◆ベルガモ礼讃
一昨年に訪れたスロベニアのようなできごとがあったわけではないけれど、ベルガモも礼讃に値する街だと思う。
まず、新市街と旧市街が丘と城壁で截然と区別され、中世がそのまま残されたような丘の上の旧市街が別世界になっているのがいい。そこへ行くのに、バスが城壁を取り巻きながら門をくぐって行ったり、あるいはケーブルカーで城壁を這い上っていったりするのも、いかにもな儀式めいて楽しい。下りるときは一度歩いてみようかなとも思ったが、まだ果たせていない。明日余裕があったら試してみよう。
旧市街の城壁の上に出るとロンバルディア州のパノラマが見渡せ、別のケーブルカーに乗ってさらに高い丘に上がると遠くミラノまでが見通せた(が、城壁からでも見えるはずだ)。
建物も木々も、光までもが美しく、小鳥が囀り、ハヤブサがホバリングを披露してくれた。
旧市街が素晴らしいので新市街を見て回ろうという気はおきないが、そこですら、歴史を誇る日本の街以上の古さを感じさせるたたずまいだ。
ヨーロッパには趣のある古い街が多いが、ベルガモはその中でも10指に入りそうな街である。まあ、「10指に入りそうな街」が、たぶん100以上はあるだろうというのがヨーロッパなんだけれど。
何でも、来年あたり世界遺産になるようで、その後の大騒ぎ(になるんだろうか)の前、しかもシーズンオフに来られてよかったと思う。
「それほど有名な街でもないし、あまりぱっとしたところだとも思えない」なんて書いてすみませんでした。自分が知らなかっただけで(そういえば日本人にはまったく会わなかった)、我が身の不明を恥じております。
体感治安もすこぶるいい。ミラノなんかと違って、何か悪いことが起こりそうな気がまったくしない。イタリアにあっては、これは貴重なことである。
人々は陽気で感じもよく、ミラノ空港の苦虫をかみつぶしたようなインフォメーションのおじさんが同じイタリア人とは思えないほどだ。
イタリアの街と言えば、やっぱり、ローマ・ベネツィア・フィレンツェ・ミラノ・ナポリ・ボローニャ・ピサ・・・みたいになるが、こういうこぢんまりした、それでいて特徴的な街も魅力的だと思う。行ったことはないけれど、アッシジとかってこんな感じじゃないんだろうか。
___
ミラノに行く機会があれば、ぜひベルガモまで足を伸ばすことをお勧めします。中央駅から電車で50分、駅から旧市街までは歩けるくらいの距離で、10分おきに出るバスに乗れば€1.25、20分ほどで旧市街です。途中で下車してケーブルカー(フニコラーレ)に乗っても、バスの切符がそのまま使え、再度切符を買う必要はありません。最初の乗り物に乗るときに、切符を機械に差し込んで自分で日時を刻印するのをお忘れなく(これはイタリア中で共通の習慣のようです)。
| 固定リンク | 0
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- ★訃報は突然に・・・(2023.04.07)
- ★半分老後(2023.04.01)
- ◆狂犬病か恐水病か(2023.02.27)
- ■寒中お見舞い申し上げます(2023.01.27)
- ★モンゴイカはモンゴウイカ(紋甲烏賊)だと思っていた(2022.12.17)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- ★半分老後(2023.04.01)
- ■寒中お見舞い申し上げます(2023.01.27)
- ★モンゴイカはモンゴウイカ(紋甲烏賊)だと思っていた(2022.12.17)
- ★追悼:柳生博(2022.04.22)
- ●春を求めて(2022.03.27)
コメント