●今浦島
仕事で兵庫県の姫路市を往復した。
車で行こうかとも思っていたのだが、結局JRを使うことにし、いろいろ「今浦島」な体験をしたので順不同で簡単に記す。
日本で電車に乗ったのは何年ぶりだろう?という感じだ。
もちろん、実際にはそんなことはないのだが(今思い出した。たぶん、一番最近は去年上海に行った際、関西空港までJRに乗ったときだ。バスが遅れるというので仕方なく乗った。)、主観的にはそうだし、神戸や明石や姫路に電車で行ったのは、もしかするとほんとに20〜30年ぶりの可能性もある。いや、もっとかもしれない。
1.大阪駅のホームの一部に柵がついていた。
やっと韓国や中国に追いついてきたわけだが、まだまだ引き離されている。かつて、はるかにリードしていた日本のことを思うと、隔世の感がある。
2.帰りの普通電車が大阪駅を発車するとき、定刻より10秒早くドアが閉まった。
国鉄・JRとしては初めての経験である。大学生のときは国鉄のターミナル駅近くに住んで電車通学していたので、始発電車は秒単位まで正確にドアが閉まっていたのを鮮明に覚えている。時報とともに「プシュー」という感じだった。始発以外はそれほどのことはないが、定刻前にドアが閉まった経験は一度もない。最近はあれがふつうなのだろうか。
3.姫路に向かうとき、上り電車には6〜7分だが遅れが発生しており、乗っていた下りの新快速も2〜3分遅れていた。
毎日のように国鉄に乗っていた大学時代、数分であれ電車が遅れるというのは明らかに異常事態であった。昨今はそんなことはないのだろうか。
4.姫路から大阪まで1時間2分しかかからなかった。
私の知っている新快速の途中停車駅は加古川・明石・三ノ宮だけだったのに、今は西明石・神戸・芦屋・尼崎が増えている。それでいてこの所要時間・・・ 新幹線でも30分かかるのだが。
5.すべての新快速が西明石に止まる。そして、西明石発着の新快速はなくなっているようだ。
それがどうも30年以上前かららしいことにさらに驚く。
6.姫路駅のホームにまだ「えきそば」(その筋では有名らしい)があった。
建物はさすがに、見覚えのあるものではなかった。食べたかったのだが、諸般の事情で見送った。もし食べていたら、おそらく40年以上ぶりだったと思う。このままだと、「半世紀ぶりに食べた」ということになりそうだ。
7.姫路駅の北口を出ると、まっすぐ前に世界遺産:姫路城が見えるのに感心した。
以前からそうだったような気もするが、こういうふうな名所の登場の仕方(東京駅を出ると目の前に東京タワーみたいな)は、日本ではほかにちょっと思いつかない(あ、京都タワーがあった。でもしょぼすぎる)。ドイツのケルン大聖堂など、駅を降りればすぐ目の前に聳えていて、姫路城以上に迫力があるのだが。
8.車内放送がよく言えばちょっと洗練されたものに、悪く言えば無機質なものになっている。
あ、英語のアナウンスまで入っていた。往年の国鉄の独特な節回しのアナウンスを今でも上手に?真似できる身としてはちょっと寂しい。
9.日本人はもっともパーソナルスペースの広い民族(つまりは他人との距離がもっとも遠い民族)の一つだと思うのだが、こと公共交通機関になると、(もちろん仕方なくではあるのだが)他人との距離が俄然接近することに平気なのは不思議だ。
久しぶりに電車に乗ると、見知らぬオヤジがほとんど隙間なく隣に座っていたり立っていたりする気持ち悪さに、かなりの忍耐を強いられる。行くとき最初に乗った電車では、すぐ目の前に母子3人連れがいたのだが、取れない距離を取ろうとして気を遣い、接近しないように体力も消耗した。
慣れてくると、場面に応じて自在に接近許容度を上下できるようになるのだろうが(わたしもかつてはなっていたはずだ)、大した能力である。
10.改札は iPhone をタッチするだけで通れた。
もちろん、事前に準備していたからなのだが、使ったのはまだたぶん2回目である。改札を通るときにはどきどきした。コンビニで Apple Pay(QUICPay) を使うより、はるかに処理が早かった。
番外:姫路駅で乗ったタクシーが、タバコで煮染めたような臭気を発していた。
一台前の古そうなクラウンになるかなと思っていたら、その後ろの新しいカムリ(しかも個人タクシー)になって喜んでいたのだが、一気に地獄に突き落とされた。今どき、あれほどタバコ臭いタクシーがあり得るのだろうか。あそこまで臭いと、不快なだけではなく、ほんとに健康にも悪いような気がしてくる。
タクシーには電車以上に乗らないが、昔のタクシーですら、あれほどはタバコ臭くなかったような気がする。シートをビニールで覆っていると臭いがつきにくいのかもしれない。昨日のはファブリックがむき出しだった。ついでに、帰りの車は芳香剤の臭いがきつすぎた・・・
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次回行くときには、時間もお金もかかっても ─そして環境に悪くても─ やっぱり車にせざるを得ないかなと思ってしまう。
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