、熱伝導率が非常に高いからです」と明快である。
 ちなみに、「テラヘルツ鉱石」が発するという「テラヘルツ波」とは、何のことはない、要するに赤外線だ(ただ、3テラヘルツ以下のものは電波と定義されている。また、およそ400〜800テラヘルツはただの可視光線だ)。

 それでも、「科学的理由はわかりませんが、うちの母親が肩の痛みがあったときに使うと、実際に痛みが取れました。血行が良くなるんでしょうか」とか、「生け花の水に入れておけば花が長もちしました」などという。
 「そういうのはまあ、ある程度実験的事実として確かめられるので、もし本当なら可能性はありますね」という私が、そういう「効能」は抜きにして、モノとしてのそれを気に入っていることにつけ込まれ、「気に入っていらっしゃるなら、まあ、だまされたと思って」と買わせるあたりはさすが代々の商売人である。

 最後に背中を押されたのは、買うことに決めていた水晶のツボ押しと両方買えばいくらか値引きしてくれるということであった。
 われながら情けない。
 ___

 さて、五十肩の影響で、これまで経験したことのない局所的な凝り、錐で刺したような痛み(ただし痛さ自体はそれほどではない)が出ることあった。鍼なんかに通っても、その時は軽快したような気もするが、またぶりかえす。
 その時もその凝りがあったので、それこそ「だまされたと思って」購入し、家に帰るまで肩に載せておいた。ケイ素(シリコン)の固まりだが金属質で、ちょっと肌に貼り付く感じがあり、固定していなくても落ちたりしない。

 それで、凝りが取れたのだ。

 載せていた右肩の凝りが取れて、逆に左の凝りが気になり出すくらいになった。
 まさかの「効能」である。

 想像するしかないのだが、短時間で体温と同じ温度になったシリコンの固まりが、肩からの放熱を抑えていただけのことではないかと思う。汗だって蒸発できない。
 その結果、「血行が良くなった」ということなのだろうか。

 だとすると、もっと熱伝導率のよい物質を肩に置いておけば、もっと「効く」はずである。
 そうしてたどり着いたのが銀であった。鍋の材料としては銅が有名だが、銀の方がやや勝る。ケイ素(シリコン)と比べると銀は2.5倍も高い。

 幸い、銀の価格は金のおよそ1/100である。金やプラチナ(やシリコン)と違って錆びるのが欠点だが、まさか金やプラチナの塊を肩の上に置いておくことはできない(し、同じ大きさのものを買うのに莫大な金額を必要とする。それに、金はともかくプラチナの熱伝導率はかなり低い)。

 というわけで、今日は銀を手に入れた。
 やはりというか当たり前だが、氷を置くとみるみる融ける。確かに、ふだん見慣れない現象で、不思議な感じはする。例の痛みはシリコンのお蔭で?なくなっているので実験することはできないが、これで片方ずつではなく両肩に載せておくことができる。

 そんなものが本当に効くのかどうかはわからない。でも、鰯の頭も信心からと言うし、科学的にはプラセボ効果だって認められているのだ ^^;

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2017.03.01

●ガリレオ式双眼鏡

 屈折望遠鏡には代表的な基本システムが2種類あって、ひとつはケプラー式、もう一つがガリレオ式である(望遠鏡を二つくっつけると双眼鏡になる)。

 簡単に言えば、

 ケプラー式は
対物レンズ(見たいものに向ける大きい方のレンズ)も
接眼レンズ(眼に近づけて覗く小さいレンズ)も   凸レンズ、

 ガリレオ式は
対物レンズが凸レンズ
接眼レンズが凹レンズ
になっている。

 もう一つ、ケプラー式は、そのままだと対象が上下左右逆さま(倒立)に見えるが、ガリレオ式ではふつう(正立)に見える。

 ガリレオ式は倍率を上げるとその2乗に比例して視野が狭くなるため、現在市販されているほとんどの屈折望遠鏡や双眼鏡はケプラー式が基本となっている。
 天体望遠鏡では(私個人は同意できないが)逆になっても問題がないので、星見人たちは星を逆(倒立)像のまま見ている。

 地上望遠鏡や双眼鏡ではそうはいかないので、ふつうはプリズムを鏡代わりに使って正立像に戻すように設計されている。もちろん、実際には凸レンズ2枚などというシンプルなものはなく、たとえば私が愛用する双眼鏡では、片側で10枚の凸凹レンズを組み合わせた複雑な設計になっている。

 現在では、ガリレオ式は安物のオペラグラスくらいにしか使われていない。そんなものを購入するくらいなら、数千円のふつうの双眼鏡を買う方が何十倍何百倍も素晴らしく、たとえ千円以下とかであっても、ガリレオ式の安物オペラグラスを買う意味はない。

 前置きが長くなった。

 そんな中、ガリレオ式双眼鏡で唯一(というか唯二)購入する意味があるのが、笠井トレーディングから発売されているワイドビノ28(Widebino28)と、ビクセンのSG 2.1×42だ。前者が元祖である。

 特徴は、何と言っても視野が広いことと倍率が低いこと。ふつう双眼鏡は8倍前後だが、ワイドビノは2.3倍、SGは2.1倍だ。

 視野の広さを生かして、星空観察用としてごく一部の人たちに人気がある。星座全体が視野にすっぽり収まる双眼鏡は他にない。
 鳥見用としては、渡りの時に遠方のタカを探したりするのに威力を発揮すると思われる。

 ワイドビノ28はずっと以前から気になっていたのだが、いろいろ問題があって購入に至らなかった。何よりも問題なのは、眼鏡をかけたままでは広い視野が得られないこと。それだけでもダメなのに、わざわざ裸眼で覗いても、私の視力では無限遠にピントが合わない可能性が高かった。

 それが、ひょんなことから、昨年の春にモデルチェンジがあり、全面改良されているのを知った。
 眼鏡をかけたまま(実用上)使えないのは相変わらずだが、裸眼でちゃんとピントが合うようになっている。それだけでも素晴らしいのに、レンズの研磨やコートが良くなり、見え方も飛躍的に改善されたと書いてある。

旧製品より格段にコントラスト&シャープネスが向上しています。視野内のカラーバランスも非常にナチュラルで、旧製品に見られた視野着色は全くありません。
「全く」とは、ちょっと信じられないほどの自信だけれど、これはもう買うしかない。

 とはいえ、安い製品なのでそれほど期待していなかった。

 だが、今日届いたのを見ると、想像したより大きく重く、質感も高い。考えてみれば、42mmクラスなのだから、これくらいで当然なのだが、そのあまりの短さに惑わされていたのだ。
 メーカーの宣伝文句もあながち大袈裟ではなく、これだけシンプルな光学系なのに、周辺視野で糸巻き歪曲がある以外はなかなか素晴らしい。

 これは双眼鏡好きなら必ず持っておくべきものだろう。

 これを購入したことで、双眼鏡好きの末席に連なることができたかと思うと、ちょっと嬉しい。

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2016.03.05

●カード社会と巨大財布

 財布に入れておくべきカードがあまりに増えすぎてどうしようもなくなってきた。

 カードを数えてみると、なんと27枚。
 本来はシンプルでスリムなはずの革財布がいびつに膨らんでパンパンになっている。

 「どれだけ無駄なカードをいつも持ちあるいているのか」と思われるだろうか。

 しかし、何かを減らすたびに、「あ、しまった。こないだ追いだしたんだった・・・」と後悔する。
 先日は、りそな銀行からお金を下ろせなかったり郵便局での振込に余計な手数料を取られたりした。

 念のために言うが、ポイントカードやスタンプカードの類は1枚しかない。そんなものは大嫌いだから、なるべく持たないようにしている
 たまに使わざるを得ないものは束にして別のカード入れにまとめ、必要なときにだけ持っていく。

 問題なのはクレジットカードだ。あらゆる企業が自分のところへ消費者を囲い込もうとするため、とにかくカードを作らせようとする。
 最近では、「ららぽーとEXPOCITY」のカードが増えた。持っていると駐車場が1時間無料になる。仕事帰りに寄ったりするので、いつも持っておかざるを得ない。
 車の中に置いておければいいのだが、違う車に乗ることもあり、そういうわけにもいかない。

 27枚のカード以外にも、名刺やら駐車券やらバンドエイド(先日久しぶりに役立った)やらを入れている。

 もはや財布とは呼べない。

 本当は小さくて薄いスタイリッシュ(笑)な財布が理想なのだが、叶わぬ夢である。

 2つ以上に分ければいいのだろうが、持つべきモノが増えるのは好きではないし、使う時に面倒だ。
 ___

 というわけで、二十数枚のカード類を収納しても不格好にならない財布を物色していた。

 これがけっこう難関だった。

 必然的に、ジッパーで閉める小さいポーチみたいな財布にならざるを得ないのだが、そういうものでさえ、カードポケットは十数枚が相場である。
 それに、実際フルにカードを入れるとパンパンに膨らんで不格好になるという話がネット上にあふれていた。
 それを避けるには、コンパートメントが2つあるダブルファスナーを選べばいいのだが、これはあまりに巨大すぎて、もはや大昔の筆箱である。

 4辺のうち3辺がジッパーになっているものが多いのだが(ラウンドファスナーというらしい)、財布を開けるのに手間がかかる。
 2辺ジッパーの「L字ファスナー」という型があることを知り、使用感が良さそうなのでその線でいくことにした。
 その中でも、短辺の一方が開放されていて蛇腹のついていないものが中味を取り出しやすくていいらしい。

 ・・・というような条件で探していくと、なかなか適当なものがない。

 ポーターや土屋鞄、ノマドイ、ノイ、コルボなどが良さそうなので、ラインナップを見てみても、納得できるものがない。
 巧みなネット戦略で売り上げを伸ばしているらしいココマイスターも良さそうだったのだが、その戦略があざとすぎて、かえって信頼できないような気がしたし、条件に合うものもなかった。

 結局、思ったようなものはないのかなあ・・・と諦めつつ、ふと思い立って無印良品を見てみると、機能的にはぴったりのものが見つかって驚いた。
 実は、今使っている財布も、無印良品のヌメ革生成りだったのだが、それはなくなって、長財布はラウンドファスナーとL字ファスナーの2種だけになっている。

 やっぱりみんな、カードの収納に苦労しているのだ・・・

 しかしまさか、あれだけいろいろ探してもなかった、理想に近い形の財布が、2種類しか長財布を扱っていない無印良品にあるなんて・・・
 値段だって、半額くらい、どうかすると1/3である。

 外はヌメのシュリンク革だが、中がナイロンなのはちょっと残念だった。値段は高くなってもいいから、中も革だったらよかったのに・・・と思ったが、他に選択肢はない。

 まあ、中まで革だとさらに重くなるだろうと自分を納得させていると、店員さんが「厚みも増えてしまいます」という。
 若い女性だったが、私が買ったのと同じ財布を使っているそうだ。ほんとかな?

 ともかく、カード類もめでたく全部おさまり、パンパンではあるがいびつではなくなった。

 それにしても、やっぱりちょっと巨大すぎるよなあ・・・ 使いやすそうではあるけれど。

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2015.11.07

●冬が来る前に ──京北・美山のカフェや工房

 久しぶりにバイクで出かけられると思っていたのだが、昨日までの連日の快晴が嘘のような曇り空。しかも朝食中にはぱらぱらと降り出すに及び、諦めてクルマで出ることにする。
 考えてみれば、クルマで出かけられるのも久しぶりだ。

 まず、以前から行ってみたかった「らふ工房 Cafe & Gallery 360」

 お昼をいただいていると、「なんかちょっと、いろいろ信じられない」という気分になった。

Dsc00034_crop ふつうならだれも通らないような道から脇道にそれ、さらに脇道にそれたところにある。1/10万の道路地図でも道すら載っていない。
 そんなところに別の空間があって、違う時間が流れ、それでもそこに、リアルな(高島屋に出展したり IKEA で買い物したりする)木工作家・染織家夫妻が30年も暮らしているのだ。
 au の iPhone 6 Plus もまさかの圏外。世間の喧噪も煩悩も、ここまでは届かない。

Dsc00048_crop ギャラリーをゆっくり拝見した後、 "Café gallery YU" という別のお店が車で5分くらいのところにあると教えていただき、向かう。
 これまた脇道にあり、わかるかなあと思っていたら、「もうあれに決まってるでしょ」というような佇まいの建物が見えた。
 遠くから眺めると、オーストリア・アルプスの麓を髣髴とさせる(ちょっと大げさ)。

 ステンドグラス作家の奥様が気さくに話しかけてくださり、この地域にさまざまな作家さんたちがいらっしゃるのを知る。

 冬になると、寒くなって雪も降る。バイクどころかクルマでも厳しくなるだろう。
 冬が来る前に、もう一度訪れたい。

 皆さまもぜひ。
 ___

 「点在する作家さんたちをまとめて紹介する Web サイトはないんですか」と聞くと、「まだないので、来年の宿題にする」とおっしゃる。
 リンク集だけなら私にも作れるので、備忘をかねて以下に記しておく。他にもいろいろありそうなので、見つけたら追加する予定。
(はるばる訪ねていっても開いていないということがままあると思います。お出かけ前には事前に確認なさることをお勧めします。)

 ◆らふ工房 Cafe & Gallery 360
   ランチ・カフェ・草木染め・木工・陶器など
   京都市右京区京北 西町下迫田5−1

 ◆カフェギャラリー YU Café gallery YU
   カフェ・ステンドグラス・トンボ玉・ガラス小物・竹細工・木工(釣り師にお勧め)・陶器など
   京都市右京区京北下熊田町妙見谷1−1

Img_2540_crop ◆木の香アート『まどころ』
   木工(サイトにはないようですが、私は菓子皿としても使える木の葉のオブジェを上記 YU で買いました)
   亀岡市余部町上条 23

 ◆山匠
   銘木木工
   南丹市美山町静原8

 ◆器ギャラリーあんどう
   カフェ・陶器
   京都市右京区京北下黒田町鶴野2

 ◆生活アートギャラリー 栖(すみか)
   石・木・糸・布の手仕事作品と昭和の白い器
   右京区京北下町藤原1−4

 ◆工房風舎 Gallery
   吹きガラス製品(食器・花器・ランプ・オイルランプ等)
   南丹市美山町内久保池ノ谷 33
   (美山おもしろ農民倶楽部と駐車場共用)

 ◆美山おもしろ農民倶楽部
   カフェ・軽食・無添加ハム/ソーセージ
   南丹市美山町内久保池ノ谷 33
   (工房風舎 Galleryと駐車場共用)

 ◆ステンドグラス工房「卑弥呼」
   ステンドグラス(パネル・ランプ等)
   京都市右京区梅ケ畑畑ノ下町1−29

 ◆はーばりすとくらぶ美山
   カフェ・ギャラリー・ハーブ・木工・草木染
   南丹市美山町野添 49-3

 ◆風とんも舎
   竹工芸・竹細工
   カフェギャラリー YU で作品が購入できます。

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2015.08.13

★秘密のラップ

 謎のラップのベールが剥がされた。

 いや、やはりベールは纏ったままかもしれない。謎が解けて秘密が残っただけである。

 クリーンハーツラップの販売元、西原商会のウェブサイトから問い合わせメールを送ると、折り返し留守電に2回電話をもらった。
 「またおかけします」とは言うのだが、商売にならないことでこれ以上煩わせるのも気が咎めるので、こちらから電話をかけた。

 結局のところ、クリーンハーツラップは、西原商会が企画して業務用に独占販売している商品であり、他では購入できないという。

 「お寿司屋さんで使いやすいというのを聞いたんですけど・・・」
 「それはありがとうございます。お蔭様で、ものすごく売れております」
 (も、ものすごく???)
 「でも西原商会さんがお作りになっているんではありませんよね」
 「ええ、うちは食材卸の専門商社ですから」
 「では、どこかのメーカーに委託して製造させているということですか」
 「はい、そうなります」
 「どちらのメーカーで作っているかは教えていただけないんでしょうね・・・」
 「ええ、申し訳ありませんが、それは企業秘密ですので」

 だれかの口から直接「企業秘密」なんて言葉を聞いたのは生まれて初めてである。

 「個人様へも、1本からでも代引きでお届け致します」

というのだが、まさかラップを買うために代引き手数料と送料を支払う気はしない。値段が数倍になってしまうだろう。10本くらい買えば、採算は合うかな?

 興味のある方はお試しいただいて、実際に使いやすいかどうか、コメント欄でお教えくだされば幸いです(笑)

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2015.08.09

★謎のラップ

 rap でも lap でもなく、wrap。

 夏休みはまだだが日帰りで実家へ。
 いつもの寿司屋で食べていると、母親がラップに目を留めた。「それ、よさそうですねぇ」

 そこから、寿司屋のご主人のラップ礼讃が始まった。とにかく使いやすい。貼り付く、伸びる、変な切れ方をしない。端がわからなくなってしまってめくれなくなり、必死になって剥がそうとする苦労もない。

 「こんなに使いやすいラップはないですよ。サランラップなんかとはえらい違いです」

 サランラップ以外はラップではないと思っている私としては聞き捨てならない。

 だが、次の日、家人からまた、くっついてしまったサランラップをめくってくれという依頼を受け、いや確かに、たまのこととはいえ、これがないんだったらそれだけでも嬉しいなあと思わされた。
 それ以外にも「使いやすいことこの上ない」と聞かされたばかり。

 「業務用なのでスーパーとかでは売ってないと思いますけど、この辺の寿司屋とかお店ではどこでも使ってると思いますよ」ということだった。

 その名も「クリーンハーツラップ」。

 このネット時代、業務用だとかいっても、そんなにみんなが使っているようなものなら、簡単に手に入るだろうと思った。

 ところが・・・

 手に入らないどころか、Google で検索してもただの1件もヒットしない。広く業務用で使われているという商品名なのに。

 信じられない。ありえない。

 というわけで、まもなく、このブログが世界で唯一「クリーンハーツラップ」がヒットするサイトになる。
 亀岡の「あたご屋」以来の快挙?だ。あたご屋と違って、ヒットしても何の役にも立たないけれど。

 あたご屋がその後いっぱいヒットするようになったように、クリーンハーツラップもそうなってほしい。

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2014.09.04

■輪島塗礼讃

 旅行に行っても、あんまり・・・というよりほとんどお土産とかは買わないのだが(たとえば6月のイタリア旅行では一切何も買わなかった)、先日輪島に行った際にはカップと箸とを買ってしまった。

 輪島塗というか漆塗り、英語でずばり japan というものにはほとんど興味がなかった。いや、今もとてもあるとは言えない。
 塗り物というと、重箱と汁椀、あとはせいぜいお箸くらいしかイメージしないが、重箱は不要だし漆の汁椀は昔買ったのがあるし・・・となると、購入の可能性があるのは箸くらいだ。
 実際、輪島の朝市における観光客向けのメインアイテムは完全に箸であった。それも、200円と500円が主流である。そんな値段の箸、輪島で買う意味があるとはとても思えない。下手をすると、プラスティックにエナメル塗装の外国製とかではないだろうか。

 だが、1500円も出すと、まともな「本乾漆」「輪島本塗り」と書いたお箸が買える。「思ったより安いな」というのが印象だった。

 もうひとつ、8千円くらいでかなり気に入ったカップが見つかり、私にとっては高価なのでいったん見送ったのだが、やはり気になって再度店を訪れ、縁があれば買おうと思っていた。しかしながら、仕上げに一部不満の残る現品しかなく、背中を押すものもなくて結局買わなかった。

 あちこち覗くが、気に入ったデザインのものがない。「別に買わなくてもいいや」と思ったころ、最後に入った店で、「まあこれなら」というのが見つかった。外側の色目に若干の不満はあるものの、まあいい感じだ。値段も先ほどの半額の4千円。これなら・・・と眺めていても、特に欠点が見当たらなかったので、購入した。

 これがいい。いや、箸もいいのだが、このカップはなかなかのものだ。
 まず軽い。それに、熱いものを入れても冷たいものを入れても外側の温度がそれほど変わらないし、したがって結露もしにくい。以前、真空二重チタンの高価なカップを買ったが、性能は落ちるにしても、それらと似たような効用がある。
 そしてなにより、口当たりが優しくていい。微妙なカーブと表面の漆が醸し出す唇への感覚は、どこか官能的でさえある。

 飲み物を入れるのは、どうしてグラスか陶器か磁器なんだろう? 漆器はどうして重箱と汁椀だけなんだろう? お茶碗ですら、漆器のものを使っている人はまずいない。

 実際、「漆器」でイメージ検索すると、出てくるのはほとんど重箱と汁椀とお盆である。だが、「カップとかがあれば買うのに」と思って「漆器 カップ」で検索すると、気に入ったのが見つかった。
 「おお、これなら買ってもいい」と思って見ると、15万円・・・

 その後いろいろ調べてみると、コーヒーカップで数万というのが、いい漆器の相場らしい。磁器なら数千円でけっこういいのがあるから、この価格差が致命的なのだと思われる。

 だがそうすると・・・

 私の買った4千円のカップは、果たして本当の輪島塗なのだろうか。店の人は欅(けやき)だと言っていたが、まさか「プラスティックにエナメル塗装の外国製」とかじゃないだろうな・・・

 「まあいいや、気に入ってるんだから・・・」と思っても、鑑識眼に自信のない者には不安が残る。「これ、本物の輪島塗ですか」とか聞かなかったし。

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2013.11.03

●立杭焼というか丹波焼の急須

 近年、家人の趣味でときどき美術館とかに出かけることがある。つきあいというか運転手というか、まあそんなところだ。
 入館料がもったいないとは思うものの、本当に運転手だけというのもなんなので、いちおう入って「鑑賞」はするのだが、豚に真珠というか猫に小判というか割れ鍋に綴じ蓋というか(違うか)、ほとんどの場合、よくわからない。
 「芸術作品」の前で場違いな笑いを抑えられなくなったりして気も遣う(だっておかしいんだもの)。

 今回は「兵庫陶芸美術館」。朝日新聞でやたらに宣伝しているのに家人が騙されたのだが、やはりというか、主催者に朝日も入った特別展であった。

 ものすごい赤字運営だとは思うものの(入る前に、「入館料を1万円に値上げして、これまでと同じくらいの入館者がいるとしても、運営するのは厳しいんじゃないかな?」とか言っていたのだが、運営費を調べてみると、実際そんな感じであった。実際の入館料は、iPhoneの割引き画面提示で800円)、いい感じの美術館であった。
 丹波の山懐に抱かれた、自然と調和するデザイン・・・というような、安っぽい不動産広告の文句が似合いそうなおしゃれな建築空間(いえ、悪口ではありません)。
 ___

 それはそれとして、ここにこういう物ができたのは(なんと2005年と新しい)、日本六古窯のひとつ、丹波の立杭焼の地元だからである。

 「立杭焼のぐい呑み」というのをよく聞く気がするのだが、それがこんなところにあるのは知らなかった。今の所在地で言うと、兵庫県篠山市今田町の上立杭と下立杭あたり。
  信楽になら何度も行ったことがあるし、備前焼とか九谷焼とか伊万里焼とかそんなのまでどこにあるか知っている(しかもすべて行ったことがある)のに、こんなに近くの立杭焼を知らなかったとは・・・

 まあ、瀬戸物(というか陶器)にはほとんど興味はないんだけれど、それにしても。

 ただ、だいぶ前から急須を買いたいと思っていたので、美術館のあと、めぼしい窯元をいくつか回ることにした。

 幸いというべきだろう、5箇所訪れた窯のうち、1つでいいのを見つけた。もうほぼこれにしようと決めてから、念のため、2人ともが気に入ったカップを作っている窯元にも行ったのだが、急須の方は、デザインはぱっと目を引くものの、(予想される)機能にちょっと不安があった。

 湯飲みやカップなんかと違い(というと語弊があるが)、急須は機能が非常に重要である。

 そのことをよくご承知だからだろう、お茶の出も切れも申し分ない旨の説明を書いた紙が貼ってあった。他の窯元では見なかったし、実際、他の店のはその点に注意を払った設計?に見えなかった。

 伝統的?な形をした急須の方は、持ち手の形状やバランスなんかもよくできている。それでいて、機能一辺倒を排し、デザイン的に見るべきものもある。

 実は、以前北海道で買った急須が機能的に落第で、そのせいでちょっと敏感なのだ。
 かなり前にデパートの銘品展で老舗の急須屋さん?に機能のポイントを教えてもらったことがあるのだが、この窯元のはそのポイントをしっかり押さえている。

 逆に、それらを無視している急須が溢れているのがむしろ不思議な気はするけれど。

 結局、モダンな形と色をしたのを選んだ。やはりというか、茶はスムーズに流れ出て、注ぎ口から垂れたりもしない。
 箱にも能書きにも「丹波焼」とのみあり、立杭焼の文字がないのが不思議だ。買ったのは下立杭にある窯元(まるせ窯=屋号は○の中に「せ」が入っている)だし、丹波焼なんて聞いたこともなかった。

 ともあれ、機能的にかなり問題のある急須でも10年くらい使い続けているのだから、これなら長く愛用できると思う(割らなければ)。
 我々の感覚からすると安い買い物ではないが、とにかく職人の手作りである。手間暇を考えればべらぼうに安いとも言える。

 職人にはあらためて崇敬の念を抱かざるをえない。

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