★病が取り持つ縁
集団検診で引っかかり、職場の医師の診察を受けさせられ、病院へ行くように勧められた。
ちょうど、家人が同じ症状で病院に行くというので、一緒に行くことにした。
ところが、「早めに行けばすぐ診てもらえる」という家人の言葉とは裏腹に、開院前に行ってもすでに十数人待ちになっている。しばらく思案した後、時間がないので、とりあえず取りやめることにした。
縁がなかったような気がして、知り合いの医師のところへ夕方にでも行こうかなと思って調べると、ちょうど休診日。
2度も出鼻を挫かれた形で、「これは病院に行くなという暗示かも」と思いながら、早めの昼食時にネットで検索していると、わりと近くに専門医が開業しているのを知った。
何かの病院検索サイトで、全国で専門医が数件しか上がってこないのに、その1つが居住している市内にあったのである(開業したばかりなので宣伝してるのかも)。
そこに行こうかなあとも思ったが、私の行動範囲から微妙に外れた場所にある。画面を見ながら食後に「うーん」と悩んでいるうち、院長の名前が目にとまった。昔の教え子と同姓同名なのだ。すぐに筆跡と笑顔が思い浮かぶ。人柄のよい大らかそうな生徒だった。
あるいは・・・と思って見ていくと、ウェブサイトに載っている写真が、記憶の中の顔とまったく同じ。疑う余地はない。彼である。
しかし、四半世紀を経て、これほど変わらないのも珍しいのではないか。
矢も楯もたまらなくなり、受付締切前ぎりぎりに駆け込む。本人を目の前にしても、年は取っているものの、顔も体型も昔のままだ。
健康診断の経年変化を見て、やはり薬は飲んだ方がいいでしょうという。
「まさか恨んだりしてないよね。医者に恨まれると怖いから」と冗談を言ったのだが、少なくともこちらにはまったく心当たりはない。だからこそここに来たのだ。
今はほとんど軽快している(はずの)昔の持病の専門医でもあるし、問題がなければこのままかかりつけ医になってもらおうかと思っている。
病院に2つも振られ、全国規模の検索で引っかかってきたのが「教え子」のクリニック・・・
神やら仏やらを信じない私だが、たぶんこの偶然で寿命が10年ぐらい伸びたのではないかと思う。
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昔、いわゆる進学校で教師をしていた関係で、教え子は各界で活躍している。
一流といわれるような企業のサラリーマンや公務員はたくさんいるし、裁判官や大学教員、一級建築士などもいる。特に医師・歯科医師は多い。
とはいっても、今でもつながりのある人は多くない。現実に会うことはほとんどないし(裁判官とは先日会った)、年賀状だって20年以上も経てばどんどん減ってくる。
そんな中、驚くような再会であった。
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