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2007.09.20

■曇りのない眼2

 思い出した。

 世界陸上をニュースか何かで見ていたとき、ハンマー投げの室伏広治が出てきた。

 息子が「この人、なにじん?」と聞くので、何の疑問もなく、「日本人や」と答えた。なんといっても、あの「アジアの鉄人」室伏重信の息子なのである。

 が、息子は「ぜんぜん日本人に見えへん」と言い張る。「そうかあ?」とか「見えるけどなあ」とか言っているうちに、自信がなくなってきた。

 まあ、体型はこういうスポーツをしているのだからと思えるが、それにしても「日本人離れ」している。顔立ちもそういわれれば西洋系だ。

 でも、室伏重信の息子であることに(たぶん)疑問の余地はない。

 とすると・・・

 そんな話、ぜんぜん聞いたことがなかったのだが、なんと、室伏広治の母親(つまり重信の妻)は、「オリンピック槍投げルーマニア代表のSerafina Moritz」(Wikipedia情報:未確認)なんだそうである。

 そういう情報を得ると、顔が急に欧米人に見えてくるから不思議だ。「室伏重信の息子」という情報は、見た目に日本人化のバイアスをかけていたことになる。

 またも、息子の曇りなき眼に教えられた。

 ___

 そういえば、最近、外国人が来ていてもまったく不思議ではない会合に出ていたのだが、初めて見る顔の女性を勝手に日本人だと想定してしまっていた。あれはどういうバイアスによるのだろう?

 知り合いに、しょっちゅう「日本語がお上手ですね」とか「母語は何ですか?」とか言われる男もいる。そのたびに、「ええ、日本人ですから」とか「日本語だよ(怒)」とか答えているという。

 結局のところ、見た目はあてにならない。いや、そんなことは知ってるんだけど、それでも・・・

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