2019年1月1日になった。
三浦雄一郎氏(86)が南米大陸の最高峰アコンカグア(標高6962m)への登頂を目指して、明日 日本を出発するという(asahi.com)。
氏は還暦を前にして、暴飲暴食・不摂生から体重は90kgを超え(身長164cm)、血圧も190以上あったそうだ。
狭心症の発作も出て、腎臓も人工透析間近、このままでは余命は3年ないと言われたらしい(smart-flash.jp)。
改心して摂生とトレーニングを開始、65歳の時に70でエベレストに登頂するという目標を立て、世界最高齢登頂記録(当時)を更新した。
その後、75歳、80歳でも登頂したのは有名な話である。
そんな氏ですら、今回のアコンカグア登頂のトレーニングを開始すべく富士山に登った際には、一般登山者の半分くらいのペースでしか歩けなかったという。
筋力は人一倍あるが、心臓に持病もあり、心肺機能の低下は目を覆うばかりだったそうだ(朝日新聞)。
そんな状態からトレーニングを開始して、86歳でのアコンカグア登頂を目指しているのである。
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氏と比較するつもりは毛頭ないが、私は身長180cmで67kg。暴飲暴食とは無縁だし、それほど不摂生とも言えない。
だが、究極に近い運動不足で、血圧高めの脂質異常症を薬で抑えている状態である。
何がきっかけだったか、年末にふと、一般人がキリマンジャロ(5895m)に登ることは可能なのだろうかと調べてみると、決して不可能ということはなさそうだった。
七大陸最高峰(Seven Summits)のうち、オーストラリアのコジオスコ(2228m)は、まあ誰でも登れるし、登っても単なる物好きにしかならない。
次に登れそうなのがアフリカのキリマンジャロだが、特に登山を趣味としてきたわけでもない一般人には、それ以外の5峰はちょっと無理そうだ。
だからといって、
「よし、三浦雄一郎が古稀でエベレストなら、オレは還暦でキリマンジャロだ!」
と勢いよく決心したわけではない。
「やっぱり富士山にしようかなあ・・・」
でも、富士山なら小学生でも登っている。そんなことが目標になるだろうか。
確か父親も、70前くらいにふつうに登っていたはずだ。
かつて、私がまだ不惑くらいのころ、外国人から富士登山に誘われ、とても無理だと断った身としては偉そうなことは言えないのだが、「数年後に富士登頂を目指す」というのは、いかに情けない私としても、志が低すぎると思う。
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誘いを断った時に言われた言葉は、ずっと引っかかっている。
You can't get any younger.(今より若くなることはできないんですよ。)
そう、生物は常に、現在が一番若いのだ。
でも、だからといってこの夏にキリマンジャロに登ることはできない。70を超えた一般人と同じようにすら山道を歩けないのが現状の私だ。
そういえば、23歳の時に仕事で鳥取の大山に登ったのだが、一緒に登った70くらいの大先輩のほうがはるかに健脚で、下山後に「今からもう一度登ってきてもいい」とおっしゃるほどであった。
まあ、富士山は別にして、憧れのアルピニストになって槍や穂高、白馬でも・・・とも思うのだが、仮に可能だとしても、そういうのはやっぱり「目標」にはならない。
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それにしても、夢や目標のない人生だったなあ・・・と思う。
とにかくがんばらないで、まあ自然に手の届く範囲のことしかやってこなかった。
世の中の多くの人もそんなものだろうと自分を慰めるものの、こういうことを言うときに過去形になるのも恐ろしい。
ここは一つ、還暦でキリマンジャロ・・・とも考えるのだが、目標を立てること自体をやってこなかった人生は、一朝一夕で変わるものではない。
まして、そのために努力することなど、できるとは思えない。
それに、仮に達成できたところで、しょぼい目標である。そんなことのために努力できるだろうか。
かといって、立派な目標などとても立てられないし、それを目指すほどの努力は絶対に無理である。
三浦氏がエベレストのために一念発起したように、私のレベルではキリマンジャロのために一念発起が必要だ。
でも、こうして うだうだと書けば書くほど、やっぱり自分にはそれも難しいのがひしひしとわかる。
なんとなれば、「特にキリマンジャロに登りたいわけでもないのだし・・・」と、始める前から言い訳している。
いや、でもまあ、とりあえず、実際どうなるかわからないにしても、「還暦にキリマンジャロ」と唱えつつ過ごす数年と、そうしない数年とでは、少しくらいは何かが違ってくるはずだ。
というわけで、2019年の New Year's Resolution は、「還暦でキリマンジャロに登る*かもしれない*ので、そのために少しずつ体を変えていこう」です(笑)
みなさまのご健康とご多幸をお祈りしております。
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