◆空中としゃべる男
ショッピングモールの渡り廊下2階。その柵越しに空中へ向かってしゃべっている男がいた。
柵の向こうは中庭である。そこに立っている人としゃべっているのではない。それだと下を向いているはずだが、男はむしろ正面やや上を向いている。そこにあるのは中空で、遠くには山と空が見えるばかりだ。
だが、明らかにだれかと会話している。興味にかられて空中に相手を探すが、もちろん、だれかがいようはずもない。
訝しく思いながら通り過ぎ、こらえきれなくて振り返ると、男の右耳には3cmほどのレシーバーがついていた。
手ぶらだったと記憶しているのだが、おそらくポケットの中には携帯電話があるのだろう。
それだけではない。
通りがかりに聞いた台詞がすごかった。
「だから、家を売ってその金をオレにくれるんか聞いてんねん」
えっ!?
「お父さんがおらんようなったら、結局お前のもんになる家やろ」
よくはわからないのだが、義父の死後、妻が相続することになる家を今売って、その金を自分に使わせろというような話らしい。
それをかなりの大声でショッピングモールの渡り廊下から空中へ投げかけている。
いろんな人がいていろんな人生があるんだなあという感慨を新たにした。
___
それにしても、あの手のレシーバー、まるでスパイ映画のようなのだが、最近の街ではふつうのことになっているのだろうか。郊外の職場と家を往復している身には珍しい存在だった。
ああいうのが必要な人って、どのぐらい携帯で話してるんだろう?
そういえば、iPhone で電話をかけたことはまだ一度もない・・・ iPhoneって、電話もできますよね?
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