■帰ってきた「人馬一体」
バイクを整備してもらっている待ち時間、隣がマツダのディーラーだったのでちょっと覗いてみた。
先日発売されたばかりの新しいロードスターが見られればラッキーくらいの感覚だった。
見回したところ一台もなさそうだったのでちょっとがっかりしていたのだが、おそるおそる聞いてみると、「今、試乗に出ています」とのことで、こちらが何も言わなくても、「試乗をご希望でしょうか」と先方から聞いてくれた。
「あ、いえ、現物が見られればくらいの感じでお邪魔したんですけど、試乗させていただけるのであれば、ぜひ」
「それはもう、どうぞどうぞ」
という感じで、試乗させてもらった。
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とりあえず、オープンになっていた幌の屋根を閉めてもらう。ホンダのS660もダイハツのコペン(2世代目)も、クローズにすると頭が天井に当たってしまい、その瞬間に問題外となったからである。
幸い、ロードスターはさすがにそんなことはなく、ちょっとほっとした。
「じゃあまあせっかくですから」という営業マンの勧めで、再びオープンにして走り始める。
歩道前で一旦停止してから車の途切れるのを待ち、ゆるりと幹線道路へ出て行くところでは、特に何も感じなかった。
最初の直線では、最大で15kgmほどしかないトルクをやや非力に感じたが、車体が軽いせいもあって、少しエンジンを回せばそれほどパワー不足という感じはない。このエンジンと車重ならマニュアルが楽しいだろうなあと思った。
「次の信号の交差点を右に曲がってください」ということで、何でもないような交差点をごくふつうのスピードで右折する。
途端に、「うおぉぉぉ」と唸ってしまうような挙動を腰が感じた。
明らかに、自分の腰を軸にして車が旋回していくのである。
どういうふうに作ればそうなるのか知らないが、これまでにこの感覚を与えてくれた車は先代のロードスターだけだ(それ以前のロードスターには乗ったことがない)。
S2000もMR-SもCopenもS660もAudi TTも、そして、ポルシェのボクスターでさえ、この感覚とは無縁だった。
マツダのいう、「人馬一体」だ。あの乗り味が帰ってきたのである。
気に入らないと思っていた「薄目」のヘッドライトデザインも、実物はそう悪くはなく、もう少し早く発売されていれば、今の車ではなくこちらを買っていた可能性もある。
決められた試乗コースなので、結局、カーブといえばほとんど交差点しかなかったのだが、それでも、この唯一無二とも言えるような操縦感覚の素晴らしさは十分にわかった。
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バイクの整備も終わり、エンジンの回転やシフトフィールがはっきりわかるくらいスムーズになった。
気をよくして、昼食後、ちょっと走りに出た。
バイクだから、それこそ人馬一体のはずだ。以前書いた、調和旋回をするかのように次々とコーナーを曲がっていく。
だが・・・
腰に来ないのである。
今までほとんど考えたことがなかったが、このバイクは乗り手の腰の位置よりも少し前を軸にして旋回していくようだ。
ロードスターの人馬一体には、バイクすら追いつけないということか。
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