◆やっとアイヌが「先住民族」に
「アイヌ民族を先住民族として認め、アイヌ政策の推進を政府に求める国会決議が今国会で採択される見通しとなった」という(asahi.com)。
これも、今さら、やっと・・・
だがまあ、いくら遅きに失したとしても、やらないよりはやる方がマシなのかもしれない。それでも、せめて、萱野茂さんがご存命のうちだったらなあと思わないでもない。
ところで、この決議、案の段階では今より少しは立派だったのだ。
1週間ほど前のニュースで、「世話人の一人」が「自民党内の調整に時間がかかる」と言った(同)というのを聞いて、わかりきったことだけれど、「自民党」というのは、つくづく情けない人を抱えた党なのだなあと思った。
世話人の代表は、その自民党の衆議院議員だというのに・・・
心配していたとおり、新しい案では非常に大切な部分が削除されてしまったという。
「アイヌの人々が労働力として拘束、収奪されたため、その社会や文化の破壊が進み、「同化政策」により伝統的な生活が制限、禁止された」(同)というくだりだ。
土地の収奪を加えるなど、もっと詳しく記述しようとか文面を練り直そうとかではなく、そっくり削除してしまうとは。
どうして過去の悪行に頬被りをしようとするのか。過ちを反省しないから、余計信頼されなくなるのに。
まあそれでも、これも小さな一歩だ。これまでの、
「96年の有識者懇談会報告書で、アイヌ民族の先住性・民族性は認めたが、先住民族とは明確に認めていない」(同)
などというわけのわからない状態から、少しは前進しただろう。
だが、「政府は、国会決議が採択されても従来の見解を変更する姿勢は示していない」(同)ともいう。
明らかな事実を前に、認めるとか認めないとか駄々をこねるのは、たとえ新たな財政負担を避けたいがための戦略だとしても稚拙である。
アイヌからもそれ以外の人々からも、一定の敬意を得られるようなまともな見識を示してほしいと切に願う。
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