■飛べるはずだ
ディアゴスティーニが「隔週刊 JAL旅客機コレクション」の発売をはじめたのを知った。
あの「だれが最後まで買うんだろう?」感 満載のシリーズの一環である。
今、Webページを上から下までざっとぜんぶ見たけれど、結局何号まであるのか、ぜんぶ買うといくらかかるのかの情報はない。
それでいて定期購読に誘い込もうと必死である。
申し込んでしまうと、断るのが面倒でずるずると買ってしまう人がいるのを見越しているんだろう。
それでも、この種の定期購読を最後まで続ける人は1割もいないだろうとか言われている。
詳しく調べてみると、第1号が990円、第2号以降が3036円で第80号まで予定しているということなので、ぜんぶ購入すると、値上げがない前提でざっと24万円あまりということになる。
それだけのお金を出すのも、1/400スケールの飛行機を80機もどこに置くのか(冊子もついてくる)も、かなりの問題だ。
それはともかく、ネットで第1号のダイキャストモデル(Boeing 787-9)の評判を見ると、すこぶるよさそうだ。
飛行機好きの端くれとして、990円なら・・・と、第1号だけ購入することにした。
届いた機体は評判に違わずけっこう立派だ。
右水平尾翼下の胴体下部にちょっと塗りムラのようなものがあるが、細部の作りも悪くなく、細かい文字のプリントもしっかりしている。
主脚はちょっと単純すぎる感じがして、車輪も回らないが、このスケールでは仕方ないだろう。
1/400のダイキャストモデルを手にするのは初めてだが、ちょうど手のひらに乗るくらいの大きさで、ずしりとくる重厚感も悪くない。
___
だが、そこで ふと考えた。
「この重さではとても空は飛べないよなあ」
このモデルプレーンが、仮に相当な出力のエンジンでジェット噴射できるとしても、絶対にと言っていいほど飛べないと思う。
この重さで実機の大きさになると、どれくらいの重量になるんだろう?
測ってみると、モデルは152.5gであった。スケールが1/400だから、重量は400の3乗倍、つまり6400万倍になる。
計算すると、9760tだった。
一方、実際の787-9の最大離陸重量(燃料や貨物・乗客満載)は、ボーイング・ジャパンの公式サイトによると、545,000 ポンド(247,208 kg)≒247.2tということなので、このモデルは実際の飛行機よりも40倍近く重いことになる。
「これは飛べない」という私の直感は、当たり前だが正しかった。
そこで、ちょっと気になった。
787-9をこのスケールに落とし込んだ場合、本来のというか、正しい比率の重量はいくらになるんだろう?
247,208 kg の 1/6400万だから、約3.86gということになる。
この大きさ(156.6×153.5×42.3mm)で4g足らず!!!
燃料・貨物・乗客を満載して・・・ですよ。
スリムだが、長さでいえばちょっとした小鳥くらい(スズメより約1cm長い)なのである。
うちの文鳥はスズメより小さいと思うが、それでも20g以上ある。
日本でいちばん小さくて軽い鳥(キクイタダキ)が体長10cmで5gほどと言われている。
その1.5倍の長さで、それより軽いのだ。
なんと、ボーイングの中型飛行機が鳥より軽かったとは・・・
飛べるはずだ。
※(もし計算間違い等あればご教示ください。)
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コメント
飛行機はほんとに軽く作られているんですね。
この話で、学生の頃の材料力学の講義を思い出しました。
自動車などは、金属の強度計算結果に15~20倍の安全率をかけて作る。だから、とても重い。
しかし、飛行機の場合は、そのような計算では重くなりすぎて飛ばない。
そこで、飛行機の場合は、強度計算結果に0.7~0.8倍(定かではありません)をかけて設計する。
つまり、金属の弾性変形領域で設計すると飛ばないので、塑性変形領域まで使って設計する。
昔の飛行機が、空中分解などしたのは仕方ない面があったと思います。
今は、チタン合金や炭素繊維など、重量あたりの強度が高い素材があるので、そうそう空中分解はしないと思いますが、やはり金属疲労は起こるので、点検がとても大事ということだろうと思います。
投稿: iyota | 2019.09.27 18:23
詳しくご教示くださりありがとうございます。
なるほど、そうなんですね・・・
確かに、主翼のしなりを見ていると、怖いくらいに変形していますね。
新素材もいいのですが、歴史の教訓を経ていない分、少し心許なくも感じてしまいます。
まあ、基本的には十分信頼していますけど。
投稿: Wind Calm | 2019.09.28 01:12