■奇妙な勘違い
梅田からの帰り、阪急電車で山田駅へ向かった。
ちょっと熱心に本を読んでいると、「次は南千里」というアナウンスが聞こえた。
「えっ、南千里? しまった。乗り過ごしてしまった・・・」
電車が駅に着く。表示板には「南千里」と書いてある。やはり乗り過ごしてしまったのだ。あ〜あ。
階段は一番北にしかない。逆方向の電車に乗るべく、ホームの端まで歩いて階段を下りた。そして、改札前でふと気づいた。
「山田って、南千里の次じゃなかったっけ?」
確かそうだ。引き返すなんてことをするとますます傷が深くなる。えっと、関大前・千里山・南千里・山田・北千里・・・
それだけではまだ自信がなかったので、道路地図を思い浮かべた。間違いない。山田は次の駅なのだ。
乗り過ごしたどころか、ひとつ手前で降りてしまったことになる。
おとなしくホームに戻り、後続の電車を待つ。意外なことに6分後には次の電車が来た。ホームで待った時間はせいぜい2分ほどか。
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しかしなぜ、これほどおなじみの場所でこんな奇妙な勘違いをするのか。南千里や山田というのは、今の家からもそう遠くはないし、結婚してしばらくは南千里に住んでいたのだ。
それどころか、その南千里から毎日電車に乗って通勤していたのである。
そして、先日も関大前に行くときに山田から乗ったばかりだ。
昨日だったか、蕎麦を食べた店は、南千里と山田の間にある。
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こういうバカな失敗をしたお蔭で命が助かったとか運命的な出会いをしたとか、そういうことはまったくない。
いや、前者に関してはわからないわけだが、後者の方は何かあるのではないかとアンテナを張っていても何もなかった。
まあ、こうして今無事でいるのだから、致命的な失敗ではなかったことは確かだし、おもしろい経験ではあった。
こういうことが続くようだと、自分でもちょっと心配になるんだろうけど・・・
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