★Eingang の悪夢
まだ比較的メジャーな仕事が2〜3残ってはいるものの、いよいよバカンスモードに入りつつある。
成田や関空は今日出国ラッシュだったらしいが、その人たちが怒濤のように帰国するのと入れ違いに出て行くことになるだろう。
お盆の1週間もちゃんと?仕事をして、その後はいよいよ・・・だ。
やっと、たぶん行けるだろうという気がしてきた。
ヨーロッパが一番好きなのだが、観光旅行に行くのは実に8年ぶりである。
20歳から80歳まで行けると考えても、8年ぶりとかのペースでは、人生で7回ぐらいしか行けない計算になってしまう(実際はそれどころか、20歳の次は16年ぶりであった)。
「日々旅にして旅を栖(すみか)とす」るような人生を夢に描いて社会に出た者にとっては、それでは少なすぎる。
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あれ?、こんなことを書こうと思っていたのではない。
30年前に初めて行った海外旅行で、個人的に「Eingang の悪夢」と呼んでいるできごとがある。ついでにもう一つ、「Herren Damen の戸惑い」というのもある。
当時、ドイツ語はまったくだめであった。
いや、今だってまったくだめだが、「まったく」にもいくらかの幅があるのだ。今なら、「こんにちは」や「ありがとう」や「さようなら」ぐらいはそれっぽい発音で言えないこともない。「入口」「出口」「駅」「空室有り」ぐらいの看板なら見てすぐ意味がわかる。
だが当時は、ほんとにまったくだめだった。旅行ガイドには、「さようなら」は「アウフ・ビーターゼーエン」とか書いてあったのだが、そんなもの、そうカタカナで発音してもまったく通じないし、現地の人の発音もぜんぜんそうは聞こえない。
まあでも、そのお蔭で?、初めて Auf Wiedersehen を認識したのは、現地で(たぶん)ネイティブの人から・・・というのは、その映像とともに記憶に残っている。
さて、標題。
スイスのユースホステルの玄関らしきところに着いたのだが、ドアが閉まっていた。夕方に開く場合も多いので、そのままそこに座って待つことにした。玄関の右横には、Eingang → と書いた大きな白い看板が立っている。
それなのに、私はそこに座って、ずっと玄関が開くのを待っていたのである。その時は、Eingang というのは「お手洗い」みたいな意味だと勝手に考えていて、まさかそれが「入口」だとは思っていなかった。だって、入口はどう見ても私の目の前の玄関だったのだから・・・
Herren と Damen は、トイレの男と女。当初はどちらがどちらかしばしば混乱した。なぜかドイツのトイレには、当時、男女のピクトグラム(視覚記号によるサイン)のないものが多く、文字だけでHerren か Damen と書いてあったり、ひし形の中に大きくHやDと書いてあるだけだったりするものが多数を占めていた。
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今回、訪問を予定している国の言語は、ドイツ語・スロベニア語・クロアチア語・ハンガリー語・スロバキア語・ポーランド語・チェコ語・・・
ドイツ語を除き、どれ一つとして、「こんにちは」も「ありがとう」も知らない。ドイツ語だって先に述べたようにまったくだめだから、別に除くまでもない。
そんな状態で、ろくにホテルの予約も取らず、車に乗ってふらふらと気ままに旅ができるのだろうか・・・
これほどまでに言葉が通じそうにない旅行って、何年ぶりだろう?
もちろん、たとえばスペイン語だってイタリア語だってからきしダメだが、レストランは
英:restaurant
伊:ristorante
西:restaurante
だし、駅は
英:station
伊:stazione
西:estación
なのだ。スロベニア語・クロアチア語・ハンガリー語・・・には、その程度の類推すらまったく通用しそうにない。
そうだ、辞書・・・
でも、こんな言語の辞書なんてあるんだろうか。言語の数も多すぎるし。たとえ2012年であっても、ネット環境がなければむずかしいのではないか。
いちおう、iPad のアプリは調べておこう・・・
さて、どうなるのだろう? 各国で毎日、「Eingang の悪夢」が再来するのだろうか。
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