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2006.11.06

●喪中欠礼

 喪中欠礼の葉書が届く季節になった。ほとんどは、会ったことのない人が亡くなったとかご高齢の方が往生したとかいうもので、申し訳ないが大きな感慨はない。

 だが、今年初めて届いた喪中の葉書は、まだ50代に届いたばかりの「友人」(かなり年上だがそうとしか表現しようがない)の死を、残された奥様が知らせてくださったものだった。白血病なのは知っていたが、快方に向かいつつあるという話だった。今年の年賀状にも「僕は元気です」「体調は自覚的には健康そのもの」とあったのだ。

 2年近く前、初めて病気を知ってお見舞いに行きますと電話したとき、「お見舞いなんていいから、治ったら遊びに行こうよ」と言われたのが最後になった。
 滅多にない長電話で、小一時間も話したろうか。それこそ元気な声がまだ耳に残っている。

 ご命日は、このブログに「存在しない事実」を書いた日。知らない事実は存在しないのと同じ、だから知る・知らせる必要がある、という趣旨だ。

 大きな存在だった人が亡くなった当日に、そんなことをのんきに書いていたとは夢にも思わなかった。

 私にとっては、喪中欠礼の葉書を見た今日の夕方から、この世界にあの人がいなくなった。まだ実感もなく、また一緒に遊んでもらえそうな気はするけれども。

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