■ナインスゲート
ロマン・ポランスキー監督。ジョニー・デップ。
ぽつぽつとDVDで映画を見ている。が、ここに書くことはほとんどなくなった。鑑賞眼も批評眼も筆力もないので、わざわざ取り上げても・・・という心境になりつつある。ただ、ある程度自信を持ってお勧めできる映画があれば、たまにこうして取り上げたい。
3冊の古書に封印された悪魔の力を、そうとは知らずに追いかけさせられる古書ブローカーが・・・
実は私はオカルトが嫌いだ。サスペンスとかミステリとかはいいのだが、ありえない超自然現象をこれでもかとばかりに見せられるとげんなりする。だが、西洋の悪魔ものにもかかわらず、これは一級のサスペンス・ミステリ・ホラー・スリラー・・・に仕上がっている。
舞台は現代なのだが、うまい味を出して古びた古書の世界へ見る者をいざなう。最初からぐいぐいと引き込まれる。いつの時点からか悪魔に魅入られた「巻き込まれ型」の主人公が、次第に主体性を獲得していく過程にも興味をひかれる。ミステリなので結末は書けないのだが、最後にオカルトとなっても、もうアレルギーはなくなっていたし、見事にまとめてくれていた。
私には解けない謎もいくつか残ったままだが、後から映画の各シーンを振り返り、あれはそういう意味だったのかと、伏線を味わい直せる部分も多い。2回(以上?)見るのにも適しているだろう。時間をおいてもう一度見たい。
(疑問の残る部分を解明したくてネットを見たら、映画全体への酷評があふれていた。だが、そのほとんどは「わからない」というものであった。わからないのは別に構わないのだが、それがすなわち酷評に結びつくのが信じられない。わからなければ、「私にはわかりませんでした」でおしまいだ。もちろん、「だれか教えてください」というのはいいだろう(私も教えてほしい)。だが、自分がわからなかったからといって酷評するのは、製作に携わった人々に対してあまりにも失礼だと思う。せっかくの映画の後味が悪くなってしまった。まあ、読まなければいいので、自分のせいなのだが・・・)
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