■超学歴社会
現代の韓国は超学歴社会だとよく言われる。今回の訪韓でも何度も耳にした。
日本だって十分学歴社会だと思うのだが、その比ではない(らしい)。とにかく、子どもたち「全員が」より高い学歴を目指して日夜研鑽に励んでいるという。お弁当を3つ(昼食・夕食・夜食)持って学校へ行くのも珍しくないのだ。
その帰結として、大学進学率が90%を超えている。おそらくは世界一ではないかと思う。
しかしながら、当然の疑問が湧く。90%を超えるような進学率の大学ってどれほど意味があるんだろうかと。日本と同じく中学までが義務教育だが、そんなことなら高校まで、さらには大学まで義務教育にしてもいいんじゃないかと思うほどだ。男子には2年近い兵役もあり、これは実際に義務「教育」である。
多くが大学在学中に兵役に行くため、男子の場合、大学を出るのは若くても24歳ということになってしまう。
だが、おそらく世界中探しても、何千万という人口を抱えた国で、90%以上がホワイトカラーの職業に就けるという社会はない。彼らのうち、少なくない割合の人たちは仕方なくそれ以外の職業に就くことになるわけだが、たとえば何らかの技術者や職人になるとして、24歳以上というのはスタートが遅すぎはしないだろうか。さらにまた、職人が尊敬されない社会なので、修行のモーティベーションもあがらないのではないか。
小学校で「将来なりたい職業は?」と聞かれ、「美容師」「パティシエ」「大工さん」と答えるわが子に目を細める日本人の母親を見て、韓国人の母親は信じられないとばかりに目を剝くのだそうである。
「全員が」より高い学歴以外は眼中にないという(ほんまかいな)。
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外国人へ門戸を開くのが日本より遅かった韓国だが、現在は既に先をいっている。
国際結婚率は日本の倍以上だし、単純労働者を短期(5年未満)で外国から受け入れる政策も始まっている。学歴志向の韓国人が嫌う仕事は、低賃金の出稼ぎ外国人に担わせようという方向に動きつつあるようだ(もっとも、高度な専門的知識をもった外国人にこそ来韓してほしいとも、政府は考えている)。
日本だってちょっと行きすぎた学歴社会だと考えている目からは、韓国の状況はあまりにも異常に見える。
自分自身が途方もない苦労をして育ってきて、子どもを産み育てることが親にとって莫大な負担になることを知っている韓国の若者の中には、「子どもはいらない」という声が圧倒的に多い。現に、少子化も日本以上に進んでいる。
まあ、他国のことより日本のことを心配した方がいいのかもしれないが、ちょっと見ていられないという感を新たにした。
まあ、日本だってやっぱり「見ていられない」んだけれど。いろいろと・・・
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