2011.12.29

★デパートと財布と靴

 先日、大阪ミナミの心斎橋から難波にかけて往復し、デパートで買い物をした。年に1度あるかないかの行事である。

 まず大丸。
 買う予定はまったくないのだが、通りすがりに「このジャケット、ちょっといい感じ」(「ほれた」とか「ほしい」ではない)と思って見ると、17万8千円の値札。論外である。9割引きなら買うかもしれない。

 ぶらぶらしていると、「なるほど、こんな格好をすればいいのか」という感じのマネキンがあった。コートが36万円、ジャケットが18万円、シャツが5万円、スラックスが8万円、手袋が7万円、靴が8万円・・・みたいな感じ。ざっと計算すると100万近かった。
 「このコーディネート、なかなかいいですね。これ、セットでください」といって100万出すところを想像してみたが、現実感がない。

 でも、ぜんぶまとめて100万ならそれほど高くないような気もしてくるところが不思議である。
 数万円以上は現実的な金銭として認識できないという欠点を持っているのは、ふだんから意識するようにはしているんだけれど。

 たまたま通りがかったブランドショップの前に飾ってあった時計がちょっと面白そうで興味をひかれたが、285万円とかだった。

 いつも思うのだが、いったいだれが買ってるんだろう?
 超高級ブランドショップ(ルイヴィトンやグッチではなく、ブルガリやエルメス)で何か買っている人を見たことがない。あれほど客がいないのに一等地に立派な店を構えられるということは、ひとつひとつの製品で法外な利益をあげているということになるから、よけい買う気がしない(買えないけど)。
 まあ、ああいうのを買うような人は、外商とか営業とかから自宅で買うのかもしれない。

 ともかく・・・

 実際に買いたかったのは、財布と靴であった。
 前者は、まあいいのが2つほど見つかったのだが、いずれも2万5千円ぐらい。そんな高い財布、買ったことがない。
 後者は、以前たまたま寄った川西阪急でちょっと気に入ったが買わなかったリーガルウォーカー。その後、折りあるごとに探しているのだが、縁がなくて見つからなかった。

 心斎橋筋にいくつもある靴屋で聞いてみてもどこにもない。そうそう、○|○|が難波にできていてびっくりしたが、そこにもない。

 ところが、高島屋で聞いてみると、廃番になったためセールになっている中に、その靴があった。お目当てのキャメルはなかったけれど、ダークブラウンのほうにサイズがぴったりのものが残っていて、買うことにした。黒の方はサイズがなかった。
 リーガルの靴ってほとんどどこでも安売りしていないので、幸運というべきだろう。あとで調べると3割引きだった。初めてのリーガルである。

 財布の方は、とって返した大丸の無印良品で5千円のを買ってしまった。存在は知っていてちょっと気になっていたのだが、ネットでは販売しておらず、在庫がある店も阿倍野ぐらいだったのに、心斎橋の大丸にあったのだ。
 2万5千円のにもちょっと魅かれたけれど、5倍だと思うとやはり二の足を踏んでしまった。

 靴も財布も、ないないと思っていたものが見つかって手に入ったのだから、もっと喜んでもいいはずなのに、それほどの満足感はない。
 やっぱり、何万円とか出してもっといいものを買うべきだったのか、それとも、せっかくの小確幸を楽しめない損な性分なのか。

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2011.12.01

★おうちカフェ

 (つづき)

 酒が飲めない。

 それに変わる好みの飲み物もない。

 仕方ないので、牛乳やらヨーグルトやらフルーツカルピスやらを飲んでいる。
 朝は毎日ミルクティ。仕事の合間にはインスタント、帰宅時にはペーパードリップのコーヒーを飲む。夕食時には、夏は麦茶、冬は日本茶。

 どれもぱっとしない。

 外でパスタなんかを食べたあと、「コーヒー、紅茶、どちらになさいますか」などと聞かれたとき、10年前ぐらいまでは紅茶だったのだが、それ以降、なぜかコーヒーになってきた。
 だが、それほど好きなわけではない。

 いわゆるシアトル系のコーヒーショップが関西にも進出してきたとき、キャラメルマキアートなんかを飲んで、「これこそ自分が求めていた飲み物だ」と一時は盛り上がった。
 今ではその熱は冷めたものの、普通のコーヒーよりはカプチーノなんかの方が好きだ。問題は、そういうものが家では飲めないことだった。

 ところが、そんなものを買おうなんて夢にも思っていなかった全自動のエスプレッソマシンが、個人でも比較的気楽に買える価格で売っているのを知った。数か月前だったか、一度買おうと考えたのだがやっぱり思い直してやめていた。
 先日、何かの拍子にまたネットでエスプレッソマシンが目にとまり、いろいろ読んでいると、かなり満足できるものが安く手に入ることが分かって、勢いで買ってしまった。

 ボーナスでガスコンロなんて・・・と思っていたのも影響した。エスプレッソマシンなら、若干マシである。

 それが昨夕来たので、さっそく使ってみた。だが、ドリップ用の豆に低脂肪乳しかない。条件は悪い。

 驚いたことに、それでもシアトル系コーヒーショップと同じようなカプチーノを堪能することができた。ネットで評判が良かったのもうなずける。
 まあ、私が「違いの分からない男」なのかもしれないけれど、それでも。

 これで、朝はカプチーノにできる。バニラエッセンスでも落とせばプロの味だ。

 インスタントコーヒーに回帰したかと思えばエスプレッソマシン・・・ 成熟社会の振幅は激しいのである。

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2011.11.30

●ボーナスでガスコンロ?

 先日、ガスコンロ(左側)に火がつかなくなった。いや、つきはするのだが、つまみから手を離すと消えてしまう。
 ネットで調べると、センサー部の不良のようだったが、自分では直せなかった。

 もう十数年経つことだし、けっこう汚れてもいる。それに、最近のコンロは火口すべてにさまざまな安全装置がついているらしいので、この際、買い換えることにした。家人がたまに、つけっぱなしで部屋を出てしまうなどするので(まさかボケ始めとかではないことを祈る)、数か月前にも一度買い換えようかと考えていたところだった。

 故障自体は見積もりに来てもらったガス業者があっさり直してくれ、持ち前の倹約の虫が首をもたげたのだが、結局はやはり買い換えることに決めた。
 安全は大切だし、一気にきれいになるし、デザインだってしゃれている。ガラストップの平面で、掃除も楽になるはずだ。

 しかしまあ、折しもボーナスシーズンである。ボーナスで買うのがガスコンロなんて、いかにも夢がなくて情けない・・・

 (つづく)

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2010.12.25

★久しぶりのクリスマスプレゼント

 昼過ぎに初雪が舞ったクリスマスの日・・・

 狙ったわけではないのだが、その日に時計が届いた。

 来月あたり、自分のクレジットカードから代金が引き落とされるが、家族からのクリスマスプレゼントということにしておこうと思う。
 あげるのはともかく、もらうのは久しぶりのような気がする。

 家族3人でのぞき込みながら箱を開けた瞬間、ちょうど0時を指して止まっていた針がものすごい勢いで動き出し、ぐるぐるぐるぐると回って現在時刻を刻み始めた。
 予想していなかったので、ちょっとした感動だった。

 息子のに続き、うちでは2つめの電波腕時計である。電池交換の必要もない。

 ただ、安さに負けて通販で買ってしまったので、ベルトの長さ調節がされていない。
 昨夕買ってきた工具で、前から使っている同メーカ同シリーズの腕時計の調整はできたのだが(これまで長すぎた)、これは仕様が少し違っていてうまくいきそうにない。

 通販で買ったものを時計屋さんに持っていくのは気が引けるが、考えてみれば、この時期、「プレゼントでもらったんですけど」といえば、角も立つまい。
 ___

 一番の目的はカレンダーである。毎日のように「今日何日だったっけ?」ということになるのを回避したかったのだ。
 朝刊を読むときにその日の日付を覚えておけばすむことなのかもしれないけれど。

 ともかく、カレンダーのついた腕時計を使うのは社会人になってから初めてだと思う。

 これで、日常使う時計が3つになった。一番古いのは1994年の1月に買ったものである(昨日判明した)。

 あれっ? それまでどんな時計を使ってたんだろう・・・

 ・・・と思った瞬間、机の一番上の引き出しを開けるとセイコーのツインクオーツが出てきた。ガラスと文字盤は綺麗だが、ケースの金メッキが剥げてぼろぼろである。

 もちろん電池は切れていて、明るいところに出しても動き出したりはしない。

 今持ってるのは3つともこういうふうにはならないはずなので、死ぬまで使い続けることになるのだろうか。

 死ぬまで・・・

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2010.08.21

★チタンのタンブラー あるいは 大人買いについて

 休暇の最終日だったか、久しぶりにデパートに出かけた。

 目的もよく思い出せないのだが(といっているうちに思い出した。5年越しで検討しているソファを見に行くのがひとつだった)、休暇らしいことは何もしていなかったし、猛暑の中、非文化的な夫婦としては、涼しい屋内でそれなりに楽しめそうだったのはデパートぐらいしかなかったということかもしれない。

 家人の趣味でフレンチっぽいランチを食べ、ウィンドウショッピングをする。

 田舎のデパートのこととて、期待したソファは種類が少なくて気に入るものはなく、唯一、ちょっと欲しいかなと思ったものは70万円超で、おいそれと買えるものではない。
 ソファが一生ものではなく、10年ほどで寿命が来ることを知ってしまった今となっては、たぶん今後も買わないだろうと思う。

 相変わらず、物欲はないし倹約家なので、ひととおり見回っても買いたいものはない。たまに、ちょっといいかな? と思って見たりすると、ベルトが一本3万円とかで一気に買う気が失せる。

 それにしても、こんな田舎のデパートですら、ひとつ何百万円とかいう時計がずらずら並んでいるのには驚いた。いったいだれが買うんだろう? しかもこんなところで。

彩 そんな中、ひとつだけ、買ってもいいかなと思うものがあった。チタンのタンブラー(「彩」)、1万2600円。

 中が真空の2重構造になっていて、暑いものを入れても冷めず、冷たさもキープできる。握る手は熱くも冷たくもないし、冷たいものを入れても外側に水滴がつかない。

 チタン、という単語に弱いし、機能本位の製品は好きだ。チタンを再結晶させる時にできるという表面の紋様の質感もいいし、デザインだって悪くない。

 しかし、申し訳ないが、こういうものはデパートでは買わない。ネット通販で買えばおそらく一万円を切るだろうと思ったし、惚れた、というほどでもなかった。

 家に帰ってからも「どうしようかなあ」と思っていたが、メーカーの宣伝文句なんかを読んでいるうちにだんだん本気で欲しくなってきた。
 軽いし丈夫だし、まさに一生ものである。旅行に持って行くにも便利だ。

凜 だが、ネットでいろいろ見ているうちに、ひとつ問題が出てきた。デパートで見たもの以外に、もう少し大きくて高価(1万5750円)なタンブラー(「凜」)もあるのである。

 どちらにしよう? 気に入ったのは「彩」のほうだし、「凜」は実物も見ていない。でも捨てがたい・・・
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 次の日だったと思う。ふと思いついた。

 どちらにするか悩む必要はない。両方買えばいいではないか・・・

 ボーナスでも何も買っていないし、今年はどこにも出かけていない。一生使えるタンブラーに2つで2万円ぐらい使ったって、どうということはないだろう。
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 こんな「大人買い」をするのはたぶん2度目だ。セスナの鍵のキーホルダー代わりに金貨を使おうと思いつき、今はなき千里中央の「銀座ジュエリーマキ」でどちらにしようか迷っていた時以来である。
 私としては長時間、さんざん迷った挙げ句、めんどくさくなって、「両方ください」と言ってしまった。

 2つあわせてもたかだか数万円とはいえ、迷っていた品を両方買うという客は多くないと見えて、店員が明らかに驚いていたのがわかった。いや、私だってあんな買い方をしたのは初めてである。
 ひとつは家人にプレゼントした。
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Titanyui 今回はしかし、伏兵がいた。
 いろいろネットで検索していると、もう一つ、「結」というのが見つかったのだ。それも、3万1500円と極端に高価である。メーカー直営のネット販売では見つからなかったのに。

 一生使えるタンブラーに5万円ぐらい使ったって・・・とはさすがに思わなかった。

 大人といっても、久しぶりに欲しくなったものにたった5万円の支出ができない程度の大人なのである。
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 結局、ネットで安い方の2つ(「彩」と「凜」)を買い(あわせて2万円強ですんだ)、木曜日からずっと愛用している。
 チタンだから軽くて、いくぶん安っぽい感じがしないでもない。でも、氷がいつまでも溶けず、飲み物を長い間冷たくキープできる性能はさすがである。

 もう少し大人になれたら、「結」も買おうかと思う。

 しかしこれ、「彩」はたとえばオンザロック、「凜」はたぶんビール用である。飲んでるのが牛乳とかヨーグルトとかカルピスとかグレープジュースとかいう、「お子様(=私)」が使うような品ではないのだが。

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2009.04.02

★カバンと万年筆

 特に意識して新年度からというわけでもないのだが、通販で買ったカバンが3月31日に届き、万年筆が4月1日に届いた。

 2009年度は、日常的に使う品にこの2つが加わる。

 カバンはナイロン製だがやや高め、万年筆はわりと安いものだ。

 カバンは色もデザインも無骨でオシャレとはほど遠いのだが、旅行に使うキャリーオンの中型バッグのハンドルに取り付けられるようになっているため、ふだんだけではなく、旅行の時も便利である。
 まだ2日しか使っていないが、機能的で使い勝手も良い。

 万年筆はまあまあのデザインと色遣い。

 愛用していたスターバックスの帆布?トートは、毎日の使用からは引退する。
 このトート、デザインも悪くないし、数年にわたって毎日のように使っていたのにぜんぜん傷んでいないように見える。案外、優れものかも。

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2009.03.26

●老舗専門店

 大阪を出る時、1輪2輪ほころんでいるという感じの桜が、帰ってくる時には満開だったりすると面白いだろうなあと思っていたのだが、実際に帰ってくると、まだ「ちらほら」という感じだった。

 でもまあ、木によっては五分咲きぐらいのもあって、一応は「しばらく留守にしていた感」を味わうことができた。

 向こうでも少しはニュースを聞いていたので知ってはいたのだが、最低気温が15℃を下回ることがない沖縄にいた間、それ以外の日本はほぼすべからく寒波に見舞われていたらしい。

 桜の開花がそれほど進まなかったのは、気温が上がらなかったことが主因だろう。
 ___

 最終日、飛行機が出るまでに少し時間があったので、某老舗専門店に気になるものを見繕いに出かけた。
 何の老舗かを書いた時点で完全に店まで特定されてしまうので、申し訳ないが伏せさせていただく。

 場所もほとんどわからないまま那覇の街をさまよい歩き、これでは見つかるとも思えないなあと考え始めたころ、まるで天啓に導かれたみたいに老舗専門店の看板を見つけた。

 これは何かの縁に違いないと思い、高価な品を買う気満々で店に入って行くと・・・

 老店主はパソコンのワンセグで高校野球を見ていた。
 そう、沖縄代表の興南高校が試合をしていて、ちょうど延長戦に入ったところだったらしい。

 二言三言挨拶のようなものを交わした後、老店主はかまわず野球を見続ける。「まあ、そこに座ってください」と言われて座るものの、実に手持ちぶさたである。

 立ったり座ったりして店の中にある商品なんかを見つつ、試合が終わるのを待つ。
 幸い、というべきだろう、ほどなく沖縄代表が負けてくれて、野球が終わった。

 「残念でしたね」と声はかけたが、肝腎の店主はそれほど残念そうでもない。まあ、残念には違いないのだろうし、事実そうおっしゃるのだが、にこやかな笑顔である。

 「すいませんね、延長戦でもうすぐ試合が終わるところだったので」

 人の良さそうな店主だし、もちろん腹は立たない。
 が、さすがにちょっとあきれた。こういう老舗専門店が他にあるだろうか。

 パソコンに差し込んだワンセグチューナーカードにつないでいた、室内を横断するケーブルやら窓の外に出したアンテナやらを片付けてから、やおら品物を巡る世間話が始まる。
 
 「どんな品をお探しですか」とか「ご予算は?」とかいった会話には一切ならない。
 おそらく、それは老舗専門店の老舗専門店たる所以なのだろう。品物の特性を語ることから始まって、会話をしながらうまく客の思いを汲み取っていこうとしているようだ。

 30分ぐらい、あるいはもしかしたら小一時間も話しただろうか。売る気があるのかないのかもよくわからない。けっこうな高級品が気に入った旨、水を向けても、売りたくないのか、商品を出して見せてくれようともしない。
 かといって、疎んじているとかそういう感じはぜんぜんしない。あくまでも客の気持ちに寄り添いながら、儲けようなどとは思わずに、何でも正直に話してくれているようだ。

 でも、この客にいいのを売っても宝の持ち腐れになりそうだから、品物のためにも客のためにも(後者に重点があることを祈る)、高価な商品は売らないと決めていらしたような気もする。
 ___

 安くはしていただけないみたいだし、最初の野球問題もちょっと引っかかっていた上に、店内が雑然としていたことが決め手になって、ともかく今日のところは買わないで引き上げることにした。

 いつまで続けてもかまわないようなこの会話をどうやって友好的に終わらせようかと考えて、

 「今日はどうもありがとうございました。いろいろ勉強になりました。沖縄にはちょくちょく来るので、もっと勉強して出直してきます」

 と言って店を後にした。もちろん、沖縄に行くのは多くても2〜3年に1度である。
 ___

 それにしても不思議な老舗専門店だった。「やっていけるのか?」という感じはしたが、持ちビルのようだったので、家賃収入だけでも食べていけるのだろうと思う。専門店自体はせいぜい10畳ほどの空間だった。

 電話も2〜3本かかってきたし、最初私を約束の客か何かと間違えていらしたので、本職の方も「上がったり」という感じではないようだ。

 だが、六十代後半と思しき店主に、後継者はおそらくいまい。

 沖縄唯一の老舗専門店は、残念ながら早晩、幕を下ろしてしまうのだろう。
 あの沖縄で、戦前から戦中、米軍占領時代から現在まで、営業を続けてきたというのに。

 激動を生き残った文化も、何でもない時代の文明にこうして滅ぼされていくのである。

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2009.02.28

◆お勧めの双眼鏡

 双眼鏡の選び方に関してご質問いただいたのをきっかけに、2年ぶりぐらいにちょっと双眼狂モードに入っている。

 (今回は何も買わずに終わることを祈っているのだが・・・)

 それで、コメント欄に(私としては)かなり力の入ったお勧めの双眼鏡の話を書いたので、目立つようにここに転載する。

 先日、中島みゆきの夜会に行ったとき、双眼鏡を持ってきていない人が多いのにびっくりした。あるとないとでぜんぜん違うものを見ていることになると思う。
 持っていてもふつうに肉眼で鑑賞することはできるが、持っていなければ細部を楽しむことはできないのだ。
 会場でオペラグラスもどき?を2千円とかで売っていたが、そんなものを買うぐらいなら、8千円ぐらい出してそれなりの双眼鏡を買っておけば、まあ10年ぐらいはいろんなものを見て楽しめる。

 皆さんには、ぜひ、双眼鏡の楽しさを知っていただきたい。
 
 以下、kei さんにお答えした、「お勧めの双眼鏡」(2009年2月版)です。改行などは編集してあります。
 ___

 予算もメーカーも問わないというと、とんでもなく恐ろしいことになります(笑) 大きさ・重さは問うんでしょうか?

 まず、何も考えなければ、キヤノンの10×42 L IS WPにします。この双眼鏡の素晴らしさには定評があります。私が書いたものとしては、ここここをご覧ください。後者はまあコンサートです。ただ、とにかく大きくて重く、なかなか大変だと思います。しかしながら、それでも他の双眼鏡は使わず、ずっとこれを使って見ていました。それぐらいの価値はありました。

 もっと扱いやすいものなら、コーワのGENESIS 33 PROMINAR 8×33が私は欲しいですが、持っていないので何とも言えません。

 以上の2つは、予算の面で双眼「狂」以外の方は考慮の対象にならないと思います。対象になるなら、スワロフスキ・ツァイス・ライカなども考慮に入れることができますが、いきなりはお勧めしません。

 まだ可能性があるかなと思うのは、ニコンのモナーク X 10.5x45D CFです。8.5倍にしないのは、実視界が同じだからです。もし初心者ということでしたら手振れを考慮して8.5倍の方がいいかもしれません。これは(お蔭様で)昨日、エントリにしました

 しかしながら、これも、昨日書いたとおり、ふつう、買おうと思う人はあまりいないと思います。

 で、いよいよ本命ですが、初めてまともな双眼鏡を買いますという方には、ニコンのモナーク 8x36D CFをお勧めします。実売で2万円台後半ぐらいです。
 後は、大きさや重さが納得できるかどうかですね。明るさを求めると、どうしても口径が必要なのでこれぐらいの大きさにはなってしまいます。私から見れば、十分コンパクトですが・・・

 さらにコンパクトにこだわるなら、ニコンの8x20HG L DCF。これは私も持っていて重宝しています。
 もうひとつ、同じニコンの5x15D CFも気に入っています。私は5倍を選びましたが、7倍も悪くないかもしれません。

 以上のコンパクト機3点が予算的に厳しいようなら、ニコン・トラベライトEX 8x25 CFビクセン・ニューアペックスHR8×24ペンタックス・タンクロー WPあたりでしょうか。ただ、この3つは私はどれも持っておらず、人の評判を聞くだけです。

 長々と書いてきましたが、結局は購入なさる方の判断です。特に、デザイン的に愛着がもてるかどうかなども大きな問題ですし、まずは手頃なのを購入しておいて、物足りなくなったら後でステップアップするという方法もあります(泥沼への入り口です)。
 予算のことを考えないのであれば、スポーツスターEXは特にお勧めはしませんが、私の尊敬するバードウォッチャーが愛用してらっしゃるので、悪い製品ではないと思います。

 なお、カタログに書いてある「明るさ」というのは、倍率が低くて口径が大きければ自動的に大きい数字になりますが、ぜんぜんあてになりません。いいレンズ、いいプリズム、いいコーティング等が決定的に重要で、それが良ければ必然的に高価になってしまいます。カタログ上の「明るさ」の数値は同じでも、高額商品とそうでないものの見え方はまったく異なります。

 可能なら、大型量販店などにお出かけになり、実際にモノをご覧になって気に入ったのを購入されるのが一番だと思います。ただ、8倍(場合によっては10倍)以下の固定倍率で、上に書いたメーカーなどの製品であるというのは押さえておかれた方がいいと思います。

 コンサートに限らず、身の回りの自然・・・木々や花、雲や月などもご覧になってみてください。きっと世界が変わると思います。

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2009.02.27

◆これだけブログがあふれているのに

 これだけブログがあふれているのに、モナーク X の発売後、それに触れたものは先ほど私が書いたエントリのみのようです(by Google)。

 その私とて、買ったわけではない。

 双眼鏡って、ほんとうにマイナーな存在なんですね・・・

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◆双眼狂ふたたび?

 バードウォッチング用に究極の双眼鏡を買って以来、新しい双眼鏡を買うことには興味をなくしていた。

 (と書いてから気づいた。あれから持ち歩き用にひとつ買ったんだった・・・)

 今日、双眼鏡選びのご質問をいただいたので、久しぶりにニコンのウェブサイトを見ていると、まったく知らない間に私に無断で(笑)新しい双眼鏡が発売されているのを発見した。
 テレビでもラジオでも新聞でも、およそ広告というものが一切ない商品なので、自分でアンテナを張っていないと情報が入ってこない。

 新製品は、その名もモナーク X。また、モナーク・テンと発音してしまいそうだ。OS X も PSX も Kiss X2 も持っている身としてはそそられる。

 しかも、構造が何となくスワロフスキみたいになっているではないか(よく見たらぜんぜん違うのだが)。

 倍率も、8.5倍とか、名高いELシリーズを髣髴とさせる。

 まあ、何か真似しているみたいでイマイチな気もするけど。

 スワロフスキなんて高嶺の花(軽く20万円以上するのだ)という人たち(私)に、訴えかけるものを持った新製品である。おそらくは、そういう層を狙ってきたのだろう。

 これまでのモナークシリーズのネガを全てつぶしていい仕上がりになっていそうな期待が持てる。それに、まったくの新設計とおぼしき構造は、いかにも安心感がある。

 でも、双眼鏡に6万円とか出す人がどれぐらいいるんだろう? 逆に、スワロフスキを買いたいような人が、こっちに行くだろうか?

 私のような中途半端な男にはドンピシャなのだが、短くはない人生経験で学んだのは、中途半端なものを買う人は多くはないということである。売れるのは、安価な品と超高級品だ。

 まあ、他人のことはともかく、こういう中途半端な品がしっくりくる私は、果たしてこれを買うだろうか。

 買わない、と思う。

 いや、モナーク X のせいではない。車の修理に20万円近くかかったからだ。それに、もう、双眼鏡はたくさん持っている。

 モナーク X はきっと酸っぱいに違いない・・・

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