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2013.03.31

●買って後悔しない双眼鏡

 双眼鏡をきっかけに拙ブログをご覧になってくださる方が相変わらず多いようだ。

 詳しい方はご自分でいろいろお考えになるだろうから、そうではない方のために、「買って後悔しない双眼鏡」のリストを作ることを思いついた。

 能書きは抜き。
 用途や予算は人それぞれだろうから、以下から自分に合ったものをお選びになればいいと思う。

 ただ、1つだけ、重要なことをまだこのブログに書いていなかったと思う(調べたら書いてました)。
 眼鏡を常用されている方は、双眼鏡も眼鏡をかけたまま使うのが基本だ。その場合、「アイレリーフの長いもの=ハイアイポイントのもの」を選ぶ必要がある。具体的には、15mm以上のカタログ数値があればよい。20mmぐらいあれば理想的だ。

 例によって、基本は「一流メーカーの固定倍率のもので、8倍以下」。手振れを抑えられる自信のある方は10倍でもいいと思う。
 防振双眼鏡はもちろん、10倍(以上)でもよい。

 対物レンズの口径(外から見える大きい方のレンズの直径)は大きい方が明るくてよいが、双眼鏡自体も大きく重くなる。
 ほとんどの双眼鏡の名前についている「8×32」というような数字の意味は、「倍率が8倍で口径が32mm」。口径がそれより小さいと、コンパクトだが相対的に見にくくて暗めになる。倍率は小さい方が見やすくて明るくなる(が、もちろん拡大率は小さくなっている)。

 購入の前に双眼鏡についての基礎的な知識を得ておきたい方はこちらを一読なさるのをお勧めする
 一部奥歯にものが挟まったような言い方でごまかしている点があるのは、ご愛敬ということで。

 買って後悔しない双眼鏡リスト:予算順(2013年3月30日版)

 ※価格は2013年3月30日現在の kakaku.com 最安価格を参考にした概算価格です。
 ※8倍のもの、32mm前後のものを中心に挙げていますが、多くは10倍や42mm前後の姉妹機を持っています。6倍や7倍のものがある場合もあります。
 ※もちろん、お勧めの双眼鏡を網羅しているわけではありません。

3000円
ビクセン:ジョイフル M8x21
  ・「双眼鏡」と呼んでいい最低限です。
  ・これより安い「双眼鏡」はないと思ってください。

4000円
オリンパス:Trip light 8x21 RC II

5000円
ニコン:アキュロン T01 8x21
  ・アイレリーフが短いので、眼鏡をかけている方には向かないと思います。
ペンタックス:8x21 UCF R
  ・お勧めできます。ただし防水の↓タンクローWPを買った方がいいかもしれません。

6000円
オリンパス:8x21 RC II WP
  ・コンパクトで防水です。

8000円
ニコン:スポーツスターEX 8x25D CF

9000円
ペンタックス:タンクローWP 8x25 UCF WP
  ・1万円以下ではこれがベストでしょう。

1万円
Kowa:YF30-8
  ・ちょっと大きめですが、双眼鏡らしい双眼鏡です。
  ・価格以上によく見えます。
  ・Kowaは表示が逆のものがありますが、もちろん、8倍で口径30mm。
ペンタックス Papilio6.5x21
  ・博物館・美術館での使用や植物観察等に最適です。
  ・50cmから焦点の合う双眼鏡は他にありません。

1万1千円
ペンタックス:Papilio8.5x21
  ・上記 Papilio の8.5倍バージョンです。
ビクセン:アトレック HR 8x25WP

1万4千円
ニコン:アキュロン A211 8x42
ビクセン:アスコット ZR8x42WP
  ・いずれも大きめ。

1万9千円
Kowa:SV32-8
  ・2万円以下としては優秀(らしい)

2万円
ビクセン:アルティマZ 7x50
  ・明るく評判はいいですが巨大です。星見に。
オリンパス:8x42EXWP I
  ・こちらは鳥見用。下記モナークと似た位置づけですが、口径大きめ。

2万4千円
ニコン:モナーク 8x36D CF
  ・バードウォッチングにまずお勧めする双眼鏡です。

2万5千円
ビクセン:ニューフォレスタ HR 8x32WP
  ・上記モナークと似た位置づけです。
ビクセン:フォレスタ ZR 8×32WP
  ・デザインが気に入れば、上記 HR 8x32WP よりお勧め。
キヤノン:8x25 IS
  ・防振双眼鏡で最安? 口径が小さいのが難点。

2万7千円
ニコン:モナークIII 8x42D CF
  ・上記モナークより少し大きくなります。
  ・より新しくて口径も大きいので、お勧めです。

3万5千円
Kowa:BD32-8
  ・バードウォッチング用として評価の高い双眼鏡です。

3万7千円
ニコン:8x20HG L DCF
  ・コンパクトで高性能。
  ・口径が小さいので、この価格帯としては明るくありません。

4万円
キヤノン:10x30 IS
  ・防振双眼鏡。
  ・予算的にお勧め。
  ・予算があれば↓10×42 L IS WPを。

4万1千円
ニコン:モナーク7 8x42
  ・モナークの上位機種です。

4万2千円
ニコン:8x30E II
  ・まだ手に入る定番の名器。
  ・他にないほどの広い視界が楽しめます。
  ・眼鏡着用だと視野がやや欠けます。
ニコン:7x15D CF
  ・チタンボディのコンパクトな高級双眼鏡。
  ・現在製造しておらず、小売店の在庫のみです。
  ・5x15D CF の新品はもう手に入らないようです。

4万5千円
Carl Zeiss:Conquest Compact 8x20 T*
  ・もっとも安く買える?カール・ツァイスブランド

5万5千円
ニコン:10x42SE・CF
  ・これも製造中止の名器。
  ・8x32SE・CF の新品はもう手に入らないようです。

7万2千円
ニコン:7x50SP 防水型
  ・スターウォッチング(星見)や海上での使用に最適。
  ・巨大です。

7万9千円
ニコン:8x32HG L DCF
  ・EDGシリーズが出るまではニコンの最高峰でした。

9万8千円
Carl Zeiss:Conquest 8x30 T*

11万?
SWAROVSKI OPTIK:CL COMPANION 8x30

11万5千円
キヤノン:10×42 L IS WP
  ・明るく画質のいい防振双眼鏡。
  ・大きくて重い。

11万9千円
Kowa:GENESIS 33 PROMINAR 8x33
  ・Kowaの最高峰。

12万8千円
ビクセン:アルテス HR8.5×45WP
  ・ビクセンの最高峰。

13万9千円
Kowa:GENESIS 44 PROMINAR 8.5x44
  ・上記 PROMINAR の口径44mm版。

14万3千円
ニコン:EDG 8x32
  ・ニコンの最高峰。

17万円
ニコン:EDG 8x42
  ・上記の42mm版。

19万円
Carl Zeiss:Victory 8 x 32 T* FL

22万円?
SWAROVSKI OPTIK:SLC 8x42HD

26万円?
SWAROVSKI OPTIK:EL 8.5x42 SWAROVISION
  ・究極の憧れですね(笑)

 これ以上高価な双眼鏡は、持ち歩きを前提としない巨大なものになるかと思います。興味のある方は、ご自身でお調べください。Kowa や Zeiss などから発売されています。

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2013.03.27

●永世中立国?

 朝日新聞が無理押し?している「語彙・読解力検定」というのがあります。

 先日は別刷りの1ページ全面カラーを使って広告していました。
 新聞本紙に半ページとか1/3ページとかの宣伝もザラです。今日もありました。

 その、別刷りにも今日の本紙にも載っていた問題(1級レベル)に、

   2012年12月時点で、永世中立国として認められている国の
   組み合わせとして正しいものは?
     1.スイス ルクセンブルク
     2.スイス ウズベキスタン
     3.オーストリア ルクセンブルク
     4.オーストリア トルクメニスタン
     5.トルクメニスタン ウズベキスタン
     6.適切な選択肢はない

というのがありました。

 みなさん、答はわかりますか?
 選択肢を選んだら、スクロールして↓に進んでください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 

 答は4だそうです。
 正解できましたか? 私は6だと思っていました。

 4が正解だとすると、スイスは「2012年12月時点で、永世中立国として認められている国」ではないのでしょうか。

 私は、「なるほど、スイスは最近永世中立国をやめたのか」と思って、その根拠を調べました。「2012年12月時点で」などという聞き方が、いかにもそういう事態を連想させます。

 スイスはもちろん?EUには加盟していませんが、シェンゲン協定にはすでに加盟しており、加盟国間でのパスポートコントロールは廃止されています
 国連加盟(2002)・シェンゲン協定発効(2008)に続いて、永世中立を放棄したとしても不思議ではありません。

 ところが、外務省のサイトを調べ、可能な限りの新聞社のデータベースを調べ、それでも見つからないので英語のマスコミにまで広げて調べましたが、結局見つからず、いまだにスイスは永世中立国のようでした。

 これはどういうことなのでしょう? みなさんの解釈が終わったら、スクロールして↓に進んでください。
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 種明かしをすると、「2012年12月時点で、永世中立国として認められている国」は、通常、スイス・オーストリア・トルクメニスタンの3か国だと考えられています。
 その知識を前提にして、再度問題を読んで、選択肢を選んでください。4を選びますか?

 私なら選びません。

 選択肢6がなければ、気づいて4を選んだかもしれません。でも、6があればそっちへいってしまいます。私に読解力がないからでしょうか。

 こういう、叙述トリックじみたクイズを、「語彙・読解力検定」に出すのは疑問に思えます。受験テクニックを競うようなものではないはずだからです。

 まあ、仮に永世中立国が10も20もあるのなら、4が正解でいいと思います。でも、3つしかないのであれば、6を正解としていいのではないでしょうか。しかしながら、では4は間違いかというと、間違いとは言えない・・・

 そう、どちらを正解にすべきか、正しい知識を持った受験生を無用に混乱させるような出題は避けるべきなのです。

 みなさんはどう思われますか?

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2013.03.17

●才能

 Dlife でいろいろなアメリカドラマを録画しているが、結局のところ、ぜんぶ見られるわけではない。

 それなりに面白いのだが、どうしても見るのが後回しになって、だんだん溜まってきてしまうものがある。そしてそのうち、未見のものを消して、録画するのもやめてしまう。私の場合、たとえば『Lost』がこれにあたる。

 一方で、放送曜日を覚えてしまい、録画が終わると次の日には見たくなるのもある。たとえば『グレイズ・アナトミー』だ。

 先日から、見たくなる方に一つ新顔が増えた。

 『ハリーズ・ロー 裏通り法律事務所』である。これは引き込まれると思って第2話(始まるのを知らなくて1話は録画しそびれた)を見終わったら、"David E. Kelly" の文字。

 以前ここでも取り上げ、続きの放送を心待ちにしている『ザ・プラクティス』や、多分初めて私が全シーズンを通して見た『アリー my Love』のプロデューサだ。
 前者はシリアス、後者ははちゃめちゃなコメディなのだが、どちらも傑作。

 ハリーズ・ローはその中間的な位置か。

 才能っていうのはあるんだなあと改めて思う。

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2013.03.16

●6割の値上がり?

 この1月まで毎週のように通っていたイタリアンに久しぶりに行くと、ランチの最低額が1600円になっていた。

 いつも1000円で食べていたので、気分的には6割の値上がりということになる。

 うわっ、アベノミクス効果でハイパーインフレか・・・とはもちろん思わなかった。
 そもそも、ちょうど店の外に出てきていたマスターが、「すみません、ランチメニューが変わって、1000円のがなくなっちゃったんですよ」と申し訳なさそうに説明してくれていた。

 パスタがおいしいのはもちろんだが、1000円で絶品のデザートまでついてくるから通っていたのだ。1600円になると、とても毎週は行けない。というか、月に1回でも行かなくなるのではないだろうか。

 もちろん、「インフレ」ではないので、内容は違い、1000円だったランチに前菜と飲み物がついている。以前は1700円だったので(一度も注文したことはない)、むしろ100円値下げしているのだ。

 1000円ならサラリーマンのちょっと贅沢なランチになり得るが、1600円だとその範疇を超えて、有閑マダムのランチになる。今後ますますひとりで食べる男が減るだろう。

 メニュー変更の理由は、スーシェフをやっていた(といってもシェフとスーシェフしかいない)男の子(というのが適切な感じだが30代前半ぐらいだろうか)がスカウト?されて、別の店の雇われシェフとして出るためだという。
 代わりに入ってくるのが見習いで、これまでのようにはできないということらしい。そういえば、ランチでリゾットとかも選択できなくなっていたし、今気づいたのだが、サラダがなくなっていた(あれはミスかな? それとも、それが100円分なのだろうか。だとすると値下げではない)。
 あ、営業時間も短くなっていた。

 だが、1600円のランチから前菜と飲み物を省いて出せばいいだけなんだから、何も1000円のをなくさなくても・・・と思うのだが、まあ、何とかして客単価を上げるのがこの世界のセオリーなのだろう。いずれにせよ、あれで1000円は確かにちょっと安すぎた。
 ___

 夜、ネットを見ていると、アマゾンで一斉値上げがあったとかで、なにやら騒然としている。実際、うちに前日届いた品も、少し値上がりしていた。どれだけの信憑性があるのかわからないが「平均したら1.2倍」とかいっている。

 まさか、ほんとうにハイパーインフレの前触れなのだろうか。預金は紙くずになるのかな・・・

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2013.03.13

●ETC車載器の取り付け

 息子が免許を取った次の日に、練習を兼ねて家人の車で兵庫県の実家に行った。緊張でガチガチの息子には、1時間ほどの運転でも休憩が必要だったので、途中、パーキングエリアに寄った。

 私が運転すると、全行程でも1時間とちょっとぐらいなので、途中で休憩するということはかつてなかった。

 そのPAで、阪神高速道路公団が「ETC車載器購入キャンペーン」というのをやっているのを知った。
 本体とセットアップに送料まで込みで3千円だという。
 後で kakaku.com を見ると、最安値でも本体だけで7千円だ。セットアップと送料で3千円ほどかかるはずだから、計1万円になる。

 3千円はいかにも安い。これも何かの縁と、帰宅してから申し込んだ。
 高速の料金所で自動発行された通行券を取るのにドアを開けなければならないような運転しかできない息子を目の当たりにしたばかりだったし、以前から機会があれば家人の車にもETCをつけたいと思っていたところだったのだ。

 まず申込書が送られてきて、車検証のコピーを添えて返送するなどちょっと面倒だったし、車載器の到着まで3週間もかかるということだったのだが、思いの外早く到着した。

 さっそくどこかで着けてもらおうと思っていたのだが、車を運転していくのが嫌な息子の「自分でつけられへんの?」という言葉に「できるわけないやろ。お前やってみぃ」とか言いながら、やってみてもいいかなという気が急にした。

 家人が帰ってくる前にネットでいろいろ調べたが、かなり難物のようである。

 「フロントパネルを外し」とかさらっと書いてあるのだが、いったいどうやって外すのだ(結局、これが一番大変で、一時は諦めかけた)。

 「電源は、オーディオのバックアップ電源と ACC ラインからそれぞれ分岐して取ります」って、具体的にどのラインをどうするんだよ。オーディオにはラインが12本もつながってるのだ。

 先達たちの軌跡はネットに上がっているのだが、人によって違う色のラインにつないでいたりする。
 結局、ALPINE のサイトから該当車種の配線図をダウンロードした。パネルの外し方も書いてあるのだが、うちのとは違うのでその部分は役に立たなかった。

 念のため、学研の「おとなの科学」の電子ブロックを使ってテスターを用意した。使うの自体10年ぶりぐらいだろうし、実用的に使うのはおそらく初めてである。
 ALPINE の配線図に従って確かめると、なるほど、バックアップ電源のラインはイグニッションオフでも12ボルト、ACC 電源のラインはキーをひねると12ボルトになる。大したものだ。

 雲をつかむような話だった「ラインからの分岐」も、車載器本体に同梱されているキットを使えば、ワンタッチでできてしまう。いつもそうとは限らないが、やはり案ずるより産むが易しである。

 もっとも悩み、時間を使ったのは、フロントパネルを外す工程(結局、力任せにバカッと外すしかないようだ。もっとも、それで爪を2本破損したので、何かコツのようなものがあるのだと思う)と、1本余ったボルトが一体どこについていたのかを探すことだった(もともとどこにもついていない、車載器同梱の部品であることが後に判明した・・・)。

 最初、オートバックスに電話して聞くと、作業時間は40分ぐらいで5250円という話だったので、うまくいけば1時間ぐらいで終わるかと思っていたのだが、結局は2時間近くかかってしまった。

 夜に入ろうとする暗い車庫の中で懐中電灯の光を頼りに初めての作業をやっていたことを思うと、まあ、そんなものかという気もする。外は雨が降っていた。
 ただ、パネル外しと余分なボルトさえなければ、それほど大した作業ではなかったかもしれない(あ、オーディオからいったんコネクタを抜くのにも難儀した)。

 電源のラインをつないでおそるおそるキーをひねると「ETCカードが挿入されていません」との声。「やったー」、とりあえず機能している。
 次に、カードを挿入すると、アンテナの異常を告げる音声・・・

 一瞬あせったが、単にアンテナのラインを差し込んでいなかっただけだ。

 一時は、途中で放り出して続きをオートバックスとかでやってもらおうかとも思ったくらいだったので、ちゃんと動作したのにはちょっと感動する。

 それにしても、勉強にもなるし楽しみでもあるし、息子の教育も兼ねて・・・とは思っていたものの、5250円を稼ぐことの大変さを思い知った。

 こういうことに慣れていらっしゃる方なら何ということはないんだろうけれど、車の内装を自分で剥がすのも初めてというような、私などがやるべき種類の作業ではない。

 安物の軽自動車なのだが、一皮めくると裏は配線だらけでびっくりした。こんなのがよく故障もせずに15年近く!も動いてるよなあと感心する。

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2013.03.12

●茶道が抹茶を遠ざける

Dsc07768_169 珍しく京都へ出たついでに、野点用の黒楽(というらしい)の抹茶茶碗と茶筌と抹茶を買ってきた。

 先月、高級?温泉旅館に一泊したとき、部屋に入ると仲居さんが抹茶を点ててくれ、そのことに妙に感心したのが尾を引いているのだ。

 家へ帰ってネットで点て方を調べ、一服点ててみると十分なおいしさである。

 これまで、人の点てた抹茶をいただいたことは数回ある(たぶん10回もない!)が、自分で点てたのは初めてだ。

 二服目は調子に乗って?点ててからマグカップに移して抹茶ラテにした。スターバックスのも、こんなふうに作ってるのかな?(まさか、ね)
 ___

 それにしても、どうしてこの年になるまで抹茶をほとんど飲まなかったんだろう?

 それにはおそらく、茶道が影響している。

 抹茶には、お点前がわからない者が飲んではいけないような妙な威圧感があるし、点てる方が着物を着ていたり作法を教えたりするので、そういう飲み物だと思ってしまうのだ。

 かつて小林秀雄が「真贋」というエッセイの中で次のようなことを書いていた。
 ひょんなことから高価な彫三島の茶碗を手に入れたのだが「私は茶の方は不案内であるから、それで紅茶や牛乳を飲んでいる」というのだ。

 小林ほどの「文化人」にしてそうである。
 いや、抹茶茶碗で紅茶や牛乳を飲むのはべつにかまわない。だが、それほどの自由人でありながら、「茶の方は不案内であるから」飲まないというのには驚かされる。

 世の中に、「コーヒーの方は不案内だから飲まない」とか「日本茶の方は・・・」とかいう人がいるだろうか。
 そもそも、「紅茶や牛乳を飲んでいる」という小林は、それらには明るかったのだろうか。

 もちろん、紅茶や牛乳に「不案内」であっても、人はふつうに飲む。珈琲道や紅茶道や牛乳道などというものは存在しない。

 そう、ひとり抹茶のみが、飲む者を妙に構えさせるのである。

 だが、実はなんということもない。抹茶の粉末を茶碗に入れ、80℃のお湯を注いで茶筌でしゃかしゃかとかき回せば、立派な抹茶のできあがり。
 案内も不案内もなく、ふつうに楽しめる。

 そのままではおいしくない人がいたら、少し砂糖を入れたっていいし、何ならラテにしてもいい。

 三千家の家元なんかが聞いたら何とおっしゃるかは知らないけれど。
 ___

 ・・・というようなことを書いている私にしたって、これまで抹茶を点てたことはなかった。

 やはり、茶道が抹茶を遠ざけているからである。

 そのせいで消費の伸び悩む抹茶は、一足飛びに、できあいの「抹茶ケーキ」や「抹茶ソフト」や「抹茶ラテ」なんかに販路を広げている。

 だが、ふつうに抹茶茶碗と茶筌を使ってしゃかしゃかとやる「お薄」なんかは、茶道の軛(くびき)から解き放つだけで、われわれの日常的な飲み物になるはずだ。

 これからたぶん、私も毎日のように(というのはちょっと大袈裟かな)抹茶を喫することになると思う。

 「一服」とか「点てる」とか「喫する」とか言ってるからだめなんだろうけれど・・・

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2013.03.09

●明日にはまた冬が戻ってくるそうです

 先週の日曜日には寒さに震え上がっていたのに、今日はもう汗ばむ陽気。

 そこここにいろんな花も咲きはじめ、一気に春の気分になってきた。

 なのに、先ほどネットで見たニュースでは「北日本、10日から猛吹雪に警戒必要」だって・・・

 まさかと思って天気図を見ると、今は太平洋高気圧に覆われている日本列島に、大陸から低気圧が接近中。
 寒冷前線が通過した後は、大陸性高気圧が・・・

 ここ大阪北部の予想気温も、朝9時には14℃なのに、夜9時には2℃!

 月曜日の夜には0℃にまで下がるという。

 うーむ。三寒四温なのか何なのか知らないが、あまりにも極端すぎる。

 皆さまも体調管理にご注意ください。

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●「まだ早い」

時に過激な発言もする橋下氏だが、「一線を越えるか越えないか、ギリギリのラインをやるには技術が要る。丹野市議にはまだ早い」と突き放した。(朝日新聞)

 えっ? だれの話?

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2013.03.08

●「やり方が子供じみている」

橋下市長は「調整能力が不足している。『自分はちょっと違うんだよ』とアピールするのは分かるが、やり方が子供じみている」と話した。(mainichi.jp)

 えっ? だれの話?

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2013.03.07

●「ハンドル操作の誤り」

 うわお、いつのまにか3月に入って1週間も経っている。そしてその間、ここに何も書いていない。今気づいた。
 ___

 警察庁なんかが交通事故の原因を説明する際に、「速度超過」「前方不注意」とならんで、よく「ハンドル操作の誤り」という表現を使う。

 あれを見るたびに「「ハンドル操作の誤り」って何のこと?」と思っていた。

 たとえば、カーブを曲がりきれずに事故を起こしたら「ハンドル操作の誤り」なのか。でも、それはむしろ、スピードの出しすぎだと思う。
 まあ、同じスピードでも、F1レーサーとかが「ハンドル操作」をすれば曲がれたのかもしれないが、そういうことを考えても仕方がない。事故の一義的な原因は「速度超過」であるはずだ。

 では、道路の左側の電柱にぶつかったら、「ハンドル操作の誤り」なのか。それはむしろ、「前方不注意」なのではないか。あるいは、電柱までの距離感がうまくつかめなかったのだとしたら「目測の誤り」とでも言うべきだろう。

 いったい、「ハンドル操作の誤り」ってなんなのだろう? それを原因とする事故がどうしてそんなに多いのだろう?
 ・・・もしかして、事故原因を究明するのが面倒なので、ちゃんと前を見ていて速度もそれほど出ていなかったとドライバーが主張したときは、自動的に「ハンドル操作の誤り」にしたりするんだろうか、とか思っていた。

 最近までは。
 ___

 息子が自動車免許を取ってきたのだが、1人で乗せるのは危なっかしいし、本人も1人では乗れそうもないと言っているので、隣に乗って「本免許練習中」をやっている。

 それでたちどころに、「ハンドル操作の誤り」の意味を理解した。

 幸いまだ当てたりこすったりはまったくしていないものの、ハンドル操作は誤りだらけである。

 速度なんかもちろん出ておらず、目測を誤ったりはしていなくても(してないんだろうな?)、切りすぎたり戻すのが遅かったり切り足りなかったり・・・をかなりやる。
 ああ、これがかの有名な「ハンドル操作の誤り」なのか!

 まあ、息子は少しずつ上達しているし、そのうちそんな「誤り」もおかさなくなってくるだろう。

 だがたとえば、そこら中の駐車場の入口や壁なんかにカラフルなペイントがこすりつけられているのを見ると、いつまで経っても「ハンドル操作の誤り」を繰り返している人がいるのかもしれないと思う。

 これまではむしろ「目測の誤り」だと思っていたんだけれど。

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