★広い部屋
ホテルは寝られるだけで十分だと思っていた。
家族と旅行するようになってからは、学生時代のような安宿にはあまり泊まらなくなったが、それでも、たとえばヨーロッパでの1泊の平均実績は、3人朝食付きで1万円程度だと思う。6千円ぐらいでも、小綺麗なB&Bなどに泊まることはそれほど難しくなかった。夕刻から夜にかけて適当に見つけた宿に飛び込むのが常だが、がっかりしたことはほとんどない。スペインの田舎では、15ユーロ(2千数百円)で3人泊まったこともある(さすがに朝食はついていなかった)。
昔、夫婦2人でアメリカを回ったときは、一泊27ドルとかのモーテルに泊まるのが普通だった。機材故障で帰りの飛行機が飛ばず、航空会社持ちでホリデーインのクラウンプラザに泊まったのが、その旅行でもっとも豪華な宿になった。
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今回は国立公園内で宿が少ないこともあって、4年前のイエローストーン同様、ホテルをすべて予約してから出かけた。自由に動けなくなるが、選択肢も日程も限られていることだし、仕方がない。
昔と違ってネットで探してそのまま予約もできる。たまたま見つけた tripadvisor というサイトで評判を調べ、あまり高くなくて評価の高い宿を選んだ。結果として、3人1泊あたり1万5千円から3万円弱の宿になり、いつもよりもかなり高くついてしまった。
だが、どの宿も素晴らしかった。
特に驚いたのは、空港近くで寝るためだけに取った最後のホテルだ。ホリデーインのグループだし、名前だけ立派な安めのビジネスホテルかとあまり期待していなかったのだが、部屋の広さに感動した。
独立したバスルームとは別に洗面所も備えた寝室が2つ。つまり、バスも洗面所も寝室も2つずつある。その2室を挟んで10畳以上はあるだろうリビング・ダイニング・キッチン。こんなに広い部屋に泊まったのは多分初めてだと思う。
ベッドの1つは、真ん中に横になって両腕を伸ばしても端まで届かない。幅2メートル近くあることになる。その上に1人で寝た。自宅でだって、こんな贅沢はできない。
それで3人あわせて1万5千円ぐらい。
ジャスパーのツーリストホームも広かったし、羽根布団に羽根枕だった。レイク・ルイーズ近くにあるベイカークリークのキャビンも広くて快適だった。おそらくは、結婚して最初に住んだマンションよりどちらも広いのではないか。
案外狭くてちょっとがっかりしたキャンモアのツーリストホームは、朝食が殊の外素晴らしく、小さな落胆も帳消しになった。
なるほど、少し余分に支払えば、こういう宿に泊まれるのか。大人になっても、どちらかといえば貧乏な旅行ばかりしてきた身には、ちょっと新鮮な発見だった。
いつも泊まっているような宿と高級ホテルとの間には、こういうリーズナブルな選択肢もあるのだ。
とはいえ、いつもの宿に不満はない。欠けているのは驚きの広さだけだ。
ただ、「特にどこにも行かなくていいから、高級ホテルでゆっくりしたい」などと言う家人も、少しは納得したのではないかと思う。
相変わらず、慌ただしいような暇なような、妙な旅行だったけれど。
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