★あきれた「専門家」
「学問・研究」みたいなカテゴリがないことに今ごろ気づいた。まあいいや。
昨日の朝日新聞の夕刊を見ていたら、かつて大手建設会社で原発の耐震設計をやっていたという、有名大学の教授の記事が載っていた。
原発は耐震性が高く、津波にも耐えると思っていた。建屋の耐震性はわかるが、原子炉や配管などすべての安全性は知らなかったのだそうである。正直なのは美徳だが、あきれてものもいえないほどのこんな低レベルの「専門家」たちが、「原発の耐震性は大丈夫です」などと言いたててきたのだろう(念のため、一人の専門家にすべての耐震性を把握しておけと言っているのではありません。そういうことを考慮に入れてすらいないことに啞然としているのです。また、この教授ご自身が原発の耐震性を言いたててきたかどうかはわかりません)。
一方、原発の専門家でもなく建築の専門家でもない地震学者(石橋克彦神戸大学名誉教授)は、
建築技術者が強調する原子炉建屋の耐震性の高さはあまり意味がない。いちばんの問題は、配管・弁・ポンプ類や原子炉そのもの、制御棒と ECCS などだろう。耐震設計の違いによる原子炉建屋とタービン建屋の揺れ方の違いが配管におよぼす影響、地盤の変形・破壊や津波(低くても)が運ぶ砂によって海水の取水・放水ができなくなる恐れなども無視できない。と述べている。1997年10月に発表された文章だ。
そういうことをトータルで考えて「原発の耐震性は万全だ」と言っていると、素人は当然考える。まさか、愚かな「専門家」が、原子炉建屋の耐震性だけをもってそう発言しているとは夢にも思わない。
なぜなら、建築の専門家を名乗るほどの人物がそれほどバカだとは想像もできないからだ。いくら何でも・・・
だが、石橋先生始め原発に警鐘を鳴らしてきた本物の専門家たちは、「原発耐震神話のからくり」をよくご存じだったようだ。
そのからくりに荷担した「専門家」たちのほうは、「いや、私が言っていたのは原子炉建屋だけの耐震性の高さであって、原発全体の安全性については知りません」とでも言うのだろうか。
まあ、実際のところそうなのだろうとは思う。
であれば、原発全体の耐震性にお墨付きを与えるべきではなかったし、そのために利用されていたことには抗議すべきであったのだ。
今さら何を言っても詮ないが、「原発反対派」の人たちが言っていたことがこんな形で証明されてしまったのは、ほんとうに残念だと思う。
正しいのは愚かな「専門家」たちの方であってほしかった。たとえ「原発反対派」がいわれのない非難を受け続けていたにしても・・・
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