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2014.12.07

★弘法以外は筆を選ぶ

 1万5千キロほど走ったバイクのタイヤを交換した。

 ディーラーで「前はそろそろですねぇ」とか言われながら、けっこうたっぷり溝が残っているように見えるので、「替えてもいいけどまだもったいないかなあ」とか思っていたのだが、よく見ると、前輪はスリップサインまでごくわずかだった。
 車と違い、真ん中だけどんどん減っていくのを忘れていた。サイドはそれほど減っていないので、ぱっと見たところではまだしっかり溝があるように見えるのだ。

 後輪は「これでもか」というくらい溝は残っているし、スリップサインまでまだ半分くらいという感じだったのだが、前後輪同時に交換した。

 新しいタイヤは、ミシュランのパイロットロード4(Michelin Pilot Road 4)。このバイクを購入したときから気になっていた銘柄(当時は3だった)で、他の選択肢はほとんど考えなかった。

 しかしそれでも、これほど素晴らしいとは予想していなかった。

 極低速から高速まで、直進性が高い。それでいて、曲がりたい方向に軽くすっと曲がりはじめる。コーナリング中の安定感も高く、曲率一定のレールの上をトレースするように気持ちよく進んでいく。

 タイヤ屋さんが「違うバイクみたいになりますよ」と言って送り出してくれたときは、「それはちょっと大袈裟なんじゃないか」と半信半疑だったのだが、「みたい」どころか、ほんとにもう、まったく違うバイクである。

 これまでの低速での不安定感、コーナリングでの不安感はすっかりなくなってしまい、2レベルくらい上手になった感じですいすい進んでいく。
 苦手だったタイトコーナーも、くるんと回っておしまい。「アウトに膨らみそうだなあ」と思っても、それを意識するだけで、そうならずに綺麗にクリアできてしまう。

 タイヤを替えるだけでこんなことになるとは・・・

 「弘法以外は筆を選ぶ」というタイトルにしたが、弘法大師だって、もしかしたら筆は選ばなくてもタイヤは選ぶかもしれない。
 それくらい違う。

 クルマの場合、せっかく新しくていいタイヤに替えても、ほんのわずかな違いしか感じられない。家人などは、まったくわからないといってはばからないほどである。
 しかし、いくらなんでも、これだけ違えば誰でもわかる。家人に実感させてあげられないのが残念だ。

 それにしても・・・

 こんなことなら、もっと早く替えておくんだった。安全性だって数倍にはなっただろうと思う。

 ・・・だが、あまりにも気持ちよくスムーズに走るので、知らず知らずワインディングのペースが上がってしまっているのに気づく。この寒さの中、路面が濡れていたりもするのに。
 実際にはウデはまったく上達しておらず、新品のタイヤ性能に乗せられているだけなのだ。

 昨今、クルマの性能がすっかり上がってしまい、何の不安もなくスピードが出て楽にカーブを曲がっていけるのと似ている。
 そういうふうに走っていて何かあったとき、クルマはそれでも廃車程度ですむかもしれないが、バイクの場合は命にかかわる。

 とにかく調子に乗らないよう、コーナーを1つクリアするたびに自戒している。

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コメント

そうか。
バイク時代、僕が峠道で自信なかったのはタイヤのせいだったんだ。
腕じゃない。
(足?)

投稿: ピーちゃんの身元引受人 | 2014.12.09 10:10

 バイクに乗ってらしたんですね。
 私は昔にも、自分が下手だと思い込んでいたら(いやまあ、実際、上手くはないのですが)、乗ってるバイクが曲がらないバイクだったということがありました。ヤマハの400でしたが、何せ前が19インチ。知り合いの16インチの250に乗せてもらったら、あまりに軽くくるくる曲がるのでびっくりしました。
 今乗っているのは17インチです。不思議なことに、購入したタイヤ自体、17インチしか設定がありません。今はほとんどのバイクが17インチなんでしょうか・・・

投稿: Wind Calm | 2014.12.11 22:34

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