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2006.07.13

●無知と無能

 その後、北朝鮮のミサイル発射を不安に思うかどうか周囲に聞いてみたところ、不安に思っているという人が数人いた。訂正します(笑)。

 まあ、何を不安に思うかは人それぞれだから、現状を認識した上で不安だというなら何も言うことはないけれど、そうではないところが問題だ。

 驚いたのは、やはりというか、ほとんどの人がミサイルに爆弾がついていたと思っていたことである。核弾頭を搭載していたと思っていた人すら、珍しくはなかった。

 みんないい大人なのに・・・

 無知を笑うことはたやすい。だが、肝心なことをきちんと報道せず、不安や怒りをあおり立てて視聴率を稼ぎたがっているマスコミに責任の大半があるのだろう。われわれは専門家ではない。

 一方、今回の出来事を奇貨として、「ミサイル発射前に敵基地を攻撃することを検討する」とかなんとか勇ましいことを言い出した政治家にはあきれるほかない。

 百万歩譲って、万一そういう検討が必要であるとしても、今このタイミングで公に口にすべきことでないのは明白だ。

 お蔭で、味方につけて共闘しなければならない中国や韓国を無意味に刺激して怒らせてしまった。
 韓国政府幹部の一人は「我が国の安保上の脅威は短期的には北朝鮮だが、長期的、歴史的に見れば日本だ。日本の先制攻撃発言は驚くばかりだ」と述べたという。(asahi.com)
 さらに、盧武鉉大統領までもが、「日本の政治指導者の先制攻撃発言などで新たな状況が生じ、事態を悪化させる憂慮がある」「北東アジアの平和に尋常ならぬ事態を引き起こす可能性がある」(同)と言い始めている。

 まあ、そこまで言うか、とも思う。
 だが、日本の政権の中枢にいる人物が、後先考えずに愚かな発言をすることで、味方とすべき国々をわざわざ敵に回しているのには憂慮に耐えない。

 そう、この際、特定の政治家が偏狭なナショナリストであったり好戦的であったりすることはとりあえずどうでもよい。
 だが、このタイミングでこんな発言をする無能さで日本の立場を悪くするのは願い下げにしてもらいたい。

 「愛国者」を気取って結局は国を滅ぼした連中を髣髴とさせる。

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» 敵基地先制攻撃と専守防衛論 [松尾光太郎 de 海馬之玄関BLOG]
font size=3 七夕前の花火7連発。北朝鮮のミサイル発射を受けて安全保障論議が活発である。その中でも「日米同盟によって(日本は防御中心、敵基地攻撃は米国との)役割分担があるが、国民を守るために必要なら、独立国として限定的な攻撃能力を持つことは当然だ」「敵ミサイル基地を攻撃できる能力の整備を日本も研究する必要がある」等々の安倍晋三官房長官、額賀福志郎防衛庁長官、麻生太郎外務大臣等の発言は時宜を得たものだと思う。 敵基地先制攻撃論に対しては、自民党の山崎拓氏が「先制攻..... [続きを読む]

受信: 2006.07.14 10:45

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