★ラウンドアバウト礼讃
交差する交通を信号なしでスムーズに捌いていく魔法のような方法がある。
例の絶妙なベトナム方式ではない。
英語で roundabout というのがそれだ。
一方通行のロータリーで、常に左折して入っていき、環状道路をぐるっと時計回りに回って、常に左折で出て行く(左側通行の場合)。
小さいものでは直径10mぐらいか。
南から北に向かっている場合、6時の方向から入って半周し、12時の方向に出ていく。
南から東なら、3/4周して3時の方向に出ていくという具合だ。
ロータリーの中にいる車が常に優先。
だから、混んでいる場合、入るときには速度を調節しながらうまく滑り込む必要があるが、出るときには障害は何もない(横断歩道があって人がいる場合などはもちろん止まらなければならないが)。
どちらの方向に行きたい場合でも、対向してくる車というのは存在しない。常に全方向が黄色点滅の信号のようなものだ。
ふつうの交差点にそんな信号があると、衝突事故が続出するだろう。
どの方向から来た車も止まる必要がないので、それほど交通量が多くなければ非常に便利である。
また、不慣れな旅行者にとっては、出口の行き先看板をしっかり確認して進行方向が決まるまで、ゆっくり何周でもできるというメリットもある。
道を間違えて行き過ぎたときには、次のラウンドアバウトで簡単にUターンもできる。
ヨーロッパではかなり普及していて、特にイギリスやフランスではよく見かける。郊外から田舎にかけては、信号を見ることすらないのがふつうだ。フランスでは rond-point(ロンポワン)と呼んでいる。
三叉路や四叉路に限る必要はなく、たくさんの道路が交われる点でも便利だ。
パリの凱旋門があるエトワール広場のロンポワンは、実に12叉路!になっている。ここだけは、さすがに旅行者は近づかない方がいい。
___
前置きが長くなった。
カナディアンロッキーあたりをドライブしていると、このラウンドアバウトがほとんどなかった。
唯一経験したのはキャンモアの街外れのみ。ちょうどタイ料理店を探していて行き過ぎたと思ったところだったので、気持ちよくUターンさせてもらった。
それ以外はどうなっているのかというと、ふつうの交差点で全方向「止まれ」というのが多かった。この場合、信号はない。
最初戸惑ったのだが、どうも、先に止まった者から次々と発進していっていいらしい。直進・右左折の問題よりも、誰が先に止まったかが優先ルールのようだ。First-Come, First-Served Basis である(たぶん)。
どこへ行っても英仏2言語の看板がある国なのに、どうして英仏を見習ってラウンドアバウトをもっと作らないのかなと不思議に思った。
愚考する範囲では障害は何もないし、何度も出てくる「全方向止まれ」よりはよほどいいと思うんだけど。
何か深遠な理由があるのだろうか。今度誰かに聞いてみよう。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ●「ええこと」(2019.11.29)
- ◆「年収1千万円」の凄さ(2019.10.24)
- ◆ウーロン茶を注文するお客さん(2019.10.19)
- ■セスナ172Pも軽かった(2019.09.12)
- ■飛べるはずだ(2019.09.11)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- ■スリーレターコードは学名か(2019.09.07)
- ■ラトヴィアの道路標識、練習問題(2019.09.07)
- ■Over Siberia vol. 5 ──バルトドライブ四方山話(2019.09.02)
- ■Over Siberia vol. 4 ──バルトドライブの注意点(承前)(2019.09.02)
- ■At Vantaa Airport ──バルトドライブの注意点(承前)(2019.09.01)
コメント
ほんの数年前まで堺筋の南の突き当たりの三叉路が
ロータリーだったのですよ。ご存知でした?
オーストラリアを走っていると
このロータリーばかりで走行が楽でしたねー
走っている台数が少ない…というのもあったでしょうけど。
投稿: n9ne | 2009.08.25 21:45
いえ、知りませんでした。街にはほとんど出ませんので(笑)
オーストラリアをドライブ、いいですね。あんまり広すぎてそのうち飽きてくるかもしれませんが・・・
投稿: Wind Calm | 2009.08.25 23:43