■営巣中のコウノトリが射殺された
島根県雲南市で営巣中のコウノトリのメスが、昨日、猟銃で撃たれて殺されたという(yomiuri.co.jp)。
コウノトリというのは、日本ではほとんど絶滅しかかっていて、さまざまな努力の末、兵庫県の豊岡市で2005年から放鳥が始まった鳥だ。
現在でも、豊岡市(およびその周辺)以外での孵化は2例しか確認されておらず、そのうちの1例の母鳥が殺されたことになる。
「サギを駆除しようとした猟友会員が、田んぼにいるコウノトリを誤射した」(同上)というのだが、サギとコウノトリなど、間違えようがない(サギを駆除することの是非はここでは措く)。
いや、自分がバーダーだからそう言っているのではなく、駆除しようとしていた(おそらく)アオサギとコウノトリとでは色も大きさもぜんぜん違う。
万一、他のサギ(白鷺)だとしても大きさがまったく違うし、白鷺には、コウノトリでは目立つ黒い部分がなく、真っ白である。
百歩譲って、一般人なら見分けがつかないというのは別にかまわないけれど、自分が殺そうとしている鳥の区別もできないような「猟友会員」では本当に困ってしまう。生物を殺傷する武器を実際に使うということを、どんなふうに心得ているのだろう。
こういう人には、馬と鹿との区別もつかないのではないだろうか。
野生と飼育下とを問わず、コウノトリなど、豊岡周辺以外では見ることすらほとんど不可能である。
あのニッポニアニッポン、トキと同様、日本で繁殖していた個体群は絶滅し、現在生息している個体数(飼育下含む)もそれほど違わない(日本に百数十羽(訂正:2017年2月現在、コウノトリは国内に約290羽いるそうです(2017年6月7日朝日朝刊)))といえば、その貴重さもよりわかりやすいだろう。
それをわざわざ撃ち殺してしまうなんて・・・
残念でならない。
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コメント
いやもう全く仰るとおりです、自分は憤りしかありません。
こんな人がシカと間違えてヒトを撃つと思います。
銃を持たせるべきではありません。(`へ´)フンッ
投稿: tanuki | 2017.05.21 07:02
ほんとにそうですね。「生命に対して銃弾を発射していることの自覚」という根本のところでルーズなんだと思います。だからこそ、もっとひどい「鹿や猪と間違えて人を撃ってしまった」というような事故が毎年のように起こっているのではないでしょうか。
投稿: Wind Calm | 2017.05.21 19:54