■迷惑なキャンパーたち
テントを張って寝るというのはたぶん30年ぶりくらいだと思うのだが、あんなに快適なものだとは思っていなかった。
テントがよくなっていること、いい場所を見つけたこと、一人で寝たことなんかが作用しているのかもしれない。
もっとも、昔のテント泊にも特に悪い思い出はない。
でも、だったらなぜ、長い間テントを利用しなかったんだろうとも思う。
今回の旅行で初めてテント泊をしたときには、予報に反してそれなりの雨になったけれど、雨音がする以外にはまったく不都合はなかった。
「問題は撤収するときだよなあ・・・」と思っていたのだが、翌朝小やみになったときにテントを片付けようとすると、高級カルナバロウのワックスを掛けたばかりのクルマのように雨を弾いており、フライシートはさっと振って折りたたむくらいですんだ。そのフライシートに守られたテント本体もほとんど濡れていない。
少しでも雨が降りそうな予報ならテントはやめようと思っていたのだが、設営と撤収の時にさえ降っていなければ、ほとんど問題がないことがわかったのは収穫だった。
___
問題は・・・ 周囲のキャンパーたちである。
1回目の時は、良識ある4人組(でもいびきがけっこうひどかった)と、非常識な数人(5人くらいか)の学生たちと一緒だった。
・広い湖畔に私を含めて3組しかいないのに、一番最後にやってきて私のテントからほんの2mほどのところでバーベキューを始める。
・バーベキューが始まるの自体も20時をかなり回ってからであった。
・とにかく大声でしゃべり、哄笑し、話の内容も下品だった。
・テントの中にいると、それがほとんど枕元で叫んでいるように聞こえた。
キャンプ場には、「21時以降は静かにしましょう」という趣旨の看板があったのだが、まあ23時くらいまではバーベキューをやっていても我慢しようと思っていた。
21時半ごろに雨が降り出し、バーベキューをやめてテントの方に行ってくれるかと期待したが、結局22時半ごろまで騒いでいた。
やっと片付け始めたので、私もテントから出てトイレに行き、戻るときにやさしく「おやすみなさい」と学生たちに挨拶をした。向こうも当然、「おやすみなさい」と挨拶を返す。
これで、それ以降は静かになってくれるものと期待した。
ところが、向こうではテントに入ってからも馬鹿騒ぎと哄笑が続く。数メートルは離れていると思うのだが、すぐ隣のように聞こえる。それでも24時前くらいまでは我慢していたけれど、とうとう、「もう少し静かにしてくれませんか」と頼む羽目になった。
「はあい、すみませーん」と言って一応静かにはなったのだが、相変わらずの会話が小声で続き、笑い声も響く。内容の半分以上は聞き取れる感じだ。中途半端に聞こえるものだからかえって気になる。
4時になったら明るくなって、鳥の声で目を覚まさせられるというのに、ほんとに困った連中だった。
2回目の時は、気のいいバイク乗りの青年が一人だけで、まっとうな人物に見えた。
なるべく迷惑をかけまい(&かけられまい)と、後から着いた私が離れたところに適当なサイトを探していると、奥へ行くと熊が出る可能性もあるし、こちらの方が地面も乾いていて平らだからと、隣に来るよう誘われ、結局お言葉に甘えて2mほど離れてテントを張った。
バイク乗り同士、それなりに会話もし、かといってたぶん、お互いに邪魔もせず、今度は雨も大丈夫そうだし、良かったなあと思いながら床に就いた。最初に書いたように、テント泊自体はすこぶる快適である。
だが、このキャンプ場に着いた瞬間によぎった一抹の不安は的中した。私が到着したとき、一人で先に来ていた青年は、かなりの音量でラジオの音楽を聴いていたのである。
私が来たことでボリュームを下げてくれたので、良識のある人だと思っていたし、実際、寝ようとするときまではそのラジオの音も気にならなかった。
問題は、おやすみなさいと挨拶をして私が寝る態勢に入って以降も先方は起きていて、結局24時を過ぎてもラジオを消さなかったことである。
それどころか、自分が寝る態勢に入っても、テントの中でラジオをかけたままにしている。
音量は下げているものの、先方がテントにラジオを持ち込むまでは、内容が100%把握できる程度に音声が聞こえた。テントの中に入ってからも、半分くらいの内容は理解できた。
そして、3時と4時の時報もはっきりと聞こえた。結局、一晩中鳴らし続けていたのだ(NHKの「ラジオ深夜便」だった)。
この青年は私と違って、テントを持ってあちこち旅行しているベテランだということだから、本人が小さいと思っている音でも、他のテントまでよく聞こえることを知らないとは思えない。
それに、どこに行ってもこうやってお気に入りのラジオで周囲に迷惑をかけているのだろうか。これまで注意されたことはなかったのか。
私も結局何も言わなかったから、やっぱり誰からも言われたことがないのかなあ・・・
このラジオの件以外は何の問題もない人だっただけに、とても残念だった。
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テント泊はすこぶる快適である。周囲に迷惑なキャンパーたちがいなければ。
でもたぶん、どこへ行ってもいるんだろうなあ・・・ なんかそんな気がする。
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コメント
ラジオはもしかすると、熊よけだったのかもしれません。もっとも、街も近くて熊が出るとも思えませんでしたが・・・
投稿: Wind Calm | 2018.05.04 20:03