■CANON EOS Kiss digital X
薄型のデジカメは私にとってのカメラの概念を変えた。ほぼ常に持ち歩いて、どうでもいいものを撮影するようになった。たとえばこんな→
フィルムカメラ時代に、かかるコストと写り具合を考えながら、緊張してシャッターを切ったのとは大違いである。被写体も人物が多く、そうでなければここ一番の風景だった。
また、同じフィルムカメラでも、一眼レフを振り回す機会はだんだん減って、そのうち息子の運動会だけぐらいになっていった。海外旅行に持っていくのもコンパクトカメラになった。
それでも、日常的に持ち歩くような大きさではない。最初に手に入れたデジカメも、いわゆるコンパクトカメラの大きさでそれなりの重さもあったので、何かの折に持って出る程度だった。
それが、胸ポケットに入るような薄型のデジカメが登場するに及んで一変した。何かあれば(何もなくても)すぐ撮せるように、常に持ち歩くようになった。実際には大したことに遭遇することなどないので、結局は何でもないものを撮っている。せいぜいが、たまたま出会えた綺麗な夕焼け、とかその程度だ。
ほぼ唯一の欠点は、望遠が効かないことである。もちろん、写真のできなどを気にするようであれば、欠点だらけである。だが、ボケ具合や色再現すらそれほど気にならない程度の素人であってみれば、それも大した問題にはならないのだ。
なので、進境著しいデジタル一眼レフなど、ほとんど横目にも見ずに来た。もはや息子の運動会にも行かない(というか、平日に開催されるので行けない)。
ところが・・・
父親に貸していた New EOS Kiss が返ってきて押し入れで眠っていたところへ、ひょんなことから EOS Kiss digital X が発売されたのを知った。素人目に見ると手振れ補正がついていないことだけが欠点である。
何より、用がなくて眠っているEFレンズがそのまま使えるというのだ。入門機であるためにCMOSが35ミリよりも小さく、そのせいで焦点距離が1.6倍に延びるという副作用はあるにせよ・・・
待てよ。ということは、手持ちの300ミリが、480ミリの超望遠になるということだ。
約500ミリ・・・
そんな信じられない世界が目の前に開けているのか。キヤノンの500ミリ望遠レンズといえば、4キロ近くある98万円もするシロモノなのに(もっとも、このレンズをつければ800ミリになるわけだが)。
400ミリの一番安いのでも19万円。
フィルム一眼レフ時代には考えられなかった超望遠がすぐ目の前にあるのだ。先達の発言を聞いていると、500ミリでも小鳥を撮るには不足らしいのだが、自分にとっての未体験ゾーンであるには違いない。
これを書き始めた時点では、まだぜんぜん買う気はなかったのだが、もしかすると買うかもしれないぐらいにはテンションがあがってきた。なにせ、ボディだけ買えば、あの小気味よいオートフォーカスが味わえるのだ、480ミリ望遠で・・・
ネーミングがまた気に入った。MacOS X, PSX, digital X。これでトヨタのマークXでも買えば完璧だ(買わないけど)。
気になるのは家人の顔色だけかもしれない。
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