« 2004年9月 | トップページ | 2004年11月 »

2004.10.31

◆見られる側

 ある空港で開かれた航空ショーに、「見られる側」として参加させていただいた。

 もちろん、先日の航空祭で見たようなアクロバット飛行はできないし、ジェット機ですらない。だがそれでも、飛行機だというだけでいくらかは興味をもってくださる方もいるわけで、ありがたいことだと思う。

 空港に着陸して、エプロン(駐機場)までタクシー(地上走行)していく。そこには柵が巡らされ、向こう側には鈴なりの人々。なんと、こちらに向かって手を振ってくださる。横を通る間、こちらも手を振り返す。短い時間だと思うのだが、何しろ経験のない出来事だ。えんえんと手を振っているように感じる。非常に照れくさい。疲れない手の振り方をすると、ちょうど皇室の人たちと同じ仕草になる。お互い大変ですね(笑)

 いったん降りて軽く食事し、その空港と近くの別の空港とでフォーメーションによるデモフライト。地上からは相変わらず手を振ってくださるのが見える。こんな小さくて遅い飛行機に、恐縮です、はい。

 いや、もちろん、難しいフライトは、一流の元プロパイロットの方にお願いした。最初の着陸の時は、友人が操縦していた。私は帰投するときに操縦桿を握ったのだが、そのときはもう、航空ショーはお開きで、こちらに手を振ってくださる方はいなかった(と思う)。結局、「見られる側」だったのは、ヨコで荷物になっていたときだけだ・・・
 しかしそれでも、誰からも相手にされなくてメゲていた飛行機乗りとしては、最高といってもいい一日だった。

 みなさま、ありがとうございました。Good Day.

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.30

◆バースデイ・ガール

 『バースデイ・ストーリーズ』(中央公論新社)収載の村上春樹の短編ではない。ニコール・キッドマン、ベン・チャップリン主演の映画だ。ラブコメサスペンス+芸術作品。官能少々。

 貶されることも多いと予想されるが、よくできた映画だと思う。一番成功しているのはコメディとしてか。次に芸術性。あと、主人公二人の演技、特に、田舎英語とかロシア訛りとかの雰囲気もよく出ている(よくはわからないのでアラが見えにくい)。お勧めです。

(Birthday Girl, 2002 U.K., U.S.A.)

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.29

◆天皇陛下万歳

 不穏な?タイトルだな(笑) しかし、天皇を称揚しようと思うと反射的に出てくるのがこの表現だ。時代にふさわしい新しいコトバを生み出す必要はあるだろうが、皮肉ではなくこう言えること自体は喜ばしいことかもしれない。

 10月「28日の園遊会の席上、東京都教育委員を務める棋士の米長邦雄さん(61)」が「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」(強調は筆者)と話しかけると、天皇が「やはり、強制になるということではないことが望ましい」(asahi.com)と返したという。

 米長邦雄は、日の丸・君が代に関連して都立校の教職員を大量に処分したり、「逆」言葉狩り?によって「ジェンダーフリー」という言葉を追放したりした、悪名高き東京都教育委員会の委員だ。背後に石原慎太郎がいるのはいうまでもない。(敬称略)

 ウヨク気取りのコッカシュギシャである米長は、国家右翼の総本山である(そうなのかな?)天皇にこう諭され、「もうもちろんそう、本当に素晴らしいお言葉をいただき、ありがとうございました」(同)と答えたという。そう答えたときの間抜けな顔が見たかった。

 ほんとにそうだと思うなら、強制するなよ。

 政府は見当外れのコメントを連発して火消しに躍起だが、醜態をさらすばかりだ。まあ、そう言わざるをえない立場には同情できなくもない。

 いずれにせよ、物議を醸すのを承知であえて踏み込んだ発言をした明仁氏(この人、名字がないんですよね・・・)に敬意を表したい。

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.10.28

◆イラクで日本人が人質に

 イラクで日本人が新たに人質に取られた。たが、日本人でなければ、しょっちゅう人質に取られ、無惨に殺害されている。今回は日本人なので、国内での報道が大きいだけである。

 ただ、前回・前々回とは違い、今回は無事に済みそうにないのが気がかりだ。

 報道を見る限り、被害者も確かに軽率の誹りを免れないようだ。確固とした目的を持ち、あるいは経済的理由等で仕方なく、イラクに入国して注意深く活動している人たちと同列には論じられない。それがまた、あの無責任な「自己責任論」を増幅させるだろう。憂うべきことである。

 何にせよ、無事に解放されることを願ってやまない。

| | | コメント (4) | トラックバック (2)

2004.10.26

◆50対2、40対0?

 自然災害が続く。こないだ台風23号が大きな被害をもたらしたと思ったら、今度は新潟中越地震だ。だが、後者の報道が溢れる余り、前者の存在が霞んでしまった。

 台風23号による死者行方不明者は、10月26日の朝刊の時点で、計91人に達する。これは中越地震のざっと3倍である。
 もちろん、その数だけが重要なのではない。被害の大きさ、避難している人の多さ、回復の困難さを考えれば、地震の報道が大きくなるのは当然であろう。それにしても、である。
 今日の夜7時からのNHKの全国ニュースでは、地震に当てた時間が約50分。台風23号に関しては、たった2分ほどだった。兵庫県北部だって、事態は一向に好転していない。それなのにこれは、ちょっと、いくらなんでも、という数字である。
(「報道ステーション」では、地震のニュースの後はアメリカの大統領選挙になった。もしかすると、40対0になるかもしれない。)

 新潟の後、兵庫県(豊岡市)を訪問する予定だった小泉首相も、天候の悪化によって新潟での日程が延びたためか、訪問を取りやめてしまった。もちろん、新潟への支援を軽んじていいものではないが、兵庫県や京都府の北部も、その他の地域のことも忘れてほしくないと思う。

 朝日新聞の夕刊には、「「豊岡も深刻 忘れないで」視察延期で住民ら」という見出しの記事がある。が、大阪本社版であるにもかかわらず、なんとベタ記事だ。

 マスコミもわれわれも熱しやすく冷めやすい。そういえば、三宅島はどうなっているんだろう?

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.25

◆容疑者

 ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・フランコ。「父と息子」の物語。名作。できれば、一切の事前情報なしにご覧ください。

(City by the Sea, 2002 U.S.A.)

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.22

◆距離5mの神業

 先日、岐阜基地で行われた航空自衛隊の航空祭にでかけた。自衛隊の飛行展示を見るのは初めてだ。
 ものすごい人出ではあったが、こういうイベントが行われていることをどのぐらいの人が知っているんだろう。富士演習場で行われる総合火力演習はよくニュースになるけれど、自衛隊による航空ショーのニュースは、事故でも起こらなければたぶん見たことがない。大規模なものが関西で行われていないせいもあるのかもしれない。

 「われらがニッポンの自衛隊万歳」であれ、「なんという素晴らしいショーだ」であれ、「とんでもなく巨額の税金の無駄遣いだ」であれ、1度は見ておいて損はないと思う。

 F15がもの凄い轟音を立てて旋回する。普段もここでこんな音を出しているとしたらとんでもないことだが、たぶんいつもはおとなしく離発着して海上の訓練空域に向かうのだろう。
 ヘリコプターが、被災者に見立てた隊員を吊り上げる。災害出動でよく見る光景だ。この後、台風23号が大洪水を引き起こした兵庫県の豊岡で、すぐ実際のシーンが放送された。
 C1輸送機が空挺隊員を鳥のフンのように吐き出す。1度に15人のパラシュート降下。
 その他さまざまな航空展示や地上展示。今のプロフィール写真は「異機種大編隊」だ。

 対戦車ヘリや空挺隊員など、日本が地上戦に突入した後にしか必要とならないような装備や人員の存在はどうかと思うが、まあ、今回はそれには言及しない。

 何よりもすごかったのは、やはり自衛隊唯一の曲技飛行隊、ブルーインパルスの展示飛行である。写真の右上の2機の翼端距離は5メートルほどしかない。500メートルや300メートルでニアミスだと大騒ぎする航空業界にあっては、信じられない距離である。この距離のまま、急旋回する。まさに神業だ。パイロットの端くれとして、それだけでもどれほど困難かは想像に難くない。もちろん、ただ編隊を組んで飛ぶだけではなく、さまざまなアクロバット飛行を見せてくれた。

 それにしても、どの飛行機も無茶苦茶に速い。セスナの172型機で訓練を初めてしばらく後、ふつうのジェット旅客機の離陸滑走のスピードに度肝を抜かれ、客席で思わず、「はやーっ」と口走ってしまったことがある。が、それをはるかに超える速度で離陸し、時には垂直上昇していく。あるいは、輸送機であるC1が、90度旋回(飛行機がタテになる)したりする。
 これでどれも音速を超えていないのだから、たとえばF15が、この2倍以上にもなる最大速度で飛んだときなどはどんなことになるのだろう。

 機の性能といい、操縦の腕といい、もはや「参りました」というしかない。自衛隊の任務がどうあるべきかはともかく、この飛行を可能にしている科学技術や製造技術、あるいは、操縦技術や整備技術を持った人々には、素直に敬意を表するのみである。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.21

◆ミニミニ大作戦

 なんというタイトルだ。こうしてエントリの見出しにするだけでも恥ずかしくなる。この題名とパッケージの写真・・・ 手に取る気にすらならない。
 ちょっとした気の迷いから手に取ってみると、これまたひどい説明。B級決定かと思った。

 ところが、キャストが何と、ドナルド・サザーランド、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・ステイサム(「トランスポーター」)、マーク・ウォールバーグ(「猿の惑星」)・・・ このラインナップは、少なくともB級ではない。

 原題は、The Italian Job。中味は、「おしゃれな泥棒」系だ。特に、ベニスで金塊を奪うプロローグのシーンはよかった。「水も漏らさぬ計画」といいながら、結局は船によるチェイス劇から逃げ切らないと成功したことにならないのはご愛敬だ。
 後半になるにしたがってますます荒唐無稽になり、都合よく不可能を可能にしながら、運を天に任せるような計画、カーチェイスとなる。まあ、しかし、それも許せてしまう。つまるところ、そんなに悪いできではない。

 まあ、典型的なハリウッド映画という気はしますが、気楽に楽しめてお勧めです。

The Italian Job, 2003 U.S.A.)

| | | コメント (2) | トラックバック (1)

2004.10.20

◆台風23号の実況です

 ここ大阪北部は夕方6時ごろはものすごい大雨で、あちこちの道路が冠水(といっても10センチ程度)していました。不思議と、風はほとんどありませんでした。
 現在、午後8時15分、雨はやみ、なんと、晴れ間からが出ています。一方、いわゆる「吹き返しの風」が時折り突風となって吹き抜けていきます。

 明日は「晴れ」だそうです。ふー。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.19

◆ジャンボジェットが都心を低空飛行

 東京都湾岸地域在住の方は実際に見たり聞いたりなさったかもしれないが、2004年9月19日未明、「オリエント・タイ航空のジャンボ機(ボーイング747型)が」「羽田空港に着陸前に、通常のルートを大きく外れ、約5分間にわたって超低空飛行をしていたことが分かった。東京タワー(高さ333メートル)と高度差約200メートルまで接近していた」(asahi.com)らしい。

 当日から、目撃者の証言が一部ネットで話題になっていて、いったい何事かと盛り上がっていたが、私自身は報道を目にしなかったので、ことの真偽がわからなかった。

 夜中の0時14分に東京湾上空で羽田空港への目視による進入の許可を受け、その1分後には着陸許可も出たが、直接羽田には向かわず、「荒川河口上空」から、「日本橋や東京タワー、JR品川駅付近を高度600〜400メートルで飛行」(同)、都合、10分ほど湾岸に沿って逆U字型に飛行した後、羽田へ着陸したという。

 驚いたのは、これが問題にはなっているものの、国土交通省が「機長も管制官にも、航空法上の違法行為はない」(同)としている点だ。一瞬、何かの間違いでは?と思った。
 航空法上、人や家屋の密集地では、飛行機から半径600メートル以内にある一番高い建物と300メートル以上の高度差を確保する必要がある。つまり、東京タワー上を200メートルの高度差で飛ぶことは許されていない。
 ただしこれは、離陸や着陸を行う場合を除いて、ということになっている。当然といえば当然だ。でなければ、大阪空港に着陸する飛行機は、たぶんすべて、航空法違反になってしまう。今回も、「着陸を行う場合」だったから、合法なのだろう。それにしても、他の条項にもぜんぜん触れないのだろうか?

 いずれにせよ、そんな勝手な着陸経路をとり、都市の上を超低空飛行してもいいとするならば、それは法律に欠陥があると言わざるを得ない。なんとなれば、今回の件で機長は業務停止にされ、国交省も再発防止に努めるため調査に乗り出したというのである。「合法的」に飛行しただけなのに・・・

 「オリエント・タイ航空側は国交省に対し、「乗務員は日本上空を飛行する際の注意点をきちんと把握していなかった」と謝罪したという」(同)。それだけ読めば、機長が東京の夜景を楽しみたくて迂回着陸したようにも読めてしまうのがおもしろい。案外、そうだったりして。

 たぶん、管制塔は蜂の巣をつついたような騒ぎになっていたと想像するのだが、どういう対処をしたのだろう? ふつうはありえないルートだし、もしテロリストが操縦したりしていたとしたら、容易に国会議事堂にでもサンシャイン60にでも突っ込めたことになる。自衛隊はスクランブル(緊急発進)をかけたのだろうか。いずれにしても間に合わなかったかもしれないが。

 まあとにかく、何事もなくてよかった。これだけ大騒ぎになっても、機長が自ら「いや、夜景が見たかったので・・・」と言ったりすると、ほのぼのしておもしろいんだけれど。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.17

◆イン・ザ・カット(続き)

 続きを書くほどのことはない。ごめんなさい。「今日はここまで」と書いた手前、書くだけです、すみません。

 ただのサスペンスではなく「エロチックサスペンス」であるらしい。まあそうかなあ、裸も見せるし、表情も動きも蠱惑的だ。メグ・ライアンがこんなに乱れるのは、たぶん、初めてだろう。でも、メグに魅力がないのか、私が年を取ったからなのか、その種のシーンに惹かれることはなかった。たぶん理由は後者だろう、喜ぶべきか悲しむべきかわからないけれど。

 DVDをイマドキのパソコンの解像度で見ると、距離が近いせいもあって、テレビとは比べものにならぬほど、細かいところまでよく見える。うぶ毛、毛穴、シワ、肌の質感、クスミ、シミ、ホクロ、衰え、ハリ、化粧のノリ・・・ 女優がハイビジョンを嫌うのがよくわかる。
 いや、だからメグに欲情しなかったのではない。こちらが枯れたのだろうと思う。

 閑話休題。「芸術作品」だと言ったが、私のレベルでは感性だけで「納得」することが難しかった。自分なりに解釈を与え、それを「理解」して、そういうことが描きたかったのね、という理屈っぽい流れになってしまい、世界にのめり込むことが難しい。人の解釈を教えてもらいたくもなる。見終わったので、morioさんちの評論を読ませてもらおうと思っている。

 そうそう、やたらにアウトフォーカスとか、被写界深度の浅さとかを多用した映画だった。映画を見るとき、そういうことはほとんど意識しない(できない)タイプなのだが、今回はすごく目についた。もちろん意図的なことだろう。何を意図しているのかは直感的に解釈できないし、考えるのはめんどくさいので、誰か教えてください(笑)

In the Cut, 2004 U.S.A.)

| | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.10.16

◆イン・ザ・カット

 メグ・ライアンが出ているサスペンスだというので見た。珍しい取り合わせだ。が、サスペンスというよりは「芸術作品」でした。

 明日珍しく早いので、今日はここまで。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

◆ディボース・ショウ

 それにしても、年を取りましたね、ジョージ・クルーニー。もはや、「おじさん」が入っている。どうしてこんなに急に?老け込んだんだろう。1961年生まれなんだけどなあ・・・ ERで、はねっ返りの「青年」医師を演じていたのがついこのあいだのことだと思うのだが。
 キャサリン・ゼタ・ジョーンズは、さすがにもはや若さは感じさせないものの、まだまだ女盛りの感がある。こちらは1969年生まれ。

 お話は、先の展開が読めてしまうものの、すごく楽しめるラブコメディになっている。随所に埋め込まれたさりげないギャグがいい。クルーニーのアソシエイトにあたる弁護士が、「objection!」(「異議あり!」)と書いたTシャツを着ているとか、話とは関係なく、表にも出てこない部分で笑わされることも多かった。たぶん、多くは見逃してると思われるのがもったいない。もちろん、台詞にもギャグが利いている。こちらも、そのおもしろさがわからない場合も多いだろう。残念だ。

 とにかくまあ、それでも十分おもいしろい。

 不満なのは、相変わらず邦題。これはもちろん、映画そのものの疵ではない。てっきり、原題のカタカナ表記かと思っていた。が、実は何の関係もないのに「ディボース・ショウ」なのである。「ショウ」はともかく(でも表記が変だ)、「ディボース」の分かる人がどれぐらいいるだろう? 何のための邦題なのか。
 DVDを借りるとき、そこに書かれた原題(「耐え難き冷酷さ」とでも訳すか)を見て、違う映画かと思った。

(Intolerable Cruelty, 2003 U.S.A.)

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

◆今ごろになって・・・

 例によって、ふとんの中でうとうとしながらニュースを聞いていた。水俣病の患者(「元患者」ではない)がしゃべっている。特集のようだ。別のチャンネルでも、また別のチャンネルでも。
 今ごろになって、水俣病? いや、当事者にとってはいつまでも終わりのない問題だということは理解している。でも、そんなことを忘れ去っていたかに見えるマスコミによるこの報道の多さはなんだ?

 半分眠ったまま聞き続けていると、理由が分かってきた。その次の日(今からいえばもう昨日だが)、いわゆる「水俣病関西訴訟」の判決言い渡しが最高裁であるらしい。現に起こされている水俣病関係の裁判としては最後の判決になるそうだ。なんでも、提訴からでさえ22年、水俣病が「公式に」認定されてからだと「48年余り」になるそうだ。原告の1/3!が既にお亡くなりになっている・・・

 その時のニュースでは、最高裁が法廷を開いたので、患者側勝訴を言い渡した高裁の判決が何らかの形で見直される可能性が高いという話だった(判決をひっくり返さない場合は、最高裁は口頭弁論さえ開かずに書類審査で門前払いするのが通例だ)。またかよ。
 「最後の砦」の最高裁が、国側逆転勝訴の判決を出すのか・・・ その時はそういうニュアンスの報道だった。

 で、今日(正確に言えば昨日)注目の判決が下りた。高裁の決定を支持する患者側勝訴の判決である。悪い期待は裏切られた。たとえ内容に満足できない点があるとしても、まずはめでたい。

 だが、いうまでもなく、事ここに至るまでの道のりの長さを思う。水俣病は、当初から、行政によって徹底的に救済されずに来た。いや、それでは言葉が足りない。特に初期の頃は、原因を究明した研究を意図的に?無視してまで、放置された。逃れようもない行政責任が明白になった後も、決してそれを認めようとしなかった。そして決着まで半世紀・・・
 裁判所といえども国の機関だと思うと、たとえ患者側勝訴判決を出しても、国が2重3重に罪を重ねているといわざるをえない。

 相対的に、非常に恵まれていて豊かで、すばらしい面も多いこの国が、患者たちに強いてきた苦難の深さと長さを思う。それがこれからも変わらず続くことも。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.14

◆やっと秋

 さきほど(夜11時前)外気温を測ったら14度だった。それでも、パリで8月の終わりに経験した温度だ。やっと秋が来たと実感する。昼間自転車で走っても、真夏の格好をしていると「涼しい」を通り越して「寒い」と感じるようになった。1年のうちでごく短い、自転車に格好の季節になったのだ。せいぜい乗ってやろうと思う。体力ないけど。

 2台ある自転車のうち、一方の積算走行距離が1000kmを超えそうだ。タイヤ径のセッティングが合っていないので、実際にはもう少し走ったことになる。もう1台でも何百キロかは走っているはずだ。何年前に買ったっけ? 3年前だとすると、平均して毎日1キロ走っているとかいう感じになるのかな。まあ、どうでもいいけど。

 私など、自転車に乗っているうちに入らないのだが、メータは、1000kmを超えるとゼロに戻るようだ。これではほとんどの人にとって不足だろう。ヒトケタ増やすぐらい何でもないと思うのだが・・・

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

◆メイド・イン・マンハッタン

 久しぶりに映画を見たような気がする。そんなことないはずなんだけど。

 『プリティウーマン』(ジュリア・ロバーツ、リチャード・ギア)を髣髴とさせるシンデレラ物語。うーん、ありきたりなような・・・

 カタカナのタイトルを見て『Made in Manhattan』だと思い込んでいて、映画の最後のシーンまで『Maid in Manhattan』だと気づかなかった。冒頭にタイトルは出てくるし、ヒロインのジェニファー・ロペスの仕事がマンハッタンのホテルのメイドなのに・・・ アホですね。

Maid in Manhattan, 2003 U.S.A.)

| | | コメント (0) | トラックバック (1)

2004.10.12

◆蝶々採集

 職場に小さな植物園のようなものがある。先日、自転車で昼食に出た帰り、そこのベンチに腰掛けて汗を拭っていた。すぐ蚊がやってくるのには閉口する。
 が、ほんのしばらく座っていただけで、異様に蝶が多いのに気づいた。秋の草花が咲いているので、それに集まってくるのだ。これなら楽しい採集になるだろう。

 素人や子どもの昆虫採集で数が減るようなことはないという。なのに、変なヒューマニズムから、一時、子どもから昆虫採集やその観察の機会を奪っていた時期があり、まことに残念だと昆虫学者?が述べていた。
 まあ結局、夜にはすべて逃がしてやったが、体育の日の昨日、息子を連れて採集に出かけた。逃がすことが予定されているとはいえ、採るときは真剣、カゴに入れるときに逃がさないように、また、傷つけないように細心の注意を払う。思えば、息子と昆虫採集をするのは初めてだ。蝶を捕るときの網の使い方から教えてやらねばならない。

 短時間だが、成果は12匹。まずまずである。種類も6種類ぐらいいた。アゲハを逃がしたのが残念だった。羽も眼も触角も、観察すると小さな発見がある。タテハにはやはり脚が4本しかない。その事実を知ってから、自分の捕まえた蝶で実際に確認したのは初めてだった。

※先日のカニは、はや2匹が死んでしまって、今日埋めました。残る一匹がどうなるか心配ですが、海のカニなので逃がす場所もなく、がんばって飼い続けています。
※その日に撮った雲に隠れた夕日の写真、珍しく気に入ったので、ぜひクリックしてご覧下さい。

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.10.11

◆沖縄で免税ショッピング(続き)

 やはり、ネットで調べたらすぐわかりました。どうやら小泉改革とは関係ないようです。すみません、小泉さま。

 今は那覇空港の1店だけですが、2005年春からは市中でも免税ショッピングが可能になるそうです。まあ、海外に行っても何も買って帰らないので、個人的にはあまり意味がないのですが・・・

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

◆沖縄で免税ショッピング?

 「ショッピング」とかいうカテゴリがないなあ。あってもあまり使わないだろうけど・・・

 ↓に書いたりんくうプレミアム・アウトレット、値段の分かっている品が確かに安い。1万5千円の靴を買えば、安売りの靴屋より3千円くらいは得する。まあ、それでも往復のコストはまかなえないのですが・・・ CITIZEN OUTLET というのもあった。ロゴは CITIZEN のそれそのままだ。メーカが関与して安売りなんかしていいんですか? こちらはどれほど安いのか確認できなかった。

 さて、これを書いたのは思い出したことがあるからだ。沖縄からの帰り、那覇空港で、なんと、「免税ショッピング」ができるのだ。あまりのことに、しばらくは信じられなかった。どうしても納得ができないので、「国内で唯一、免税でお買い物ができます」などと呼び込んでいる店員に、
 1.本当に免税なのか
 2.なぜそんなことが可能なのか
を聞いてみた。が、まったく要領を得ない。そもそも、「免税」とは何かが分かってないみたいだ。それぐらい教育しておけよ。

 ネットで調べればすぐ分かるのだろうが、おそらくは、昨今はやりの「何とか特区」という小泉改革の一環だと思う。いや、それにしても。
 TUMI のキャリーバッグなんか買うんだったら、沖縄への安いパック旅行の旅費ぐらいは浮くかも(無理かな)。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.10

◆♪今は、もう秋・・・

 また暑くなった。午後も1時半になってから、息子が「海へ行って魚を捕りたい」という。なんという気紛れな奴だ。いくら何でも、今から日本海は無理だ。しかし、確かに、もし海に入るとすれば、今シーズン最後のチャンスかもしれない。急いで準備をして、車を和歌山へ走らせる。以前も書いたが、インターを降りるまでなら1時間もかからない。

 以前から気になっていた磯ノ浦へ。しかし、これが史上最低のお出かけの一つとなった。ネットで見ると、「海水浴場で磯遊びもできる」というふれこみだったのだが、完全なサーファーズパラダイスである。この夏のフランスよりも異国情緒の味わえる、異文化の集積地であった。「異様な雰囲気やね」と妻。確かに。
 サーファーの数は200〜300人といったところか。そんなにいないかな。ともかく、「ぶつかって危ないやろ」というほどの人数がひしめきあっている。「♪誰もいない海」どころか、ものすごい賑わいだ。それにしても、今、サーフィンってこんなにはやってるんですか? 20年ぐらい前には確かに流行していたけれど。

 これほどのサーファーを集めているのだから、当然、波は非常に荒い。海は泥色。そして、延々と砂浜が続き、磯などどこにもありそうにない。波が荒くて海には入れない、入っても汚い、もちろん魚など捕れるはずもない・・・

 それでも、延々浜の端まで歩き、あるかなきかの磯に行く。ものすごい量のゴミが打ち上げられている。ゴミに邪魔されて、潮が満ちてくると引き返せない可能性もある。息子に潮の満ち引きを教えながら、石の上を歩く。「もうこれはどうしようもないな、最低のお出かけ決定か」と思っていると、息子がひょいと裏返した石の下にカニがいた。嬉々として網をかぶせる息子。最初の2匹は私が捕まえ、最後の1匹は息子が捕まえた。これで少しは納得するだろう。引き返すことにする。何度か潮をかぶったし、ぐずぐずしていると戻れなくなる。

 カニは飼うことにした。帰りに近くの加太(なぜか波がすごく穏やかだ)の淡島神社にも寄り、かろうじて最低のお出かけを免れることができた。

 夕食は、関西空港近くの「りんくうプレミアム・アウトレット」に行ってイタリアンを食べる。まずまずおいしい。物販の店は8時で閉まってしまうようだが、いいものが安いという噂は本当のようだ。また今度行ってみよう。ほとんど欲しいものはないんだけれど。

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.07

◆夢の宇宙戦艦ヤマト

 あれ!? 「アニメ」っていうカテゴリがない。そんな記事を書くはずがないと思って先日削ったんだった。まあいいや。

 夜、寝床でテレビやラジオを聞く習慣がある。ウォークマンのイヤフォンで聞くだけだから画面は見られない。寝付きが悪いので、悶々とするのを避ける意味もある。たいていは、12時か1時のニュースを聞き終わったらスイッチを切って寝る。たまに、聞いたまま寝てしまっているときもある。

 何時かわからない。真夜中、ガミラス星人が宇宙戦艦ヤマトに捕らえられた夢を見た。「皮膚が青いことを除けば人間じゃないか!」
 すごくリアルだ。古代進の両親が遊星爆弾?のために殺され、ケンカ嫌いで平和主義だった進も、兄、守の跡を継いで地球防衛軍に志願することになったのだ。目の前にいる捕虜のガミラス星人に突っかかっていく古代。

 REM睡眠か、夢かうつつか幻か。最後には、「人類絶滅の日まであと300と5日」とか言っている。変に音の割れた「真っ赤なスカーフ」も聞こえてくる。

 もちろん、夢ではなかった。狐につままれたような気分だったが、新聞で調べてみると、深夜2時20分から1時間ほど、実際に放送されていたようだ。それにしても、今、宇宙戦艦ヤマトですか? 映画ではなく、子どものころ夢中になった、テレビの連続もののほうだと思う。

 誰もそんなことは言わないと思うが、好きだったアニメを2つあげろと言われれば、「スーパージェッター」と「宇宙戦艦ヤマト」である。前者は、後で筒井康隆の作品(脚本?)だと知り、幼稚園児?だった当時の見識を誇ったものだ。ヤマトもすごかった。
 が、昨日の「夢」から判断する限り、とても大人の鑑賞には堪えそうにない。それでももう一度見てみたいと思わせるのはさすがだ。今夜はやってないみたいなので、週1回なのだろうか。録画して見ようかなあ・・・ たぶん、見ないだろうなあ・・・

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.10.04

◆灯台、もと明るかりき

 イマドキのことなので、人並みには環境問題に気を遣っているつもりだ。しかしなにしろ、日常的にクルマには乗るわ、たまに飛行機は飛ばすわで、とても胸をはれる状況ではない。通勤をできるだけ自転車や徒歩にするなどして、中途半端な良心の呵責をなだめるのがせいぜいだ。

 それはそれとして、節電にもそれなりに気を遣っている。リモコンで電源を落とすだけではなく、できるかぎりメインスイッチを切るようにしているし、電子レンジやオーブン、洗濯機などは、その都度コンセントを引っこ抜く。手間も含めたコストを考えれば、もしかするとそうしない方が経済的なのかもしれないが、「環境」にコンシャスであることの儀式のような側面もある。

 ところが、今ごろになって大変なことがわかった(大げさだな・・・)。階段と廊下の電灯(どのスイッチでも一斉に点灯する)に仕込まれた電球の数が、計10個もあることがわかったのだ。別スイッチの玄関を入れると、13個になる。今まで数年間も気づかなかった。ぜんぶあわせると、なんと660ワット。電子レンジをつけているようなものだ。これには驚いた。

 実は、数年前に今の家に引っ越してきてすぐ、風呂場が明るすぎるのに驚き、二つあった電灯のうち、一つの電球をすぐに外してしまっている。なのに、階段や廊下は、明るいなあとは思っていたが、明るすぎるとまでは思わなかったのか、何となくそのままになっていた。
 階段も廊下も、純粋に通過するだけなのだから本が読めるような明るさはもちろん必要ない。そこで、階段も玄関も廊下も、電球を1/3に間引いた。かつ、60ワットの電球を使用していた階段の二つの器具を40ワットにした。これで、総合計が200ワットと、1/3以下になった。明るさも必要十分だ。もちろん、変更のためのコストはゼロ。

 階段や廊下なので、そう長い間電灯をつけっぱなしにすることはない。節約できる電気代は微々たるものだろう。だが、何の不便も生じず、これほど簡単に節電できるとは、まさに「灯台もと暗し」であった。いや、今まで、電灯の下が明るすぎたのだ。

| | | コメント (2) | トラックバック (0)

2004.10.02

◆達成

 人は、何も達成しなくても、何も達成できなくても、その存在自体が尊い。

 いつのころからかそう信じてきたし、その思いは今も変わらない。だが、そのことと、何かを達成することの尊さとは決して二律背反ではない。人の生が祝福されるべきものであるならば、何かの達成も同様に祝福されるべきものなのだ。

 前者を強調するあまり、後者を軽んじてきた日々をほんの少し思い返した。この先、自分が何かを達成するとも思えないけれど。

 (あ、いえ、マリナーズのイチローのことではなく、もっともっと、ずっとずっとささやかなことです。)

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2004.10.01

◆オマエに大臣をくれてやったのではない

 森喜朗・前総理大臣が今回の閣僚人事にご立腹だそうだ。それは別にご自由に。だが、その言い分がふるっている。

「だれが(閣僚を)5人もくれと言ったのか。私は極めて不愉快。ありがた迷惑だ」(asahi.com)

 森派から5人入閣したことについて言っているわけだが、だれもオマエに大臣ポストをくれてやったりしたわけではない。コイツの頭の中はどうなっているのか。まあ、以前からとんでもない人物であることは周知のことで、今さらの感はあるけれど、いつまで恥を垂れ流し続ければ気が済むのか。

 もちろん、小泉首相を評価しているわけではない。でも、出身派閥のボス(=森前首相)と比べると、立派に見えてくるから困ったものだ。
 もしかすると、それを狙ってのパフォーマンスですか、森さん(笑)

| | | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2004年9月 | トップページ | 2004年11月 »