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2010.08.06

★息子の素性

 相手の素性がわからないと、コミュニケートするのに何だか居心地が悪いということがある。

 私たちの文化では、相手が男か女か、年上か年下かなどは、その最も基本的な属性になるだろう。

 それに加え、学生か社会人かとか、学生なら高校生か大学生か、社会人であればどんな仕事をしているのかぐらいはわからないと落ち着かないという人も多いだろう。

 それ以前に?、どんな言葉を話す人なのかとか、国籍だとかも気になるかもしれない。いわゆる方言の問題もあるし、たとえば個人的な経験では、フランスで小さなホテル(オーベルジュ)を経営しているイギリス人に向かって、一生懸命不自由なフランス語で話していたこともある。
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 相手の血液型を知りたがる人は、それほど多くはないかもしれない。

 だが、おそらくは世界で最も血液型が話題にのぼりやすい国のひとつに住んでいるので、少し親しくなると血液型を聞かれたり教えたりすることも珍しくない。私の周囲にも、知人の血液型をひととおり知っているというタイプの人がいる。

 また、他人の血液型はともかく、自分の血液型は知っておかないと何だか不安だという人は多いのではないだろうか。
 万一の時の輸血の心配もむろんあろうが、それよりはむしろ、アイデンティティクライシスというか、自分が何者であるかを知るために血液型情報が必要だと漠然とではあるが考えているのだろうと思う(第一、輸血する時は、患者本人が何型だと主張しようと、再検査とクロスマッチをやるはずである。輸血のために自分の血液型を知っておく意味はほとんどない)。

 こうして、「天秤座でA型の40代男」みたいな、どうでもいい妙なアイデンティティが形成される。

 経験的にしか言えないのだけれど、欧米人は通常、血液型に関心がない。自分の血液型を知らないのもふつうである。世界的に見ても、おそらくはそういう文化の方が圧倒的なのではないだろうか。

 しかし日本は違う。

 そんな中、17年と10か月もの長きにわたって、血液型不明のまま過ごしてきたわが息子は偉いと思う。
 私たち夫婦だって偉い。血液型がわからないぐらいで揺らぐようなヤワなアイデンティティではないのである(笑)

 私はA型(AO)、家人はB型(BO)なので、息子がA・B・O・AB型である可能性はどれも1/4ということになる。それほど気にはしないといいながら、小さいころから、「何型だろうね?」と時折り話題にはしてきた。

 今回、とうとう検査をしたので、3人がそれぞれ事前に予想することにした。

 私の予想はAB型。家人はO型、そして息子はB型。

 だれもA型だとは思っていなかった。一般にいわれる、「真面目で几帳面で清潔好き」みたいなA型のイメージと息子とがうまく結びつかなかったからだ。

 ところが、結果はA型(Rhは+)。聞いた瞬間、自分と同じで何だか嬉しかった。

 もとより、「血液型性格診断」に科学的根拠はないという。

 しかし、これを機に自己暗示にかかってもらい、Organizedなパーソナリティに変身してくれればと願う。

 関係ないとは思いつつ、ストレスをためやすい性格で、だから突発性難聴なんかになったのだろうかという気もするけれど・・・

 私も気をつけなくては。

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