■ブロークバック・マウンテン
ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、アン・ハサウェイ。
ゲイの男性2人の20年以上に及ぶ純愛?物語。
ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞している。ゴールデングローブ賞では、主要4部門を独占したそうだ。アカデミー賞も3部門で受賞しているが、監督・脚色・オリジナル音楽で、俳優や脚本では逃したらしい。
前評判ほどには感心しなかったが、134分の長丁場を退屈せずにつきあえたのは、やはり作品の力か。
どうしてこの映画がこの時代にこれほど評価が高いのかわからないが、ひとつには、そのリアリズムが評価されたのではないかという気がする。
マイノリティを「美しいもの」「無垢なもの」「純粋なもの」と描きたがる作品とは、明らかに一線を画していた。
(以下、これからご覧になる予定の方はお読みにならないでください)
男2人の相手への愛情にウソはないものの、社会的な差別や偏見といわゆる「遠距離恋愛」とが、余計に気持ちを燃え上がらせていることが見て取れる。
さらには、2人ともそれぞれ女性と結婚して子どもを育てる。そして、女性と浮気したり離婚したりする。男娼を買ったり別の男性に心を移したりもする。
マイノリティが美しくなければならないような映画よりは、やはり現代においては評価が高くなるだろう。もちろん、現実に美しいマイノリティもいるだろうけれど。
高校時代に教えていただいた倫理社会の先生の口癖が懐かしい。「名もなく貧しく美しくもない連中が・・・」(念のため、もちろん、そういう人たちへの讃歌だ)
あの先生はどうしていらっしゃるだろう?
(Brokeback Mountain, 2005 U.S.A.)
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