■フローズン・リバー
カナダ国境近くのアメリカ。冬、2つの国を凍った川が隔てている。
新しいトレーラーハウスが配達されるというのに、その支払いのためのお金を持って蒸発してしまったギャンブル中毒の夫。
ささやかな「新居」の夢は遠のき・・・
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救いの少ない貧困とそのために荒みがちな感情が、荒涼とした白い大地に重なるように描かれる。
クライムサスペンスともいえるような映画ではあるものの、話はあくまで静かに進み、決定的なカタストロフも訪れない。
アメリカ社会の負の諸側面、特に先住民の抱える問題を描きつつ、人々の心の中に埋み火として残る温かい感情が芽を吹き、交流へとつながっていくことに救いを求めている。
幸せ、というほどのこともない、単なる安住への道すら遠く険しく、たとえ手に入れても脆く儚いものかもしれない。
(Frozen River, 2008 U.S.A.)
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