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2015.08.29

★早朝、霧に包まれた山中の道の駅のトイレの中で

 先日、屈斜路湖からさらに山道を登りつめた、美幌峠というところにある道の駅で車中泊をした。

 「ぐるっとパノラマ」という謳い文句に魅かれて選んだのだが、翌朝は濃霧に包まれ、パノラマどころか駐車場の端すら見えるかどうかというくらいになった。

 道の駅で車中泊をする人は多いのだが、さすがにこれくらいの山中になると、ほんの数台しかいない。
 朝の6時前に起きて、前夜ふもとで買っておいたコンビニのおにぎりで朝食をすませ、洗面所で歯を磨こうとしていると、おじいさんに話しかけられた。

 歯ブラシに歯磨き粉をつけた時点から先に進めず、そのままお話を伺うことになる。

 話は「わしはいくつに見える?」から始まる。
 返事に困っていたのだが、合間合間に答をせっつくので、失礼のないように「70くらいでしょうか」と返事をすると、「みんなそう言う。だがわしは大正9年の生まれじゃ」という。
 「大正???9年ですか。だとすると90・・・」
 「そうじゃ、とうに90は超えとる」

 確かに、誕生日が来ていれば95歳ということになる。そういえば父親(85だ)と比べると・・・と思うものの、せいぜい80くらいまでにしか見えなかった。

 車を運転して北見から厚岸まで行くという。今地図を見ると、ルートは正しいようだが、いったい北見を何時に出たのだろう?
 「この年になるともう厚岸まで行くのも命がけじゃ」というのだが、他の命を巻き添えにすることだけはやめていただきたいと思った。

 さあ、そこからの話が長い長い。

 北海道の山中の峠の、道の駅のトイレの中ですよ。しかも濃霧の早朝。私は歯ブラシを手に持ったまま、ひたすらこれ、拝聴するしか術がない。

 ここには詳しく書けないが、樺太に住んでいたこと・シベリア抑留体験・特攻の悲惨さ・東條英機と同じ申年(調べると確かに大正9年も東條の生年も申年だった)・大東亜戦争の愚かさ・アメリカの凄さ・自衛隊設立の思惑・戦争と平和・・・
 そういったことについて、ときに身を乗り出し、息のかかる距離に迫りながら熱心に話す。臭くないはずがない。

 「軍隊の上層部というのは、そりゃあ頭はよかったのかもしれんが、心がない。心が」

 時折こちらに質問を投げるのだが、悲しいことに相手は耳が遠い。かなり耳の近くではっきり話さないと聞き取れないようだ。
 言っていることはそれなりに筋も通っていてもっともだと思えるし、「あんたはどう思う? 日本はまた、次の戦争をやるべきなのか、それとも今の平和を守るのか」と問われれば、「もちろん戦争なんかせず、平和を大切にしなければいけません」としか答えようがない。
 幸い、同意見で助かった。

 山中の道の駅のトイレの中、片手に歯ブラシを持ったまま熱弁を聞くこのシュールな状況を少しは楽しみつつ、ほんの少し身の危険を感じながら、「いったいいつ終わるのだろう、何とかこちらから終わらせることはできるだろうか」とずっと考えていた・・・
 ___

 ものすごく長いと思ったが、実際はどのくらいだろう、15分くらいだろうか。

 「いや、ありがとう。今日はほんとによかった」的な台詞が出てきた。会話終了マーカーである。
 「いえ、こちらこそ、ありがとうございました。勉強になりました」的に、何とか終わらせようとするのだが、それでもまだややあって、やっと終わりそうになった。

 「あんたみたいにわしの話をちゃんと聞いてくれる人はおらん」(いや、私だって正直、聞きたくはありませんよ)「みんなすぐ聞かんようになる」

 うーん、そりゃそうだろうとは思うのだが、みんな一体、どうやって逃げるんだろう? さっさと無視して去るんだろうか。それとも、何か言って終わらせるのだろうか。
 方法を考えていたのだが、私の頭ではなかなか思いつかなかった。「しゃべるだけしゃべってもらって、こちらはおとなしく聞いている」という処方箋しか浮かばない。

 話したいだけ話すと、おじいさんは敬礼まではしなかったが、軍隊式のお辞儀をして去って行った。釣られてこちらも似たような格好をする。

 歯を磨いた後で駐車場に出ると、紺色のクラウンをひとりで運転してきているようだった。
 話の筋は通っているのだが、振る舞いは異常だ。そんな95歳が運転免許更新の講習予備検査をパスしたのだろうか(と思ったが、今調べると、どれほど認知症が進んでいても免許は更新できるんですね・・・ その後違反をしてから初めて問題になるようです)。
 ___

 そういえば、昔、ある外国人男性が love(神の愛や人類愛みたいな意味です)について語るのを、仕方なく長い間聞いていたところ、あとで別のインド人男性に You are too polite.(あなたは礼儀正しすぎる)と言われたことがある。

 いや、礼儀正しいんじゃなくて気が小さいだけなんだと思う。

 あんなときって、どうすればいいんだろう?

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★キタキツネとエゾシカの争い

 いえ、二者はたぶん争わないと思います。そうでもないかな?
 ___

 ずっと道北道東を走ってきて、ここ富良野に着くと、その文明開化にびっくりした。富良野ってこんなに街だったっけ・・・ 3回目なのだが、前は街中を通らなかったのかな?

 ずっと、牧草地か原野かカルデラ湖、それでなければ「トウキビ」畑、みたいなところを走り、稚内ですら朝食に苦労したことを思うと、富良野はほとんど都会に近い(見た目は稚内の方が都会だが)。
 もっとも、「ラベンダー」と『北の国から』、さらには隣の美瑛町の「パッチワーク畑」「〜の丘」「〜の木」による観光地化がさらに進んだということなのかもしれない。

Img_2180_800 北海道に来てから初めて水田を見たのにも感動した。以前来たときは気づかなかったのだが、たまたま通らなかったのだろうか。北海道のこと、水田のあるところはもう一面、丘の麓まで稲穂がたなびいているんだけど。

 さて標題。

 ここまで来ると、もうエゾシカには(たぶん)出会わない。キタキツネにも出会わないかあと思っていたが、今日2匹見てしまった。

 北海道に来てから目撃した数はどちらが多かったか。

 当初はキタキツネが先行した。2桁に近づくまで、エゾシカは見なかったと思う。
 ところが、シカの方は、一度いると「親子三頭」みたいなことが多くて、ぐんぐん追い上げる。特に知床に入ってからはその数を増し、一時は20頭くらいでキツネと並びかけた。

 不思議なことに、以前の旅行で野生のキツネを見たのはせいぜい2〜3度で、比べるまでもなくシカの圧勝だったのだが、今回はいつまでもキツネの出現が続き、結局、一度もシカに負けることなく、30対20台前半くらいで、キツネが勝った。
 これからはさらに都会に向かうので、この差が逆転することはないだろう。

 そういえば、カラスもやたらに多かった。
 「以前はこんなにいなかったはずだ。いや、忘れただけかなあ」などと思っていたのだが、阿寒湖畔のアイヌコタンにいたおばあさんによると、やはり近年増えて困っているという。
 私の見た感じでは、阿寒湖周辺だけではなく、道北・道東全体に、これでもかというくらいのハシボソガラスがいた。

 屈斜路湖から弟子屈に降りてくる道路上では、前夜にはそこになかった、車に轢かれたとおぼしきキツネをカラスがついばんでいて、なんとなく象徴的なものを感じてしまった。

 カラスとキツネ(と車・・・)が増えるというのは、環境に対するあまりよくない影響を思わせる。

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2015.08.28

★営為の跡

 1939年には「完成」していたにもかかわらず、その後一度も列車を迎えることのないまま、道路を通すために破壊された鉄道橋。(第一幾品川橋梁(越川橋梁))。

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2015.08.27

★知床五湖のタマゴタケ






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2015.08.26

★夜の知床峠

 結局行ってきました、夜の知床峠。

 結論からいうと、無駄に往復しただけに終わりました。
 出会ったのは、シカとキツネそれぞれ一頭のみ。後者は轢いてもおかしくないタイミングでした。

 曇りがちだったのですが、月齢11.5の月を厚い雲が覆い隠し、一方では星空が広がったりするかもしれないという淡い期待はもちろん裏切られました。
 雲に隠れた月明かりでも、それ以外に光源はないのに十分周囲が見えてしまうくらい明るく、雲の切れ間の星も、双眼鏡で十数個といった感じでした。

 もう30年近く前、厚い雲の間から、奇跡のトンネルを覗いたかのように、その向こうに星がぎっしりと輝いていたのを思い出します。信州は穂高の麓のことでした。

 そんな僥倖が再現するわけもなく、人っ子ひとりいない知床峠を後にしました。

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★行き当たりばったり

 家族で行く海外旅行ですら行き当たりばったりなんだから、ひとりで行く国内旅行など、推して知るべしである。

 それにしても・・・

 ちょこちょこと道草は食ったものの、今日はほとんど移動日になり、夕刻、知床半島に着いた。
 9年前とはいえ、まだ記憶に新しいオシンコシンの滝を訪れ、さてどうしたものかと iPhone で調べると、知床五湖はまだ散策できそうであった。

 ところが、予想外に距離があり、18:30だという終了時刻を考えると慌ただしくなりそうになってきた。そんな折りも折り、電光掲示板に「カムイワッカ湯の滝まで通行可能」の文字が・・・
 たしか、前回は行けなかった滝である。最後の10kmほどがダートだということは地図でちらっと見ていたが、高原の湯や銀泉台の経験もあるし、もはや気にならなかった。

 制限速度は30km/hだったが、↑と変わらないフラットダートである。気は焦るものの、キタキツネやらエゾシカやらがわらわらと跋扈しているので、注意しながら進んでいく。
 何とか日没前ごろに到着し、説明を読んで感動した。

 なんと、滝自体(というか川自体)が温泉なのである。下の滝はわりと急だが、上の長い滝はなだらかで、登ることすらできそうだ。

 手をつけてみると、ややぬるいものの、間違いなく温泉である。

 温泉といい、優美な姿といい、かなり感動して帰途についた。
 私が最後に滝を後にすることになったので、ヒグマが出たという話を聞いた後だけに、ちょっとだけ周囲を警戒していた。
 ___

 宿にチェックインして風呂に入り、適当な食堂がなくて結局コンビニの夕食を済ませてから再度地図を見ると・・・

 「上流の滝壺が湯船になっている秘湯」

と書いてある。えっ!? 何だって???

 急いで画像検索してみると、滝壺で楽しく湯浴みする男女の写真ばかり・・・

 なんと!、↑の写真の滝(というか川)の中を歩いて登っていくと、10分ほどで最初の滝壺に到着し、そこが湯船になっているという(そこからさらに上にもいくつか湯船があるのだが、現在は通行禁止になっているようだ)。

 いやいや・・・

 「登れそう」だとは思ったものの、まさか世界自然遺産の滝の中を歩いて登っていってもいいものだとは思わなかった。
 まして、滝壺が格好の湯船になっていて、そこで入浴できるとは・・・

 滝の中を10分も歩くことができ、たどり着いた先には温泉のご褒美!

 明日もう一度行ってみようかなあ・・・ 微妙だよなあ・・・ 何でも初めてが好きな性格だし、滝の中を歩く用意も水着もない。
 それに、あのダートをまた往復20km・・・

 今度来るときの宿題(これ、わりと好きです)にしておこうか(しかし、こんなところまでまた来るのか?)。

 それにしても、行き当たりばったりもほどほどにしないと、こんな残念な思いをすることになる。

 ただ、昨日までは自家用車通行禁止だったそうで、先に知床に来なくてラッキーだったと言えるかもしれない。
 あ、それだって、事前に調べておけばわかることだ。
 ___

 もうすぐ10時だなあ・・・ 知床峠に星を見に行くべきかなあ・・・ どうしようかなあ・・・

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★悩んだ末の・・・

今日の夕食。

世界自然遺産 知床ウトロにて。

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2015.08.25

★道の駅にまでキタキツネ

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★目的地に到達

 とはいっても、見るべきものも特になく。
 ここまでのラフなルートは考えたが、ここからはまったくなんの予定もない・・・

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★駅舎は立派

 稚内。
 駅に行けば通勤客用のモーニングでも食べられるかと思ったのだが、この地に電車通勤などというものは存在しないのであった・・・


 駅舎や広場は立派なんだけれど。

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2015.08.24

★iPhone 6 Plus リコール・・・

 「iPhone 6 Plus で、iSight カメラのコンポーネントの一部が故障し、撮影した写真がぼやけて見える場合があることが判明し」たそうです(apple.com)。

 私のも、ばっちりリコール対象でした。

 こんなことを旅先で知る時代・・・

 iPhone で撮った写真をこのブログに載せることはほとんどなかったのですが、ここ北海道に来てからは、逆に iPhone で撮ったのしか載せておりません。

 iPhone から投稿すると、本来の写真を勝手にぶった切られるか、とても小さな写真しか載せられないかの二者択一で、まあ、いずれにしてもいつもどおり大した写真ではないのですが、

 写真がボケていたりした場合は・・・iPhone のせいだということにしておいてください。

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★駅前でお昼でも・・・

 ナビを見ていたら駅が表示されたので、駅前でお昼でも食べようかと寄ってみると・・・

 つぎの列車(行き先問わず)は2時間半後。

 駅前広場はあります。

 この駅まで綺麗な広い道路がつながっているのが北海道品質。

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2015.08.23

★不思議な道路

 北海道へ来て驚くことの一つに道路事情がある。

 いや、「まっすぐな道が地平線まで・・・」という話ではない。
 まあ、それもそうなのだが、とにかく道路が広くて立派で綺麗で交通量が少ないということだ。

 たとえば、今日、士別から苫前まで走った国道239号なんかは、キタキツネの通行量の方が車より多いんじゃないか(いや、真面目な話)というくらいの道路だったが、地図に「高速ロングワインディングロード」と書いてあるくらいの立派な道だった。
 一箇所だけ、路面がうねっていてちょっとだけヒヤリとさせられたが、整備状況だって立派なものである。

 同じ地図に、「交通量ほとんど無し 民家GS無」とも書いてあるのだが、民家すらないのにガソリンスタンドがあるわけがない。

 そもそも、こんな道路が必要なんだろうか。

 ・・・というような立派な道路が道内を縦横に走っているのだ。無料!の高速道路さえあちこちに存在する。
 さすが、北海道「開発」庁が存在しただけのことはある。大阪開発庁もぜひ作ってほしい。(アイヌへの仕打ちと環境の破壊はここでは措く。)
 ___

 ところが、今日行った2つのメジャーな?観光地、大雪高原(高層湿原めぐりの起点)や銀泉台(赤岳登山口でもある)へ通じる道は、なんと未舗装なのだ。

 国道273号線を走っていると、「高原温泉」や「銀泉台」と大書した、国土交通省の青いオフィシャルな道案内が高々と掲げられている。
 ところが、そちらへ曲がると、いきなりの未舗装で、ずっとそれが続くのだ(銀泉台への北海道道1162号はごく一部だけ舗装されていた)。

 観光パンフレットにも、「自家用車で」とか「タクシーで」とか「バスを運行」とか書いてあって、未舗装路であることに触れていない。

 私はオフロードバイクなんかに乗ったりしていたこともあって、未舗装路への感覚がふつうの人とは違うと思うのだが、そういう経験のない人がこんな道を10kmも15kmも車で進んでいけるのだろうか。
 いや、それ以前に、入口の時点で進入をためらうのがふつうの感覚だと思う。もしかすると、道民だと感覚が違うのかな?
 観光地へ向かうはずのバスが未舗装路なんかを走り始めたら、バスジャックでもされたのではないかと不安になってしまう。

 道自体はけっこう広くてフラットなダートで、舗装するのは簡単そうに見える。他の素晴らしすぎる道を整備する予算をほんの少しだけ回せばすぐにでも舗装できると思うのだが、なぜ未舗装のままなのだろう。

 結局、今日は未舗装路だけで50kmも走らされる羽目になった。
 ___

 もう一点、↓に書いたが、大雪高原へ登る未舗装路の制限速度は、場所によって 30, 40, 60!であった。そして、私の勘違いでなければ、銀泉台へ登る道道1162号線は、全線15kmにわたって 60km/h なのだった!!

 さすが北海道、懐が深い。

 「なんでこんな立派な道が40なの?」というところもあるにはあるが。

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★石頭に見せてやりたい

 中央分離帯のある片側二車線の道路を40km/hに規制していた石頭たちを連れてきてやりたい。

  今日は、未舗装路なのに法定の60km/h制限の道もあった。実際、速いときは50くらいで走った。正しい「制限速度」のありかただと思う。

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2015.08.22

★二風谷アイヌ文化博物館



含蓄のある地図





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★ウトナイ湖の野鳥サンクチュアリ

 素晴らしい環境なのだが、惜しむらくは新千歳空港のファイナル(着陸最終進入経路)直下に位置すること。ひっきりなしに轟音が響く。

 まあ、仕方ないかなあ・・・


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2015.08.21

★ニッカウヰスキー余市蒸溜所





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★何でも商売になる




(後記)調べてみると、この温泉の前身である銭湯を毛利衛さんの祖父が経営していたそうで、屋上のスペースシャトルも「宇宙の湯」という命名も毛利さんご自身のアイディアのようです。
 が、それにしても・・・と感じてしまいます。

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2015.08.20

★時代の空気

 新日本海フェリーはなかなか素晴らしく、不満はほとんどない。一番安いチケットを買ったのだが、そのベッドさえ十分快適で、今夜(から?)の車中泊と比べれば天国である。

 ただし、運航時刻の設定には疑問がある。
 京都の舞鶴を真夜中の0時30分に出て、北海道の小樽には夜の8時45分に着く。夜中の1時までは放送で寝かせてくれないし、小樽に着いたらすぐどこかに泊まるしかない。

 小樽に朝着くとか昼着くとか、何とでも組めそうなものなのだが、どうしてこういう設定になってるんだろう。せめて、舞鶴発を22時とかにすれば健全に寝ることもできるし、小樽着だって夕方6時過ぎになる。そうすれば現地でおいしいお寿司を食べることもできるだろう。
 あっ、船内で夕食を食べさせるのが目的なのかな・・・

 それはともかく、小樽に着くと、すぐ寝る場所を探さねばならない。寝るためだけにホテルを取るのももったいないので、どこか道の駅で車中泊をしようと考えると、一番近いのは余市町の「スペース・アップルよいち」であった。
 なぜ余市が「スペース」なのかわからなかったが、宇宙飛行士の毛利衛さんの生まれ故郷らしい。「余市宇宙記念館」なんかもあるようだ。

 ・・・と思って地図を見ていると、道の駅のすぐ隣がニッカウヰスキーの余市蒸溜所である。

 北海道に行くと決めたのも偶然だし、そもそも余市に行く予定などなかった。だいたい、その場所すら知らず、なんとなく釧路や帯広のあたりだと思っていた。
 でも、成り行きとはいえこうなった以上、やっぱり蒸溜所は見学するだろう。
 ___

 今年の3月下旬、家人が広島県の鞆の浦へ行きたいというので2人で行った。その際、近くの竹原に古い街並みが残っているというので訪ねると、そこはニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の故郷で、生家だという酒蔵があったりした。
 折りからの「マッサン」ブームで対応できなくなったため、酒蔵の見学は中断しているというような盛況である。「マッサン」を一度も見たことがないわれわれも興味をそそられ、彼や、その妻リタの生涯をたどる資料なんかをそれなりに熱心に見た。

 5か月後に今度は余市である。
 もともと酒はまったく飲めないし、ウイスキーにもほとんど興味はない。今だに「マッサン」は一話も見たことがない。ただ、プロモーションなどで部分的には目にしたことがあるので、リタ役の女優さんが綺麗なのが気になる程度だ。
 それでも、余市蒸溜所の横で車中泊するのなら、北海道観光のスタートは当然そこにならざるを得ない。

 ニッカウヰスキーとその創業者夫妻がこれほど脚光を浴びた年に、何の興味もなかった者が遠く離れたゆかりの地を2つとも訪れる。
 偶然とはいえそういうことが起こるのが、時代の空気に影響されたということなんだろうと思う。

 導かれた・・・といえば聞こえはいいが、実際は、流されているというところだ。
 そう考えると、「主体的」なはずの自身の行動の多くが、実は他から規定されていることに改めて気づかされる。
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 下船が始まった。

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★間もなく小樽入港



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★ロシアに沈む夕陽



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★船旅













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★謎の陸地

 陸地なんてぜんぜん見えない大海原を航海してきて、iPhone に電波も入らない状態が続いていた。



 何となく潮風に当たりたくなって後部デッキに出ると、なんと右手に陸が見えた。まだまだ陸地なんて見えないはずなのに、あれはどこなんだろう? 青森だろうか、北海道だろうか・・・と思いながら何枚か写真を撮るうち、そうだ、GPSが入ればどこかわかるだろうと、普段は切っている iPhone のカメラのGPSをオンにした。

 なんと、4Gの電波も入る。ということは・・・と思って Google Map を立ち上げると、船は奥尻島の西を北へ進んでいた。島だとは思っていなかったので、びっくりするとともに嬉しかった。

 奥尻島を見たのは初めてかもしれない。この前来たときは知らないうちに通り過ぎたのかな・・・

 というわけで、奥尻島沖でこれを書いている。それにしても、奥尻島でも4Gの電波が入るとは。偉いぞ、au。

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2015.08.19

★実験を兼ねて

船、でかい・・・


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★この後はたぶん写真が多くなります

 2年前に尾瀬に行ったとき、ココログに「メール投稿」できるというのを知って、何度かやってみたことがある。が、結局、面倒くさくてそれほど更新しなかった。

 今回ちょっと調べてみると、ココログ用の iPhone アプリが出ていることを知った。文章を書くのは面倒だが、写真なら簡単にアップできるはずなので、随時上げていこうと思う。

 そういうのって、Twitter とかでやるべきことなんだろうけど、まあいいや。

 では、行って参ります!

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2015.08.18

★9年ぶりの北海道

 明日から遅めの夏休み。

 北海道に行こうかと思っていたのだが、べつにハワイにだってプーケットにだって行けるのではないかと思い始め、ちょっと調べてみた。
 すると、そもそも今ごろから今月下旬のチケットを買ったりツアーに申し込んだりするのは非常識であるようだし、安価なツアーを探すと、行ったと思ったら2日間だけ自由に過ごして帰って来るというようなあわただしいのしか見つからない。

 そこで「チケットとホテルだけを予約」というのをJTBでもHISでもやっていたので試してみると、50万とか60万とか表示されて、「アホですか?」という感じだったので諦めた。

 というわけで、やっぱり北海道に行くことになり、フェリーの予約を取った。直前でもずいぶん余裕があるようだ。晩秋から初夏まで、お客さんなんかいるんだろうか。

 考えてみれば、もともと、暑いところを避けたかったのが第一の理由だったのに、ハワイもプーケットもないものである。以前も書いたが、職場は今年も、どれほど冷房を強くしても日中の室温が32℃を下回らなかった。
 でも、こう朝夕涼しくなってくると、「あーっ、もう、こんなところから脱出して涼しいところに行きたいっ」というモーティベーションが下がってくる。

 北海道も3回目で、行っていないところでぱっとしたところはなさそうな気がするのもネックだ。
 ただ、3回目とはいっても、前回は9年前、前々回は27年前!である。それでもありありと覚えているのが不思議だ。

 あー、やっぱり、もう少し早くから計画して、ちらっと候補に挙がったアイスランドとかにするべきだったかなあ・・・
 だが、いくら何でも、一人でアイスランドに行くのはちょっと憚られる。

 北海道ならいいのかと問われると、ちょっと困るんだけど。

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2015.08.16

★バイク&ハイク(その4:三国岩など)

 過ぎてしまえば酷暑も一時。山に入るところはまた27℃に戻り、山上は25℃を切る。

 それはともかく、六甲なんて何度も何度も行っているのに、まだ行ったことがない場所であふれているのが不思議だ。
 いつもメイン通りを通過するだけ、そうでなくても道沿いに立ち寄る程度で、脇道があることにすらほとんど気づいていない。
 まあ、気づいて入ると悲惨な目に遭いそうな脇道が多いけれど。

 今回は、ダイヤモンドポイントと三国岩。
 前者は明らかに名前負けだが、絶景には違いない。
 後者は文字通り三つの旧国の境界が交わるところに位置しており、六甲の分水嶺でもあるという。すぐ近くに三角点もあるのだが、立入禁止で行けなかった。

 会社なんかの保養所が六甲に多いのは知っていたが(その昔、父の会社の保養所にも何度か泊まった)、個人の別荘もけっこうあるのはほとんど意識していなかった。
 湿気なんかが少ない分、軽井沢より過ごしやすそうである。もっとも、あの喧噪がない代償として、なんだかうら寂しさが漂う。

 いったい、こんなところでどんな人がひっそりと夏を過ごしているんだろう?

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2015.08.13

★クエン酸と重曹の威力

 いや、知ってたんですよ。ネット時代ですから。でもまさか、ほんとにこんなに綺麗になるとは思っていなかった・・・
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 市販の洗剤などではなかなか綺麗にならない、いわゆる「がんこな汚れ」に、重曹やクエン酸が活躍するという話は、何度か目や耳にしていた。

 だが、そんなもの(特にクエン酸とか)どこで売っているのかもわからないし、わざわざ探し回ったり聞いて回ったりするのも面倒に思って、何となく月日が経っていた。

 先日、バスマジックリンとカビキラーを動員して風呂場を大掃除したところ、見違えるように綺麗になったのだが、ほとんど唯一、浴槽の外側側面についた薄いオレンジ色に見える汚れだけはどうしても取れなかった。
 いや、爪で擦れば取れるのだが、それをやるには面積が広すぎるし、研磨剤なんかで無理矢理擦れば傷をつけてしまうだろうから、実質的には取れないということだ。

 この汚れこそ、「水アカ・湯アカ」(水道水中のミネラル成分)であろうと推測した。
 それを取るには、「クエン酸溶液を染みこませたキッチンペーパーを数時間貼り付けておき、しかる後に擦り洗いをするのがいい」というのも知っていた。

 が、半信半疑だった。やってみるまでは。

 今や、百円ショップにお掃除コーナーがあり、そこにクエン酸も重曹も売っていることを知ったので、買ってきて試してみた。

 ほんとに、あれほど取れなかった汚れがみごとに落ちる。

 ついでにというか、キッチンのシンクの汚れも取れ、「もともとはこんなだったのか!」というほど綺麗になった。
 ときどきは一生懸命掃除していたのだが、これまでは取れなかったのである。

 油汚れには重曹。マジックリンと同じくらい綺麗になって、変な臭いもしない。

 あと、酸素系漂白剤があれば、もう掃除に洗剤はいらないそうである(念のため、「掃除」限定です。食器洗いは中性洗剤です)。3つとも、百円ショップで手に入る・・・

 綺麗になるし、安いし、いやな臭いはしないし、安全だし(クエン酸と重曹は食品のようなものだし、酸素系の漂白剤はもちろん塩素を出さない)・・・
 (ただし、クエン酸と重曹はそれぞれ酸性・アルカリ性なので、取り扱いにはそれなりに注意し、掃除の後は水で洗い流したり水拭きしたりするのをお忘れなく。)

 みんなが「酸素系漂白剤・クエン酸・重曹」の3種の神器(←リンク先表示にやや時間がかかります)を知ってしまえば、花王やらP&Gやらの経営が傾くのではないかというくらいのインパクトがあった。

 ところで・・・

 クエン酸の「クエン」って「枸櫞」と書く柑橘類(=丸仏手柑=シトロン)のことだってご存じでしたか? クエン酸なんてことばを使わないで、「柑橘(かんきつ)酸」とか「シトロン酸」とでも呼べばわかりやすいのに。

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★秘密のラップ

 謎のラップのベールが剥がされた。

 いや、やはりベールは纏ったままかもしれない。謎が解けて秘密が残っただけである。

 クリーンハーツラップの販売元、西原商会のウェブサイトから問い合わせメールを送ると、折り返し留守電に2回電話をもらった。
 「またおかけします」とは言うのだが、商売にならないことでこれ以上煩わせるのも気が咎めるので、こちらから電話をかけた。

 結局のところ、クリーンハーツラップは、西原商会が企画して業務用に独占販売している商品であり、他では購入できないという。

 「お寿司屋さんで使いやすいというのを聞いたんですけど・・・」
 「それはありがとうございます。お蔭様で、ものすごく売れております」
 (も、ものすごく???)
 「でも西原商会さんがお作りになっているんではありませんよね」
 「ええ、うちは食材卸の専門商社ですから」
 「では、どこかのメーカーに委託して製造させているということですか」
 「はい、そうなります」
 「どちらのメーカーで作っているかは教えていただけないんでしょうね・・・」
 「ええ、申し訳ありませんが、それは企業秘密ですので」

 だれかの口から直接「企業秘密」なんて言葉を聞いたのは生まれて初めてである。

 「個人様へも、1本からでも代引きでお届け致します」

というのだが、まさかラップを買うために代引き手数料と送料を支払う気はしない。値段が数倍になってしまうだろう。10本くらい買えば、採算は合うかな?

 興味のある方はお試しいただいて、実際に使いやすいかどうか、コメント欄でお教えくだされば幸いです(笑)

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2015.08.09

★謎のラップ

 rap でも lap でもなく、wrap。

 夏休みはまだだが日帰りで実家へ。
 いつもの寿司屋で食べていると、母親がラップに目を留めた。「それ、よさそうですねぇ」

 そこから、寿司屋のご主人のラップ礼讃が始まった。とにかく使いやすい。貼り付く、伸びる、変な切れ方をしない。端がわからなくなってしまってめくれなくなり、必死になって剥がそうとする苦労もない。

 「こんなに使いやすいラップはないですよ。サランラップなんかとはえらい違いです」

 サランラップ以外はラップではないと思っている私としては聞き捨てならない。

 だが、次の日、家人からまた、くっついてしまったサランラップをめくってくれという依頼を受け、いや確かに、たまのこととはいえ、これがないんだったらそれだけでも嬉しいなあと思わされた。
 それ以外にも「使いやすいことこの上ない」と聞かされたばかり。

 「業務用なのでスーパーとかでは売ってないと思いますけど、この辺の寿司屋とかお店ではどこでも使ってると思いますよ」ということだった。

 その名も「クリーンハーツラップ」。

 このネット時代、業務用だとかいっても、そんなにみんなが使っているようなものなら、簡単に手に入るだろうと思った。

 ところが・・・

 手に入らないどころか、Google で検索してもただの1件もヒットしない。広く業務用で使われているという商品名なのに。

 信じられない。ありえない。

 というわけで、まもなく、このブログが世界で唯一「クリーンハーツラップ」がヒットするサイトになる。
 亀岡の「あたご屋」以来の快挙?だ。あたご屋と違って、ヒットしても何の役にも立たないけれど。

 あたご屋がその後いっぱいヒットするようになったように、クリーンハーツラップもそうなってほしい。

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