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2004.05.22

■ラストサムライ

 終盤、エピローグのクライマックスといったシーンで、日本の伝統だの武士の魂?だのを、月並みなお説教じみた言葉で明治天皇が語る場面に一気に引いた。ほんと、しょーもなかったよ。いや、わたしがもともと「日本の伝統」とか「武士の魂」(←直接この言葉が出てきたかどうかは忘れた)とかのうさんくさい言葉に批判的だからではない。(「ハリウッド娯楽超大作」としては)台詞の少ない抑えた演技で、それを体現させようと腐心したであろう、真田広之や「無口な侍」役のおじさん、さらには、トム・クルーズや渡辺謙への演出が台無しになるからである。
 その後、明治天皇のこの台詞に感動した、という書き込みがネットに散見されるのを知って脱力した。まあ、人それぞれですけどね。それにしても・・・

 まあ、傷を挙げればきりがない。中でも、トム・クルーズだけ生き残り、捕虜にも囚人にもならずに、公式行事中の明治天皇の前にズカズカと現れるなどは噴飯物だ。だが、「ハリウッド娯楽超大作」なのだからそれでも許す。肝腎の「娯楽」をぶちこわしにすると思うのが、上の明治天皇の台詞だ。

 まあでも、やたらめったら人が撃ち殺されたり斬り殺されたりしても大丈夫な人にはお勧めの映画です、はい。

The Last Samurai, 2003 U.S.A.

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コメント

最後に辻褄を合わせるため、残り15分くらいから急に誰かが饒舌になる映画がたまにあります。その瞬間、たいてい興醒めします。血が流れる流れないは別にして、この映画のありようを知ることができました。感謝(笑、なぜ笑う!?)。

投稿: morio0101 | 2004.05.22 22:57

高級な鑑賞眼には最初から耐えないとは思いますが、でも、見ていただきたいんですけどねぇ・・・

投稿: Wind Calm | 2004.05.23 23:25

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