■Wind Calm その4
アメリカでの訓練初日、午後も飛ぶことになった。
午前中とはうってかわって、けっこうな風が吹いている。しかし、日本の風とは何かが違う・・・
「Wind 270 at 15」西風、15ノットだ。時速に換算すると、約28km/hとなる。車と違い、空気の中を飛ぶ飛行機は、この風の影響をそのまま受ける。もし、西に向かって178km/hで飛んだとしても、実際の速度は150km/hにしかならない。前者を対気速度、後者を対地速度(=実際の移動速度)という。逆に、東に向かって同じ速度で飛べば、対地速度は206km/hとなる。日本とアメリカとを往復する飛行機が、行きは速いのに帰りに時間がかかるのも同じ理由だ。
実際には、まっすぐ風上・風下に向かって飛ぶことは少ないので、横や斜めからの風によって飛行機は流される。したがって、まっすぐ飛ぶことも、丸く円を描いて旋回することも、少しでも風があれば簡単ではない(いや、風なんかなくても、素人パイロットにとっては、まっすぐ飛ぶことや同じ高度・速度で飛ぶことさえ非常に困難だ・・・)。
15ノット、日本で訓練していたころのほぼ上限に近い風だ。20ノットを越えれば、まず訓練はしない。しかし、実際に上がってみると、思いのほか飛びやすい。もちろん、流されはする。しかし、機体はけっこう安定しているのだ。
ほぼ同じ強さの風が、同じ方向からコンスタントに吹いている。まるで首を振っていない扇風機から来る風のようだ。日本ではこんな風はまず経験したことがない。強い風が吹いていても飛びやすい所以である。
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