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2012.10.31

◆音の記憶 と 和牛ステーキ

 何だかちょっと不思議な昼だった。

 4月から通い始めたいつものイタリアンに行くと、初めての満席。もう2時が近いというのに。

 少し意外な気はしたものの、もうひとつすぐ近くにイタリアンがあるのでそこへ赴く。
 外から覗くとカウンターに空席があり、やれやれと思ってドアを開けると、「予約のお客様が」と断られる。

 久しぶりの昼食ジプシーかと落胆したが、駅の近くだからまあ何かあるだろうと歩き始める。

 途中で、「そうそう、こんなときこそ iPhone ではないか」と思い出し、近くの食べ物屋を検索してみるも、半径300m以内に絞ってもあまりに多すぎて、見るのも面倒である。半径50m以内ぐらいまで縮められればいいのに。

 犬も歩けば的に少し歩くが、ぱっとした店はない。ただ、「和牛ステーキランチ 1000円」と書いた大衆食堂風の店があったので、少し躊躇して行きすぎてまた戻り、結局そこにする。

 驚きの狭さ。
 カウンターのみで向こうはすぐ壁。壁とカウンターの間に本当にキッチンがあるのだろうかというぐらいの奥行きである。
 確か6席あったと思うが、誰も座っていなくても両隣の椅子が邪魔になるぐらいぎゅうぎゅうの感じ。店の幅は4〜5mぐらいだろうか。

 幸い、他に客はいないので、それでもまあ不満はない。テレビがついているのはちょっとイヤだなあと思ったが、それほど大きな音量ではなかった。
 テレビのことも忘れ、料理を待つ間にメールを一本出し、パソコンをカバンにしまったときだったと思う(今確認すると、差し出し時刻がまさに13:59になっていた)、いきなり、信じられない音楽が耳に飛び込んできた。

 な、なんなんだ !? と思った直後、一瞬で頭がタイムスリップする。おそらく、この音楽を聴くのは35年ぶりとかではないだろうか。
 ものすごく耳に残る、「ダッダーバ ダバダバ(音注意)」(後記:実際は「サッサーバ サバダバ」みたいですね)である。

 そう、藤本義一氏が亡くなったので、その追悼特集をやる2時のワイドショーが、冒頭で 11PM(イレブンピーエム:深夜のワイドショー番組)のテーマソングを流したのだ。
 最初はテレビから出てきた音だとは思わなかった。ものすごいインパクトである。

 あの音楽がダイレクトに脳に響く世代って、今、何歳以上ぐらいなんだろう?

 わたしが 11PM を見ていたのは、小学校から中学校の間ぐらいだったと記憶する。今思えば、よく両親があんな番組を見せたよなあとも思うが、そういうことには無頓着な二人である(お蔭様でまだ元気です)。
 家人は私より年上だが、見たこともないし、音楽も知らないそうだ。本人も興味はなかっただろうし、見せてもらえないような家だとも思う。

 調べてみると、アシスタントの真理アンヌをよく覚えているので、やはり、よく見ていたのは小中学生の時のようだ。

 それにしても、あの独特な音楽との久しぶりの邂逅は強烈だった。

 香りの記憶については以前書いたことがあるが、音の記憶をこんなふうに感じさせられたのは初めてのことかもしれない。
 ___

 さて、和牛ステーキランチ。

 1000円で和牛のステーキが食べられると思いますか? 私は懐疑的でした。

 ところが、量こそ少ないものの、これまでに食べたことのある高級なステーキと比べても遜色ないほどのおいしさなのです。
 もっとも、私が「高級」ステーキを食べた回数はたぶん十回もないのですが・・・

 店と人件費にコストがかかっていなければ、1000円でこんなものが出せるんだなあと、ちょっとした感慨を覚えました。
 初めての店だったので「ごちそうさま」だけ言って辞去しましたが、ちょっと何か伝えればよかったと思っています。

 今度またイタリアンが満席だったら、再訪するつもりです。

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2012.10.30

◆グローバルな時代?

 久しぶりに eBay(世界最大のネット販売サイト)でつまらないものを買った。

 まだ2度目だが、国内のネット通販と同じ感覚で気楽に買えてしまう。小さいものなら送料も高くなく、総支払額は日本で買う半額ぐらいだったりするので、今回も注文してしまった。

 夜遅く注文したのだが、時差があるからだろう、すぐに返事が来て、もう品物を送る準備は完了したということだった。

 ところが、「今のところ停電はしていないのだが」とか書いてあって、何のことかと思っていると、ハリケーンがアメリカ東海岸を襲っていて、郵便局が開いていないのでいつ発送できるかわからないのだという。

 悪い冗談を聞いているみたいで、最初は半信半疑だった。新手の詐欺かとも思った(5%ぐらい)。

 ところが、家人にその話をすると、夕刊に記事が載っていたという。

 何でも、ものすごいハリケーンがアメリカの東海岸沖を北上しつつあり、ニューヨーク証券取引所が29日の取引を停止するというのだ。天候の影響で全日停止するのは27年ぶりだとのことである。
(後記:30日も取引停止で、そうなると124年ぶり!になるそうだ。)

 オーマイガッ

 それほどすごいハリケーンが来てるんだったら、郵便局が閉まっていて発送できないのも無理はない。

 疑って悪かった。

 それにしても、まったく存在も知らず、ふつうなら自分になんの関係もないハリケーンが、こんなふうに自分の生活に影響してくるとは思いもよらなかった(まあ、荷物の到着が2〜3日遅くなる程度のことなんですけど)。

 こういうのをグローバルな時代というのだろうか。
 ___

 末筆ながら、被害の少なからんことを心よりお祈り申し上げます。

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2012.10.29

◆後半の人生

 人生がいよいよ後半に入った。

 いや、5年前にも後半に入ったといったんは決めたのだが、相変わらず自覚のないまま(ほとんど)無為に日を過ごしてまた5年が過ぎた。

 今回は、もうどう考えてもほんとうの後半に入ってしまった。
 それどころか、場合によってはもはや終盤かもしれない。若死にする人のニュースが他人事ではなくなってきている。

 だが、案の定というか、その人生の後半もぱっとしないスタートを切った。
 ぱっとしないというよりも、むしろひどいスタートだったかもしれない。この一週間、ここに何か書く気力もなかった。
 あ、その意味では、まだスタートしていないといったほうがいいだろうか。これからスタートだと思うと、なんだかちょっと前向きになれそうな気もする ^^;

 ともあれ・・・

 もう少し明るく楽しく、前向きになれたらなあと夢想する。そうすれば、少しは有為に日々を過ごせるのに。

 何十年来そう思い続けてきて、80になっても90になっても、相変わらず同じことを思っているような気もするけど。

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2012.10.22

◆オリオン座流星群

 なんでも、オリオン座流星群が極大期を迎えているらしい(今日は少し過ぎたのかな?)。

 そういう天体イベントは嫌いじゃないのに、今年初めて知ったような気がする。今ごろ極大期とかなら、意識しないはずはないのに。

 そう思って調べてみると、2006年に唐突に流星の数が増えて一躍有名になったようである。

 ・・・ですよね。ペルセウス座流星群とか双子座流星群とかなら、子どものころから耳慣れている。

 それにしても、それから6年も知らなかったというのは、やっぱりかなり absentminded ですね。
 ___

 京都の時代祭も毎年今日だそうで、それは知っていたような気がするものの、一度も行ったことはない。
 ___

 今日ぐらい、少しは夜空を見上げてみようかと思う。
 多いといっても流れるのは全天で毎分1個程度。真剣に探すつもりはないので、見つからないかもしれないけれど。

 ここ数日快晴が続いたが、まだ天気はいいんだろうな? まもなく寒冷前線が近づいてきて、大荒れになるらしいのだが。

 今日はまだ、職場で冷房が必要だった。

 しかし、今夜を境に一気に秋になるはずだ。そういう日である。

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2012.10.20

◆国鉄への信頼

 若い人たちが「日本人は時間に正確だ」という話をしたとき、その昔、大学へ遠距離通学していたころのことを思い出した。

 自宅の最寄り駅は国鉄のいわばターミナルで、当時は、本数でいうとおそらく8割を越える電車の始発駅になっていた。

 始発に乗れば座れるということもあり、可能な限りそれに乗るようにしていたのだが、始発電車は文字通り時報に合わせるかのように発車する。
 もちろん時報は聞こえないのだが、

 プッ プッ プッ プー ・・・プシューッ

 という感じだ。最後はドアの閉まる音である。

 私は当時から正確な時計を愛用していたので、まだ高架橋からホームに降りていなくても、「30秒ある」とか考えて安心していられた。

 たとえ10秒で階段の途中にいても、十分のんびりできた。
 何となれば、人類は10秒で100m走れるのである。私だって、当時は50mぐらいは余裕で走れた。十数メートル先の電車に乗るのになんの不自由もない。

 あるいはすでにホームにいるときは、5秒前におもむろにベンチから立ち上がり、数歩歩いて乗り込むと、背中でドアが閉まる。

 そこには間違いなく、互いに正確な時刻を知っており、かつ双方が必ずそれを守るという揺るぎない信頼が存在した。
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 最初のころ、阪急電車で同じことをしようとして痛い目に遭ったことがある。13分発とか書いてあるのに、そのはるか前に発車してしまったのだ。
 まだ13分になってないじゃないかと、非常に理不尽な思いをさせられたのを覚えている。

 後でわかったのだが、運転士が参照しているタイムテーブルは20秒おきになっていて、そこには12分40秒発と書いてあるのに、駅の時刻表は13分発となっていたのである。
 20秒単位で運行しているなら時刻表もそうせよとは言わない。だが、12分40秒に発車するなら、時刻表は12分発にすべきである。たとえそれが12分55秒発であっても、だ。

 この件だけで、阪急電車は信用するに足りないと判断した。今はどうなっているんだろう?
 ___

 何も始発だけではない。当時の国鉄の時刻管理はそれは見事なものだったと記憶している。途中の駅でも1分以上違うことは稀だった。

 最近は滅多に電車に乗らなくなったが、たまに乗ると、むしろほとんど1分以上の遅れが出ていて驚かされる。

 何十年も経っているのにこれほど運行管理が劣化したのはどうしてなんだろう?
 速度の追求、過密ダイヤ、そこから生じる余裕のない運行管理。教育システムの不備、誇りを奪われた運転士、人減らし、過重労働 ・・・そして「人身事故」。さまざまな悪条件が考えられる。

 それでも、表示時刻より早くは出ないという美点は今も守られているのだろうか。
 ___

 国鉄がJRにならなければ今も正確な運行管理ができていたかどうかはわからない。時代の要請に答えられず、もっと劣化していたかもしれない。

 だが、尼崎の衝突事故とその背景を知ったとき、国鉄ならあんな事故は起こさなかったのではないかという思いを禁じえなかった。
 それとも、国鉄の強迫性障害的な正確さの追求こそが、あの事故の背景に流れる文化の源流だったのだろうか ・・・私にはわかならい。

 わかるのは、遠い昔、私と車掌と運転士の間にあった、行動を正確な時刻に委ねるという信頼関係と、それがもたらす安心感だけだ。

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2012.10.16

◆空中としゃべる男

 ショッピングモールの渡り廊下2階。その柵越しに空中へ向かってしゃべっている男がいた。

 柵の向こうは中庭である。そこに立っている人としゃべっているのではない。それだと下を向いているはずだが、男はむしろ正面やや上を向いている。そこにあるのは中空で、遠くには山と空が見えるばかりだ。

 だが、明らかにだれかと会話している。興味にかられて空中に相手を探すが、もちろん、だれかがいようはずもない。

 訝しく思いながら通り過ぎ、こらえきれなくて振り返ると、男の右耳には3cmほどのレシーバーがついていた。
 手ぶらだったと記憶しているのだが、おそらくポケットの中には携帯電話があるのだろう。

 それだけではない。

 通りがかりに聞いた台詞がすごかった。

 「だから、家を売ってその金をオレにくれるんか聞いてんねん」

 えっ!?

 「お父さんがおらんようなったら、結局お前のもんになる家やろ」

 よくはわからないのだが、義父の死後、妻が相続することになる家を今売って、その金を自分に使わせろというような話らしい。

 それをかなりの大声でショッピングモールの渡り廊下から空中へ投げかけている。

 いろんな人がいていろんな人生があるんだなあという感慨を新たにした。
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 それにしても、あの手のレシーバー、まるでスパイ映画のようなのだが、最近の街ではふつうのことになっているのだろうか。郊外の職場と家を往復している身には珍しい存在だった。

 ああいうのが必要な人って、どのぐらい携帯で話してるんだろう?

 そういえば、iPhone で電話をかけたことはまだ一度もない・・・ iPhoneって、電話もできますよね?

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2012.10.15

◆正気の沙汰とは思えない

 「いまの憲法は無効であることを確認し、明治憲法が現存すると決議するべきだ」という請願が東京都議会に出され、東京維新の会の議員3人と無所属の議員1人が賛成したそうだ(朝日新聞)。

 正気の沙汰とは思えない。

 そもそも、日本国憲法の無効を都議会に請願して何の意味があるのだろうか。それに・・・と書くのもばからしく、相手にするだけ人生の無駄という気がする。

 あろうことか、それに賛成する輩がいたというのには、ただもう、開いた口がふさがらない。

 しかも、さすがの橋下氏からも「連携の保留」を通告され、謝罪したのだという。自分の信念に従って賛成したのではないのか?

 さらにさらに、東京維新の会の代表は、都議選の時に「地方分権改革の推進」をやりたいと答えているのだそうだ。
 だが、明治憲法に地方分権の規定はないのである。
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 しかしまあ、こんな連中を当選させてしまうようなシステムだとしたら、それが理由で現憲法下の政治システムを廃止したいという誘惑にかられる別の人がいても不思議ではない。
 ただ、万一その方向を目指すにしても、やるのは明治憲法に戻すことではなく、新しい憲法に改憲することだろう。

 底抜けの愚か者どもの中に、復古主義者が多いのはどうしてなんだろう?

(そういえば、日本維新の会の英語名は、Japan Restoration Party だそうである。日本王政復古党? どうしてそんな名前を選んだんだろう?)

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2012.10.14

◆誤認逮捕・起訴の被害に遭わないために!

 警察庁が「遠隔操作ウイルスの被害に遭わないために!」という Cyber Warning を掲載している

 それはそれで重要なことなのだろうが、それよりもむしろ、無実の国民の人生を誤認逮捕・起訴の被害で無茶苦茶にしないよう、もっと留意してほしい。

 無実がわかったからいいようなものの、警察のミスで1か月以上囚われの身であった被害者のことを考えてほしい。ふつうなら、職を失いかねないところである。

 何度も何度も冤罪事件を繰り返して、まだ懲りないのかとほんとにあきれる。

 誤認逮捕や起訴の被害に遭わないために、われわれはいったいどうすればいいのだろう?

(後記:「IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わったようなものだと思っていた。想定外の事態ですよ」と「ある警察幹部」が言ったという(itmedia.co.jp)。警察がそれほど愚かだというのは、それこそ想定外であってほしい。なんだか、想定内のような気もするけど・・・)

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2012.10.13

◆あの国境もなくなる

 土曜の朝、EUにノーベル平和賞を与えるという、ちょっと虚を衝かれるような記事を読んだ。

 そんなこと、想像力があってもたぶん想像できなかったのではないかと思った。

 例によって、ノーベル賞の政治的利用だとか何とか各方面から批判が集まると思うが、私は素直にエールを送りたい。
 ___

 世界中のほとんどすべての場所と同じく、長年の間ヨーロッパでは戦争や殺戮が繰り返されてきた。
 いや、おそらくは量的にも質的にももっともひどくそれらが行われた場所のひとつと言って間違いないだろう。

 さまざまな問題を抱えているとはいえ、EUはその殺し合いに終止符を打つために発展してきて、大きな役割を果たし続けている。

 今回の平和賞は、2009年のオバマ大統領への授賞にも似て、これからの働きへの大きな期待が込められているのだろう。
 その後のオバマ氏の活躍は残念ながら今のところ限られたものでしかないが、EUにはさらに偉大な躍進を続けていってほしいと切望する。
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 1990年代の10年ほどの間にいくつもの悲惨な戦争を経験したユーゴスラビア。

 その中でひとりスロベニアだけがごく短い局地的な戦争にしか見舞われず、戦後はいち早くEUに加盟して、今や国境の行き来が自由になり通貨もユーロになっている。

 この夏の旧東ヨーロッパ旅行の陸路で、唯一国境らしい国境があったのはスロベニアとクロアチアの間だけだと以前書いた。
 もともとは同じ国だったのに、今ではその国境の壁が一番高くなってしまっている。

 そのクロアチアが来年EUに加盟することも、ノーベル賞の記事で知った。

 おそらくは引き続いてシェンゲン条約にも加盟し、あの国境も早晩なくなることだろう。

 もはや国境越えに旅人のロマンを感じる時代ではない。そんなものが実質的になくなってしまうことを慶賀すべき時代なのだ。

 もちろん、個人的には旅人のロマンがなくなることを少しは寂しく思う。だがそんなもの、自由に行き来できるという別のロマンに比べればまったく取るに足りない。

 たった20数年前、越えようとするだけで射殺される国境がヨーロッパにはいくつもあった。
 それがもはやひとつもなく、ほとんどにおいてパスポートすらいらない自由な往来が許されている。

 繰り返す。

 想像も及ばなかったEUのノーベル賞受賞には虚を衝かれた。おそらくは、批判も多く集まるだろう。
 だが私は、素直にエールを送りたい。

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2012.10.11

◆記念と記録と記憶

 ヨーロッパで撮った写真を眺めたりしていたときだと思う。タイトルの言葉が自然に浮かんできた。

 その昔、写真を撮るのは多く記念であり、残りは記憶で補うしかなかった。

 ところが、デジカメが登場して状況が一変する。
 少なくとも私にとっては、写真は記録のためのものになった。

 ちょっとしたことでもカメラにおさめておくと、それをきっかけに記憶は後から引き出せる。その絶対量が、記念に写真を撮っていたころとは比べものにならない。

 ただ、他の観光客たちを見ていると、やはり多くはまだ記念写真を撮っている。だから、そこらじゅうを写真に撮っているのが周囲からどう見えているかがかなり気になる。

 記録じゃなくて、芸術として撮っているならまだいいんだけど。
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 記録は記憶を補完してくれる。時に残酷なぐらいに。

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2012.10.07

◆これください

 たぶん、ケチだからだろう、モノを買う前には徹底的に情報を集める。

 集めているうちに、思いもしなかったような(想像力不足!)機能がいろいろあることを教えられ、それもこれもあれば便利、どうせなら性能も高い方が・・・とかいう具合に、いつの間にか「いちばんいいやつください」みたいな世界に近づいていく。

 ただし、どんなにいいモノであっても、価格が見合わないと思うと購入意欲が失せる。iPhone を5年も買わなかったのはそのためだ(本体価格ではなく、維持費が見合わないと考えていた)。

 購入対象が決まると、こんどはどうすれば安く手に入れられるかをさんざん検討する。

 以上のような労力を労働に振り向ければ、安くなった分の金額の何倍にもなるだろう(現実には働いても収入は増えないけど)。
 それに、実は性能なんて大差はないし、余分な機能があっても使わない。

 それがわかるようになってきても、やっぱり同じような愚かな買い物を繰り返してきた。

 だが、先日、十数年使った炊飯器を買い換えたときは、製品の選択も価格の検討もかなり中途半端だった。結局はデザインで決めてしまったようなものだ。
 それでもまだ、買うまでにはかなりの時間を要した。
 ___

 買ってから二十数年のエアコンが故障していた。2度の引っ越しを乗り越えてともに歴史を刻んできた機械だが、冬には風が出なくなり、夏には風は出るのに冷えなくて、暖房も冷房もだめなことが確定した。

 寝室なのでもともとあまり使わず、なんとなくそのまま放っておいたのだが、先日、コンセントまで抜いているのに内部から音が鳴り出してびっくりした。
 最初は虫でもいるのかと思ったが、どうやらガスが漏れだしていたらしい。

 音は2〜3日で止まったのだが、このまま朽ちていくエアコンをつけておくのも忍びなくて、そのうち買い換えようかと思っていた。

 しかし、あんまり使わないので、さすがに高性能・高機能のエアコンを買う気はしない。
 ならばいっそ、一番安いやつでいいやという気がしていた。それ以降、土曜日に入る家電量販店のチラシをチェックしていると、だいたいの感覚がわかってくる。

 そして、昨日取っておいたチラシを見ていると、とうとう3万5800円(標準工事費込み)のエアコンが出ていたので、気は向かないながらも電話をして在庫を確認してから買いに行った。
 安いと言っても日本メーカーの日本製、冷暖房インバータの(たぶん)まともな機械である。今年のカタログに載っているモデルで、デザインだって悪くない。

 kakaku.com に出ている 1645種類のエアコンのうち、もっとも安い機種の最安価格は2万7000円で、標準取付工事費が1万2600円だったから、都合3万9600円ということになる。
 3万5800円というのは、日本一安いといっても過言ではないだろう。

 売り場に着くなり担当者にチラシを指差しながら「これください」となった。

 いくら安いとはいえ、エアコンを買うのにいきなり「これください」というのはわれながら驚く。

 家を出てから帰ってくるまで、ちょうど1時間だった。書類に記入したりポイントカードを作られたり、工事の説明やら日取りの調整などもしたのにである。

 無駄な時間が省けてよかったような気もするものの、こうして安易に購入したエアコンとまた二十数年(十数年?)付きあっていくのかと思うと、かなり微妙な気分である。
 ___

 内田樹氏が、原付で通りがかったBMWのディーラーにふらっと立ち寄り、カタログをめくって「これください」と購入した話を書いていらした。

 同じ「これください」でも、彼我の差はかくも大きいのだ。

 いつか私も、そんな買い物ができるようになれるだろうか(無理だな)。

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2012.10.06

◆昼食に、ン時間

 郊外のデパートに買い物に出るついでに何かおいしいものでも食べようということになった。

 家人が選んだ二つの店に電話したのだが、いずれも満席で断られる。ほんと、どこが不景気なのかと思う。

 そのときふと、数年以上前から評判を聞きつけ、いつか行きたいと思っていた店があるのを思いだした。電話してみると、幸い、空いているという。

 デパートでは日常の必需品以外に1円も使わず昼食に向かう。不景気だとしたら、私みたいに金を使わない奴がいるからだろうと思った。
 ブログで調べてみると、このデパートに来るの自体が2年以上ぶりだ。前回来たとき「これからはちょくちょく来よう」とか言ってたのに。

 さて、件の有名フレンチレストランに着いて、値段を見てちょっとびっくりした。

 ランチだと思ってなめていたのだが、一番安いのでも3千数百円するのだ。もしかすると、昼食価格の最高記録かもしれない。

 だが今さらやめるわけにもいかず、また、やめることを真剣に検討しなければならないほどの経済状態でもないので、諦めて扉を開ける。
 ___

 初めてのレストランに向かうときにはネットで評判を調べるのがふつうになっているが、今回はリアルライフでそのおいしさを聞いていたので、その手順は省略していた。
 それにしても、行きたいと思い始めてから10年近く行か(け)ないなんて、そりゃ年も取るよなあと思う。

 出されたパンはおいしいのだが料理がなかなか出てこないので、無沙汰の慰みにネットでの評判を見てみようと思い、iPhone を取り出す。

 そこに出てきたのは・・・

 「とにかく時間がかかる」ということ!

 いや、おいしいのは素晴らしくおいしいらしいのだが、ちょっと信じられないぐらい時間がかかるというのだ。
 怒っている人の書き込みなどは、ランチで3時間かかったと書いてある。ディナーでは4時間半という記載も。

 なるほど、夫婦で来るような店ではないようだ。

 前菜が出るまで1時間とも書いてあったので、それはさすがに・・・と思っていたところ、幸いというか、入店から20分で供された。
 ちょっと驚きのボリュームとおいしさ。

 これがメインで、あとご飯があればもういいという感じである。それで1000円のランチとか無理でしょうか?

 その後もおいしいスープとメインが続き、デザートの前にはお口直しのシャーベット。そして、デザートの後にはコーヒーとお菓子。
 なんか、デザートが3回という感じである。

 結局、3時間ではなかったが、2時間半かかった。

 しかし、この規模のフレンチの店を、ランチとはいえたった一人でやっているのが信じられなかった。
 いや、一人だから遅いというわけではなく、スタッフが複数いたときも同じぐらい時間はかかっていたらしいのだが。

 ちょうどデザートが終わるころ、求人応募の電話があり、まもなく人が入ることがわかる。

 その暁には、是非、ランチは2時間以内、ディナーは3時間以内に終えられるよう、仕事を組み立てなおしてほしい。
 まあ、この価格では、次に来るとしても数年後になるかもしれないけれど。

 それにしても、時間がかかると知ったとはいえ、2時間半のランチに 待たされすぎ感 がなかったのはどうしてだろう?

 料理がおいしかったから?
 夫婦でも、まだ何とか会話があるから?
 それとも、iPhone があったから?

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2012.10.04

◆恐るべきスパムメール

 iPhone を使い始めてまもなく、作ったばかりのアドレスにメールが届いた。

 メールアドレスは一人にしか教えていなかったのに、送ってきたのはその人ではない。

 見ると、明白な迷惑メールである。

 それにしても、一体どうして昨日まで存在しなかったメールアドレスにスパムが届くのだ?

 まさか、↑の「一人」が業者にアドレスを売ったのか。それとも、メアドを教えたメールが盗聴というか傍受されていて、こんなことになるのか。

 むろん、どちらも考えにくい。
 考えられるのは、有効であろうが無効であろうが、適当な英単語をランダムに組み合わせたメールアドレスを作って、片っ端からメールを送りつけるシステムの存在であろう。
 昨日なら宛先不明で戻ったはずのメールが、今日は私のところに届いたのだ。

 うーん。

 そのうち来るかもとは思っていたが、まさかこんなに早いとは思わなかった。
 「未承認広告」と表示させるとか何とか、かつて法律ができたはずだが、まったく役に立っていない。

 もっときちんと取り締まれて送信者を罰することができるような制度は無理なのだろうか。

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◆どこでもネットに GPS

 iPhone 5 使用、実質1日目。

 わかっていたはずなのだが、どこにいてもネットとGPSが生きているということの凄さを実感した。

 実体験が想像力に勝るようでは、やっぱり想像力不足である。まだ見ぬアプリの数々も、思いもよらぬ使い方を提案してくれるのだろう。

 だが、職場と家を往復する生活では、「どこにいても」の恩恵はほとんどない。

     iPhone を持って街に出よう

 という感じで、無理矢理出かけたりしたくなる(ほんとは山とかがいいんだけど、山の中では電波が不安だ)。

 「出かけたときに便利」ではなくて、「便利さを実感するために出かける」のでは本末転倒である。

 でもこれ、旅行の時なんかいいだろうなあ・・・ 当面行く予定はないんだけど。
 ___

 ちゃんと仕事はしたし、それほどヘビーに使ってはいないのだが、電池の残りは30%になっている。通話は一度もしていない。

 もしかして、毎日充電する必要があるんですか? これまでの携帯みたいに、ほとんど使わずに1週間ぐらい放っておきたかったんですけど・・・

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2012.10.03

◆iPhone 5 または 豚に真珠

 ようやくというか、意外に早くというか、iPhone 5 を手に入れた。結局、黒になった。

 5 の現物はまったく見たことがなかったし、それ以前のもほとんど見たことがなかったので、幅が狭いのにはちょっと違和感を覚えた。今持っている iPod touch よりも狭いのではないか(後記:すみません、画面の幅は同じでした)。
 これでは窮屈なので、5S だか 6 だかになるときにはもう少し幅広になるのではないかと予想する。
 でも、電話としてはこんなものかなあ・・・

 それ以外に目立った欠点は見当たらない。あ、もちろん、地図は論外である。
 Google Map をアプリのように使う方法があるというので、早速やってみた。これで快適に使えそうだ。

 あと、3G でネットにつながると、遅くてちょっと驚いた。ふだん、光回線とかなので、それと比べるのは酷なのだろうか。LTEだと速かったが、まだまだエリアが狭いようである。

 (訂正:3Gでテザリングしても、パソコンからすいすいウェブが見られる。今これも、iPhone のテザリング機能を使ってパソコンから書いている。速すぎて驚いた。昼間の、iPhone 単体のネットの遅さは何だったんだろう?)

 けっこう欠点が多いな(笑)

 それはともかく、問題は・・・

 電話をする相手がいない。メールを送る相手もいない。

 まあ、後者は、いたとしても入力がまどろっこしくてやってられないんだけれど。
 独特の「花びら入力」は秀逸だと思うのだが、そのうち上手になるだろうか。

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2012.10.02

◆Central Europe

 ←のアルバムに Central Europe を追加しました。

 ご笑覧いただければ幸いです。

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