■iPhone を電子レンジで充電する とか 急須を直火にかける とか
電子レンジを使うと iPhone に急速充電できるというデマがネットで広がっていて、実際にそれをやってしまった人たちがいるという。
どこまで本当なのかわからないが、やった人がいるんだとすれば、その情報を知った人のうち何人がそれを信じ、そのうち何人が実際にやってしまったのかはぜひ知りたくなった。
折りから、日教組の教育研究集会で、冬に家で飲むお茶を急須でいれると答えた生徒が2割しかいなかったという報告があったことが報道されていた。福岡県立高校の家庭科教諭による調査である。
授業では、急須を直接火にかけようとした生徒もいたという。
お茶を「いれる」という言い方を知らず、「お茶って自分の家で作れるんですか」と聞いた若い母親の話も紹介されていた(朝日新聞「天声人語」2013.1.28)。
小さいころからペットボトルのお茶ばかり飲んできたのだそうだ。
どんな文脈なのかわからないが、「お茶って自分の家で作れるんですか」と聞かれたら、「そりゃ、作れないこともありませんけど・・・ まず、庭にチャノキを植えて葉っぱを摘んで、蒸してから揉んで乾かして・・・」みたいな話になってしまう。
「あまりにも常識がない」といってあきれるのは簡単だが、この手のことは意識して教わることではない面が大きいので、生活様式が変わってくればそういうことも起こるだろう。
そういえば、大昔、写真を撮り終わったパトローネから盛大にフィルムを引きだし、「写ってるかなあ・・・」と無邪気に蛍光灯にかざしたという従姉のことを思い出した。
父親が現像済みのフィルムをそうやって見ているのを知っていたのだろう。
「「写ってるかなあ」言うてそんなことしてもたら、そら、もう写ってへんわ」と親戚中の笑いものになった。
ああいうのも、本人に罪はないのに可哀相だ。たぶん、深く傷ついたことと思う。
今なら、パトローネどころかフィルムもわからない人が多いだろうが、それももはや当たり前だ。
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・・・というようなことを言いながら、やっぱりどこかに、常識のない人々や家庭の教育がなっていない子どもたちをばかにしてあきれるのはおもしろいという面もある。
天声人語も、しかつめらしい教育者顔をしながら、その実、己の教養をひけらかし(「松平不昧」!)他人の無知を嗤うことで溜飲を下げているような気がしてあまり美しくはない。
長くなった。以上はすべて前置きである。
うちに、金属とプラスチックのコンビネーションでできたカップがあるのだが、そのプラスチックの取っ手のところが溶けて固まっていて、どうしてこんなことになったのだろうと思っていたら、なんと、息子が電子レンジで加熱したからだということがわかった。
小学生ではない。先日、初めての投票に出かけたような息子である。
取っ手を固定しているネジが過熱しすぎて、プラスチックを溶かしたらしい。
今まで「電子レンジに金属を入れるな」と教育しなかった家庭(というか私と家人)が悪いと思って怒ったりはしなかった。
それよりも、実際に入れるとどんな風になったのかが興味深く、細かく聞いてみた。
それによると・・・
加熱後しばらくしてパチパチと音がするのでおかしいと思い、いったんは扉を開けたのだが、異状なさそうだったので再度加熱を続けた(アホな奴だ)。するとそのうち煙が出だしたので慌てて止め、庫内の空気を入れ換えたという。
臭いもすごかったらしい。そりゃそうだろう。
「怒ったりはしなかった」と書いたが、もし現場に遭遇していたらたぶん怒鳴り散らしていただろうと思う。過去のことだから冷静になれただけだ。
そんなに箱入り息子に育てた覚えはないんだけれど、ほんとに何でも経験値の足りない奴だと改めて認識した。
これからは心を入れ替えて、自然にいろんな「生きる力」が習得できるように心を砕いてやらなければ・・・
でも、いったい何から始めればいいんだろう?
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