★はるかな尾瀬 ──遠き道のり
高層湿原といえば、日本で一番有名なのはやはり尾瀬。おそらくだれにも異論はないだろう。
それがなぜかといえば、何といっても「夏の思い出」というあの歌。関西に住んでいる者としては、それが唯一の理由ではないかとすら思う。
もう一つ理由があるとすれば、(たぶん)日本で一番面積が広いことだろうか(後記:「本州一」だそうです)。
でもやはり「夏の思い出」。あれがなければそもそも尾瀬を知らない可能性すらある。
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「はるかな尾瀬 遠い空」というのだが、東京からならごく近く、日帰りも可能だ。
もっともそれは、あの歌が作詞作曲された時代ではなく、現代の高速道路を前提としての話ではあるが。
しかし、関西からは600km以上あり、とても日帰りというわけにはいかない。事実、ここ尾瀬のふもと?に来るまでに丸一日を費やしてしまった。考えようによっては、ソウルや北京やグアムなんかよりよほど遠いとも言える。
ただ、それよりも気になっていたのが、尾瀬の「つかみどころのなさ」である。
どこにあってどういう場所で、どうすれば行けるのか、ネット全盛のこの時代でも、何だかわかりにくく、イメージがわかない。
その最大の理由は、尾瀬ヶ原と尾瀬沼というふたつの大きなポイントがあり、さらに、登山をする人にとっては、燧ヶ岳や至仏山なども目的地となる上に、それぞれへのアクセスルートがいくつもあることである。
尾瀬の山小屋に泊まり、2〜3日かけて楽しむなどということもあるらしい。
そんなものをいちいち解説されてもわけがわからなくなるばかりである。
関西から尾瀬へ初めて行く、登山者ではないただの観光客が1日で楽しむには結局どうすればいいのか、それを知ることがなかなか難しいのに驚いた。
いつ行くのか→どこへ行きたい?→何をしたい?→体力はあるか→時間はあるか みたいなフローチャートを作って、あなたはこうしなさいというふうな案内が、私のような怠惰な旅行者には必須であると思うのだがそれが見つからない。
まあ、そんなことを考えながらつらつら情報を集め、宿を予約したりするうちに(鳩待峠の宿は、なんと男女別の相部屋だそうで、予約後にそれを知ってキャンセルした)、愚かな私にもおぼろげながら尾瀬のイメージができてきた。
「関西から尾瀬へ初めて行く、登山者ではないただの観光客は」、尾瀬の近辺に前泊し、(自家用車の通行規制があるときは乗り合いバスなどで)なるべく朝早く鳩待峠まで行って尾瀬ヶ原へ降り、山ノ鼻→牛首分岐→ヨッピ吊橋→竜宮十字路→牛首分岐→山ノ鼻とぐるっと一周してから鳩待峠へ戻る。
おそらくそれしかない。
尾瀬沼やら他のところは(あれば)また次回、山に登ったりするのは体を鍛えてからということになろう。
「富士見下」へは通行規制がなく、駐車場も無料だとか書いてあるのだが、そこから尾瀬ヶ原へ行くだけで4時間(往復8時間!)もかかるのだから、もはや高層湿原どころではない。
そのようなアクセス情報は、ないほうがましなくらいである。
長くなった。
標題の「──遠き道のり」は、ここまでの距離や時間ではなく、尾瀬の全体像がつかみにくかったということのほうが大きい。
まだ現地を踏んでもいないのに、登山地図やら写真やらでイメージができてしまうと、もはや行かなくても予想がついてしまい、どうでもいいような気になってくる。
でもまあ、そうはいっても、はるばるここまで来たのだ。
「高層湿原好きなのに尾瀬にすら行ったことがない」という汚名を雪ぐ?ためにも(笑)、明日は尾瀬ヶ原を楽しんでこようと思う。
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