★夜のクラクフ
ヴィスケー・タトリ(スロバキアのアルプス)を後にして、スピシュ城を観光してから、ポーランドのクラクフに着いた。
時間があればヴィエリチカ岩塩坑に行くつもりだったが、無理みたいだったので、途中、スロバキアとポーランドの国境の川沿いを散策した。
ここポーランドはユーロの導入こそしていないものの、シェンゲン条約加盟国で、スロバキアとの国境は日本の県境ぐらいの意味しかないように見えた。もちろん、パスポートコントロールも税関もなく、車と徒歩で3回半往復したがその痕跡すらわからなかった。
ポーランドに入ってからしばらくして、その風景の美しいのにほとんど感動した。緑の丘が幾重にも重なり、そこここに赤い屋根の集落が見える。そこに奇跡の夕日がさして、ほんのわずかな時間ながら、絵はがきでもこれほどの光景は・・・というほどの光の芸術が楽しめた。
ポーランドってこういう国だったのか・・・
・・・というようなことも忘れてしまうような広くて綺麗で豪華なアパートメントに宿泊(3人で1泊8000円なのだが、信じられない値段だ)している。
・・・というようなことがどうでもいいほど、夜のクラクフには感動した。
私が留保なく「感動した」とここに書くのは、多分初めてではないかと思う。
ヨーロッパのいろいろな街をそれなりに見てきたつもりだが、ここは最高の部類に属するのではないか。
冷静になれば、夜のとばりが七難隠し、ライトアップが建物を美しく見せているのだとは思うのだが、「こんな街が現実に存在するのか」と思うほどの空間だった。
そのクラクフの名前も聞いたことがなかったというのは、やっぱり異常なことだと思う。
今回、オーストリアを除くと6か国を旅することになるわけだが、首都以外の場所の名前で知っていたのは、クロアチアのドゥブロヴニクだけだったと思う。スロベニアに至っては、首都の名前すら知らなかった。
もちろん、一番の原因は私の無知なのだが、日本における旧東欧への無関心が情報過疎を産んでいるのは間違いない。
いつもそうなのだが、旅して初めて、その土地のことを少しは知ることになり、関心も持つようになる。
それではいけないと思いつつ、その風景の中に身を置いてみないと、興味関心が湧いてこないのだ。
想像力がない。
考えもしなかった夜のクラクフの壮麗さに驚嘆し、思うのはそのことである。
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