●Let's not be stupid together.
周知の通り、北朝鮮が弾道ミサイルの発射実験を行った。実験であると同時に、外交の手段でもあるのだろう。
それにしても7発も打つとは・・・ さすがにこれを予想した人はいなかったに違いない。ほとんど無茶苦茶である。
もちろん、喜ばしいことではないし、厳重に抗議すべきだ。だが、マスコミ(特にテレビ)の馬鹿げた報道を見ていると、こんなに愚かで大丈夫なのかなあとも思う。
曰く、「日本中を震撼させた」
これを読んでる皆さんは、果たして恐怖に震え上がったでしょうか。
少なくとも私のまわりでは、まったく普通の日常がごく淡々と続けられている。不安を訴える人も誰一人いない。日本中を震撼させたというのなら、この辺は日本ではないということになるのだろうか。
曰く、「もし核弾頭を積んでいるテポドンが日本に着弾したら10万人以上の死者が出る」
そりゃそうだろう。だが、北朝鮮が(たぶん)まだ持っていない核爆弾をテポドンに装着して日本を狙って撃つ可能性などほぼ絶無である現状で、こんなことを言って国民を不安がらせたり怒らせたりするのは、百害あって一利なしである。
第一、マスコミは、「新潟沖の日本海に着弾した」というような言い方を好むが、着弾したのはロシア沿岸部である(同じ場所だけど)。
もちろん爆弾なんかついていないから、ただの鉄?の固まりが海に沈むだけだ(環境破壊になるようならぜひやめてほしいけど)。
もっとも許せないのは、発射実験を事前に公表して、航空機や船舶などに危険が及ばないよう警告しておく義務を果たしていないことである。
ぶつかる可能性はほとんどないとはいえ、それを怠るようでは「無法な発射実験」との非難を浴びるのは当然だ。
外交手段としても上等だとは思えないし、アメリカや日本を威嚇するというような野蛮な行為もやめてほしい。ブッシュ政権の野蛮さとはまた質の違う野蛮さは確かにありそうで困る。
だが、こちらまで相手と同じぐらい愚かになるのは避けなければならない。Susan Sontag の有名な警句のもじりで締めくくろう。
Let's by all means protest together. But let's not be stupid together.
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