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2020.01.31

■入院・手術は月初めに

 歯列矯正の仕上げ?に、上下の顎の骨を切ってつなぎ直すという大がかりな手術を、息子が受けた。

 前日には麻酔科に呼ばれ、全身麻酔で死ぬ可能性について納得した上で、同意書にサインを迫られる。

 いや別に実際「迫られ」たわけではないが、ここまで来てから説明されても、今さら手術しない選択肢はない。

 知人から教えてもらってはいたのだが、手術後は聞きしにまさる悲惨さである。

 当初は、よだれまじりの血が流れ放題(大げさ)、鼻にチューブを入れられて酸素マスクを装着し、手には点滴、トイレにも行けず導尿されている。

 それらが外れても、下半分を中心に顔が腫れ上がった、見るも無惨な痛々しい様相で、ジュース状の食物を注射器で口中に入れるような生活がしばらく続くそうだ。
 腫れが「それなりに」ひいてまともに食事ができるようになるには2〜3か月、完治には年単位の歳月を要するという。

 さらに、手術中に使った薬が眼に入って炎症を起こしているとかで、そんな状態の息子を明日は別の病院の眼科に連れて行かねばならない。
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 それはともかく。

 今回の入院で一つ大失敗したのは、月末に入院・手術を設定したことである。

 入院時に「高額療養費制度」の説明を受け、「ああ、そうだった!」と思い出した。

 仕事関係の会合で「そんな愚かな制度があるんだったら、入院や手術は月初めに限りますね」とか言いながら笑い合っていたのを完全に忘れていた。

 知っていたのに忘れて大損するとは・・・

 みなさまは、今後のためにぜひ覚えておいて、けっして忘れないでください。

 高額療養費制度は、暦月1か月間に私たちが支払う医療費に上限を設けるものだ。一般的な中年以上のサラリーマンなら、だいたい10万円くらいが毎月の医療費支払いの上限になる。

 問題は、それが「暦月1か月」単位だということである。

 息子は2週間程度の入院を予定しているが、これが2月1日からなら、手術や入院に何百万円かかろうと、支払いは10万円程度ですむ。

 ところが、実際には1月末に入院して手術を終えたので、1月分の支払いが10万円、2週間近く入院する2月分の支払いも10万円・・・つごう20万円の支払いになってしまう。

 支払いは倍! 差は10万円!

 受ける治療はまっっったく同じなのに、入院・手術する日が2〜3日違うだけでそうなるのだ。もちろん、1日でもそうなる可能性がある。
 こんな馬鹿な制度設計があるだろうか。

 いつも思うのだが、こういう愚かな制度を作る連中は、なんのために東大を出たんだろう?

 もちろん、急な怪我や病気で入院・手術になる場合に選択の余地はない。
 だが、今回の息子のようなケースでは、少し日程をずらすだけで費用は半額、10万円の節約になる。

 うちは失敗しましたので、みなさまは忘れないでくださいね。

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2020.01.26

■中国の底力?

 うちの比較的近所に、150m(メートル!)に満たない道路を拡幅してまっすぐにするのに、30年以上かかっているところがある。
 私が認識してからすでにそうなので、もしかすると計画から半世紀くらいかかっているのかもしれない。
 それがまもなく完成しそうで、ちょっとうれしい2020年の1月だ。

 日本におけるある種の事業の進み方というのは往々にしてそういうスピードで、昨年だったか、道路拡幅工事に伴うビルの立ち退き交渉が進まないのに業を煮やし、兵庫県の明石市長が「火ぃつけてこい」「燃やしてしまえ」 などと部下を怒鳴りつけて問題になったのも記憶に新しい。

 そういう国に住んでいると、中国のスピード感には啞然とさせられることがある。

 新型のコロナウイルスに伴う肺炎が問題になっている中、1000人が入院できる病院をわずか10日で建設するというニュースが流れたときには耳を疑った。

 「まあ、白髪三千丈の国だからね・・・」というありきたりの感想が浮かんだのだが、なんと、10日間というのは単に希望的観測というわけではなく、現実に「2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染者が急増した際にも、北京郊外にわずか1週間で新病院を建設して対応した例がある」(AFP)というのだ。

 蠢いているとしか表現しようのないショベルカーが広い大地に蝟集している映像を見ると、そんなことも可能かもしれないという気がするからおそろしい。

 そうはいっても、1週間でコンクリートがちゃんと固まるのかと思ったが、軽量鉄骨のプレハブを地面の上に置くだけとかかも・・・と思い直した。
 いやしかし、たとえそうでも、10日間で1000床の病院を建設するとは、やはり常軌を逸している。

 以前、日本の数十倍ともいえる速度で新幹線網が整備されつつある中国に驚いた話を書いた

 いくら独裁体制で工事がやりやすいとはいえ、この種の底力?にはやはり恐れ入る。

 さらに驚いたのは、今回の新型コロナウイルスに関する(ちゃんとした)報告や論文が、すでに10報以上発表されているらしいことである。
 臨床医だけではなく研究者も、春節を返上してものすごい勢いで仕事を進めているのだ。

 こんなことが可能な国は中国をおいて他にないといっても過言ではないと思う。そしてその仕事は、独裁体制だから可能だというわけではない。

 また、これは中国とは関係ないが、The Lancet のような評価の高い医学雑誌が、これほど早く査読を終えて論文を掲載できるというのも信じられない。
 例えば日本に、そんなスピード感のある学術誌が存在するだろうか。

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 言うまでもなく、中国はいろいろと問題の多い国だ。特に政府はそうである。

 今回の武漢封じ込めを見ていても、「よくもまあ、これほどの強硬手段をこれほど即座に発動できるなあ」と感心してしまう。もろもろの自由を奪われた人たちは気の毒だが、こういう危機に対処するには、確かに強権的な政府は有効な場合もあると認めざるを得ない。

 だが、それは別にして、中国という国の、あるいは中国の人たちの持つパワーとスピードには、あきれながらも素直に敬服させられてしまう。

 少なくともここ二十年くらいの私自身は、いやいや、まあまあ、ぼちぼち・・・とつぶやきながら、のんびりとやる(あるいはむしろやらない)のが好きなんだけれど。

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2020.01.01

■2020年初春によせて? ──Ghosn with the Jet

 あけましておめでとうございます。
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 2010年の時にも同じようなことを書いたかもしれないが、まさか2020年が来るとは思っていなかった。

 これが2000年なら、「どんな未来になっているんだろう?」と、子どものころからいろいろ想像をめぐらせていたのに。

 2000年には、空飛ぶ車で街を飛び回ったり、どこか月以外の天体に出かけたりしているはずだったのだが、2020年になっても、とんとそんな気配はない。
 ライト兄弟が砂浜でたった数百メートルの飛行に成功してから、人類が月に降り立つまで、わずか66年しかかかっていないのだが、それから50年以上経った現在でも、人類は火星にすら到達できていないのだ。

 予想されていなかった?未来としてドローンのようなものがあるが、機械工学的な進歩は、何らかのブレイクスルーがない限り、なかなか難しいだろう。

 一方で、電子工学的な、あるいは情報工学的な進歩は凄まじく、昔は誰も未来として想像していなかったインターネットの存在は、われわれの生活だけではなく、地球そのものも変えたし、今後さらに変えていくと思う。
 ドローンを可能にしたのも、機械的な進歩というよりは、姿勢制御に関する情報処理技術である。

 年末に、竹宮恵子の『地球へ』を読み返していると、自由な星間旅行を実現しているほどの設定で、コンピュータの描写が、まだ磁気テープリールや紙の穿孔テープなのには驚いた。そちら方面に想像力を発揮するのはそれほど難しいということかもしれない。

 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が描いた未来は、すでに5年前の2015年だと思うが、そこに描かれているテクノロジーが現在でもほとんど実現していない一方、まったく描かれていなかったインターネットは、2000年にはすでにかなり普及していた。
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 こんなことを書こうと思って書き始めたのではなかった。

 この年末年始最大のニュースは、何と言ってもカルロス・ゴーン被告の海外逃亡だと思う。

 そう思っていたら、新聞の一面トップは、統合型リゾート(カジノ)事業をめぐって、既に逮捕されている秋元司容疑者以外に、5人もの国会議員に現金の賄賂が贈られていたというニュースで、これはこれであきれ果てるしかなかったのだが。

 さて、ゴーンである。

 すでにいろんな人がいろんなことを言っていると思うのだが、やはり少しは言っておきたい。

 まず、彼のような被告人が海外逃亡するというのは、許されざるものであるということは最初に確認しておく。

 その上で、こういう形で日本の司法制度が海外から注目され、批判されるのは悪いことではないと思う。
 長年、国連や先進諸国から「中世の暗黒裁判のようだ」と改善を求められてきた日本の人質司法がひろく白日のもとにさらされて、一般にもその異常性が知られるのは、こんな機会をおいてない。
 国際的な批判をかわすためだろうか、せっかく異例の保釈をしたのに、その被告人に逃げられたのは何とも皮肉なことではあるけれども。

 次に、国としては15億円もの収入(保釈金の没収)があってよかったのではないかと思う。
 手間暇かけてゴーンを裁いて刑務所に入れても、経費がかかるだけである。逆に15億もうかったと考えた方がいいのではないか。こんなことなら50億とか100億とかにしておけばよかったのに、という気すらする。

 逆に感心しないのは、お金と人脈があれば、ゴーンほどの目立つ有名人でも簡単に国外逃亡できたという事実である。
 いちおうは平等や公正や正義が損なわれていないとされる国においてすら、刑事被告人の沙汰が金次第というのは、いかにもまずい。
 少々の罪を犯しても、結局はカネと人脈で何とかなる、あるいは、カネがそれほどなくても権力と人脈でなんとかなるというのは、この国を深く蝕んでいる病巣みたいなものだと思うのだが、国家側でもその反対側でもそれが同じなのだと思うと、それらを持たない者としてはなんともやりきれない。

 最後に・・・

 これはまあ冗談みたいなものだが、今回もっとも可哀想なのは、正月休みがなくなってしまった関係者だろう。
 当事者にとってはたぶん笑いごとではない。特に検察関係者などが「ゴーン憎し」とさらに燃えるのは避けられまい。

 だがまあ、日本が犯罪人引渡条約を結んでいる国が2つしかない以上(ほんとなのかな?)ゴーンほどのカネと人脈を持った者が国外に逃亡すれば、もはや日本の司法の出番はないだろう。
 外交力の乏しさは言うまでもない。

 正月返上の奮闘も、おそらくは無駄になる。お気の毒に。
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 末筆ながら、本年もみなさまのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

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